授業も終わった、放課後の寮。 今日の談話室は空いていて、人が一人、のんびりしているだけだった。 【レイ】「ふぁ~……」 ソファーの上でごろごろしている、狐の耳と尻尾を生やした女の子が一人。 【鈴蘭】「………?」 まだ慣れてない寮生活に不安抱きながら歩くと談話室からあくびが聞こえて覗いてしまう (むぅー・・・) 【レイ】「……ふぁ?」 ぴくん、と耳が揺れる。 入り口の方を振り返ってみると、目があってぱちくり。 「やほー?」 片手をあげて、挨拶してみる。 【鈴蘭】「……ぁ…」猫耳がついた彼女と目が合ってしまうとビクッとびっくりしてしまう。そして、挨拶されると答えるように  「……こんばんは…」っとふかぶかと東方の様なお辞儀する 【レイ】「こんばんはー。 多分、はじめまして? わたしグレイス。 軍楽科所属だよ。 キミは??」 ぴこん、ぴこん、と楽しげに尻尾が揺れている。 好奇心いっぱいのようだ。 【鈴蘭】「…はい、はじめましてだと思います…まだここに来て間もないですから。えっと……わたくしは、鈴蘭と申します…よろしくお願いいたします…。」まだ他の種族に慣れてないのか、すこし不安そうに彼女を見つめながら消えりそうな声で答えていく 【レイ】「スズラン、スズラン…… スズ、って呼んで、いーかな? わたしの事は、レイでいいよ」 にぱーっとひとなつこい笑顔を浮かべて、手招きしてソファーの方に誘う。 【鈴蘭】「…はい…。」彼女の笑顔を見ると自然と自分もほんのり笑顔を見せて答える。そして手招きされると不思議そうな顔しながらもソファーの近くまで寄るのだろうか 【レイ】「えへへー。 ね。ね。 座って、色々おしゃべりしよ?」 ぽんぽんとソファーの上で跳ねながら。 【鈴蘭】「…ぁ…はい……」すこし緊張しているのか何はなしていいのかわからずドギマギしながらもソファーに腰おろす。 【レイ】「ね。ね。スズはどっちのほうから来たの?」 興味深々で、色々問いかけてくる、年のころはぱっと見た感じ同い年か、ちょっと下くらいに見える。 【鈴蘭】「…わたくしは、向こうの遠い東方から参りました…。」すぅっと東の方角に指を刺して、興味津々の彼女に微笑んで答える 【レイ】「へぇー。すごいなぁ、すごいなぁ。 わたしそっちのほうには行った事無いんだぁ…… どんなとこ? お洋服も、故郷(ふるさと)の服なの?」 上から下まで眺めるようにしている。 やっぱり、相手の『ふぁっしょん』は気になるのだ。 【鈴蘭】「わたくしもここにくるのは初めてですから…。目に映る光景は知らない世界に来た気分です…」っと微笑み  「はい…。」っと優しく微笑んで頷く 【レイ】「ほええ。そうなんだ…… じゃあ、わたしも色々教えたげるよ!」 ぐ、っと無い胸を張って。 「だから、スズのことも、色々教えて欲しいな」 【鈴蘭】「…え?いいのですか…? 色々教えてくださると…うれしいです…」さっそく友達で着た気持ちに慣れたのか嬉しそうに微笑んで答える。 「あ…はい…わたくしでよければ」っときっと東方のぷんかのことだろうと思いながら頷いて 【レイ】「うん、もちろん。 友達だもの」 にこぱ、とひまわりみたいな明るい笑顔。  【鈴蘭】「…ありがとう…」ひまわりのように明るい笑顔にこたえてしぜんと優しそうなやわらかい笑顔で答えて。(すこしあくびいっぱいでてるから…あまり永くは出来ないかも…) 【レイ】「えへへー。 あれ。そういえば、スズって、なんでこの学校に来たの?」 ふと、気になって身を乗り出す。 【鈴蘭】「……えっと、神主様達とお父様とお母様に…ここで異文化の事勉強しなさいとしか…ごめんなさい…わたくしもよくわからなくって…」すこし落ち込むようにうつむきながら答えて… 【鈴蘭】「…たぶん…なにか交流としてわたくしが代表でここに使わされたのかもしれません…」ふっと思い出したように答えるがやはりどこか不安の様な表情して 【レイ】「ほえ~。 何か、色々『ジジョウ』がありそうなんだね」 ちょっと聞いたらまずかったかな、と思って耳がぺたんとなる。 【鈴蘭】「う、うん……」すこししゅんとしつつ頷いて…そして顔上げると「でも…みんなの代表としてきたから…がんばらなくっちゃ…」っと向こうにいた同性の友達など思い出しながら笑顔で答える 【レイ】「うん…… うん。 ふぁいと、だよ。 応援するんだよ」 ひょい、と手を伸ばして、ぎゅっと手を握ろうとして。 【鈴蘭】「はいっ♪」手を握られるとびっくりしてしまうが、そのまま握られたまま微笑んで頷く 【レイ】「わたしは、おうちがお金無いから、手に職つけようと思って来たんだけどね。 スズみたいに責任はないから… スズって、すごいなぁっておもうよ」 【鈴蘭】「そうでしょうか……。」褒められるとすこし照れてしまい 「でも…わたくしは……変に期待されてるだけだから……そんなに力ないのに…」そしてなにか思い出したのかすこし表情が落ち込み始めて 【レイ】「へーきだよ。 へーきだよ。 ゆっくり、自分なりに頑張ればいいよ」 手を離すけど、視線は離さないで。 「スズが頑張ってたら、周りもきっと、色々手伝ってくれるよ」 【鈴蘭】「うんっ…ありがとうございます…」ほわっと微笑んで  そして「でも、レイ様も手に職を付けようとする努力がありますもの…わたくしは言われて動くだけですし…、自分の意思で行動なさってるからすごいと思います…」鹿野が見る視線にすこしテレながらも微笑んで 【レイ】「そ、そう、かなー?」 そう言われたのは初めてなので、ちょっと照れてる。 「あ。 ね、ね。 よかったら、わたしのお部屋、こない? こないだ街に行って、いいお茶貰って、きたんだ」 【鈴蘭】「え?…初めてお会いしたのによろしいの? 」突然のお誘いにびっくりしてしまい 【レイ】「もちろん! 友達だもんね」 自信たっぷりで、やっぱりどう見ても無い胸を張って。 「……あ。 ちょっぴり、狭いけど、いい?」 そっと下から見上げるように。 【鈴蘭】「…お友達…ここで始めてのお友達…。 うんっ…ありがとう」ここに来て日がまだまだ短いのに新しく友達が出来た事に嬉しくって  「 はい…一緒に楽しくお話できればわたくしはどこでもかまいませんから…」上目でみる彼女に優しく微笑んで 【レイ】「それじゃ、ついてきて。 わたしの部屋、こっちだよ」 ぴょいっとソファーから飛び降りて、入り口の前で立ち止まる。 【鈴蘭】「はい…」すっと立ち上がり彼女のあとについて行くように入り口まで歩く こうして、二人の少女の出会いは終わり。 後はお茶会の席で、とあいなったのでありました。