21:14 hikami0 >“四大強国が争いあう世界” 21:14 hikami0 >最初に興味を持ったのはそんな、他愛もない既視感からだった。 21:14 hikami0 >“虐げられる民族が其処に存在する” 21:14 hikami0 >盾を掲げる意味を見出したのは、そんな当たり前の一幕だった。 21:14 hikami0 >そして、最初の意味合いは現実的な戦力を見さえすれば大きな誤りを含んでいた事も、直ぐに判った。 21:14 hikami0 >……正式にAAAの介入が決定されたのは、その少し後の話しになる。 21:14 hikami0 >―――こうして、国交、と言うのも少し違和感があるものの、ランブレイとAAAは親交を深めて行く事になる。 21:14 hikami0 >そして、今日。 21:14 hikami0 >戦中とは言っても、ほぼ侵略を受けているに近しいような状況にあり、自ら軍を動かす事はほぼ、無いように見受けられた。 21:14 hikami0 >そんな世情故か、それとも戦争、と言う暗いムードを払拭する為なのか、誘われ、招かれた祭の会場は相応以上に賑やかな物に見えた。 21:14 hikami0 >…………気分転換か、このランブレイの土地をイオにも知ってもらいたかったからか。 21:14 hikami0 >【カルミア】「……予想以上に盛り上がってるみたいで、ちょっと安心したわ。辛気臭い風景だと、折角誘ったのに何だかつまんないものね」 21:14 hikami0 >メインイベントは巫女選出の儀式だと言うこのお祭。 21:14 hikami0 >今は開始前、幾多も並ぶ出店の辺りにもまだ活気があり、売り買いされるものも独特の物から“出店”らしきものまで様々なもの。 21:14 hikami0 >そんな人混みを歩く事も、滅多にない経験。 21:14 hikami0 >伴った少年へと軽く振り返り、言葉を向けていた 21:25 rouge_ >【 イオ 】 「ええと………」                はじめて見る町並みと光景に戸惑いを感じながら。 周囲の出店とカルミアを交互に見やる。  ……さあ、まず考えろ。                これはどういう状況だ?  異国の祭りに、誘われた。 誰が?  イオ=フィライトが、カルミア=アメテュストスに。 どういう用件で?                1.姫君として親交のある国を巡る義務がある 2.プライベート  ……今の彼女に1はない。 となると自動的に2になるわけで…。                で、それに俺を誘う意味は…   ぼう、っと、今時分の身に起きていることを考える。                分かりやすく言うのなら。  どうしてこうなった!!  …と、いうことである。  そんな挙動不審な様子で、少年はあちこちを見回していた。 21:30 hikami0 >【カルミア】「……………イオ、聞いてる?」                世間話、と言うよりも、ただの雑談。そう……幾度かこの地でグランデを用いては居るが彼と戦線を共にした事は無い。                纏うドレスも今日はボリュームを抑え、装飾も簡素になっている所為でワンピース、とも言える程度の物。無論、公務に耐えうる物ではなくただの私服、であった。               「始めてくる土地なんだし、わからないでもないけど。……あんまり余所見してると、はぐれるわよ、結構、人多いから」 21:35 rouge_ >【 イオ 】 「ェ……?  ああ、はいっ…!?」                思わず直立不動で返事を返して。                 「それで、その………今日は、ここへ、何を?」                ごほん、と咳払いをする。  周囲を見回し、カルミアに害をなそうとしているものがいないかどうか、確かめつつ。                …ああ、それも今日の俺の仕事じゃないか。 そんな事を追加で考えつつ。                「その、俺、ここで何をしていいか、聞いてなくて。」 21:40 hikami0 >【カルミア】「………………それも、言った。“お祭があるから、見に行きましょう”って、今日出る時、ちゃんと言わなかったっけ?」                む、と、僅か怪訝な表情を浮かべ……足を止める。僅かに遅れる位置について来るイオの側に数歩で戻って……元々、身長はそう、差がある訳ではないのだ。正面から相手の顔を見やり、視線を合わせようとしていた               「ランブレイの話し。……たまにするけど、イオはこっちの任務からは今の所外れてるじゃない?                今日は任務じゃなくって―――ああ、一部任務で祭に参加する子も居るっぽいけど―――私用、だもの。好きに行っていいって話しだから、イオにも見てもらおうと思ったのよ」 21:48 rouge_ >【 イオ 】 「ああ、その、聞いてたような、気は、しましたけど。」                どうも自分は、色々と舞い上がってしまっているのかもしれない。 冷静じゃない。 思考が現実と完全に乖離してしまっているような気がする。  目の前に見えるカルミアの顔。                雑踏の中でも、ふわりと感じる風に混じったカルミアの香り。 知らずに、体温が上昇していくような錯覚。                「その、今日は……つまり、プライベートで、遊ぼうってことで…俺を?」                恐る恐る、にも似た確認。 21:57 hikami0 >【カルミア】「だ・か・ら!」                じっ、と、身を乗り出す。……距離、としてはかなり、近い。人混みの中、と言う事を差し引いても相手の表情が如何にか判別できる程度の視野。                ……放つ言葉、響く音。それらに混ざり、イオの鼻先に吐息が掛かる。雑踏の流れにより生じた風に舞う紅い髪……               「……最初っから、そーいってるじゃない。今回は任務でもなんでもないの、ただ、あたしが時々出入りしてる“ランブレイ”でお祭がある。……折角だから、この国を見ておいて欲しいし、折角なら……っ、わっ……!?」                立ち止まってこんな話を続けていれば、それは邪魔にもなる。路上で立ち止まっていたのだ……駆け回る子供から足元に体当たりを喰らい、軽くよろめく。子供はと言えば掠めた程度なのか、元気にそのまま、走り去ってしまっていた。 22:04 rouge_ >【 イオ 】 「あ、改めて、言葉の意味を理解しました…理解した!」                近くにかかる吐息、目を何度もしばたかせながら、じっと目に映るその容貌を焼き付けて。白い肌、紫の瞳、紅い髪、自分に向けられる声と意識。 そういうものを感じて、ようやく声を上げた。                「って、わっ!?」                足元をよろめかせるカルミア、転ばないようにその身を思わず抱き寄せる。  こういったとっさの事態にまず身体が動くようになったのは、なんといってもクーとの訓練の結果のおかげだろう。                そんな風に心の中で感謝してから…。 現状を把握する。 22:10 hikami0 >【カルミア】「……っ、と……と……ぁ、ぁー……」                まず、触れたのはイオの胸元。鍛えられた、とは言い辛い物の、年齢相応の逞しさはある体つき。反射で手を突いた分、体の密着は無かったものの、かえって距離が近く感じられる事にもなるだろう。                さらには……身を離そうと思えば簡単である、と言う利点もある。最も―――               「……っ、ありがと」                かぁ、と、頬が染まってしまっては、色々と、不味い。至近距離であるが故に眼に入る相手の口元、反射で眼を反らした、と判る程度には露骨に反応が出た。 22:18 rouge_ >【 イオ 】 「え、ええ。  その、怪我とかは、ない……です、よね。」                抱き寄せているということは、強く身体に触れているということであり、流麗な曲線を描く腰に触れて。 折れそうな腰、なんてことはないけれど十分に女性を感じさせる手触りのわけで。                ……というよりそもそもこれは越権行為であり許されない粗相であり自分は重罪になってしまうわけだが今はプライベートな時間であり友人である自分が倒れそうなカルミアを支えたというのは何の問題もない行為であり。                いや、そもそもそんなことはどうでもよくて。                 「……あー…」                何となく視線をそのままにしていられず、空を見上げた。 22:24 hikami0 >【カルミア】「……………大丈夫」                軽く、視線を俯かせ……頭を、振る。何を照れているのだ、腰を抱かれる事なんて、ダンスの時等は、そもそも、そういう踊り方をするもの、なのだから。               「と、とにかく。……ちょっと、このまま、ぼーっと立ってるのは危なそうだもの。一先ず……歩きましょ。このまま、立っててもランブレイを見る事にはならないんだし……」                足場を確かめる。……本来はそんな必要など無い行為なのに、とん、とん、と、軽く地面を蹴り、状態を確かめる。……問題ない、当たり前、だが               「行きましょ。……折角出店があるンだもの、あんまり、こういうの歩いたこと無いから、あたしも珍しいってのはあるし」                ふわりと身を翻し、背を向ける。なんと無しに染まった頬が、少し恥ずかしい。 22:32 rouge_ >【 イオ 】 「カルミアは、その、メティストのお祭りは……」                めぐったことは、ないのか、と聞こうとして。  …めぐれる訳がない、と、思い至る。  向こうでカルミアが祭りを歩こうものなら、祭りが別の祭りに摩り替わる。こほん、と咳払い。 意識をシフトさせる、ここから先は、主従関係はなしだ。                「俺も、そんなにこういうところをめぐったことはないんだけど…。 こういうの、ただ見てるだけでも凄く楽しめる気がする。 ものを買うまでが楽しいというか…。 ああいや、ただ単に貧乏なだけかな。」                少ないお小遣いの仲で、何を買おうか迷っていた昔を思い出しながら、カルミアの背中を追いかける。  22:38 hikami0 >【カルミア】「壇上から、ね」                むしろ、祭の一部。王族のパレード、なんてもので御輿に担ぎ上げられるのがオチ、なのだ。こうして自分の足で歩いて巡る経験なんて、ほぼ、無い。他国に招かれた時などは、祭に行っているのか飾り物になっているのかが判らなくなるぐらいだったのだから               「お祭は雰囲気を愉しむモノって話しじゃあったしね。だったら……こうやって散歩するだけでもお祭に参加してるってコトなのかもしれないけど。そうねぇ……」                広がるのは幾種もの出店、店舗の軒先を使ったものから、何か莚のようなモノを敷いて上にモノを並べた様な所まで様々。……種売り、とか、何か明らかに怪しいモノまで含まれていたが               「……お祭って、活況だからこそ“お祭”なのよね、多分。だから面倒ごとは一先ず置いといて……ちょっとその辺見て回りましょっか。モノを買うまでが楽しいなら、それ、やってみましょ?」 21:14 hikami0 >……―――暫く、後。 21:14 hikami0 >祭の喧騒に飛び込んだ二人を待っていたのは…………軽い混沌空間、であった。 21:14 hikami0 >幾種もの出店、幾種もの露天……戦時中だから余計に、なのだろうか? 21:14 hikami0 >ある意味では安心してこの時間を満喫できる程度には戦線も落ち着いて居るのだろう。……そう、思いたい。 21:14 hikami0 >【カルミア】「はー……上から見てるんじゃ、判んないコト、流石に多いわね」 21:14 hikami0 >人ごみの多さ、これほど不特定多数の“他人”に距離を詰められる経験も、殆ど初体験に近いのだ。 21:14 hikami0 >結果、少しの人酔いを味わいながらも、その表情には笑み、と呼べるものが浮かんでいて…… 21:14 hikami0 >【カルミア】「しっかし……もーちょっと空いてないと良く見えないと思うけど。良いのかしらね、売る側としては」 21:14 hikami0 >漏れるはそんな、感想。ある意味ではゲンキンなのかもしれなかった。 21:21 rouge >【 イオ 】 「………はぁあ……」                妙に、疲れた気がする。  この喧騒、これだけの人間。 そして、カルミア。 まずいうなら、カルミアはとても目立つ。 目立つものには多くのものが惹かれる。                そんなわけで、色目を使って此方へ足を踏み出そうとする男達をにらみつけながら歩く。 …向こうも何処まで本気なのかは分からないが、例えポーズだけでも、近づけるわけにも行かない。 側仕えとして。 ……・友人としても。                「聞いてたよりも、活気がありますね。 なんか皆、凄くはしゃいでる感じがして…」 21:25 hikami0 >【カルミア】「……ぅん?イオも随分疲れてるわね。……ちょっと、人薄い方、行く?」                こちらは此方で“慣れて”居た。……人に見られる事も、それに人が寄る、と言う事も―――……こうして、誰かが不埒物を遮る、と言う事にも、だ。故に気付かず、故に余計な疲労の理由にも気付けずに居た。               「……良い事、だと思うンだけどね、コレ。なんか、ちょっとだけ落ち着かないけど、まー―――今は気にしない方が良いわね」                暗い雰囲気を吹き飛ばす為、と言うのもあるのだろう。そう思い、人に溢れる路地から、少しだけ落ち着いて見える方へと足を向けた。 21:29 rouge >【 イオ 】 「いえ、カルミアに付き合いますけど…。」                疲れはしたが、疲れているだけでもなかった。  部屋の中にいるカルミアの趣ともまた違う、生き生きとした様子。 楽しんでいるのだな、という事が、ありありと伝わってくる。                …そうかんがえていると、2年前にカルミア付きの使用人になったときに比べれば、分かる様になってきたのか、なんてぼんやりと考えつつ。                「カルミアは、落ち着かないほうが、好みみたいな気がする。」 21:34 hikami0 >【カルミア】「ん、正解だけどね。……イオは放って置くと自分の体力考えないで動くから、やっぱりちょっと、休憩って言うか……」                余所見、だろう。脇にいる少年へと視線を向けながら歩いていた所……対面から来た子供へと、ぶつかりかけた。相手が小走りだった、と言う事が逆に功を奏したか、反射で身をずらし……とん、と、逆にイオへと身を触れさせる事になっていた               「っと……ま、こんな感じにちょっと、危ないしね。……この辺りは食べ物ばっかりみたいだし―――向こう、いってみましょ?」                言いつつ示すのは、茣蓙の目立つ出店通り。市民や出稼ぎの商人辺りが広げているのだろう、雑多な細工物が並び始める一角……なのだが、不思議と人気が、少ない。                ―――境目辺りにある“種”とだけ書かれた立て札の茣蓙が異彩を放っているだけ、かもしれないが……そちら側へは、少数しか流れて居なかった。 21:41 rouge >【 イオ 】 「そんなこと無い……と思うんだけど…。」                放っておくと自分の体力を考えないで動く。  …なんだか今までの自分の行動をやんわりと責められている様な気がして、語尾はなんとも頼りないものであったが。                「…っと、気をつけてくださいね。 こういう騒ぎで足とかくじいても、つまりませんし。 俺達は、ウィザードみたいに丈夫じゃないんですから。」                その身体を倒れないように支えつつ。                 「何か食べるなら、落ち着いた所がいいですね。 こういう屋台の食べ物は、どうも高いだけだってイメージが…」                こういうところは、所謂下々の育ち、の感覚と言うものなのだろうか。 無駄なお金は使わない、が、よく染み付いていた。                「…種?  …フコーの種…。 ……妙なものうってるなぁ…。」 21:45 hikami0 >【カルミア】「あるから、言ってンの」                言いつつ、こっそりと小さな溜息を零す。……やっぱり自覚症状は無いのか、と……そうなれば、出来る限り自分も考えてやるべき、だろう。無理をさせる一因である程度の自覚はあった               「ん、ありがと、イオ。……遊びに出て怪我しました、なんてコトになったら馬鹿みたいだものね」                言うものの、常と違い視線が逸れる。……間近で、目に入った表情に……まだ、慣れない。否―――思い出して、仕舞いそうになる。元より狭さが原因での密着、直ぐに体勢は立て直せた               「そう?値段相応……とは、いかないんだろーけど、此処の物価ってこういうものなんじゃナイの?」                見れば何処も似たような値段であり……最も、迷宮街に帰れば2〜3割は安く買えるだろう               「フコー、って響きがどーにも、よね。……なんか、こっちの方って……」                その脇、アクセサリ屋では何か……動く?―――見なかったことにしよう               「……と、とりあえず。珍しいモノは、多そうよね、こっちの方」 21:53 rouge >【 イオ 】 「場所代と含めて、こういう祭りでの物価は高くなりがちだから。  祭りで食べるのは味じゃなくて雰囲気だ、なんて、そんな風に聞かされてきたな、家族に。 …あくまで俺の基準だから、この世界でどうなってるかなんて分からないけど。                祭りをちょっとはなれて、ふらっとそのあたりの店に入ったほうがいいものに出会えたりとか…」                カルミアにそんな解説をしつつ。 なんだかえらそうに語っているな、なんて事が気恥ずかしくなり、鼻の頭をかきながら視線をそらす。               「……今、蟹の手が動いたような…。  気のせい…だよな…?」                …気のせいだ。 ともあれ、あの界隈は近づかないほうがよさそうだ。  そんな気が、した。 21:57 hikami0 >【カルミア】「へー……場所代、なんてのもあるのね。そー言えば結構整然と並んでるみたいだし……ウチじゃ、兄様辺りが上手いことやってたのかしらね?」                その辺りの事情には詳しくない、と言うよりも……飾り、で居る事が多く求められた分、政治も半端、市井とも半端、と言う何とも微妙な“仕事配分”だったのだ               「あー、判る気はするわ。そっちの店も、なんか特別メニューとか、でてるみたいだし」                商店……いや、あそこは食堂、か?水神祭特別メニュー、なんて張り出しと共になにやら水色の物体が乗っかったサラダの絵が掲げられて居た               「……なんか、独特って言うか、さすがランブレイって言うか……」                何が流石、なのやら。そもそも技術力、と言う意味では隣国の方が上、なのだ。最も―――               「……ま、面白そうじゃあるし、行って見ない?」                そういう妙なモノ、に惹かれるのは悪癖の一つ。……イオが“危険”を感じた界隈へ向け足を踏み出してしまっていた。 22:06 rouge >【 イオ 】 「まあ、そういうのなら、構いませんけど…。」                どちらにしろ、カルミアの提案を跳ね除ける気もしない。 面白そうと彼女が言うのなら、付き添うまでだ。                「でも、気をつけてくださいね。 少し大通りは外れてるんで、危険かもしれませんから。 この喧騒なら、そう何かあるもんじゃ、無いでしょうけど。」                そういえば、カルミアには剣の心得があったはずではあるが。 …色々と叩き込まれた今の自分と彼女、どちらが身を護るのに有効な手段を取れるのだろうか、と、ふと、そんなことを考えた。 22:11 hikami0 >【カルミア】「物騒って言ったって、祭の真っ最中に不埒モノも出辛いでしょ?それに……此処じゃ、あたしはただの一観光客だもの、狙う意味もそー、ないと思うし、ね」                最も“不埒モノ”にとって見れば容貌だけでも価値があるのだろうが……そう警戒しても愉しみ損ねる方が損と、割り切っていた               「ほら、イオも。……それに、何かあっても、今のイオならちょっとは頼りにしていいんでしょ?―――色々と無茶してるみたいだし」                とん、と、一歩、踏み出す。……踏み込んでみれば、雑多な小物類が並ぶ区画、とでも言うべきだろうか?                それぞれが手作りであったり、露骨に試作品であったり……珍品の多い中、それなりのモノも紛れ込んでいる様な区域、であった。最も……その分、ちょっとだけ値段が上乗せされている様でもあったのだが。 22:18 rouge >【 イオ 】 「カルミアみたいに、武器の扱いなれてなんてないけど。 それなりの格闘術、位、なら。」                あれはどっちかって言うと喧嘩戦法とかなんかそんな感じのものなんじゃないだろうか。 言ってから、クーや怪しげな身体の動かし方を教えてくれた冬子に向けて心の中で毒づく。                「…でも、今なら、何時もの逆くらい、やって見せますよ。」                祭りの間は、護る、と。 そんなことを改めて告げて。                「カルミアが、何時もしてくれてるくらいには。  ……しかし…なんか、凄いな。 本格的に、見たことないものばっかりだ…。」 22:25 hikami0 >【カルミア】「へぇ……無手も覚えたんだ、って……そーいや、クードにも師事してたンだっけ?―――最初にクードにあった時にも言ったけど、あの動きは殆ど人外なんだから、真似しよーとしたって無茶よ?」                素性を知らぬまま、ある種、本性を言い当てるに近い言葉ではあるが……戦闘の光景を見れば、人外、とも言いたくなる。……鋼騎より間合いの広い素手など、初めて見た               「―――いーおー?あたしは普段、特になんもしてないわよ?グランデの事なら、お互い様、あれは、する、んじゃなくって、お互い様。……肩を並べて闘うんだから、そんなもんでしょ?」                ぺし、と、額を軽く指先で突付く。どうにも、最近イオが気負っている気がする―――……心配、よりも先立つのは、微かな喜色。そんな自分に内心首を傾げていた               「でしょ?……折角の異世界だもの、何か面白いものありそーじゃない?」                祭の中でも一際目立った空間……動く蟹の腕、タップダンスを踊って見える蟹の足、風もないのに揺れる鎖、水で出来ているかの様に透き通った水着……―――最後のは、見なかったコトにした。 22:33 rouge >【 イオ 】 「真似で切るなんて思っちゃいないよ…あれはなんていうか、参考にするのすら難しいっていうか…。」                修行中、鋼騎に乗ったまま、何度地面に尻餅をつかされたか分からない。 クーのことを思い出して、ため息をついて答えとして。                「そりゃいつものは、戦場の役割分担ってことで片付くのかもしれないですけど。」                むう、と考え込みつつ。                「……それとも、俺、頼りないですか? …今日の今くらい、そうしたいんだ。」                それは友人に対してなのか、主君に対してなのか、今ひとつ、使い分けが出来ない感情だったけれど。                 「………すっげ。 あれ、何の服だろ…。 防具の一種か…?」                水着です。 22:38 hikami0 >【カルミア】「鳥じゃないあたし達が、空を飛ぼう、って言うぐらいの無茶よ、アレ」                ある意味では酷い評価、だろう。……その“空を飛ぶ”事すら、ウィザードにとっては簡易な事なのだろうけれど。……最も、そんな反応を茶化したいた所為での、不意打ち。……今日ぐらい、その言葉に、一瞬……詰まった               「……ぁ、ぁー―――……」                そう、慣れて、いない、のだ。……笑って誤魔化せば良いと気付くまでに数秒、その数秒が重く、今更、と言うのが、また数拍。結果……               「……………お、男なんだから。……生身のあたしより、流石に頼りになるぐらい、思ってる、わよ」                ぷい、と、視線を背け、露天へと向かう。最も、行った先は透き通った水着、つまり逆効果―――               「……………あれが防具だって言うンなら、竜騎達に同情するわよ、ほら、こっち、いくわよ」                誤魔化すようにと、取った行動。……イオの手を握り、ぐい、と、引っ張る、と言う常にはない直接的な行動、であった。 22:43 rouge >【 イオ 】 「……ど、どうも。」                自分で話を振っておきながら、とんでもないことを言ったんじゃないだろうか、と、カルミアの背中を眺めつつ、頬を赤らめて。                「ちょっ、カルミア! そんなに急ぐと…!? って、ええ!?」                …ふと見えた露点では、カルミアの服…というか、クロスアゾートに告示したデザインの服が何着か並べられているのが見える。  色も、肌の露出も、質感も、実にそっくりだ。 何度も見ているので、よく覚えている。  22:48 hikami0 >【カルミア】「……そこは、礼を言うトコじゃないでしょ」                言うものの……耳の辺りがほんのり赤く染まっていた。流石に気恥ずかしくはあるのだろう、イオの手に伝わる掌も常よりも少し温かく……               「何よ、イオ、何かあったの?」                こっちは、気付かないまま。……気恥ずかしさが先立ち、歩みの歩幅も自然と大きくなって               「……っと、とにかく!……この辺、なんか無いか、探しましょ?その辺とか……」                指差そうと、手を挙げ―――繋いだまま、であった事を、そうしてから思い出す。上手く動かない肩、ああ、本当……何か、調子が狂いっぱなしであった。 22:54 rouge >【 イオ 】 「っと……」                手をつないでいるため、歩幅を大きくしたカルミアの動きについていけずに軽く、つんのめる。 それで姿勢を崩したり転んだりということは無いのだが、それではじめて、手をつないで歩いていた、ということを認識して。                「…ぇえと。」                妙に、体温と心音が上昇しているような気がする。 冷静さが根こそぎ蒸発していくような…。 思い出されるのは、自室での人工呼吸だったり、カルミアの部屋で書物に目を通す横顔だったり。 妙に、頬が紅潮した。               「え、ええ。 カルミアは、特に何か探すものとかあるのかっ!?」 23:00 hikami0 >【カルミア】「……………………………とっ……」                声が、裏返った。慌てて、手を離し、くるりと振り返る。……ふわりと靡く紅い髪、雑踏にさらされて尚残る淡い香りは出掛けにつけた花のコロン。……改めて正面から向き合うと……妙に、気恥ずかしい。ふるりと、頭を振り、長い睫を軽く伏せた               「……特に無いけど、折角だし、髪留めか……そうね、部屋の鍵とか、なんかストラップつけた方が良いって言われたし、その辺探そうかしら。丁度、ほら、良さそう、だし」                見えたのが、丁度細工物の集まった空間であり、種々の石を用いた、ちょっとしたファンシー雑貨の類が集まっていた、と言う事もあるのだろう。……誤魔化したにしては、丁度良い言い分。実際、その二つは近々買おうとも思っていた。―――そういう事に、した。 23:06 rouge >【 イオ 】 「そ、そっか。 じゃあ、それを探そう、そうしよう!」                上ずる声。  …なんだか、同じような状況に二人とも陥っている気がしないでもない。 しかし、必死なのもまた同じである二人であって。 カルミアのコロンの香りに、また一つ、意識を奪われながら。                綺麗だし、いい香りだ。 素直に、そう思ってしまったから。   自分の探したいものも思いつかないし、ここはカルミアの言うとおりにしよう、と。                 「どんなのが似合うかな…? 鍵の色、確か銀だったし…。」                露店を、連れ立って物色し始める。 23:08 hikami0 >【カルミア】「と、りあえず……」                こほん、と、咳払い。―――心なしか、店主の微笑ましげな視線を感じた。……気にしない事に、した。意識すると、何かが、おかしくなりかねない。……こほん、と、もう一度、咳払い               「銀、って結構色々、似合うものね。そう、ね……―――」                そんな視線を無視するために、隣の露天へと。……そこでも、何か妙な視線を感じた。……それはそう、だろう。頬の熱の引かないまま、男女の二人連れ。揃ってアクセサリを探す。……典型的なパターンに陥り始めている事にすら、気付いて居なかった。 23:15 rouge >【 イオ 】 「無くさないように目印になる程度でいいから、そんな重いものじゃなくていいよな。 とすると………これとか……。  これとか…?」                翡翠色や、琥珀色の小さな宝石飾りの付いたストラップ。 一つ一つ手にとって、手に取るたびにカルミアに見せて、意見を問う。時折、何かを意識したように、カルミアをじっと見たりと。  誰かが二人の姿を見るならば、『勘違い』してもおかしくない…そんな類の光景ではあったのだ。 23:19 hikami0 >【カルミア】「……そう、よね。となると……」                おかしい、視線が、合わせられない。……イオの手元にだけ視線を向け、時折返事を交えた頷きを返す。……輝石の類、にしては小さく、恐らくは市場流通の難しいものか……そう見える模造品、か。それでも、綺麗、なのは確かであり―――ふと、視線を向けた先               「……イオ、これなんて、如何?」                浮かんだのは、ようやく取り戻した悪戯げな、笑み。ストラップの先に青と赤……サファイアとルビーにも似た光沢を持つ細工が取り付けられたもの、であった               「……取り合わせとしちゃ、良い組み合わせじゃない?……―――あたし達が買うなら、さ」 23:24 rouge >【 イオ 】 「……あ、これくらいの大きさなら、ちょうどいいと思うし、色も綺麗だし…。」                カルミアの差し出したものを、受け取ってじっと眺めてから。                「この中じゃ、これが一番かな。 俺もそう思う……って、俺達…?」                渡されたのは、二つの細工品。  おそらく、同じ職人が作った、同様の細工を施されたもの。 石の種類が違うだけの代物。                「ええ、と、俺、にも…?」                揃いの品なんか、かっていいのか、と。 23:29 hikami0 >【カルミア】「……―――折角一緒に買いに来てるのに、別の買う心算?イオも、鍵につけんの、買うつもりなんでしょ?」                むぅ、と、軽く拗ねたような表情……これも珍しい所ではあるのだろう、悪戯、を考えていた分……少し、アテが外れた               「いいじゃない、折角なんだし。イオも気にいったんなら、これでいーでしょ?」                自分は髪の色、イオは―――……青。今は預けてある、剣に仕込まれた“細工”の所以。意識した訳では、無い。―――青をイオと結びつけた取っ掛り、程度はあるかもしれないけれど。 23:34 rouge >【 イオ 】 「や、俺は……。」                別に無くさないし、大丈夫…と、喉から言葉がでかかったものを何とか飲み込んで。                「カルミアが、それでいいって言うんなら、俺は構わないけど。」                改めて、片方の、青の石のはめ込まれたストラップを受け取って。                「………こういうのも、いいのかな。 あんまり、ものは買わないようにしてきたけれど。」                一度でも、イオの部屋に入ったら、そのものの少なさに驚くことであろう。 身の回り以外のものは、ほとんど手にしない。 そんな男なのだ。 23:39 hikami0 >【カルミア】「……んじゃ、決まり。おじさん、これ頂戴?」                店主に向けて、その二つのストラップを掲げて見せる。……きらりと、陽光を照り返して見える輝き。足元に落ちるは二色の光が絡まりあい、一部に見える、紫……―――揃い、とするには良い取り合わせだろう。                内心の満足に、口元が緩み……代金を払う際にも、なにやら店主が楽しげにしていた。―――……それが、やっぱり気恥ずかしかった               「いーの。……イオの部屋は飾り気無さ過ぎよ。本はあるんだし、本棚ぐらい、新調したら?……っていっても、流石にこっから本棚もってかえるンなら……リディあたりに手伝って貰わないと、だけれどさ。あの手品、やっぱ便利よね。月衣、っていったかしら。……今度教えてもらおっかな」 23:46 rouge >【 イオ 】 「それ、リディアに鋼騎の扱い方を覚えろって言ってるのと、変わらないんじゃないか…?便利だと思うけど、一朝一夕で何とかなるのかな…」                カルミアのそんな言葉に、そんな突込みを返すくらいには、こんな関係にも慣れてきている、らしいけれど。                「って……」                代金を支払う前に、カルミアがまとめて支払ってしまって。  なんだか落ち着かない。  視線を動かして、並んでいる賞品を見回す。 ふと、金細工に細かな宝石がいくつかあしらわれた、見目のよいバレッタが目に入って。  難しいことを考える前に、それを手に取った。 23:50 hikami0 >【カルミア】「……ま、変わんないと思うけどさ。あそこまでじゃないにしても、ちょっとしたモノを隠せる手品なら、教えて貰えそうじゃない?鋼騎じゃなくて石騎なら、きっとリディでも動かせると思うしさ。」                そう、言う問題でもないだろうが……事情の判る“ウィザード”不在の今、カルミアにとって見れば月衣も“便利な手品”であった。……理論ではどうしようも無い、と言う事にも……無論、気付けずに居た               「っと……それじゃ、目的のも手に入れたし……―――うん?イオ、なんか、まだあった?」                手渡した青とは違う赤の側、ここで付けるのも目立つかと思い一度ポケットにしまい込みつつ……               「髪留め?」 23:56 rouge >【 イオ 】 「いや、その、今は、対等だから。」                ストラップ、出してもらったんだし。  …言い訳にしか聞こえないような気もする。 自分でも、何処か意地の張った行動だとは思ってるのだけど。                「買ってもらった分は、お返し。」                カルミアが何かを言う前に、店主にこれを買う旨を告げる。  …正直、思ったよりも随分と根が張ったのだが、それも気づかれる前に、さっさと会計を済ませてしまう。 こんな時ぐらい、無駄遣いしちゃっていいじゃないか。  そうして、手に入れた金細工の髪留めを…無造作にカルミアの手に乗せる。 00:01 hikami0 >【カルミア】「……ぅん?」                きょと、と、一拍の間。何か、と察する前に……―――掌に乗る、重み。指先に触れる細工の細やかさ、なるほど、手作りらしい逸品は……               「っ、て……ぁあ、ええ、と……」                良いのか、と……問うのもきっと、無粋。なら、頬を緩め、ふわりと、歳相応の笑みで返すのが良い。―――王女としての繕った笑みではない、カルミア本来の少し悪戯げな笑みを浮かべていた               「ありがと。……じゃー、そーね。」                それでも、相手の方にと、差し出して……               「どーせなら、つけてよ、イオ」                そう言い、軽く身を屈めた 00:07 rouge >【 イオ 】 「あー……」                中々後先を考えない行動ではあったものの。 反応を見る限り、そう、悪い気分ではないようであったのは、よいことか。                「……それじゃあ。」                すう、と、深呼吸。  専門ではないが、こうしたときに身の回りの世話が出来るようにも仕付けられている。  髪留めの構造を把握すると、ゆっくりとカルミアの髪に触れて、その髪を束ねる髪留めを、交換していく。  00:10 hikami0 >【カルミア】「……ん……」                改めて考えると、少しくすぐったい。……一度解かれた髪がふわりと広がり、花の香りを周囲に広げ……ぱちん、と、小さな音。慣れぬ飾りが己の髪を、見慣れた飾りがイオの手に、それぞれ、交換されていた。……長い髪の分、こうして手伝いを頼む事もあるの、だが………               「……………似合う?」                ……なんだか、凄く、くすぐったい。身を起こし、髪を軽く掻き上げ、相手にその飾りを見せて。 00:14 rouge >【 イオ 】 「綺麗……と、俺は、思う。 あ、そりゃ…何時も、綺麗だけど。  ああ…そうじゃないな、似合ってる。」                見立ては、間違ってなかった…と。  カルミアの、綺麗な、日の光に映える赤毛に、控えめに輝く金細工の意匠。 少し派手ではあるかもしれないけど、彼女にはこれくらい華やかでちょうどいい。 そんな風に、思った。 ぐるり、と、カルミアの周りを一周して、そう告げる。 00:17 hikami0 >【カルミア】「……ん、ありがと。イオにそー言ってもらえれば、ちょっと安心できるわ」                そう、少し戸惑ってくれるぐらいが……丁度いい。くす、と、悪戯な笑みと共に……               「普段はこっちつけとこーかしら。……イオも、それ、つけんのよ?ちゃんと。あたしも、自分の鍵に帰ったら付けるから、さ。」                そう、告げる。……言ってから、少し気恥ずかしかった。……つぃ、と、視線が逸れ―――丁度いい口実、視線の先に、ぽん、と、一度花火が上がった               「……ん、何か、始まるのかしら?」 00:25 rouge >【 イオ 】 「むぅ……」                今更ながらに何処か気恥ずかしさを覚えて、視線を泳がせる。 視線をそらすのもなんだか負けた気がするから、という、そんな理由だけど。 ただ、目に映るいたずらめいた笑みは先ほどまでよりも尚、魅力的には思えた。                 「ええと……」                首を傾げる。  そんな時、はらりと足元に落ちてきた一枚のチラシ。  水神に感謝をささげる儀式のための巫女、【水神の巫女】を決定するための儀式が始まるようだ。 祭衣を身にまとい、最も美しいとされる巫女を選ぶ……。                祭衣は如何見ても水着にしか見えず、それが並んで壇上に立つ絵がかいてある様は、ミスコンテストを連想させた。                「…何でも、お祭りのための儀式が始まるんだとか。 …見に行ってみる?」 00:29 hikami0 >【カルミア】「……ふふ、にしても、これ、結構いーわね」                ふわりと靡く紅い髪、きらりと、陽光に映える金の飾り……今日のドレスは白地がベースであり、服にも良く似合ってくれた               「―――出がけに何人か集められてたの、これかしらね。まー、お祭のメインイベントなら、折角なんだし、見に行きましょ?二人選んで二会場、か。どっち行くか、とりあえず近くに行ってから考えましょ。……早く行かなきゃ、見れるもんも見れなくなりそーだし」                そう、告げ……今度は手を、掴むのではなく、伸ばす。折角だから、そんな言い訳を自分に課しながら…… 00:33 rouge >今は、主従じゃなくて、友人同士で。  今は、こんなにも人通りがある。 はぐれると、面倒しかない。 なら、如何するかなんて……          【 イオ 】 「そう、だな。 行こう。 人、多いからはぐれないようにしないとな。」                そんな風に少し考えた後。 強く、差し出された手を取って。  連れ立って、儀式の会場へと、歩いていく。 00:36 hikami0 >【カルミア】「……ん」                そう、小さく頷く。触れた掌は……背はそう変わらないのに、自分よりも大きく感じられる。とくん、と、鼓動が、鳴る……少しの恥ずかしさと、何となく覚える楽しさ。こんなのも、良いものなのかも、しれない。                ……祭の空気、逸れないようにと手を繋ぎ、連れ立ち人ごみの中を歩く。ポケットの中にはおそろいのストラップ、髪を飾るのは、つけてもらった髪飾り。―――故郷では味わえなかったであろう“祭”をもっと楽しむべく、その喧騒の中心へと……