20:05 tuka-neko_>わざわざ運び込んできた姿見の前で、小さく唸る。 20:05 tuka-neko_>そこに映っているのは……本来あるべき矮躯の修道女姿ではなく、少しだぶついた印象のある白いカッターシャツとジャケット、スリムジーンズにスニーカー、といういかにもな男装姿。 20:05 tuka-neko_>ついこの間買ってきたばかりのソレは、うっかり試着するのを忘れていたため袖を通すのは初めて。どこかおかしいところがあるかどうか、をチェックするにしても、どうにも勝手がわからず。 20:05 tuka-neko_>暫し困惑したような顔で鏡面を眺めた挙句、あちこちを手直しし、髪を馬の尾の様に結おうと手櫛でしなやかな手触りの金髪を梳き纏めていく。 20:05 tuka-neko_>以前ランブレイで買った華やかな装飾品一式の中にあった飾り紐で髪を縛り、改めて自身の姿を省みる。……どうにも、優希のような着こなしが出来ない。……どうすれば、よいのだろうか?と、思わず時間も忘れて腕を組んで考え込んでしまい…… 20:09 hikami >【ディルク】「……さて……」                色々と……いや、事実、と言う意味では端的な物、か。“優希と共に買い物に出かけた”と言う話しまでは聞いている。―――つまり……何がしかの変化、が見える、と言う兆し。                ある意味僥倖、狙い、の一端としては悪くない方向だ。―――そう、思い、扉をノック               「クロエ、居るかね?」                そう、中へと放つ言葉の後に一拍。出迎える、と言う行為を余り期待できない分、扉を開く癖がついていたのだが……               「……―――成る程、そういう誤算もあったわけ、か……」                微かに垣間見えた光景に、淡い溜息を漏らした。 20:13 tuka-neko_>【クロエ】「ぇ…………?あ……で、ディルクっ!?」                思考に没頭していたせいか、ノックの音を見事に聞き逃していた。慌てて振り返り……今の自分の格好を思い出して               「っ……な、ま、まだ入っていいとは、言っていないっ……その、ぅ、ぅー……何が、誤算だと……」                奇妙な気恥ずかしさに襲われて、しどろもどろに咎めるような声をあげる 20:16 hikami >【ディルク】「いや、返事をして貰えない事が多かったのでね。……何だかんだでノックには気付いていると思っていたのだが……ふむ」                今日、に限っては相手にとっても誤算だったのだろうか?……体躯を眺め、先ずは髪。……鮮やかな金糸が艶めき、見目にも楽しませてくれる。続いてシャツ、サイズとしては少し勿体無い部分はあれども概ね女性らしい。                ……問題はその下、ジーンズ―――労働者の衣服。あながち間違っては居ないのだろうが……               「いや、優希と触れ合う事で君も聖職以外の装いを身につけてくれるだろう、と言う所までは織り込んで居たのだが、ね」                構わず一歩、部屋へと踏み込み……そのまま、傍ら               「―――優希の服の趣味、が、少々計算外だったね」 20:23 tuka-neko_>【クロエ】「これはっ……べ、別に、その……買うときに試着を忘れたから試しに着ているだけで……まだ外で着るつもりはっ……というか、その、ユーキの趣味、というか……」                服は着ている、はずなのに、やけにディルクの視線が気にかかる。慌ててぎゅう、とそのか細い肢体を抱き締めながら               「……よく判らないから……ユーキの判るもの、で適当に選んだだけ、だ……」                言い訳臭い。自分でもハッキリと判る。たまらず、あちらこちらに視線をさ迷わせれば……やがてその視線は、ベッドの上に投げ出された……女性モノ、らしいブラウスとフレアスカートのところで凍り付いて…… 20:27 hikami >【ディルク】「試着をせずに、と言うのも中々豪気ではあるね。まぁ……その分、自分のボディラインを把握している、と言う事ではあるのかも知れないが……ふむ、サイズの方もそう言われてみれば少し、惜しい、か。                そのままではシャツが余り過ぎて折角の胸元が台無しになりかねないね。」                そう、目を細めての目測、採寸、とまでは言わぬまでも……ある程度の目利きは、効く。常の修道衣ではない、と言うだけではなく―――素裸を一度、胸、は見ている分察し易い               「それが誤算、と言う事になるね。優希は優希で男装趣味だ。……放って置けばそうなる、と言う事も予測は出来た訳だが…………ふむ?」                相手の視線の先、ベットの上の一揃いに気付けば               「なんだ、きちんと女物も揃えたか。……まぁ、ならば一安心……では、あるね。その格好が常となると、流石に勿体無い。……これは優希にも言っている事、だがね。―――どうにも、聞き入れようとしないのが困った物ではあったからな」 20:33 tuka-neko_>【クロエ】「採寸は済ませていたしっ……それに、わ、わざと、このサイズノモノを選んだんだっ……何が、惜しいものかっ……」                かぁ……と、頬が火照る。慌ててジャケットを掻き寄せ押さえつければ、だぶついたシャツ越しにさえくっきりとその大きさを露にさせてしまう。なんとも無防備極まりない。               「……こっちは……ユーキの勧めで……買ったもの、だが……その……さっき、着てみたが、どうにも落ち着かないんだっ……アレはアレでよく似合っているだろうに。                ……確かにユーキなら少女らしいものだって似合うだろうが……本人が着たいと思っているものでなければ……その、どうしても違和感を拭いきれないモノなのだっ……」 20:38 hikami >【ディルク】「いや、クロエはスタイルが良い方、だからね?……ならば、折角なら胸のラインの出る物の方が似合いだと思っただけの事さ。形も、自分では魅力と思って居ないだろうが……俺は嘘偽りで美しい、と言う賛辞は使わないからね」                クッ、と、喉を鳴らし目を細める。……その柔らかな谷間に視線を向け……直ぐに、表情へと戻す               「ふむ?―――いや、君のジーンズ姿に比べれば其方の服の方が余程似合うと思うがね。何せ普段が“スカート”だろう?」                また別種、ではあるのだが……修道服の裾への言葉。とん、と、柱に背を預けた。 20:43 tuka-neko_>【クロエ】「っ……そ、そんな、事っ……って……な、何を言っているかっ?!どこを見ている!?!?」                クーにも指摘された事、ではあるが、脆すぎる。ディルク当人は気障に決めてはいるが、様は投げかけられるのは好色とも思える視線。慌てて素直に流れるポニーテールを揺らしながらディルクに背を向けて               「っ…………スースーして……落ち着かない………………」                修道衣、でもそれは変わらない。そもそも、肌をきっちりと覆う野暮ったい古い下着から、現代風の肌も露な下着に変えたばかり、なのだ。せめて、慣れるまでは生地の薄いスカートなんて、履けそうにもない 20:45 hikami >【ディルク】「何処も何も、自分で寄せたのだ。……男ならば、目を惹かれて当然と思うが、ね?」                そんな様子に浮かぶ笑み、とん、と、壁から身を離し……普段よりもラインの判りやすい細い肩へと、軽く手を触れさせた               「ふむ、そればかりは慣れ、だろうね。しかしクロエ。……慣れるまで穿かない、となると遭遇する機会が失われてしまう。“慣れる”つもりがもしクロエにあるのならば、早めに試しておくべきではないかね?                ……ジーンズに慣れて、クロエまで男装に浸るようになっては、少々損失が大きすぎる」 20:50 tuka-neko_>【クロエ】「み、見せるためにしたわけではなく隠すためにしたんだっ……気を利かせるくらいのことは……にゃうっ?!」                いつもとは違う感触に感じるディルクのひやりとした手、それが肩に触れれば……猫の子のような悲鳴が漏れた               「っ……だから、コレとても直ぐに直ぐに着るわけではないと……そもそも慣れる必要があるのは服ではなくした………………っ!?!?」                慌てて両手で口をふさぐ。指先に触れる頬が熱い。失言、の内容に気づかれてしまった、だろうか……? 20:58 hikami >【ディルク】「隠す、にしては……随分と無防備な行動だと思うけれどね?」                人、よりも体温の低い吸血種……そう、として尚も“熱く”感じるのはそれだけ相手が羞恥を感じている、と言う事だろうか?……そう、思い返せばクツクツと喉の奥で笑い、の響きを漏らした               「成る程、そちらも、か。……そう言えばクロエは現世に生きるにしては俺達の時代とそう差異のない下帯だったか。……となれば……」                つぅ、と、そのまま肩口を指で這い、耳元へと唇を寄せて               「何かの、心変わりかね?布地としての利便性は当世風の方が高い、と言うのは聞いているが―――利だけなら、当に切り替えているだろうからね」 21:04 tuka-neko_>【クロエ】「ぁぅっ?!」                耳朶に感じる、甘い響きの混じる吐息に、思わずびくりと肩が震える。先日、優希に“誤解”されたことが思い返されたのか。ディルクの指先に触れる温度が更に上がった、様な気がする               「っ……っ……イジューインという、ドクターに……その方がよいと、勧められて…………その……重篤な病を引き起こす要因になるかもしれないからと……って何を言わせるっ!?そう言う事は追求するような事じゃないだろうっ?!気にするんじゃないっ!!」                触れられているのも気恥ずかしくて、慌てて身を捩り振り返る。耳元に口を寄せられた状態では、非常に危うい行為、ではあるが。 21:09 hikami >【ディルク】「病……?ふむ、それは初耳だね。成る程、インナーには矯正機能もあるとは言うが……」                つぅ、と、指先がそのまま、脇の辺りへと滑る。……常ならば硬い布の感触であるはずの場所、相手の宣言どおり、当世風の布地となっているのならば、ある種の脆さが有り得る場所……               「何、興味、と言えば興味、だね。……君の心変わりを引き起こしたのが“優希との触れあい”の所為か―――……何かの切欠あっての事か、気になる所だったからね。」                そう、間近。あとほんの少しどちらかが近寄れば、何処かに唇が触れかねない距離。……吐息も淡く、声を僅かに潜めて               「君を新たな装い、新たな美しさ―――“公”としての修道服ではない“私”としての衣装を纏う気になったのは、俺にとっても喜ばしい変化なのは確かだからね。美女はその装いによって飾るのも、また愛でる楽しみの一端さ」 21:14 tuka-neko_>【クロエ】「ぁ、ぅ……っ!?」                つぅ、と服越しに走る危うい感覚に、凍りつき               「っ……別に、切欠、など……お、オマエは別に関係ない……と、言うか、その……い、いつまでもこのままでいるつもりも、ないからなっ……」                今度は、失言には気づかない。関係が無いのなら、わざわざそこでディルクを引き合いに出す必要も無い。……おかしい……ココまで、影響を受けるべき言葉ではないはず、なのに……               「っ……別に……オマエを楽しませるつもりで……服を買った、わけでは……っ」 21:21 hikami >【ディルク】「ふむ……成る程、ね」                ぷに、と、軽くわき腹を突付く。無駄な肉の無い柔肌、そのまま臍の辺りへと腕を回し……軽くジーンズのバックルを弾き、手を外した               「さて、いつまでにするかね?―――てっきり振り払われると思ったからね、こうして、少し戯れてたのさ」                そんな、戯れ。バックルを弾いた指先はそのまま胸元へと上がり……双丘へと触れる直前で、脇へと逸れて               「何、結果論としては眼福を得られそう、と言うのは僥倖には違いないさ。しかし……見立てが優希、と言うのは些か難、だね」                そう、悪戯は、そこまで。軽く身を外し、互いの姿がきちんと焦点を結ぶ程度……半歩程の距離を開けた。 21:28 tuka-neko_>【クロエ】「っ……ぁ、ぅう……」                ディルクが口にした通りの、それは戯れなのだろう。振り払ってしまえば良かった、のに、振り払えなかった。何故、と思い浮かべた自問に、再び優希の“誤解”が答えとして浮かんでくる。                確かに、ディルクへは好意を抱いてこそいる、けれども。幾らなんでもそれは有り得ない、はずだ。そう言い聞かせるように小さく頭を振り               「っ……人をからかって愉しむなど……趣味が悪いぞ……っ……確かに、その……優希の見立ては……多少悪戯が過ぎる、のだが……っ」                いつの間にか購入するべき品の中に紛れ込んでいたとてもつけられる筈の無いシロモノと悪戯っぽい優希の笑みが浮かぶ。一瞬、逃げるように動いた視線が、やはりベッドの上に投げ出された口の開いた紙袋へと投げかけられる。                ……………………ちらりに覗く中身、その一番上に、ソレがあった…… 21:36 hikami >【ディルク】「からかうも何も、君の反応が随分と……ふむ」                一拍、そう、頷きと共に視線を下ろす。……               「いや、随分と“可愛い”と思ってね。成る程、優希の見立てだけ、では無いと言う事は判って安心したよ」                クツクツと響く笑み、覗き見えた“布地”は、到底、優希の趣味とは外れた、間違う事なき女物、なのだから。               「―――さて、となると……“次”は、以前よりも期待できそうだね?無論、血液補填と言う意味だけでなく……君の装いがさらに美しくなるのならば、活力の賦活には数倍の価値があるだろうからね。                しかし……ふむ、どうかね、クロエ。―――今度は、君の服を俺が見立てて見ようか?」 21:41 tuka-neko_>【クロエ】「な……ぁ、だ、誰がっ……と、言うか、それは、ち、ちがうっ!?そ、それは、ユーキの悪戯でいつの間にか籠の中に紛れ込んでてっ!?!?」                見られた、事に気が付いてしまえば。顔色どころか首筋まで朱に染め激しく響く動悸で思考を眩ませながら、慌てた様に袋を抱え込んで口を閉じる。               「っ……下着をまじまじと見るんじゃないこの痴れモノ……っ……?!!?」                と、ディルクにとってはある意味聞きなれたフレーズが飛び出しかけたところで、凍りつく。ディルクの趣味、からすればその見立ては当然普段着て歩けるようなものにはならない、だろう。故に               「……べ、別にいい、私には似合わないっ……!」                と、言う言葉が飛び出していた。 21:46 hikami >【ディルク】「言い訳はせんでも良い、と言うよりも、だ。……君に似合いのモノ、とまでは言わんが、さぞ、君の白い肌に映えると思うがね」                そんな慌てぶりすらも娯楽の一端、くつくつと喉を鳴らし、口の端を緩やかに吊り上げる……自然と覗く長い牙、吸血種の、証―――               「そうそう、その言葉が君らしい、とは思うからね。丸くなり過ぎても張り合いが無い、折角ならば威勢の良い所も残っていてくれた方が楽しみ甲斐があるというものさ」                言うも、ぽん、と、軽く。……優希にするのと同じように、クロエの髪へと軽く触れる。耳元を軽く擽りつつ……               「―――着て見ねばわからんさ。現に今の、君の装いとて少し前には否定していただろう?同じ事、試す価値は、あると思うがね?」 21:50 tuka-neko_>【クロエ】「い、言い訳じゃないっ……というかこんな破廉恥なシロモノを人目に晒すように着けてたまるものかっ……!?」                ちらりと覗く白い、人間には有り得ない程に尖った牙。ソレを見れば一瞬言葉尻が揺らぐものの               「け、結局人の反応で愉しんでいるのは変わらないではないかっ……ぁ、こ、こらっ!?妙なところを触るなっ?!」                くすぐったいようなむず痒いような微妙な感覚が与えられれば、慌ててその指を振り払う               「っ……そもそもっ……オマエの見立てでは平生着て歩けるようなモノにはならないだろうっ!人のことが言えたモノではないが時代錯誤もいいところだっ!!」 21:57 hikami >【ディルク】「無論、下着は衆目に晒すモノではないだろうが……“先日の様な時”ならば話しは別だろう?」                そう、思い返すは胸元への口付け。肌を露にし、賦活として得た血の雫……“その”光景ならば目にする事もあろうと、戯れに言葉を紡ぐ……無論               「妙、ではなかろう?髪を撫でただけ、君が“可愛い”姿を見せてくれたからね、普段はケープがある分、触れ辛いのだ、折角の機会に堪能したとてバチは当たるまい?」                とは言えども深入りは、しない。……最後に一撫で、髪の感触を楽しんだ後に……               「さて、そうかね?俺とて当世風の衣服はこれでも学んでいると思うがね。レイアル然り、光然り、中々風合いの深い装いを学ぶ機会も幾度か得たからね。―――まぁ、それは機会を改めるとするか」                言うまでもない事だが、後者の“服”は水神祭の事、である。……着て歩けない、と言う意味では正しく、正鵠となっていた               「今日の用件は一先ずは様子見、でね。優希に聞いて顔を出しに来ただけさ。……見識についてはそれこそ、試す、が早い。―――今度、改めて誘いに来るさ」 22:08 tuka-neko_>【クロエ】「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?!?!?」                …“誤解”の切欠ともなってしまった事象を引き合いに出されれば、最早声をあげる事も出来ず。怒りと羞恥で肌を真っ赤に染めたまま口をぱくぱくと金魚のように動かし。               「っヒカルはまだしもレイアルだって人前に出るような服じゃあないっ……」                辛うじて搾り出したのはそんな言葉。ディルクの考える光の衣装、は……こちらも同じ催し物に出ていたのだ。当然知るはずもなく……故に、致命的とも言える除外を行ってしまい               「っ……っ…………」                ……なんとも手馴れた誘いの言葉に、コレまで積み上げられてきた羞恥が、とうとう限界に達する。きりきりと眉が吊り上げられたかと思えば               「っ……で、出て行け―――――――――っ!!!!!」                外まで響いてしまいそうな怒声とともに、それこそ少しでも動作が遅れれば、実力行使にでも出かねない勢いで部屋からディルクを追い出して………… 22:12 hikami >―――少女の言葉に追われるかの如く、長身の男は部屋から歩み出る。見た目だけは早足に、その実、ただ普段は“人”に合わせている歩幅を本来持つ自身のペースへと戻しただけの軽快さ。         “何れ誘いに来る” その言葉を扉が閉まる前に軽く放り……―――ばたん、と、背後に閉まる音、クツクツと、喉を鳴らし……随分と“楽しい”反応をする様になったものだ。         最も……―――その“楽しさ”の分、問題も詰みあがる。それこそ、些細。……何、愉しむに足る時間の為、些かの労苦は付き物。そう考えるだけの余裕は……まだ、崩れていなかった。