21:57:43(rapunzel ) ――ジーザスが電話に出てる、欲しい物を言ってみな。 21:57:43(rapunzel ) ――RY COODER JESUS ON THE MAINLINE. 21:57:43(rapunzel ) 21:57:43(rapunzel ) 「さあ、改めて問おう。君は――何を望む?」 21:57:43(rapunzel ) 21:57:43(rapunzel ) 「悪い領主を倒すため、龍に力を借りた女の子は黒騎士との試合を申し込んだのよ。 21:57:43(rapunzel )  でもね、悪賢い黒騎士は娘の企みを見抜いていたの。 21:57:43(rapunzel )  騎士は龍が光と影の境にしか潜めないことを知っていて―― 21:57:43(rapunzel )  試合の時間を夜と決めたのね。さめざめと泣く娘に龍は言いました。 21:57:43(rapunzel )  『案ずるな娘よ、彼奴(あやつ)はなるほど頭の切れる奴ではあるが―― 21:57:43(rapunzel )   夜にも影のできぬことはないのだぞ』」 21:57:43(rapunzel )   21:57:43(rapunzel ) 「教えて。――あの人が神でないのなら、神様はどこにいるの?」 21:57:43(rapunzel ) 「神様は……なにをしてるの?」 21:57:43(rapunzel )   21:57:43(rapunzel ) 「やっと役者が揃いぶみか。意外と遅かったな。……さあ、新世界交響曲を聴かせてくれたまえ 21:57:43(rapunzel ) 」 21:57:43(rapunzel ) 21:57:43(rapunzel ) 「……逃がすな。皆殺しだ。全て消せ!」 21:57:43(rapunzel ) 21:57:43(rapunzel ) 21:57:43(rapunzel ) 【魔都物語 -darker than darkness-】 21:57:43(rapunzel )     〜「奇跡の書」〜 21:57:43(rapunzel )   21:57:43(rapunzel )   21:57:43(rapunzel )   21:58:27(rapunzel ) 《導入》 ある少女の物語 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) "村人達"が見守る中、制裁は執行された。 21:59:01(rapunzel ) 「母さん……母さん、母さんッ!」 21:59:01(rapunzel ) 少女の叫びはむなしく、少女の母の身体に1秒あたり60発の銃弾が食い込む。 21:59:01(rapunzel ) なおも母を呼ぶ少女に、“壬生”――(MIB)と呼ばれる黒服の男の1人は顔を殴り、 21:59:01(rapunzel ) 少女が倒れてもなお、腹部に連続して蹴りを入れる。少女はただ、泣き続ける。 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) 「……先月。新宿区役所の幹部役員が、月の無い夜に乗じて奇襲され、殺されました。当局は首謀者がこの村の出身である――と断定しました。それゆえに、捜査が我々に一任されたというわけです」 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) 顔の左半分を隠すかのようなストレートのロングヘア。サングラス。黒のスーツ。 21:59:01(rapunzel ) 超高級ブランドばかりの服装、装飾。 21:59:01(rapunzel ) 存在しないはずの内閣調査室特務二課を束ねる無慈悲な女王。 21:59:01(rapunzel ) ――“内閣調査室特務二課課長”こと、鳴海沙絵子は。 21:59:01(rapunzel ) サングラスの位置を片手で修正しつつ……"村人達"に、告げた。 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) 「以前にもこの"村"は、不穏分子を出したことがあります。それはまあ、良いでしょう。しかし、すみやかに本件を解消したい――という心は、私も貴方達も同じであると信じています。捜査には是非協力をお願いしたいものです」 21:59:01(rapunzel )   21:59:01(rapunzel ) "村人達"は、知っていた。彼等が殺すのは、誰でも良かったのだと。 21:59:01(rapunzel ) 辛いだろうが、諦めるしかない。頭を下げていれば、いずれ嵐は去るだろう。 21:59:01(rapunzel ) 第13管轄区。政府主導による鬼の隔離施設のうちの1つ。――通称、隠れ里、もしくは、“村”。 21:59:01(rapunzel ) 「……どう、して、だれ……も。誰も、母さんを、助けようとしてくれなかったの」 21:59:01(rapunzel ) 壬生や、"村人達"が去った後。地面に倒れた少女は、口の端から血を流したまま、天を呪った。 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) 21:59:01(rapunzel ) 22:00:12(rapunzel ) 《導入》 箒木の物語 22:00:51(utai )  世界は光と闇で出来ている、と誰かが言った。 22:00:53(utai )  とかく闇は悪しきものとされるが、ほんとうに、世界は人間ごときが考えるような善悪に塗り分けられるものなのだろうか。 22:00:56(utai ) ―――とはいえ。暗い淵にへばりつくように、悪しきものがしばしば闇を住処とすることは紛れもない事実であったが。 22:00:58(utai )  新宿・繁華街。 22:01:00(utai )  独りの男が、逃げていた。 22:01:02(utai )  男はあまり真っ当といえない職についていた。 22:01:03(utai )  およそ「犯罪」と呼ばれる全ての行為に手を染めながら、この世の春を謳歌していた。 22:01:05(utai ) ―――それなのに。 22:01:22(utai ) その日、男が部屋に帰れば……彼の仲間も、愛人も。全てが皆殺しにされていた。 22:01:39(utai )   22:01:43(utai ) そして、そこにそいつがいた。 22:01:45(utai )   22:02:20(utai ) 左手に大きなランタン、右手に包丁。目深にフードを被った、黒いコート。 22:02:22(utai )   22:02:26(utai ) 叫んで、逃げた。 22:02:40(utai ) 逃げて逃げて逃げて逃げて―――! 22:02:43(utai )   22:02:55(utai ) でも、そいつは、逃げた先の裏路地に、待ち構えるようにして、立っていた。 22:02:57(utai )   22:03:19(utai ) 箒木「………恨み、はらさせましょう」 22:03:20(utai )   22:03:43(utai ) ずぶり、と。男の胸に包丁が突き刺さり―――幸運なことに、男の痛みはそれが最後だった。 22:03:45(utai )   22:04:09(rapunzel ) 最後の部分で、強制演出停止をGM権限にておこないます 22:04:21(rapunzel ) 男の胸に、包丁が突き刺さる、まさにその時。 22:04:43(rapunzel ) 22:04:43(rapunzel ) 箒木は、見てしまった。 22:04:43(rapunzel ) "それ"は確かに、闇が、質量をもっていた。 22:04:43(rapunzel ) 22:04:43(rapunzel ) 例えるなら、文字通り刹那の瞬間だった。 22:04:43(rapunzel ) 箒木(ほうきぎ)が今まさに殺そうとしていたエモノは。 22:04:43(rapunzel ) 完全に横取りと言える形で、黒い……闇よりもなお黒き龍に、一瞬で殺された。 22:04:43(rapunzel ) 影の龍。シャッテンドラッツェ、と呼ばれる"それ"。 22:04:43(rapunzel ) 否。正確ではない。 22:04:43(rapunzel ) 概念存在、夜の闇を渡る者。 箒木以外の、"それ"は。 22:04:43(rapunzel ) 決して、相容れない。見た瞬間、消さなければならない。 22:04:43(rapunzel ) 同族嫌悪などという安易な一言では決して表現しきれぬ、"それ"。 22:04:43(rapunzel )   22:04:43(rapunzel ) そう。確かに見てしまったのだ。箒木は。 22:04:43(rapunzel ) 22:05:18(rapunzel ) そして。影の龍。シャッテンドラッツェは、闇に。影に潜り。――消えた。 22:07:10(utai ) 箒木「………獲物、足らんかなあ……」ランタンの灯火が、強くなる。ぱちぱちめらめらと薪のような音を立てて、男の屍が灰になっていく。 22:08:03(utai ) 箒木「……お仲間……に、しちゃあなあ。あれはなあ………」 22:09:00(rapunzel ) 月はただ。箒木を。そして、新宿を、照らしていた。 22:10:51(utai ) 箒木「……やれやれ。あの“黒いの”相手にコトを構えるのは何とも……ぞっとしない。怖や怖や」 22:11:25(rapunzel ) /箒木の顔は、しかし。鮫のような笑みを浮かべ。 22:12:33(utai ) /夜に飛び、野犬など物の数に入れない赤黒い鴉どもが……恐怖の鳴き声をあげた。 22:12:48(rapunzel )   22:12:48(rapunzel )   22:12:49(rapunzel )   22:13:21(rapunzel ) 《導入》 円部理緒の物語 22:14:21(rapunzel ) 「その本。全ての望みをかなえる"奇跡の書"。それが、盗み出されてしまいましてね。 22:14:21(rapunzel )  早急なる捜索と……奪還。それが今回、貴方に願うことです」 22:14:21(rapunzel ) 誰もいない教会の中。神父は確かに、そう告げた。 22:14:21(rapunzel ) 円部理緒。新宿に生きる者に、そう告げたのだ。 22:15:17(EMBRYO ) 「…人はパンのみに生きるにあらず…ですねぇ…」ぽそりと呟く 22:15:30(EMBRYO ) 別に其の本に興味を覚えたわけではない 22:15:48(rapunzel ) 神父「奇跡の書などと、とんでもない。確かに、ある側面では望みを叶えるものでしょう、しかし……」 22:16:19(EMBRYO ) 「しかし?」眼鏡を指で押し上げながら続きを促す 22:17:08(rapunzel ) 神父「……多くの者が、すべからく願うのは、残念ながら。この現代においてなお、滅びと死。それが大半です」 22:17:31(rapunzel ) 神父「それは果たして。奇跡の書と、呼べるものなのでしょうか」 22:18:13(rapunzel ) 神父は、ため息をつく。 22:18:18(EMBRYO ) 「しかし、大半以外の人間は別の物を望む…」 22:18:43(EMBRYO ) 「其の中に…本当の奇跡とやらが転がっていてもおかしくは無い…」つと、ステンドグラスに目をやるように遠くを見る 22:18:53(rapunzel ) 神父「――業の深い本です。封印しておくのが精一杯だった。しかし、盗人は、容易く……それを手にした」 22:19:12(utai ) /そこには、隠し切れない後悔の表情がある。 22:20:04(rapunzel ) 神父「……ありえない。あり得ないはずなのです。本来なら。あの、多重の封印結界をとくなど、"この世の誰にも"できはしない」 22:20:05(EMBRYO ) 「まぁ、何れにしても仕事とあれば取り戻すだけです…」 22:20:34(EMBRYO ) 「神父…この町は…この世ではないのですよ?」 22:20:42(rapunzel ) 神父「……円部さん。お願いします。我々には、もう、貴方を頼るしかない」 22:21:30(rapunzel ) 神父「そういえば。嫌な噂を、聞きました」 22:21:55(EMBRYO ) 「どの様な?」 22:22:14(EMBRYO ) 其の目はまっすぐに神父を見る 22:22:34(rapunzel ) 神父「壬生の連中の動きが激しい。露骨なまでに、尋問を繰り返したりしているようです」 22:23:15(EMBRYO ) 「…成るほど…其れは良い情報です」口の端に薄く笑みを浮かべる 22:23:46(rapunzel ) 神父「お気をつけ下さい。彼等は――“新宿”を否定しようとしているようにしか、見えない」 22:24:40(EMBRYO ) 「まぁ、否定するならするで結構…否定するならば此方は抗うだけですからね」 22:25:41(EMBRYO ) 「では、また後ほど・・・」そう告げると神父に背を向け…歩き出す 22:27:18(utai ) /別れを告げるように、鐘楼の鐘が鳴った。 22:27:42(rapunzel )   22:27:43(rapunzel )   22:27:43(rapunzel )   22:28:20(rapunzel ) 《邂逅》 22:28:41(rapunzel ) 夜の街を、1人の少女が、ふらふら、ふらふらと、歩いていた。 22:28:56(rapunzel ) 足取りはおぼつかず、視線すらさだかではない。 22:29:06(rapunzel ) 当然。チンピラ達は、目をつける。 22:29:34(utai ) /少女の頬は酩酊したかのように赤くなっていた。チンピラたちには熟れた果実のように見えただろう。 22:29:38(rapunzel ) ちんぴらA「……あん時のリーマンの顔ったら無かったぜ?信じられねえ、って顔してぶっ倒れてよお!」 22:29:52(rapunzel ) ちんぴらB「おい、おい。見ろよアレ」 22:30:14(rapunzel ) 少女とチンピラ達の視線が交錯する。少女は、微笑を浮かべる。 22:30:40(utai ) /ちんぴらC[ 22:30:52(rapunzel ) 少女「……こんばんは、お兄さん達。素敵な夜ね」 22:31:23(utai ) /ちんぴらC「ああ、全く。姉ちゃん、俺たちと遊ぶかい?」 22:31:50(rapunzel ) ちんぴらA「ハハハ、こいつおつむのネジが緩んでるんじゃねぇの?」 22:32:01(rapunzel ) ちんぴらB「構うこたぁねぇ、愉しもうぜ」 22:32:17(EMBRYO ) /チンピラD「緩んでるくらいがちょうどいいんじゃねヵよ?やった後バラシテ売り飛ばしちまおうぜ?」 22:32:28(rapunzel ) チンピラC「ははは、そいつぁいい!お嬢ちゃんもそう思うだろ?!」 22:32:37(rapunzel ) 男の1人が、少女に手をかける。 22:32:46(rapunzel ) 少女「――本当に、素敵な夜」 22:32:54(utai ) /ちんぴらB「バラすなよ……鮮度保つの大変なんだぜ………って!?」 22:33:04(rapunzel ) 影が。影が、浮かび上がった。 22:33:14(rapunzel ) 闇が質量を伴い、形作る。 22:33:30(rapunzel ) 少女「――お前達の、"最後の夜"」 22:34:40(utai ) /“それ”が、赤い目を見開いて、いまだに何が起こったか理解していない人間どもを一瞥する。 22:35:05(rapunzel ) 少女「さあ、シャッテンドラッツェ。ここが貴方の"餌場"よ」 22:35:25(rapunzel ) ちんぴらA「……ひゃっ、まっ、待て、待ってくれ、うわあ」 22:35:54(rapunzel ) 少女「――"喰らいなさい"」 22:36:19(rapunzel ) ちんぴらD「あっ、待っ、やめ……!」 22:36:22(utai ) /少女は、砲撃命令を下す指揮官のように……手を振り上げ、下ろした。 22:36:46(rapunzel ) 風が。風が吹く。 22:36:56(rapunzel ) 血のにおいが、満ちていく。 22:36:59(utai ) /肉が潰れ、骨がひしゃげ。悲鳴と絶叫が……即興の戦場音楽を作り、そして消す。 22:38:01(EMBRYO ) /そして風が過ぎ去った其の場に立っているのは…少女だけ… 22:38:29(rapunzel ) 少女はふらふらと、歩いていく。 22:39:03(rapunzel ) ふと。少女が、地面に目をとめる。 22:39:16(rapunzel ) 恐らくそれは、チンピラの1人がアクセサリーとして身につけていたものだろう。 22:39:40(rapunzel ) 十字架が。イエス・キリストを掲げた銀の十字架が、地面に落ちていた。 22:40:12(rapunzel ) 少女「――奇跡なんて、あるわけない」 22:40:42(rapunzel ) 少女「そんなものがあるのなら、母さんは死にはしなかったもの。そうでしょ?神様……!」 22:40:51(rapunzel ) 少女の声が、一段と大きくなる。 22:41:01(rapunzel ) 少女「聞いてるの?!」 22:41:06(utai ) 箒木「――――それは、賛同できかねますなあ」 22:41:19(rapunzel ) 少女「貴方は何のためにそんなところに引っかかっているのよ!」 22:41:30(rapunzel ) その声に。少女が、振り向く。 22:42:00(rapunzel ) 少女「――あなたは、だあれ?」 少女が微笑む。 22:42:24(utai ) 箒木「………お初にお目にかかります、お嬢様。わたくし、箒木、と申します」青白く光るランタンを提げた、黒いコートの人影。 22:42:53(utai ) /闇夜を蒼く青く染め上げ―――影が、消えていく。 22:42:59(rapunzel ) 白いブラウスに、黒のロングスカート。 22:43:10(rapunzel ) 少女は胸元から、眼鏡をとりだし、無造作にかける。 22:43:21(rapunzel ) どこにでもいる。いや、こんな美少女は、滅多に見ないだろう。 22:43:57(rapunzel ) そんな、一見では、"普通の少女"は、眼鏡の奥の瞳を、細める。 22:44:43(rapunzel ) 少女「……ごきげんよう」 少女は微笑み、スカートのすそを持ち上げ……足を軽く重ね、一礼する。 22:45:04(rapunzel ) それはまさしく、優雅な……次の瞬間から、箒木とチークダンスでもはじまるかのような。 22:45:08(rapunzel ) そんな、御辞儀だった。 22:45:27(utai ) /箒木「ごきげんよう。いや、見事なお手並みでしたな。わたくし感服いたしました――――“あれ”の仕込みでなければ、もっとよかったのですが」 22:46:35(rapunzel ) 少女「恵那。恵那と、申します。箒木さま」 22:48:27(utai ) 箒木「良い名ですな。……親御様の心が見えるようです」 22:49:07(EMBRYO ) /親御様…其の言葉にぴくりと少女の肩が震える 22:49:08(utai ) /親と聞いて、恵那の目の奥が、一瞬煮えたぎるタールのようにドス黒く濁る。 22:49:34(rapunzel ) 恵那「非道な領主と、配下の黒騎士から村の娘を救うために、戦いを挑む影の龍の物語――ロマンチックな、童話。ご存じですか、箒木さま」 22:50:29(utai ) 箒木「寡聞にして存じませんなあ………」 22:50:42(utai ) /風が、ひときわ強く吹く。 22:51:06(rapunzel ) 恵那「散歩に。ちょっとした散歩に、参りませんか。箒木さま」 22:51:37(utai ) 箒木「お付き合い致しましょうか」 22:52:31(rapunzel ) 恵那「……ふふ。では、エスコート願えますかしら、"黒騎士"さま」 22:53:08(utai ) 箒木「騎士だなどと……とんでもない」わずかに、ほんのわずかに、声に怒りが混ざる。 22:53:35(rapunzel ) /恵那は、そう言って。箒木と、腕を組む。邪気はなく。ただ、そうしたいだけ、と言わんばかりに。 22:54:18(EMBRYO ) /夜の新宿…相対する者は数あれど、此処まで危険といわざるを得ない二人は居なかろう… 22:54:30(rapunzel ) 恵那「――新宿区役所。ご存じですか?」少女は、微笑む。 22:54:57(utai ) /箒木「ああ……二度三度、務めで」 22:55:44(utai ) 表情は変わらない。元々、顔など殆ど見えない。 22:56:36(rapunzel ) 恵那「良かったら、どうです?――世界を蹂躙しようとする狼達の末路を見に。終わりの始まり。獣達を駆逐するための。ここに、新宿に居座る狼ども」 22:56:57(utai ) 箒木「困りますなあ―――何とも、困ります」 22:56:59(rapunzel ) 恵那「みんな、みんな――全てを、地獄の釜に、叩き込むために」 22:57:45(rapunzel ) 恵那「困る――のですか、箒木さま」 22:57:48(utai ) 箒木「……地獄の釜の底では、あまりに面白みがない。何よりわたくしの出る幕がない―――」 22:58:29(rapunzel ) 恵那「第13管轄区、という言葉を聞いた事がありますか」 22:59:20(utai ) /箒木「ええ。よぅく存じておりますとも。幾度となく文を戴き……可能な限り望むように致しました」 22:59:48(rapunzel ) 少女の微笑みが、一瞬だけ、止まる。しかし、それはすぐに再開し。 23:00:38(rapunzel ) 恵那「……順番が、ありますの。先に、新宿区役所(あちら)。その後で、箒木さま(こちら)」 23:00:46(rapunzel ) 恵那「私は、そう……願います」 23:01:19(rapunzel ) 腕を組んだまま。白いブラウスに黒いスカートの、古めかしい印象すら抱かせる眼鏡少女は……微笑んだ。 23:01:46(utai ) 箒木「はっは………ああ、そうだ。………あの伊達 23:02:00(utai ) /箒木「はっは………ああ、そうだ。………あの伊達男に、貴方は何度会われました?」 23:02:45(rapunzel ) 少女「……伊達男、と申されましたか。それはもしかして、」 23:03:14(rapunzel ) 恵那「“奇跡の書”を私にくれた、あの御方のことでしょうか」 23:03:24(utai ) 箒木「ええ。会われたのでしょう?あの良く笑う男――――」 23:04:07(rapunzel ) 恵那「よく。ええ、よく覚えております。会ったのは1度きりですが。彼の台詞は、全て」 23:04:11(rapunzel ) 遠くを見る。 23:04:15(rapunzel ) 満月が、綺麗だ。 23:04:50(rapunzel ) 少女は。恵那は、空いている片方の手を伸ばす。月を掴むように。 23:05:44(utai ) 箒木「月に手が届けば。それは人で無くなった証といいます」 23:06:07(rapunzel ) 恵那「『膿と汚穢の中に蠢くこの世界で、貴女の涙は唯一の価値あるものだ。よろしい、ならば君に与えよう。邪悪な黒騎士を打ち倒す――影の龍を』」 23:06:21(rapunzel ) 箒木の台詞を聞きつつ、恵那は。 23:06:40(rapunzel ) あの御方の口まねを、まるで学芸会の演技のように――つぶやいた。 23:08:05(utai ) 箒木「では………このあたりでわたくしは失礼いたしましょう」するり、と。最初から腕を組んでいなかったかのように、離れた。 23:08:40(rapunzel ) 恵那は、箒木に一礼する。小さく、「ありがとう」と、呟く。 23:09:35(rapunzel ) 歩く。あるく。アルク。 少女は、歩く。 23:09:47(rapunzel ) 月の下。新宿区役所へ。不夜城へと。 23:09:53(rapunzel )   23:09:53(rapunzel )   23:09:53(rapunzel )   23:10:30(rapunzel ) 新宿区役所前。 23:10:46(rapunzel ) 新宿がいつの頃からかおかしくなってから、ここは24時間シフトとなっている。 23:11:01(rapunzel ) 不夜城新宿に相応しい場所。 23:11:07(rapunzel )   23:11:32(rapunzel ) 白のブラウスに、黒いスカートの少女と。 23:11:56(rapunzel ) 顔の左半分を隠すかのようなストレートのロングヘア。サングラス。黒のスーツ。妖艶なブランドのスーツを美麗に着こなした女と。 23:12:35(rapunzel ) 盲目的に、女に付き従っている、黒いスーツ、サングラスの男達――壬生。 23:12:42(rapunzel ) 奇妙な風景だった。 23:12:52(EMBRYO ) /「…」其れを横で見つつ事の成り行きを見守る風体の上がらない男 23:12:57(rapunzel ) まるで、たった1人の少女に、しかし怯えるように。 23:13:18(rapunzel ) 壬生とよばれる、黒き男達は、たった1人の少女を、取り囲んでいる。 23:14:34(utai ) 円部の背後に、ぼんやりと青白い光が灯り、そして……彼の背中を叩くものがいる。 23:15:08(EMBRYO ) 「…何用ですか?」ほう…とため息をもらす 23:17:14(rapunzel ) 恵那「――邪魔です。どいて、いただけませんか」 少女は、妖艶な女性に、言い放つ。対し、女性は、腕組みをしたまま、少しだけ、サングラスの位置を直して。 23:18:52(rapunzel ) 沙絵子「見つけたわ。第13管轄区、鬼の隔離施設の少女――恵那」 23:19:41(utai ) /恵那「いいえ―――探していたのはこちらの方です、ひとでなしども」 23:20:22(rapunzel ) ――“内閣調査室特務二課課長”こと、鳴海沙絵子は。嘲るような、高圧的な笑みを浮かべ。 23:21:30(rapunzel ) 沙絵子「ひとでなし、ですか。いいでしょう。あまんじて受けます。……何しろ貴女は、第13管轄区の最後の生き残りなのですから」 23:21:40(rapunzel ) その言葉に、少女が凍り付く。 23:22:02(rapunzel ) 恵那「……殺したと。殺したと、いうの。何もしてない、"私たち"を」 23:22:28(rapunzel ) 沙絵子「仕方ないでしょう?だって……"貴女が、逃げ出した"のだから」 23:23:24(rapunzel ) 恵那「……母さんだけでは、飽き足りず……"村"ごと、殺したと、いうの」 23:23:38(rapunzel ) 恵那の身体が、脱力する。座り込む。 23:24:01(rapunzel ) 新宿区役所前。少女は、黒いスカートを地面に花のように咲かせて。 23:24:09(utai ) /恵那「…………も…………くも……よくも………よくもよくもよくも!」 23:24:31(utai )   23:24:40(utai ) 「シャッテンドラッツェ!」 23:24:42(utai )   23:24:53(utai ) 「 焼 き 払 え ! 」 23:24:59(rapunzel ) ――闇が。質量をもった。 23:25:24(EMBRYO ) /そして…風が吹く…一陣の風が…黒き風が… 23:25:26(rapunzel ) 黒き龍。それが。恵那の背後に、出現する。 23:25:41(rapunzel ) それは、恵那の所持している小さな本にしか見えなかった。 23:25:46(rapunzel ) 確かに最初はそうだった。 23:25:53(rapunzel ) "しかし"。 23:26:05(rapunzel ) もうそれは、小さな本ではない。 23:26:11(rapunzel ) 奇跡の書、などではない。 23:26:35(rapunzel ) 概念存在。夜の闇を渡る者。 23:26:44(rapunzel ) ――闇の龍。シャッテンドラッツェ。 23:27:03(rapunzel )   23:27:09(rapunzel ) 炎が。一閃した。 23:27:20(rapunzel ) 壬生達「来るぞ、構えろ!撃て!」 23:27:33(rapunzel ) むなしく。叫びはあまりにむなしく。 23:28:02(utai ) /――――そう、鉛の弾が、影に何か影響を及ぼせるとでもいうのだろうか? 23:28:09(rapunzel ) 壬生達「どうしてだッ?!どうしてくたばらないんだッ?!何百発も撃ち込んでいるのだぞ!」 23:28:29(rapunzel ) 消えていく。壬生達が消えていく。 23:28:40(rapunzel ) シャッテンドラッツェの、黒き吐息を受け。 23:28:55(rapunzel ) 文字通り、灰燼と化していく。 23:29:27(utai ) /その様子を少し蒼ざめた顔で眺める理緒の肩を……叩くものがいた。 23:30:13(utai ) 箒木「……や、お久しゅう」 23:30:13(EMBRYO ) 理雄「…何用ですか?」 23:30:50(utai ) 箒木「……少うしばかり、殺し合いに」 23:31:08(EMBRYO ) 「…そうですか」 23:31:18(EMBRYO ) 理雄「そうですか…」 23:31:49(rapunzel ) 沙絵子「陰陽の間に生を成す怪。曰く、影の龍(シャッテンドラッツェ)――か」 23:32:11(rapunzel ) 届かない。確かに、龍の吐息は、沙絵子を直撃しているのに。 23:32:17(rapunzel ) "届いていない"。 23:33:04(rapunzel ) この世でもっとも鋭い刃。 23:33:27(rapunzel ) 次元刀。その力は、そう呼ばれている。 23:33:41(rapunzel ) 沙絵子は確かに、腕組みをしたまま、一歩たりとも動いていないというのに、 23:34:06(rapunzel ) 周囲の壬生達が灰燼と帰す中、不思議なぐらい無傷のままで。 23:34:17(rapunzel ) ――無傷のまま、沙絵子は立っていた。 23:35:37(rapunzel ) 沙絵子「この世に仇をなす、第13管轄区の鬼を、皆殺しにする。――貴女は、その、最後の……1人」 23:36:37(rapunzel ) 恵那「……悪い領主を倒すため、龍に力を借りた女の子は黒騎士との試合を申し込んだのよ。でもね、悪賢い黒騎士は娘の企みを見抜いていたの。騎士は龍が光と影の境にしか潜めないことを知っていて――試合の時間を夜と決めたのね。さめざめと泣く娘に龍は言いました。『案ずるな娘よ、彼奴(あやつ)はなるほど頭の切れる奴ではあるが――夜にも影のできぬことはないのだぞ』」 23:37:51(rapunzel ) 沙絵子は、なんら変わらぬ、嘲るような笑みを浮かべる。 23:38:30(rapunzel ) 沙絵子「お笑いね。こんな子供騙しの憎悪では――闇の扉を開くことすらかなわまい」 23:39:22(rapunzel )   23:39:22(rapunzel )   23:39:27(rapunzel ) 遠く。遙か遠く。 23:39:52(rapunzel ) 新宿にそびえる、新都庁の"一番上"に。 23:39:56(rapunzel ) その男は、立っていた。 23:40:11(rapunzel ) ??「やっと役者が揃いぶみか。意外と遅かったな。……さあ、新世界交響曲を聴かせてくれたまえ」 23:40:34(rapunzel ) まるで月光を具現化したかのような。 23:40:48(rapunzel ) 美、という名にふさわしい男が。そこに、立っていた。 23:40:49(rapunzel )   23:40:50(rapunzel )   23:41:06(rapunzel ) 《狂演》 23:42:06(utai ) 箒木「キルゾーンに踏み込むにはもう一押しが足りませんなあ」 23:42:30(EMBRYO ) 理雄「なら後押ししてやれば如何です?」 23:42:39(utai ) 箒木「どちらを?」 23:42:48(rapunzel ) 恵那と。沙絵子と。箒木と。……そして、理雄。 23:43:02(EMBRYO ) 理雄「お好きな方を」ひょいと肩をすくめる 23:43:09(rapunzel ) 恵那によりそう、"シャッテンドラッツェ"。 23:43:24(rapunzel ) 既に壬生の姿はなく。 23:43:51(rapunzel ) 場には、その4人と1匹。つけくわえるのなら、天空に輝く月が。 23:44:30(rapunzel ) 《1.対話フェイズ》 23:44:56(rapunzel ) 恵那「……ふふ。ふふふ、うふふふふ。あはははははははははは」 23:45:01(rapunzel ) 少女は、立ち上がる。 23:45:13(rapunzel ) シャッテンドラッツェは――少女を心配するように、よりそう。 23:45:25(rapunzel ) 舌を伸ばし、少女を軽く、心配そうに舐める。 23:45:38(rapunzel ) 恵那は、合わせるかのように。 23:45:47(rapunzel ) シャッテンドラッツェの長き舌に、自らの舌を絡め。 23:46:24(rapunzel ) 少女の唾液が、淫靡な輝きをもって、龍の舌の上を、舞う。 23:46:40(rapunzel ) 恵那「――嗚呼。なんて、素敵な夜」 23:48:12(rapunzel ) 沙絵子は。先ほどから微動だにしていない。 23:48:39(EMBRYO ) 理雄「宴には良い夜ですねぇ…」ずり落ちた眼鏡を中指で押し上げると恵那へ歩み寄る 23:49:06(rapunzel ) 沙絵子「――この世の理をねじ曲げて創られたものならば。この世の理から外れた力のみが、対峙しえましょう」 23:49:39(rapunzel ) 恵那「……あは。千客万来ね。おじさん、だあれ?」 恵那は、そう、理雄に向かって微笑む。 23:49:49(utai ) /箒木「……さりとて、このままでは埒も明きますまい……退屈は“あれ”がもっとも嫌うものですから」 23:50:25(EMBRYO ) 理雄「まぁ、曰くつきの今は貴女の味方ですよ」軽くお辞儀をすると手を差し出す 23:51:09(rapunzel ) 恵那は、笑顔のまま、握手を受ける。 23:51:13(rapunzel ) 恵那「――なら」 23:51:34(rapunzel ) 恵那「あの、下劣なクズを。見ているだけで吐きそうになる、あの女を」 23:51:45(rapunzel ) 恵那「――今すぐ、殺してくださる?」 23:52:32(EMBRYO ) 「心得ました、お嬢様」手の甲にキスをすると立ち上がる 23:53:21(utai ) 箒木「………円部どの。状況を心得ておられますか?」 23:53:46(EMBRYO ) 理雄「えぇ、理解はしていますよ?」 23:54:23(EMBRYO ) 理雄「まぁ、鬼と言えども悪鬼ではない…抑圧されれば其のはけ口を求めるのは自然の理」 23:54:44(utai ) 箒木「ならば是非もありませんな……ただの悪鬼の怒りであれば務めを放り出してまで出すこともあるまいが」 23:54:54(EMBRYO ) 理雄「同じですよ、この世の仕組みは」 23:55:55(utai ) 箒木「……ああ……ならば仕方がない」 23:56:21(rapunzel ) 沙絵子「貴女はもはや"鬼"ですらない。何もかも捨てた"魔人"。だからこそ。“内閣調査室特務二課課長”、鳴海沙絵子が、参る」 23:56:56(rapunzel ) 沙絵子「……よろしくて?そこの色男さん」 そう、理雄に言って、微笑。 23:56:59(EMBRYO ) 「其の原因を作ったのは貴女方ですけどね」 23:57:13(EMBRYO ) 「無論で御座います、お嬢様」 23:58:13(rapunzel ) 恵那「よくも"人"などと言ってくれる。笑わせないで」 23:58:19(rapunzel ) 少女の目は、あくまでも……冷たい。 23:58:57(utai ) /恵那「お前達が人だというなら………人など、いなくなってしまえばいいのよ。………シャッテンドラッツェ!」 00:00:34(EMBRYO ) /沙絵子「化け物を殺せるのは…人間だけなのよ?ご存知かしら?」 00:02:05(rapunzel ) 《2.イニシアチブフェイズ》 00:02:16(rapunzel ) (各自、どのように場を支配するのか、宣言せよ) 00:03:19(utai ) ランタン+隠蔽+移動。ランタンの灯りが彼の姿を隠し、ぼやけさせ、いつの間にかシャッテンドラッツェの懐に。神域+2. 00:05:00(EMBRYO ) 空想具現化+操作+創造 思いを馳せる…それだけで場の空気は変わる…そう…恵那と自分自身以外の者はすべからく闇にとらわれる 神域+2 00:05:14(rapunzel ) 恵那は、ただ、読む。本能のままに。空気を、時間を、なにもかも、読む。[共感]+《御仁》  神域+1 00:06:13(rapunzel ) 沙絵子は、空間をねじ曲げる。全てを、己の意のままに。[感覚]+<次元刀> 神域+1 00:06:23(rapunzel ) (各自、判定&申告をせよ) 00:06:31(rapunzel ) 2d6 恵那 00:06:31(fooldice ) rapunzel:2d6 = [6,2] = 8 00:06:33(EMBRYO ) 2d6+2 00:06:34(fooldice ) EMBRYO:2d6+2 = [3,2]+2 = 7 00:06:42(rapunzel ) 2d6+1 さえこ 00:06:42(fooldice ) rapunzel:2d6+1 = [2,3]+1 = 6 00:06:49(EMBRYO ) 神域の7 00:06:58(utai ) 2d6+2 00:06:58(fooldice ) utai:2d6+2 = [3,4]+2 = 9 00:07:07(rapunzel ) えな 神域の9 さえこ 神域の6 00:07:16(utai ) 神域の9. 00:07:26(rapunzel ) ふり直し。 00:07:31(utai ) 2d6+2 00:07:31(fooldice ) utai:2d6+2 = [3,3]+2 = 8 00:07:38(rapunzel ) 2d6+1 えな 00:07:38(fooldice ) rapunzel:2d6+1 = [5,1]+1 = 7 00:07:44(rapunzel ) 2d6+1 さえこ 00:07:44(fooldice ) rapunzel:2d6+1 = [2,6]+1 = 9 00:07:48(EMBRYO ) あーぁ、残念… 00:08:34(EMBRYO ) 2d6+2 00:08:34(fooldice ) EMBRYO:2d6+2 = [2,4]+2 = 8 00:08:44(EMBRYO ) 神域の8 00:08:55(rapunzel ) 神威。箒木の先行となる。 00:09:02(rapunzel ) 《3.能動行動宣言フェイズ》 00:16:38(utai ) ふう、と、コートの男がため息をついた。 00:16:58(utai ) 空には………あまりにも似つかわしくない、清浄な青い月。 00:17:47(EMBRYO ) /そう…まるで何者かが意図して用意したかのような…そんな月… 00:19:27(EMBRYO ) /其の月の光に惑わされたのか…誰もが気が付かなかった…黒衣の男は既に龍の横にいた…初めから其処に佇んでいたかのよう… 00:20:48(utai ) ジャッジ。最後に出て欲しいので。 00:20:50(utai ) - 00:20:58(rapunzel ) * 00:21:00(rapunzel ) 不成立 00:21:01(EMBRYO ) * 00:22:41(utai )   00:22:52(utai ) 『見よ』 00:22:54(utai )   00:23:39(utai ) 「ご存じか……?」 00:23:41(utai ) 箒木は、包丁を抜き放ち、ゆっくりと歩を進める。 00:23:43(utai ) その声は、一時の逢瀬を楽しんだ時のまま。 00:23:46(utai ) いつのまにかランタンの灯が、大きく、強く、そして光が―――引き込まれるように、深くなっている。 00:23:47(utai ) 魂をくべる炉という。骸を燃やす炉という。 00:23:50(utai ) 全ての鬼火の、揺籃であるともいう。 00:23:51(utai ) 過去から。未来から。世界から。宇宙から。 00:23:54(utai ) 影の龍に。闇を渡るものに、殺された全ての魂を。 00:23:55(utai ) 箒木「あれは……あの伊達男は。とんだ食わせものでございます」 00:23:57(utai ) 恵那「……な、何をふざけたことを!あの方は私を助けてくれたのよ!力だって―――!」 00:23:59(utai ) さくさく、さくさく。酷くゆっくり、距離が縮まっていく。 00:24:01(utai ) 箒木「そう……それが“あれ”の狙い。絶望に囚われた心を探し当て……極上の飴玉を差し出す。そして、『戦う術はそれしかないのだ』と勘違いさせて……暴れさせる。それを眺めることを愉悦とするのですよ 00:24:03(utai )  しかしご用心を!そう……どんな舞台の上でも、無敵の怪物など作りはしない………」 00:24:05(utai ) ―――あの『月に嘲う男』に。 00:24:08(utai ) 欺かれ、殺されていった全ての魂をくべて……、 00:24:09(utai ) ただ、無造作に。 00:24:11(utai ) 包丁を、影の竜の喉元に、突き刺した。 00:25:12(utai ) 箒木「……そう、それは貴方様のよりどころ。思い出の、書そのもの」 00:25:36(utai ) ずぶり、と。『絵本のタイトルが記された奇跡の書』を、抉り出した。 00:25:39(utai )   00:25:49(utai ) ジャッジをお願いします。 00:26:04(rapunzel ) + 通し 00:27:01(EMBRYO ) + 00:27:08(utai ) + 00:27:15(rapunzel ) 成立。 00:37:08(EMBRYO ) あぁ、見よ!! 00:37:14(EMBRYO ) 今、まさに抉り出した本! 00:37:19(EMBRYO ) 其れは風に溶ける砂のように崩れ去る… 00:37:26(EMBRYO ) しかし、質量を持った闇は其処に存在し続けている… 00:37:33(EMBRYO ) 抉られた胸元からあふれ出るのは… 00:37:50(EMBRYO ) あぁ…本!本!!本!!! 00:38:02(EMBRYO ) ありえない数の奇跡の書! 00:38:11(EMBRYO ) なんということだろうか? 00:38:21(EMBRYO ) 奇跡の書でこの世界が埋まっていく… 00:38:38(EMBRYO ) そしてすべてを飲み込みつくす其のとき… 00:38:47(EMBRYO ) 聞こえてくる声… 00:38:52(EMBRYO ) 其れは… 00:39:13(EMBRYO ) 「ようこそ…空想の世界へ」 00:39:29(EMBRYO ) 以上! 00:39:51(rapunzel ) 具体的な効果は?全てを空想に? 00:39:55(EMBRYO ) うい 00:40:50(rapunzel ) * 悩む 00:41:18(EMBRYO ) + まぁ、自身に入れないわけが無い 00:41:20(utai ) * 00:42:54(rapunzel ) 見よ。一陣の風がなびいて。沙絵子の顔が、右半分が、露わになる。 00:42:54(rapunzel ) 彼女はとても、楽しそうに笑い…… 00:42:54(rapunzel ) 沙絵子「――闇は、ただ、ありうべき所に」 00:43:29(rapunzel ) 沙絵子の次元刀が、全てを切り裂く。"空想"ですらも! 00:43:39(rapunzel ) その力たるや。 00:44:00(rapunzel ) 彼女は、ああ、本当に彼女は先ほどから、一歩足りとて動いてはいないというのに―― 00:44:19(rapunzel ) 視界が、返る。 00:44:31(rapunzel ) 生まれた空想は、端から切られ。 00:45:09(rapunzel ) まるで、そこらの主婦が千切りかなにかをするように、あっけなく――みじん切りとなり。 00:45:12(rapunzel ) 四散して、消えた。 00:45:22(rapunzel ) (効果:現実世界への帰還) 00:45:25(rapunzel ) ジャッジメント。 00:45:31(EMBRYO ) + 00:45:37(utai ) + 00:45:42(rapunzel ) 成立。 00:45:52(rapunzel ) 全てが、終わった。 00:47:33(rapunzel ) 『絵本のタイトルが記された奇跡の書』は、抉り出され。 00:47:39(rapunzel ) 闇の龍。シャッテンドラッツェが、砂塵となって崩れ落ちていく。 00:47:47(rapunzel ) ――そして。 00:48:01(rapunzel ) 少女の身体が、ふらり、と。 00:48:16(rapunzel ) 地面に赤い鮮血をばらまき―― 00:48:26(rapunzel ) まさに、吐血。 00:48:34(EMBRYO ) 「…」無言で其の体を支える 00:48:39(rapunzel ) 苦しそうに、その身を抑え。 00:48:58(rapunzel ) 理緒の腕の中で、血を吐き続ける。 00:49:29(rapunzel ) 沙絵子「……夢は潰え、道は閉じた。閉幕の時間だ」 00:50:34(rapunzel ) 沙絵子「魔導書の所有者に、その命と引き替えに力は舞い降りる……つまり」 00:50:48(rapunzel ) 沙絵子は、笑う 00:50:53(rapunzel ) 沙絵子「――神など、いない」 00:51:04(rapunzel ) 恵那の身体が、がくがくと震え。 00:51:21(rapunzel ) 苦しげな顔で、理緒を、見る。 00:51:41(rapunzel ) 朱い血にまみれたその手で、理緒の頬を、そっと撫で。 00:52:09(EMBRYO ) /「…」そっと頭をなでてあげよう 00:52:25(rapunzel ) 自己演出なので却下。演出は通し 00:52:30(rapunzel ) 恵那「教えて。――神様はどこにいるの?神様は……なにをしてるの?」 00:53:42(utai ) 箒木 00:54:07(utai ) 箒木「………この世界に飽きて。冷たい物理法則に全てを任せて……そのあとは……知らない」 00:54:40(utai ) からり、とランタンから、恵那の握りこぶしほどの大きさの……赤い石を取り出す。 00:54:55(rapunzel ) 恵那「――ああ、そうね。そうかもしれないわ、"母さん"」 理緒の頬に触れている、その少女の目には。……もはや、何も映ってはいないのか。 00:55:10(utai ) その石を胸の上に置くと―――。 00:55:17(utai ) ああ、『見よ』。 00:55:21(rapunzel ) /恵那「泣いてるの?泣かないでよ、母さん、私……」 00:56:03(rapunzel ) /(続き)理緒の目から、知らず、涙が、こぼれ落ちていた。 00:56:25(utai ) その、涙に、温もりが戻る。 00:56:44(rapunzel ) 恵那「……くら……くて、見え……ない……」 00:56:50(utai ) 胸に置いた石が沈み―――消えかけた脈動が、再び戻り始めた。 00:58:25(utai ) 箒木「生憎……わたくし、単純な悲劇も単純な喜劇も嫌いでしてね。ただ涙で幕を閉じるというのでは……捻りがなさ過ぎる」 00:58:39(utai ) 運切ジャッジをお願いできます? 00:58:45(rapunzel ) 蘇生、ですね。 00:58:51(utai ) はい。 00:58:52(rapunzel ) * 運命のままに。 00:59:11(EMBRYO ) + んー!good d(>w< 00:59:21(utai ) + 00:59:49(rapunzel ) 沙絵子「――流石に、歩が悪い……か」 01:00:16(rapunzel ) 沙絵子は、サングラスの位置を、直す。 01:00:34(utai ) 箒木「まあ、退かれるがよろしかろうと存じます……それに。あの『月に嘲うもの』に目をつけられてはたまりますまい」 01:00:38(rapunzel ) 沙絵子「取引を、しましょう」 01:00:53(rapunzel ) 沙絵子「双方、ここで引く。遺恨無し。それが条件」 01:01:19(EMBRYO ) 理雄「あぁ、私の目的は其れですんで、元より取引など不要ですよ」と本に視線を向ける 01:01:26(rapunzel ) 沙絵子「死んだ壬生には、可愛そうだけれど。――その娘の想い、わからないでもない」 01:01:34(utai ) 箒木「同じく。これ以上求めることもない」 01:02:21(EMBRYO ) 理雄「ま、だれかれ此処に生きるものなら…同じような思いを抱く人間もいます」 01:02:22(rapunzel ) 沙絵子「いいでしょう。貴方達の顔は……覚えましたし」 綺麗な顔が、月夜に照らされ、なお美しく。 01:02:40(rapunzel ) 沙絵子「名刺は、必要かしら?」微笑む。 01:03:19(EMBRYO ) 理雄「次ぎ会う時は食事でもしながらにしたいですね… 沙絵子さん」と薄く笑う 01:03:19(utai ) 箒木「さあ?」 01:03:51(rapunzel ) 沙絵子「……それでは……」 彼女は右手をふりあげ、 01:04:16(rapunzel ) 沙絵子「ごきげんよう」 まるでピエロか手品師か。その右手をふりおろし、胸の前に。優雅に一礼 01:04:27(rapunzel ) まさに。まさにその瞬間。 01:04:36(EMBRYO ) 理雄「…」黙って敬礼を返す 01:04:38(rapunzel ) 沙絵子の姿は、音もなく。その場から、いや、 01:04:45(rapunzel ) その空間より。消えた。 01:05:06(rapunzel ) げに恐るべきは、次元刀かな。 01:05:43(rapunzel )   01:05:43(rapunzel )   01:05:51(rapunzel ) 《終幕》 01:06:54(EMBRYO ) 「さて…どうしたものか…」 01:07:01(EMBRYO ) 男は呟く… 01:07:11(EMBRYO ) そして…財布の中を見る 01:07:39(EMBRYO ) 残りの所持金は等に1000円を切っている 01:08:27(EMBRYO ) 「…またバイトしなきゃなりませんねぇ…」 01:08:56(EMBRYO ) 「家族も増えてしまった事ですし…やれやれ…」そして求人氏を手に取る… 01:09:45(EMBRYO ) 明日も…あさっても…おそらくこうして過して行くのだろう… 01:09:56(EMBRYO ) 新しい家族とともに… 01:10:50(rapunzel ) 恵那が、理雄の帰りを待っている。 01:10:55(rapunzel ) それでいいと、理雄は思った。 01:11:19(rapunzel )   01:11:19(rapunzel )   01:12:50(utai ) ………夜の闇に潜み、人を殺して回る、箒木には珍しく。 01:13:20(utai ) この街で、もっとも高い塔の上に、ランタンを掲げて待っていた。 01:13:47(rapunzel ) 拍手。適当で、ぞんざいで、まばらな拍手。 01:13:47(utai ) 箒木「………やっと来たか。舞台挨拶にも来ないから何事かと思ったぞ」 01:14:03(rapunzel ) ??「いやいや、僕の筋書きじゃ生き残る者などいないことになっていたが――」 01:14:26(utai ) 箒木「そういつもいつも思い通りにしてたまるか」 01:14:37(rapunzel ) ??「不確定要素(イレギュラー)もまた、面白味があるものだ。ショウとしては八分の出来だよ」 01:15:01(rapunzel ) 男が、笑う。魔魅、と人は言う。月すら魅了する、その微笑み。 01:15:10(rapunzel ) まるで――まるで、そう、悪魔のような。 01:15:36(rapunzel ) ??「"最後の仕上げは神の業、荒削りとて人なれど"――なんてね。理(ことわり)のごとく、事が進んでいくのは素晴らしい愉悦だ。そうは思わないかい?」 01:16:10(utai ) 箒木「愉悦、愉悦ね。そんなものは、端から無いのでな」 01:16:32(rapunzel ) ??「――特に、恵那君は上々の役回りだったな。久々に良い仕事をした感じだ。彼女がいなければこの舞台も――こうまで盛り上げはできなかっただろうからねえ」 01:17:24(rapunzel ) 男は、1人。得心したかのように、うなづく。 01:17:32(utai ) 箒木「悲劇の美少女……古典だが、いい手だ」 01:18:41(rapunzel ) ??「夜も更けてきた。そろそろ、行っていいかな」 微笑。悪魔の微笑み。嗚呼。美の極限の微笑みたるや、ここまで。――ここまで、恐ろしいとは。 01:19:29(utai ) 箒木「好きにするがいい………『千の無貌にしてそこにある混沌』」 01:20:35(rapunzel ) ??「……いずれ、また会うこともありましょう。我が"主たる大蛆"と、"我が名"にかけて」 01:21:56(utai ) 箒木「………やれ、やれだ」 01:21:57(rapunzel ) 男は。もはや美という言葉すら超越した美を誇る男は。月を背景に、ただ。笑う。 01:22:17(rapunzel ) そして。消える。 01:22:23(rapunzel ) 無。完全なる、無。 01:22:26(rapunzel ) 後に残るは。 01:22:30(rapunzel ) 箒木、ただ1人。 01:24:10(rapunzel ) いや――正確ではない。 01:24:20(rapunzel ) 月が。――月が、箒木を、見ている。 01:24:37(utai ) 箒木「………夜よ、今しばし優しき顔を見せたまえ。今しばし、今、しばし……」つい、と月を一瞥し、そう嘯くと。 01:24:55(utai ) ―――ゆらり、と月光が歪み、風が吹いて。……その姿は、消えて、失せた。 01:25:12(rapunzel )   01:25:12(rapunzel )   01:25:12(rapunzel )   01:25:12(rapunzel )   01:25:15(rapunzel ) 【魔都物語 -darker than darkness-】 01:25:15(rapunzel )     〜「奇跡の書」〜 01:25:18(rapunzel )   01:25:28(rapunzel ) 〜 fin 〜 01:25:29(rapunzel )   01:25:29(rapunzel )   01:25:33(rapunzel ) お疲れ様でした! 01:25:38(utai ) お疲れ様でした。 01:25:39(EMBRYO ) おつでしたにゃー