彩駕×夢路CCログ1 11:58 (Seki_k) 【彩駕】「…………」鉄の香りの充満する高架下、夏だというのに黒く長いダスターコートを纏った男が佇んでいた。その手に何かを拾い上げては興味なさ気に捨てる、という動作を繰り返している。月明かりがなければ、それは木片のように見えただろう。しかし――それは事実、人体の一部だった。 12:01 *nick MikageAWAY → Mikage00 12:01 (iguru) 【??】シュル、と鉄の香りの中微かに聞こえる音…チリン、と響く鈴の音でそれが明確になれば…どこからかまるで蛇のようにうねり伸びる鈴付きの赤い紐、それが人の欠片を持ち上げ、捨てる男の腕に巻きつかんとして。 12:06 (Seki_k) 【彩駕】「何者か」無造作に捨てたモノ――かつては誰かの腕だったモノを代わりに紐へと与え、暗闇の先に声を投げかける。「斯様な場所に来るとは常人ではあるまい。姿を見せよ」 12:10 (iguru) 【夢路】「…あれ、外したか。まあ、逃げるつもりなさそうだから良いかね。」与えられた腕に絡まった紐は、精気の無い物体を捕らえたところで、興味がうせたように勢いを失ってシュルリと長さを縮めていき…闇の中からユラリと、姿を見せる中年風貌。着流しの上にケープを羽織る、という微妙な格好の首や四肢に、赤い鈴付きの紐を巻いた男は、チリン…と鈴の音と共に現れて。 12:15 (Seki_k) 【彩駕】「逃げる? ふん、うぬがこの作品……否、作品と言うも烏滸がましい。駄作の主か」一歩、闖入者へと歩み寄る。月明かりの下に晒された巨躯は、コートに隠されていても生半可な鍛えられ方でないのがわかるだろうか。彼はねめつけるように目前の男を見、「再度否と言おう。斯様な無駄の多い殺人では返り血も多かったであろうが、うぬの衣は汚れておらぬ。――なれば、この場に何の用だ、人の子よ」 12:21 (iguru) 【夢路】「…失敬な、こんな品の無い『喰い方』なんざしねぇよ。」コートに身を包んだ巨躯の言葉に不快そうに眉根を寄せて小さくボヤき…にらむような視線にゆるりと、どこか気だるげな視線を返して。「…血の匂いがしたからな…どっかのバカがやらかしたんなら、ひっ捕らえついでにご馳走にでもなろうか…なんてな。」クツリと、本気か冗談か、はぐらかすように喉を鳴らして笑えば、喉の鈴がチリ、と小さく揺れて。 12:24 (Seki_k) 【彩駕】「そうか。では一刻程遅かったな」己が主犯と疑われようと反論出来ぬ状況においてなお、男は堂々たる口調で告げる。「この散り様では虚無には程遠い。凄惨であれば良いという物でもない。私には既に無用の長物だ、犯人を探して喰うのなら好きにすれば良い」立ち去るべく男の横を通り過ぎようと。 12:28 (iguru) 【夢路】「…寧ろ、俺から見れば怪しいのはお前さんなんだが?」堂々と告げる彼の立ち去る道を塞ぐように、スッと体の位置を彼に合わせてずらしながら…右手首の赤い紐の先が僅かに伸びる。「…それに、犯人がこの場に居なくても、俺の腹が減らないわけじゃねぇし…な。」 12:32 (Seki_k) 【彩駕】「怪しい……? ふむ」ようやく自分が疑われる立場だと認識したようだが、それにも無関心な体で「私を留めようとするは正義感という物か、若しくはうぬも殺人衝動を抱えた……ふむ、人外か」伸びる赤紐。視線だけをそれに向けて「再び問う。では、うぬは何用で私の前に立ちはだかった」 12:37 (iguru) 【夢路】「…いやいや、俺はそんな物騒な衝動はございませんよ。」と気楽にのたまいながら…向けられた視線に反応したように、赤紐が伸びるのを一度止めて。「正義感、なんて高尚もなものでもねぇし…あれだ、趣味と実益?お前さん、たっぷり『食えそう』だし。」 12:42 (Seki_k) 【彩駕】「ほぅ、私を喰うつもりか。食人鬼とは時代錯誤な物だ」言葉の字面をそのまま受け取り、一笑に付す。「よかろう、駄作に興が削がれていたところだ。うぬの終焉を見せてもらおう」右手を水平に上げる。広げた指が、手首から先だけが、壊れた機械のような異様な俊敏さで紋様を刻んでいく。 12:44 *Radiowave mode +o iguru 12:47 (iguru) 【夢路】「…失敬な、あんな物騒なのと一緒にすんな。」例えだ例え、と額面通りに受け取る彼に少し眉を寄せるも…何かの紋様を指で刻む彼に、リィンッ!と手足の鈴が音を立て、左右の腕を軽く振るうと両手首の紐が鞭か蛇のようにうねりながら再度、彼を戒めんと伸び迫り。 12:49 *Tukasa_ quit ("Leaving...") 12:52 (Seki_k) 【彩駕】右手の紡いだ霊子の盾。しかし紐の俊敏さに目測を誤ったか、数合は打返したものの伸ばしたままの右腕を捕らえられる。その上で、男はようやく表情を見せた。唇の端だけを釣り上げる笑みを。「食人鬼如きと同列にしては、確かに失礼だったようだ。名乗ると良い。うぬの名は刻んでおこう」 12:57 (iguru) 【夢路】「…えらく古風な奴だねぇ…まあ良い。…でも俺は、夜に名乗るなら閨の中のが好みさね。だから、刻みたけりゃ、聞き出しておくんな?」巻きついた紐、その先がチクリと…服の生地を抜けて肌に軽く触れるように毛羽立った時…じわりと、紐の色が変わっていく、赤から深紅…紅赤朱の髪色と同質に。 13:01 (Seki_k) 【彩駕】「色狂いか。期待外れもよいところ……ッ」目を見開き、紐の変化を見据える。一瞬だけ見えた表情は驚愕か。「ふむ――異能筋か。ぬかったわ」 13:07 (iguru) 【夢路】「あらあら、期待してくれてたのなら申し訳ねぇなぁ…そう、色狂い…全ての色は紅く狂え。」チクリと、肌に紐の先が触れた瞬間、じくりと広がる『異能の毒』…心を抜き、肉を蝕み、体を戒める混血の紐が、ジワジワと彼の体にまとわり付き…肌をツゥッと、毛羽立った先でなで上げていく。 13:11 (Seki_k) 【彩駕】「しかし、うぬも詰めが甘いと見える」紐に捕らえられながらも紋様を刻み続けていた指が、ひたりと、水面に触れるような静かさで静止する。「うぬが妖の紐、調べさせてもらった」ずるりと――紐の戒めから腕を抜き取る。 13:17 (iguru) 【夢路】「…あれま、抜けられちまった。」ズルリと、抜き取られた腕、少しすっぽ抜けたような感覚に一歩、踏鞴を踏んだバランスを取るように足を下げれば。「でもまあ、巻きつけた時点で仕掛けは上々…結構キくだろ?」紐が触れた体に流し込んだ異能の毒、もとい己の精気…といっても、今回は殺す毒ではない。いわゆる媚薬や麻薬に似たようなそれを流し込んだはずだが、さてはて…。 13:20 (Seki_k) 【彩駕】「ふん、面妖な術を使う……」口調だけは平静だが、男はこれまで感じたことのない感覚、感情に不信感を抱いた。体内に編み込んだ術式が自身の内側を精査する。そして、「媚薬の一種……だな。うぬは、夢魔だったか」じり、と一歩下がり、背後に隠していた左手が三度紋様を刻む。 13:24 (iguru) 【夢路】「ちょっとはご期待に沿えたかぃ?」口調と表情は変わらぬ男が、背後で指を動かすのを知ってか知らずか…軽く首を傾いで問いかけ。「ん~、夢の中でって程お上品じゃねぇなぁ…まあ、似たようなもんなんだろうが。」自分のルーツにゃあんまり詳しくなくてねぇ…と呟きながら…ユルリと、男に近づき見上げ。 13:28 (Seki_k) 【彩駕】「逸れ者の異能筋か。やはりこの街に根を下ろし正解だったわ」喉の奥で笑い、同時に結印が完了する。「再び名を問おう。次こそうぬの最期と知れ」 13:34 (iguru) 【夢路】「ここは秘密、と言っても良いが。…夢路…伽宵 夢路さね。」あ、これは逃げられるな、と彼の態度から察する。確かに詰めが甘いのかもしれない、と思いながらも…紐はシュルリと元の長さに戻っていて。 13:38 (Seki_k) 【彩駕】「"虚無の観察者"、確かにその名を刻んだ。次は斯様な術効かぬと思え」刻み終わった紋様を割るように、脚を踏み落とす。硝子の割れるような音と共に、人間離れした距離を、男は"跳んだ"。体の真に巣食う衝動の御し方を測りかねるような表情のまま、男は夜闇に溶け込んでいく――。 13:42 (iguru) 【夢路】「…さて、どうだかね。」跳ね上がる巨躯を見上げ…闇に溶け込むのを見送ってから…小さく呟く。『印』はついた…気付かれたら消されるのだろうが、まあ…少しの間、観察者を観察させてもらおうじゃないか…そんな事を考えつつ、警察に死体発見を連絡すべく、懐から携帯を出した。