舞台:家(雪一の部屋) 時間帯:夕方 雪一は久しぶりに話さない?といった感じで妹・都子を呼ぶ。 机の椅子に座り、妹が来るのを待っている。 【みやこ】「(とんとん)」 【雪一】「開いてるよ。入りなよ。」扉を開けると君を待っていたように雪一の姿が見える 【みやこ】「……何か用? お兄様」こっちはまだ学校の制服かな。 【雪一】「ん、久しぶりに話さない?みやこ…って着替えてなかったの?」ベッドのほうに座っていいよといいながら 【みやこ】「あ……うん。話すって言ったって、こっちは特に無いわよ?」 勧められた通りベッドの端に腰掛ける 【雪一】「僕としては最近、学校のほうはどうかなとか聞きたかったりすんだけどな。」椅子から立ち上がって、みやこの隣に座りながら 【みやこ】「ちょ、ちょっとっ」兄の行動に戸惑いつつ 【みやこ】「どうって……お兄様こそどうなの? もうすぐ中間テストじゃない」 【雪一】「…ん?隣に座っちゃダメだった?」君をみながら、そう聞いて 【みやこ】「別に構わない…けど」 【雪一】「あぁ…中間テストは友達に一緒に勉強してクリアしようとしているよ。そのために放課後残ったりしてるけども。」 【みやこ】「それなら問題ないわ」 【雪一】「ありがと。…優秀な友人がいてよかったよ。」苦笑しつつ 【雪一】「みやこは頭いいし、大丈夫そうだね。」そういいながら、微笑んで髪を撫でながら 【みやこ】「む、むー……」頭をなでられて、なにか言いたそうだけど何も言わない 【雪一】「いい子、いい子っと。」優しい微笑を浮かべて、少しの間撫でた後、手を離して 【みやこ】「当たり前でしょ! その、任務じゃなきゃ一緒の学校なんかに通わないわよ!」 ……本来は中学生だけどなー 【雪一】「ん、そうだね。僕としてはみやこと一緒に通うのは悪くないって思ってるよ。」 【雪一】「少し見ない間に大人びた感じになっちゃたけども…やっぱりみやこは僕の可愛い妹だしね。」そういって髪を再び撫で始めて 【みやこ】「こ、こっちは任務なのっ!」 【雪一】「任務であっても、一緒に入れることは嬉しく思うけどね。」微笑みなでなで 【みやこ】「お兄様は甘すぎますっ! 世界を護るウィザードとしてきちんと自覚を持ってください!」 【雪一】「…んー?生憎、僕一人では世界なんて護れないよ。だから近しい人を護ることで世界を護る結果になるならそれでいいんじゃないかな?」 【雪一】「…だからそんなに自覚ないわけではなんだけどなぁ?」苦笑しながら 【みやこ】「自信だけはたっぷりね」 【雪一】「自身だけはね…そうじゃないとみやこのお兄ちゃんなんてできないだろ?」 【みやこ】「(くすっ)よい傾向ね。それでこそ、みやこのお兄様だわ」 【雪一】「それはありがたいお言葉をもらったね。」ふふっと微笑んで、髪をなでなで 【雪一】「みやこ…みやこにとっていい兄にはなれたかな?」首をかしげて聞いてみる 【みやこ】「なってもらわないと困ります! 魔剣スラッシュエッジを継承した者として、そしてみやこのお兄様として、しっかりしてもらわないと困ります」 【雪一】「…んーあれは継承したんじゃなくて…もらったんだけどなぁ?(^^;)」頬をかきながら 【みやこ】「……(むす)」 【みやこ】「それがウィザードとしての自覚が足りないと言っているのですっ」 【みやこ】「貰いました、はい今日からウィザードです! ……そんなわけあるわけないでしょう!」 【雪一】「んーそうかい?(^^;)」 【雪一】「いや、確かにそうだけども…ね。あれはハチェットさんから会ったときに渡された剣だから…それで継承したといえるのかが微妙なところで…ね?」 【みやこ】「確か相手はあのハチェットさん……でしたよね。彼女を通して運命に導かれた、魔剣に選ばれたからこそ、お兄様はウィザードなんです!」 【みやこ】「もうっ……!」 【雪一】「…まだ認められてるかが…微妙なところだしね。」苦笑しながら、みやこの髪をなでなでしつつ 【みやこ】「みやこは、ウィザードとして、魔剣を監視し使い手に従事する者として誇りを持っています! それなのにお兄様がそんな無頓着では……みやこは、みやこは……」 【みやこ】と、ベッドから立ち上がり、兄を見下ろします 【雪一】「いや、ほら、スラッシュエッジもまだ僕のことを主と認めてない部分があるわけで…。(苦笑)」 【みやこ】「それはまだお兄様が未熟だからでしょう。大丈夫です、みやこが一人前の魔剣の使い手にして差し上げますわ」 【雪一】「そりゃ…3年くらいしかウィザードをしてないからね。…では、よろしくね、みやこ。」と微笑み返して 【みやこ】「ですから……みやこは、お兄様が魔剣スラッシュエッジの真の相棒として成長されることを、心の底から望んでいます」 【雪一】「…まだ真の名とか教えてもらってもないけども、みやこがそう思ってくれるなら嬉しいよ。」 【みやこ】「そしてそれが、妹として……いえ、ウィザードとして、みやこの使命なんです」 【雪一】「みやこのほうがウィザードとしては先輩だけどもね。頼りにさせてもらおうかな。」 【みやこ】「当たり前です。みやこはずっと、魔剣の使い手の従者となるために、修行を積んできたのですから」 【みやこ】「みやこはお兄様の従者なのです! そこのところを忘れられては困ります!」 【雪一】「…じゃあ、それを労うから。座って。」髪をなでようか、膝枕してあげようと 【みやこ】「ひ、必要ありませんっ」 【雪一】「…せっかくの労いなのに。」 【みやこ】「みやこは従者です! お兄様にそんな労いを受ける筋合いなどありません!」 【みやこ】「お兄様はもっと従者を、みやこを道具として扱わなければならないはずですっ」 【雪一】「従者でも妹だよ?兄が妹を労っちゃいけないって法律でもあるのかな?」にこり 【みやこ】「ああもうっ、お兄様っ……!」そのままベッドに押し倒していい? 【雪一】構わないけども、きょとんとしますね(ぁ 【みやこ】「お兄様は、みやこを道具として扱いなさい! それが、魔剣の使い手としてあるべき道なのです!」押し倒した状態で力説 【雪一】「…?」押し倒されて「…それはできない話だね。」 【雪一】「戦闘ではそうするかもしれないけども…日常ではそうじゃないでしょうに。」 【みやこ】「みやこは、みやこはそれでいいん……です……っ!」 思いっきり口で口を塞ぎます 【雪一】「それに従者だとわかっても…ん…。」 【みやこ】「(口を離して)……だから……だから……っ」 【雪一】口を口で塞がれれば、特に抵抗はしないで 【雪一】「…はぁ、…だから?」少し頬を紅潮させながら聞き 【みやこ】「お兄様にはしっかりしてもらわなければならないんです…っ」 【みやこ】「なんで、なんで分かってくれないんですか! みやこは従者です! それでいいんです!」 【みやこ】「それが、ウィザードとしてのみやこの存在意義だから……」 【雪一】「…しっかりするように心がけるよ…でも、僕の妹は従者でも妹なんだよ。」 【みやこ】「……うううっ…」 【雪一】「…その関係はみやこは嫌かな?」 【みやこ】「お兄様なんて……お兄様なんて最低ですっ!」 思いっきり顔をビンタしよう。 【みやこ】「お兄様なんて……嫌いですっ!」 【みやこ】「……ごめんなさい。でもそんなお兄様は……いえ、なんでもありません」 【雪一】「…嫌いなら嫌いになってくれていい。でも僕のみやこは大事な家族だから。」抵抗もせずにビンタを受けても微笑んで 【みやこ】「……(目を少し潤おわせながら)……勝手に、してください」 【雪一】「…んでは、勝手にしよう。」ちょっと強引に引き寄せて、頭を撫でて 【みやこ】「お兄様がどう思っていようと……みやこは、お兄様の道具ですから」 【みやこ】「(引き寄せられて) はうわっ…」 【雪一】「でも大事な家族だってことを忘れないでね?」頭をなでなでしながら 【みやこ】「……あっ、そ、そのっ……やっぱりお兄様なんて大嫌いですっ!」 と、そのまま部屋を出て自分の部屋に戻ります 【雪一】「…ん、またおいで。」と片手をふりながら…頬を押さえて 都子は部屋に戻って、入口に鍵をかける。 ドアを背中にしながら、みやこは無言でそっと自分の唇を抑えた。