21:01 hikami0 >戸を、叩く。 21:01 hikami0 >来意を他人に示す為に最も簡便であり、凡そ最も普及した手段だろう。 21:01 hikami0 >旧来に示された説話では“中から招かれなければならない”と言う枷を嵌められた種も居るらしいが、己が血族にそうした楔が無い事は一種の僥倖か。 21:01 hikami0 >自分の仮宿から数歩で辿り着ける距離、そろそろ、この世界にも慣れてきた頃であろう少女の住まい。 21:01 hikami0 >最も……根はまだまだ脆いであろう事も、最近知った。 21:01 hikami0 >根の脆さ共々、芯に芽生えつつある能力行使への、世の裏側の現実を見ると言う心構えもできつつある、そう思える事も、最近遭遇した。 21:01 hikami0 >……時折話を聞く、それが己が有り様として狙った“教育”の手段。 21:01 hikami0 >そして、この日も―――……こん、こん、と、短く二度、優希の部屋の扉が鳴った。 21:03 Ryumaco >【 優希 】 「ん?」                その音に気付く。誰だろ―そう考えながらドアに向かう。               「誰?クロエ?」                つい最近買い物に行った友の名を読んでドアをあけた 21:03 Ryumaco >【 優希 】 「って」                クロエの顔があるべき高さ。そこには男の胸があった               「へ?」                視線がゆっくりと上に向かう 21:05 hikami0 >【ディルク】「いや、俺だよ。……しかし、クロエのノックと勘違いされるとはね、中々、妙な気分だな」                そう、軽い嘆息と共に肩を竦める……視点を落とし、相手の表情を伺うようにと               「少々時間があったのでね、話しでも如何か、と思ったのさ。……数日前に戦闘に出た、と言う事もあるからね」 21:07 Ryumaco >【 優希 】 「あ、まあ、最近一緒だったしさ」                なぜ言い訳してるんだろう、そう自問自答               「何?話し?……あぁ、うん、いいよ」                そのまま招き入れる。気付けば抵抗とか無くなってる。前の自分からは考え付かない、かも 21:10 hikami0 >【ディルク】「ふむ……一緒、か。訓練ではなく、私事で、かね?」                以前の、少しばかり気まずさを挟んでいた二人からは前進したのだろう。……“夢”の中の出来事でも少しは察する事が出来た               「なら、邪魔させて貰おう。―――随分、素直になったが……此処にも、そろそろ慣れたかね?」                外、に出る事の多い取り合わせ。改めて相手の部屋へと入ってみれば随分な久しぶりの感覚もある。……考えてみれば毎度、散歩か散策だ、偶にはこういうのも良かろう、と。 21:12 Ryumaco >【 優希 】 「ん、ちょっと買い物をねー」                ってことはまだクロエはあのときの服見せてないんだな、と理解する。きっと見せた後だと苦情言われるはずだから。自分のカッコとともに               「……素直って何さ」                子ども扱いされたみたいでちょっとむっとする               「まぁ、なれた、かな?なれないとどこにもいけないしさ」 21:17 hikami0 >【ディルク】「買い物、か。優希の買い物ならば兎も角、クロエにその単語は少し似合わないな。……なんと言うか、彼女は物が少ないからね」                ある意味では、中に入った、と言う証拠にもなるだろう。軽く、苦笑の様な笑みを浮かべ……               「いや、なんでもないさ。“角が取れた”とでも言うべきかね?―――異界に放り込まれた、と言う状況には違いないからね、拾った手前もあるからな。まぁ……」                ぽん、と、軽く、本当に軽く、優希の頭へと触れ、椅子へと向かう               「慣れたなら、僥倖だね」 21:18 Ryumaco >【 優希 】 「ものが少ないから、だろ?服とか下着とかは」                あ、言っちゃった。やべ。そう思って口をふさごうとした               「角が取れたってなんだよそれ」                まるで自分がツンケンしてたみたいじゃないか               「だから子ども扱いすんなってばぁ」                頭に触れられるとそう抗議。ちょっと気恥ずかしい 21:19 Ryumaco >【 優希 】 「あー、何か飲む?」                それを尻目に冷蔵庫に向かいながら               「まあインスタントの紅茶かジュースくらいしかないんだけど」 21:23 hikami0 >【ディルク】「確かに、シスター服ばかりだからね。……素材は良いのだが、如何せん本人にその気がない、からね。                ―――それを言うのならば優希、君もそうだがな。いつぞやのドレス姿は随分似合っていたが―――相変わらず“男装”かね?」                ひょい、と、軽く肩を竦めつつの苦笑。それでも本気で厭う訳ではなくある種日常会話としての冗談、である。……手を話し、椅子へと座り込むと、一息               「……ふむ、なら紅茶を貰おうかな。ジュースの類は、稀に酷く甘すぎてね」 21:25 Ryumaco >【 優希 】 「じゃあその気になったんじゃない?クロエから言い出してきたんだし」                紅茶ね、とポットからお湯をティーコゼーに。確か+1人分が美味しいんだっけ?どうせインスタントだけどさ。ティバッグをぽいと放り込む               「その話はもういいからっ」                ああもう、あのドレスの話は未だに恥かしい。頬が熱くなる。しずまれーしずまれー               「似合ってないっての、あんなの」                そういって御盆にカップ2つとティーコゼーを持って戻ってきた 21:30 hikami0 >【ディルク】「……ふむ、成る程……?」                それこそ……予想が、付かない。軽く目を伏せ、とん、と、額へと指を触れ……それこそ、何れ確かめれば良い事、だろうと顔を上げた               「いや。似合っているさ。……似合わなければ、着せよう、とも思わないだろう?最も……」                くっ、と、口元を緩める。悪戯げな視線を足元へと向けて               「次、はもう少し丈の短い物にしようか?優希は、腰のラインも年齢相応には整っていると思うからね」 21:32 Ryumaco >【 優希 】 「何さ?」                その仕草を怪訝に思いながらカップをテーブルに置く               「あ、あぅ、だからぁ」                似合うとか褒められるのには慣れてない。自分では似合ってないと思ってるから余計               「!?ちょ、丈短いのってどんな!?腰のライン!?」                思わず傍らのクッションで腰を隠すようにしながら椅子に体重を預けた               「すけべ」                つくづく目の前の男は……ぷぅ、っと膨れる。もはや頬の熱いのは隠し切れないので放置する 21:35 hikami0 >【ディルク】「いや、お互いに影響を受けたんだ、と思っただけの事さ。……当初の思惑は、ある程度は有効に働いた様だね」                紅茶は……まだ、少し蒸らすべき、か。そう思えば軽く足の上で指を組み、火照った優希の頬へと視線               「何、恥ずかしがる事はないだろう?……見える面積はむしろ、そのハーフパンツよりも狭いと思うが、ね」 21:38 Ryumaco >【 優希 】 「ん、まあ、受けてる、のかなぁ」                クロエに一方的に自分の価値観を押し付けただけの気もする               「うー……」                とりあえず落ち着こう。そう思いながらカップに注ぐ。ディルクにとっては安っぽい、しかも合成した香りだろうけど               「ハーフパンツより足が出ない、ってこと……?でも下着見えそうじゃン。ミニなんて」 21:41 hikami0 >【ディルク】「師事をするように……そう持ちかけた事で“日常”から唐突に“世界の真実”に放り出された君に、ウィザードとしての心構えは……少しは、出来ただろう?」                そう、言葉にすればカップへと手を伸ばす。……まだ、薄い。蒸らし足りなかったのか?―――元々、その辺りが限界である、と言う“質”へは思考が向かっていなかった               「簡単に見える様ではドレスにはならんよ、そもそも、優希はまだ、年齢としては幼い部類になるからね。                少しぐらい丈を切った所で、寧ろ可愛げが出るかもしれん。……まぁ、その場合は髪も伸ばすが吉、だろうがね。」 21:43 Ryumaco >【 優希 】 「んー、まあ、できたのかな」                腰抜けちゃったけども。それでも対峙できたのは成長かな、と自分でも思う。最も、一人じゃなかったから、が一番大きいんだけど               「なんだよ、結局子供扱いかぁ……あ、砂糖とかミルクは?」                自分のは甘いミルクティにしつつ」 21:44 Ryumaco >【 優希 】 「やっぱり男って髪長いほうがすき、だよね」                自分の前髪を弄る               「お姉も長かったんだ」 21:47 hikami0 >【ディルク】「完全、とは言い難いが……そう、捨てた物でもないだろう、とはね。                ……少なくとも、初見で見えた狂乱も、クロエに最初に合わせた頃の無謀さも、ある程度緩和された、と思ってはいるがね。                一人前、との太鼓判までは押さんが……戦場に連れて行くのに、不安だ、とも言わんさ。                ―――いや、いい。甘味で消すと茶葉の味が判りづらくなる。……味覚は、ニンゲンより薄いのでね」                ストレートのままで、一口。ふむ、と、頷くような動作を見せた               「いや、長ければ良い、と言うモノでもないがね。クロエも長くはある、古来より“女の髪は魔よけになる”として、伴侶を護る象徴として伸ばした、と言う文化もある程だ。                ……遺伝子に刷り込まれた依存、なのかもしれないね」 21:51 Ryumaco >【 優希 】 「しょうがないじゃん、あのコロはまだ何も知らなかったんだし。へぇ、結構評価高いんだ?」                連れてくことに不安がないというのはずいぶん好評かと思えた 21:51 hikami0 >【ディルク】「……安心、は、出来ないがね」                紅茶を口元に……喜色へと水を差しかねない言葉を、零した。 21:52 Ryumaco >【 優希 】 「ふぅん」                味覚が薄い。その言葉、そして続くクロエの名前               「……じゃあ、クロエの髪、巻いて歩く、んだ?」 21:52 Ryumaco >【 優希 】 「うー」                続いた言葉に不満げに膨れる 21:54 hikami0 >【ディルク】「―――ふむ?いや、巻きつけるのは戦地に赴く騎士の帰りを待つ婦人の慣わし、だったか……                そういう意味では俺達には当て嵌まらん。クロエにせよ、優希にせよ戦場に赴く身であり、さらに言えば―――伴侶、では無いからね。                女が家を護る時代、その場所へと宿る守護……まぁ、そんな意味があったのだろう」                相手の意図には気付く事がなく、ただの認識違い、として言葉を続けた。 21:56 Ryumaco >【 優希 】 「……」                紅茶を含みながら、探るような上目遣いを向ける               「クロエのこと、伴侶にする、んじゃ、ないの?」                ジト目、とはちょっと違うでもジトっとみて               「って、なんでそこにボクが出てくるかな」                ちょっと心臓が早くなった気がした 22:04 hikami0 >【ディルク】「ふむ?」                その言葉に一瞬、怪訝な表情を向ける。……まず、意図が掴めない。次に……これは問うのが早い、か               「何処からその感想が出てきたのか、までは判らないがね。……少なくとも、俺は吸血種、そもそも、クロエからしてみれば刈る側の存在。                ……それは優希も“夢”で見たろうし……あの部屋で反応できたのだ、凡その事情は察しているだろう?                ……まぁ、最も、クロエは美しい、からね。伴うには良い娘、だろう。―――優希も、その枠には無論、入るがね」 22:05 Ryumaco >【 優希 】 「ああああああもうっ」                いちいちいちいち、なんでそうキザなこと言うんだろう。思わずクッションを投げた               「それとはまた別っ!」                クロエの告白を思い出して赤くなりながら               「血、舐めたんだろ……?」                顔を下に向け、上目遣いでチラッと見る 22:10 hikami0 >【ディルク】「お、っと……」                流石に、カップを持ったままでは、危うかった。片手で、ぽふりと弾き、カップは脇のテーブルへと、置いた               「別、か。―――ああ」                なるほど、そこ、が漏れていたか。ならば、納得も行く。……口元を笑みの形に吊り上げ……白く、尖った“牙”を覗かせた               「安心すると良い。“噛んだ”訳では、ないよ。優希もクロエの戦闘時の“デメリット”については知っていると思うが……彼女は、能力行使によって出血を伴う。                そして、俺は吸血種。―――いかに輸血パック等で補給できるとは言え、ジャンクフードだからな、零れ出たモノとは言え、生き血の方が俺の魔力も戻る。                現に、表界から離れる際に封じた幾つかの力も戻りつつあるからね」 22:12 Ryumaco >【 優希 】 「うん、それも、噛んでないのも知ってる……」                牙を見て少しの怯え。でもソレに勝る……これは、好奇心なんだろうか               「で…クロエのおっぱい、舐めた、んだ……?」                じー、とその顔を上目遣いで見たまま 22:16 hikami0 >【ディルク】「…………―――ああ」                成る程、理解した。……確かに“そう”なるか。               「彼女の“傷”は胸にもあるからね。……手の傷の側は洗浄済み、ならば、と言う事になった訳だが……ふむ」                軽く、一拍。笑みを潜め、じっ、と、瞳へと、視線……               「……つまりは、だ。―――妬いているのかね?」                そう、真顔で、問い返していた。 22:19 Ryumaco >【 優希 】 「……へ?焼いてる……?」                視線は簡易キッチンに。一瞬わからなかった               「って……な、え、何!?」                微妙にわかるようなわからないような。そんな小さな混乱 22:23 hikami0 >【ディルク】「燃やす、方ではないよ」                視線を追い、その意図に気付いてか、クツクツと喉を、鳴らす。慌てる様に気付いてか……否、頬を染めた辺りで、次第に懐いてくれている、と言う自負程度は、あった。                ……視線は直ぐに、相手へと戻る               「ヤキモチ、嫉妬、まぁ……ある程度の語彙は違えども、意図は同じだね。                クロエの肌を見た上で、俺が彼女の血を求めた。それは事実だが、食事、に近い。行為としては“そう”捉えられるモノであり、実際に吸血に“行為”が伴う例も多い。                ―――それが、優希には面白く無いのか、と思ってね」 22:25 Ryumaco >【 優希 】 「ヤキモチ、嫉妬……」                反芻する               「ち、ちちちちがっ!?そうじゃなくてっ、え、エロいとかそ、そーゆーっ」                必死に両手を振って否定する               「どーせボクはちっちゃいとかそーゆー話じゃなくてだからそのっ」                慌てれば慌てるほどドツボにハマっていく               「あぅぅぅぅ」                目をぐるぐるさせて真赤になって 22:28 hikami0 >【ディルク】「……ふむ。―――興味があるかね?」                そう、再び口元を歪め、牙を覗かせる。……混乱した少女を前に、きし、と、軽く椅子を軋ませて立ち上がり、間近へと歩みを向けて……               「―――慌てる事はない、そもそも……俺が血を求めぬのは“吸血”と言う行為を枷としているから、だからね。                いわば食事を取らない様なモノ、通常生活にはそう支障は出辛いが―――流石に戦闘となると、そうも行かん。加えて、戦端は激化を始めている。                ―――その為の対処、といえば些か酷く聞こえるかもしれないが、ね」 22:30 Ryumaco >【 優希 】 「きょ、興味って」                ごくり、と喉が鳴る               「食事……吸わないと、その、ヤバかったり、する……?」                切実なのだろうか、そういう思いもよぎった 22:34 hikami0 >【ディルク】「戦闘行為、は凡そ不可能になるだろうね。……元より、俺は血を媒介に生を永らえ、能力を振るう血族だからな。                ―――吸血は生命維持や戦闘の活力だけではない、戦時に吸血を行えればソレはそのまま、直接的に俺の力、にもなり得るモノだからね」                そのまま、軽く身を屈め……頬を、撫でる。小柄に見合った華奢なラインを喉元、顎先……此方を向かせるようにと、指を触れさせた               「―――……一つ、直接的な吸血では無いが……良い方法があってね。さて……妬いてる、かね?それとも……ただの、女友達への危惧、かね?」 22:37 Ryumaco >【 優希 】 「ひぅんっ」                身構えていたからか、触れる指のくすぐったいような感触にひくん、と反応する               「直接、力に……?」                怯えや、色んな感情を理解しきれないまま見あげる               「妬いてなんか、ない……」                高潮していく頬のまま答える               「……直接的じゃない……痛くない……?」 22:40 hikami0 >【ディルク】「……こう言う方法、さ。少し、痛いかもしれないが―――普通に噛むよりは、軽い筈、だね」                そう、身構える、に近い少女へと顔を寄せる。……吐息が触れる距離、軽く上を向かせる角度のまま……ちゅっ、と、軽く水音。                ―――焦らす事無く、唇を奪った。軽いだけの口付け、その距離をほんの僅かに離しただけで               「……コレを、少し長くする、と言えば伝わるかね?」 22:43 Ryumaco >【 優希 】 「ん……っ?」                何が起きてるかわからなかった。ただ、唇にやわらかいような硬い様な不思議な感触が残った               「ふぇ……?」                理解できず、不思議そうな顔で間近のディルクの顔を見上げた 22:45 hikami0 >【ディルク】「如何かね。……痛みは、あったかね?」                ある、とは思って居ない。何せまだ牙を触れさせては居ないのだから。……ただの至近距離、触れるだけの短い口付け。                ……軽く頬を擽り―――反応を楽しむ様にと戯れる。見ずとも判るほどに熱を帯びた感覚、己の唇へも残る少女の火照り。そんな初々しさを、暫し味わっていた。 22:48 Ryumaco >【 優希 】 「痛み……?」                少し呆けたような顔でふるふる、と頭を左右に振った               「……」                ほぅ、と熱い吐息をつく。無意識に指で唇をなぞった 22:50 hikami0 >【ディルク】「なら、大丈夫だね」                そう、拒絶、の意思も感じられなかった。……今度は、唇を吊り上げ牙を晒す。                口元に向かっていた指先へと軽く唇を触れさせた後、再び少女の唇を……柔らかな感触を確かめるようにと触れ。                ―――浅く、牙で“傷”を付けた。滲む程度の傷跡、小さな、ほんの小さな、傷、を。 22:55 Ryumaco >【 優希 】 「あ」                指に触れる熱い感触に小さな声を漏らした               「っ」                唇に走るその小さな痛みに我に返る               「ん、んんんん!?」                我に返ったときには、唇は重ねられていた。もはやどうしていいのかわからない。手がディルクの背で慌てるように動く 23:00 hikami0 >【ディルク】「……っ、ふ…………」                軽く、呼気を漏らす。滲み出た傷を舐めるように……舌を触れさせ、滲む血を舐め取る。                こく、と、喉が小さく鳴り、触れ合った熱さを甘受する様にと―――そのまま、舌先が唇を擽る。血の、味。口腔に感じ取れる生命の躍動。                ―――たっぷり数秒、唇が離れた際には、微かに朱に染まった唾液が零れた。 23:03 Ryumaco >【 優希 】 「んぅ…ふぅん……っ」                鼻にかかったまるで甘いような吐息を漏らす。口の中に広がる微かな血の味と、それを包むような不思議な甘い味。脳が麻痺して錯覚してるのかもしれない。                唇を擽られると次第に膝の力が抜けて、身体を支えるために無意識にその首にしがみついた               「はぅ……」                唇が離れれば、とろりとした瞳を返してしまう 23:08 hikami0 >【ディルク】「……―――如何かね、どこか、変調は、あるかね?」                そう、耳元へと囁き……少しだけ、身を離す。己の指を相手の唇へと触れさせ、そ、っと、残滓を残す唾液を拭い取ってやって               「そう甘える、と言う事は、あながち悪い気はしなかった様子だが、ね。                さて……―――少量ではあるが、こういう方法も可能だ。粘膜の傷は塞がりが早い、少量でも、流石にウィザードのプラーナともなれば、十分な活力になる。                何より―――…………美少女との、キスだからね。俺としては役得さ」 23:11 Ryumaco >【 優希 】 「……」                身を離されればぺたん、と床に座り込んだ               「え、何、今の」                再度唇に触れ呟く               「甘え……?」                何のことを言われてるんだろう               「……キ…ス…?」                子供が問いなすように、そう聞いた 23:15 hikami0 >【ディルク】「……まさか、とは思ったが……ふむ」                その様子に、意地悪く笑みを浮かべる。……僅かにしゃがみこみ、ぽん、と、髪へと触れ……再び、此方へと視線を向けさせる。                先刻の行為を思い出させるべく“牙”を見せる、笑みをむけていた               「そう、キス、だね。口付けでの接触は最も容易く他者と触れ合える。親愛を示すのにも、愛情を示すのにも、有効な手段だろう?                ……幾種もの意味で、今の優希には良いかと、思ってね。―――気に入ってくれたかな?」                そう、いつもと変わらぬ、笑み。……動じる、と言う様子は、なかった。 23:17 Ryumaco >【 優希 】 「な、なな……」                クッションを掴んだ               「な、何してんだぁっ」                目じりに浮かんだ涙は、驚いたから?恥かしいから?思いっきり、そのやわらかいものを投げつけて               「キ、キス、は、初めてだったのに!?」 23:21 hikami0 >【ディルク】「お、っと……」                ぼふ、と、今度は、命中していた。最も、痛みは無く、ただ、軽いだけの衝撃               「―――ふむ、ならば“牙”は無粋だったかね?……あの距離に踏み込んでも、拒否する様子が無かったからね。それとも……―――」                そう、クッションを掴み、ぽふ、と、優希の膝の上へと、落とす               「嫌、かね?」 23:22 Ryumaco >【 優希 】 「っ」                嫌かと問われれば……嫌悪感はない。それ以上の色んな理解しきれない感情が渦巻いて               「ば、ばかぁっ」                だからそう叫んだ               「馬鹿すけべキザーっ!」                その顔は真赤で、理解し切れてない感情に振り回されてるのがよくわかる 23:25 hikami0 >【ディルク】「ふむ、流石に混乱させたかな」                それでも、拒否、ではなかった。ならば……必要なのは、整理の時間、か。                ぽん、と、軽く髪へと触れ、そう振り回され、翻弄されている少女を軽く、宥めるようにと撫で様としていた               「随分、不本意な言われようだね。それに、優希。」                ―――……そこ、で、一度。言葉を区切った。 23:27 Ryumaco >【 優希 】 「うぅぅぅぅっ」                渡されたクッションをぎゅっと抱いて小さくなる姿は、女の子かもしれない。その触れる手に抵抗はなかった。する余裕もないのかもしれない               「何?」                名を呼ばれると、どうしていいかわからないとありありと訴える目で 23:29 hikami0 >【ディルク】「……―――“女の子”は、こう言う時、もう少し可愛い反応を見せると、男は喜ぶものだ。                ……髪の話しでは無いが、此れは、まじないの類ではなく、本来“美しいもの”に惹かれる男の性根、と言えるだろうね」                そう、混乱を打ち切るには、さらなる混乱。―――不意打ちを狙い、優希の額へと唇を触れさせた。 23:31 Ryumaco >【 優希 】 「あ…あぅ……」                その言葉は、コンプレックスを刺激した               「ど、どうせ女の子らしくなんかないもんっわかんないよそんなのぉっ」                そう叫んだ瞬間に額に触れる暖かい感触               「―――!?」                首まで赤くなる呼吸が止る 23:34 hikami0 >【ディルク】「十分、女の子らしい、とは思うがね。“今の反応”は……十分可愛いと思うが、ね」                そう、戯れたような笑みを浮かべ……今度こそ、身を離す。とん、と、軽く足を慣らし……               「――俺が居ると、平静にはなり辛いだろうからね。……夕食時には、また誘いに来よう」                そんな、戯れにも似た言葉と共に、踵を返す。不意打ち、でしかないその襲撃。後は……―――…… 23:36 Ryumaco >【 優希 】 「ばっ」                もう脳はまともに動いてないんだろう               「馬鹿ぁ!」                ただでさえ貧弱なボキャブラリーはろくな言葉をきびすを返す男にぶつけることができなかった。その姿が消えると頭を抱える               「ど、どぉしろっていうんだよぉ」                それはとてつもなく大きな課題になった