――AAAギルドハウス その廊下 こそこそと、周囲を伺いながら歩く人影ひとつ この時ほどシーフ系のクラスにしておけばよかったと思うときはない。 その少年、アインホルンは汗をぬぐい歩を進め、目的のドアへとたどり着いた そのドアの横の壁に背をつけ、周囲を伺いながら、そのドアを拳の甲でノックした きゅー   【ファラ】「誰?お姉ちゃんのお客さんかなぁ…?」 開かれた扉の先に小さくデザインされた 女の子PCが見上げる。ルームに遊びに来ていたのだろう。小さな子供が顔を覗かせる。 【ジュノ】「だれだれ?だれかきたの?イッカクか!あそべーイッカ…」続くように押しかけてきた男の子PCが身を乗り出すようにアインを下から覗き込む。想定したPCと違ったのか首をかしげ…「…ア…いん?」 【ジュノ】「あいんー?」首をひねり…「アルねぇの客かー。アルねーちゃーん!」奥へとかけていく     思えば… リュナとまた盛り上がりすぎてしまった。 普通ではありえない材料でありえない結果ができる。 大豆と塩で生クリームができたとか…ありえねぇ。   【アルカ】「…ぅ、ん…。」 おかげで夜更かしが過ぎた。もう昼にもなるというのに… 【アルカ】「…も…ちょっと。」 ふぁ…と小さな欠伸をついて もぞり、と奥のベッドが動いて…普段はツインに結い上げられた髪も今はとかれ、ウェーブがかったストレートが自己主張激しく、先っぽで所々跳ね上がり…。 【ファラ】「お姉ちゃん…お客さん。」 ぐいぐいと袖を引っ張る手に引かれ、寝巻き着…白に簡単な飾りの意匠のネグリジェ。…目元をこすりながら現れた姿は 【ジュノ】「アインあそべーあそべー。」こっちはこっちでアインの腕を引き  いつもの威厳(?)も気の強さもどこへやら   【アルカ】「あい、あい…(こくり、こくり…とまだ眠そうに顔を振り…)シムラケン?」 こしこしと目をこすり… 【アルカ】「…ふぁぅ。」小さな欠伸をもう一度。 ぺたぺたとはだしで扉付近まで近づいて 【アルカ】「…おひゃく…?…ごしゅじんさま?」 変にルミナに吹き込まれた知識が裏目に出た 【ファラ】「ごしゅじんさまじゃなくて、あいんだよ。お姉ちゃん。」 【アルカ】「…あいん…?あい…。」…手を止め…ぼーっとした視野はやや明確さを持ち始め 「…ぁぅ…?」沈黙が場を支配した。 (きゅー…(@@ 【アイン】「え、あ、お、おぉ!?」何が起きた。このガキどもは一体何だ!?予想外の展開に脳がフリーズする「こらてめ腕ひっぱんなっ!?誰がシムラケンだ!?っていうかアルカ!こりゃ、なん、だ……?」視線を、やってきた目的の人物に向けた。そして。またフリーズした。いやだって、そのかっこ…… 【アルカ】「…。(待て、今あたし何言った…。)」ログを辿り…。「 」「 」「 」「 」「 」「 」スペースを連打、とりあえず…ログを流した。「………っ。何…。」 意識が覚醒してこれば…きっと睨むように横目で視線をやり。両の腕で抱くように体の前で腕を組み…「べつに、…へやぎでしょ。」 視線が何を意味してるかは、とりあえず把握して 【アイン】「いや、その」予想以上に女の子な格好が普段のイメージと(いい意味で)剥離?してみえて絶句したとはいえない「って、なんでログ流し?」流してる最中に思わずログをリロード「……え、おま、何口走ってんだ。そんな願望ある、とか?」 【アルカ】「う…うるさいわね…っ、忘れなさい…。」 殺意さえ漏れそうな…ギロリ、と下から睨み(むしろメイドなどは雇える側に近く…) 「…ルミ…ッ。」 恨みは友人へと向いた。 【ジュノ】「なーなーあそべーアインー。」ぶらーんとアインの二の腕にぶら下がり 「なーなーアインはなんだー彼氏ー?はははーねーな!」   【アイン】「……アルカ、お前さ。ほんっとときどき恐ろしく無防備になんのな」こないだの居眠りの時といいなんといい「ぶらさがってんじゃねえよお前もって、誰が誰のだ」ジュノを目の前におろし、軽い梅干をぐりぐり 【ジュノ】「俺のじゃなないのは間違いな、のぉぉぉぉぉおおおおお…あかばんするぞあかばんー!」 痛がる振りをして見せ…ぎゃーっと腕をすり抜け逃げていく 【アルカ】「…何がよ。意味分かんないこといってないでくれる。(寝てたのは…)…疲れてるんだからしょうがないでしょ…。」視線を横にずらし 小さく膨れ 「…この格好、そんなに変かしら…。」  【アイン】「いやだってそれって、人前でするカッコじゃねえだろ?」微妙に視線を外す。頬がほんのり紅いのは気にするな。照れ隠しに、アカバンできるもんならしてみぃ、とぐりぐり続け「変っていうか、その、なぁ?」 【アルカ】「…別に見せてるわけじゃないわよ。」 くるり、と一回転して見せ、裾がふわりと浮く。 ふぁさ、とウェーブがかった髪をかき上げ…「分かった。着替えるわよ。落ち着かないっていうんでしょ…。…もう。」小さくため息をついて 左手で装備欄を操作して…  【アルカ】「ちょっと…いつまでいる気…?」 アイテム欄を開き、いつもの赤のAriel制服を準備しつつ…後は装備解除するだけ…一瞬、数秒とはいえその間は着衣がない状態になるわけで…。さすがに装備解除…の場に至って指を止め。さすがに頬も赤くは染まっていた 【アイン】「見せてるわけじゃなくて見せてるあたりがガード甘いってんだよ」なぁ?とジュノの梅干を弱めて「あ?何が?」ぽかん、と間抜けな顔をしてそっちを見た 【アルカ】「…着替えるんだ、けど?」 【アイン】「へ?」ちくたくちくたく  ぽーん「お、ちょ、おま、ま、まてよ!?」いわれジュリを放り出慌てて廊下へと飛び出した 【アルカ】「…まったくもぅ。…あいつ、歳いくつなのかしら…。」 そしてさも当然というようにいる少年。 【ファラ】「ジュノもでるー!」 ぐいぐいと少年PCを押して部屋外に押し出して…   ネグリジェを装備解除。赤いいつものショートドレスを纏い… さすがに武装はいいか。と装備品はそのままにぎゅ…と登録してあるヘアスタイルを選択。両の髪を結い上げる   【ジュノ】「へへへー…アインにいちゃんじゅんじょうだなー」 部屋の外ではにやにやしながらアインを見上げ 【アイン】「礼儀っつーんだ覚えとけ」ジュノにいわれて悔しいからかまた梅干をしつつ「忘れてた、マジで失念してた」男である。しかもゲームキャラである。着替の意識は格好つけるくらいしかない。頻度も少ないがゆえにすっかり失念していた「不覚」壁に背を預けうなだれた 【アルカ】「不覚も何も…約束もなしに女の子の部屋にやってくるってことをまず不覚って思うべきだわ。」 ひょこり、とルームから顔を出し、ふわりとツインテールがゆれる。 「…ジュノ、ファラ。お小遣い上げるからちょっと外で遊んできて。…このお兄ちゃん、きっと悩み事があってきてる顔だから。」 【アイン】「だからノックしたろーがよ!?」うがー、と吠える「こんなん事前に約束できるかっつーの」ぶつぶつと愚痴る「悩み、とはまたちょっと違うけど、ほれ、いってこいガキども」しっし、と照れ隠しに追い払おうとする 【ジュノ】「へんなことすんなよアインー!あとであそべー!」けらけら笑いながら駆け 【ファラ】「あ、ジュノー…っ!!」ごめんなさい、とひとつ頭を下げてこちらも駆け去り…【アルカ】「アンタが用もないのに、わざわざアタシなんかのところに来るわけないでしょ。」胸の下で腕を組み 「部屋はプライベートな場所だから部屋でしょ?夜更かしして眠いんだから。」 もう、と何度とも知れぬため息をつき 「…で、何しに来たの?アンタに色気じみたこ とは期待も心配もしてないから。」 くるり、と背を向け、ルームへと戻る 【アイン】「変なことってなんだこのマセガキ!?」捕まえようとするが逃げられ「お前な」まあ色気じみたこと期待されても、その、困る「ああ、いやその、実はその、お願いが、あって、な?」 【アルカ】「お金なら貸さないわよ?…そんなに余裕あるわけじゃないし。あの子達の生活費だって馬鹿にならないんだから。」 ぽすん、とベッドに腰掛けて…「で、なに?お願いって。」 【アイン】「金は足りてる今んとこ」言いづらそうにしつつ、ちょっと逡巡したあと覚悟を決めて「インベントリ」呟いてインべトリウィンドウを開き、アイテムをいくつか取り出した 並べられたものは 《小麦粉》《牛乳》《卵》《きいちご》 《きいちご》は、レアとまでは行かないまでも、集まるのが地味に面倒な一品 【アイン】「あー、そのー、クッキー、焼いて、くんねぇ?」 【アルカ】「…は?」 品物が集められていることからして 冗談で言ってることではない、とは思うが…意図が分からない。 「アンタが隠れ甘党…とか?」値踏みするように見やって… 「…っていうわけでもないわよね。どういう心境?」 【アイン】「いや、ほれ、義理返しっつーか礼儀っつーかなんつーか」視線を逸らしもにょもにょと煮え切らない返答 【アルカ】「返し?なんかのプレゼントのってこと?…ものからして、女の子への贈り物よね。…」 クッキー…季節柄から考えて…「誰か好きな子できた?」 【アイン】「ぶ!?」唐突にあまりな言葉に慌て「ち、ちげえよ!?だから御礼返しっていってんじゃん!?」真っ赤になってわたわたと否定する 【アルカ】「反応が露骨ね、心当たりないなら普通に否定すればいいのよ。」じと…と横目で見やって「別に悪いって言ってるわけじゃないわよ…?…ま、女の子へのプレゼントに女の子にお願いするって言う心境には呆れるけど…ま、それはアタシの腕を買った、って言う意味では悪い選択じゃないかもしれないけど。」 【アイン】「だ、だからお礼だって言ってんだろ!?作れないから作れるヤツに頼んでんじゃんか!?」真っ赤な顔でまくし立て「うぐ」女の子へのものを女の子に、と言われ、そこまで気が回ってなかったことに気づき歯噛みする 【アルカ】「彼女へのプレゼント買いたい…けど何を買ったらいいかわからないから、違う女の子に声をかけて一緒に買い物に付き合ってもらう…この構造よね。」くすくすと面白げに笑いを漏らし 「…まぁ、いいわ。幸いアタシはあんたに好意があって嫉妬したりとかはないから。…それとも、なんか聞いてほしかった?」 【アイン】「なんだよそのたとえ!?だから違うって言ってんだろ!?」くそう、相手間違えたか、と頭を悩ませつつ「ンなんじゃねえよ」結局膨れてしまう 【アルカ】「違うなら堂々としてなさいよ。変に反応するからよ。」つい、と指先で額を突き インベントリを操作してエプロンを羽織る。赤のドレスに小さなエプロンが映える。 「そういうのができるって羨ましいから。」 ふ、と少しだけ寂しそうに笑って 「さ、貸して?」 【アイン】「うううう」完全に違う、とも言い切れないのだ。自分だって分からない「だって、嬉しかったし、さ」ぽつりと呟いた「羨ましい?」なんで?と続けながらアイテムを渡す。ソレをカウントすれば《きいちご》がクッキー二袋分、クッキーの材料自体は5袋分あった 【アルカ】「そういうのが自由にできない立場って言うのもあるのよ。ま、だからこそゲーム中くらいそういうの楽しめって言うのもあるかな…。」どこか諦めの入ったような言葉。 「って、料理のときにする話でもする表情でもないわね…」ぴん、と指先で目の雫を弾き…「で、本命なら一人分でいいんじゃないの?それともあたしが失敗するとでも思って…この量なのかしら。」 【アイン】「あ、いや、だから、いくつか配られた義理とかもあったし、ギルドにってのもあって、さ?って、だから本命ってなんだよ」 ある種の迷彩、とは言いにくい 【アルカ】「…あたしはその義理ってのがよく分からないのよね…。何でもらったから返さなきゃいけないのかしら。気にならない相手ならお礼だけで済ませるものじゃないのかしら。本命?…それをあげたい人、ってことだけど?これだけ手が混むものだもの、。ただお返しをするだけなら出来合いのものでもいいはずだもの。違う?」 【アイン】「アルカって日本にいなかったんだっけか」その返答にそういえば、と思い出す「VDとWDはまあ、返すのが礼儀的な部分はあるとおもう。告白の返答込み、とかならまた変わるだろうけど」なんて説明してるんだろう、と思う「相手が折角手作りだったし、出来合いってのも、こー、なんか、さ?」それでアルカの手を煩わせていると言うのはまた問題ではあるのだが 【アルカ】「まぁ、それはいいけど…いくつか配られた中で、その子だけにはコレ(キイチゴ)入りなんてねー…変なところで気使いっていうか馬鹿っていうか。…変な気使いするくらいならしなきゃいいのに。…相手だってあんたに手作りなんか求めちゃいないだろうし。」 【アイン】「いいいい、いちいち突っ込むなよ!?」真っ赤になって叫ぶ。図星と証明してる結果になるだろうに「俺だってわかんねえよ!?ドロップで材料集めてたらたまたま生えてるの見っけて、こー、いいかな、って思っただけで」言葉尻がもにょもにょと小さくなっていく 【アルカ】「これ、集めるには手間かかったはずだけど…?確かこれドロップ率も1〜2割だし、リポップだって30分くらいかかったはずだしね。…ゲーム情報じゃまだ負けないわよ?…ま、アンタが自分で作れるわけないだろうし…相手の子にこれどうしたの?って聞かれたら…アンタ、あたしに作ってもらった、とか素で言いそうなんだもん。」 軽口をたたきながらも手つきはしなやかで 手順を次々とこなしていく。 【アイン】「うぐぐ」ことごとく図星をさされ言葉がでない「い、いいじゃねえかよ別にっ」 【アルカ】「いいわけないでしょ馬鹿。」 今日一番のため息をついて… 「手作りプレゼントに対して、人にもらったものを渡しましたって言ってるようなものなのよ?自分の言葉の意味分かってるんでしょうね…あんたのいう義理とか礼儀とか地平の彼方までふっ飛ばしてね。」 …けどリアルならともかく…実際のスキルがないと成功率が加速度的に落ちるこの世界で… 私はあくまで手伝った…という理屈は通じないし…さて 【アイン】「え、あ、う、そ、そう、なのか?」恐る恐る聞いた 【アルカ】「けどねぇ…リアルなら教えてもらって、自分で作った…とか言えるんだろうけど…。ここじゃスキルの差がありすぎて、スキル0のアンタが作った、とはどうあがいてもいえないわけだし…。ま、いっか。言い訳考えるのはあんたの仕事よね。」 くすり、と意地悪な微笑みを浮かべ 「そのことは、お願いに入ってなかったものね?」 【アイン】「あ、うぐ」そんな言い訳が必要なのか「露店で作ってもらった、とかじゃまずい、かな?」ちらり、とその顔を見た 【アルカ】「…ああもう…アタシもお人よしね…。出来上がったものは渡したらいいから…アンタはむしろ、自分が材料を取ってきたって事を言えばいいと思うわ。…少なくても、それにはあたしは関与してないもの。アンタがやった部分。それは認めてあげるから…ね?」 下準備を終え… くるくると 火のエフェクトが浮かび上がる 【アイン】「あ、うん、さんきゅ」妙に素直にお礼を言った「……」その手元をじっと見る「なあ、特別、なのかな?そいつのこと」ぽそ、と口にした 【アルカ】「…アタシに聞かないでよ…。そんな事。」 どこか拗ねたように答え…今こうして日本に来てた事、それだけが些細な家への抵抗みたいなもので…きっとその後のこともまた決められているんだろう。 「…知るわけないじゃない。」 【アイン】「だよ、なぁ」途方に暮れたように天井を見た「……なぁ、お前はそーゆーやつ、いねーの?」 【アルカ】「アタシはつまんない生き方だから。…それでこうやって他人に肩入れして少しでもそういうの知って、楽しんでる気分になってるだけのつまんない感じ。…だからまったく縁なしね。」 ひらひらと小さく手を振って 「あこがれるのが私の限界ってこと。」 【アイン】「なんだそりゃ?自分で限界作ってるのか?お前」 【アルカ】「ま、ね。でもまぁ…精一杯の抵抗はしてるつもりなんだけどね。」 チーン、と一回目の音が鳴る 「…まだ早い。」 様子を見やって 「…でも、そうね。そういうのになるってきっと理屈じゃないんでしょ。遊びで人を好きになったりはしないだろうし。…アタシはま、自分の背中任せられる人がいいかなー。」 【アイン】「何?実はイイトコのお嬢様か?お前。その……せーりゃくけっこん、とか強いられるクチ?」我ながら突拍子も無いな、とおもう「理屈じゃない――か。そーだよなー。誰か好きになんてなったこと、ねぇしわかんねぇや」頭をかく「オレは、一緒に戦えて、その上で護れるのが、いいかな」 【アルカ】「政略結婚って…いつの時代の話よ。」一笑に付しながら…ぴくり、と身を震わせる。 「…そんなの、ごめんだわ。」小さくはき捨てて  チン、2度、3度目の音がなる「…よし。」素早くスイッチを押し、炎のエフェクトを消し去り… 派手な光沢のエフェクト共に Succses!!の文字が浮かび上がる 「…ま、当然よね。」 【アイン】「なんだ?」え?と首かしげつつ「え、何、成功?」立ち上がる「クッキーって結構簡単、なのか?」 【アルカ】「うるさい。…人の話に入ってこないで…。(それ以上は話そうとはせずに)下地作りの段階で8割ね。後は火(トースターやコンロ系アイテム)の調整と焼成時間…。簡単、とは言わないわ。…スキルと経験と…後は感覚ね。」 【アイン】「煩い、ってお前なぁ……まあ、いいけど……ま、お前のリアル知らねーけどさ。自分で枷作ったら終わるぜ?フェイの言葉だけどさ」そしてどれどれ、と手元を見る「おお、すげぇ。ネームに《極上》ってついてんじゃん。これってレアなんだろ?」 【アルカ】「…当然よ。」 私が作ったんだからと、ふん、と鼻を鳴らして… 「昔よりは随分マシなのよ。…がっちがちの檻に入ってたから。…ずいぶんと、ね。…っと数は…」そろってるわね、とミスなく焼成を終えた アイテムを受け渡し… 「コレで用件は終わりでしょ。…早く出て行ってね。」 【アイン】「めちゃめちゃ機嫌悪くなってやがんのな、ってちょっとまった!」出て行け、と言われたらそこで呼び止め「これ、礼」と、きいちごクッキーのうち一つを渡す「作ってもらったもんをそのままってのもアレなんだけどよ。他思いつかなくてさ」 【アルカ】「いつもに戻ったって言ってよ。…こんな感じでしょ、いつも。それに…ほんとに芸がない…コレにお礼言える人がいたら…(くす、と噴出し…)私は、義理とかそういうの嫌いだから返さないわよ?」 【アイン】「VDは終わったからいいんだよっ。……じゃあ那由多に本命か?」普通に戻った、と聞けば、今日イニシャチブをとられていた仕返しにアナウンスのことを話題にする 【アルカ】「そういう趣味はないわ。アタシはノーマル。ナユは友達よ。…いい友達。あんな子だから誤解されやすそうなのが心配だけどね。…ああ。あのチョコ一個残ってるのよね…アンタに押し付けてみようか。」くすり、と笑みを浮かべ 「全体メッセージ流れたら、ソロプレイヤーの敵になれるかもしれないわよ、アイン?」 それは自分に自信があるからこそ言える台詞でもあって 【アイン】「ちょ、ま、現状ですら結構敵多いっぽいのにそれやめれ!?それに義理とかしないんじゃなかったのかよ!?」慌ててしまう「ソレはお前の本命用にとっとけよな!?」 【アルカ】「正直インベントリ埋めてくれて困るのよね…捨てるわけにもいかないし…(捨てれない、とも言い…何この呪いのアイテム、とも思ったものだ。)ま、できればね。」くすりと笑い… 「ふーん…敵多いんだ?その子にちゃんと渡しなさいよ、」 【アイン】「こないだの会議ンときもそうだったろ?うちただでさえレベル高い女の子多いからヤロウはヤッカミの対象なんだよ」眉根を寄せて肩をすくめる「うぐ……作ってもらった以上ちゃんと渡すっつーの!」 【アルカ】「レベル…?うちはまだそんなにレベル高いプレイヤーいなかったと思うけど…。ルミは別格としてね。」 ふむ、と勘違いから考え込んだ。正確に意図を理解していれば…格付けのようなレベルという言葉に怒りを表しもしたであろうが 「ならいいわ。…それじゃ、おやすみ…。」 言い終わるやいなや…ふぁ…と小さな欠伸を漏らして 【アイン】「いや、そーゆー意味とはまた……まあいいや。さんきゅ!とりあえずあれ、もちょっとガード固めて寝れ!」 【アルカ】「…わけの分からないこと…いふぁないでよ…。」 こし、と再び目元をこすり… ふらふらとベッド傍まで歩み、ぼふ、と身を投げ出す。 「…同じ…ううん、ちょっと年下くらいかな。……精精、がんばりなさい。」 意識は、また眠りの中に落ちていった。 【アイン】「だからオレが出てってから寝れー!?」言い残し、ドアをしめ「さんきゅ」とドアに手を合わせ「あとは」手元のクッキーを見て「どう、渡そうかな」悩みながらマイルームへと帰っていく