21:06 hikami >昼過ぎ……と言うには、少々時間が経ちすぎているかもしれない。 21:06 hikami >もう直ぐ夕方、料理人ならば食事の支度を考え始める程度の頃合―――もっとも、この部屋の住人にとっては無縁とも言える話。 21:06 hikami >手にしているのはファージアースの本、大衆紙の類ではなく、ウィザードについて書かれた文献、とも言えるらしい。 21:06 hikami >赤黒い背表紙に金の文字、描かれた言語は明らかに共用語ではなく、見る者が見れば魔術文字である事が判断できるだろう。 21:06 hikami >何の事は無い、借りた出元が魔王であり、翻訳用のツールは掌に収まる程度の魔術端末であった。 21:06 hikami >元の文化が魔導と機械に属するだけに順応は早く、後は…… 21:06 hikami >【カルミア】「ねー、イオ。……リディに言ったら使い方とか教えてくれるかな、あの月匣、っての」 21:06 hikami >―――あれがあれば物の持ち運びに苦労しなさそう 21:06 hikami >この本を借り出してきた際、ほんの数時間前に放った言葉はそんな内容であったのだが……勿論、読んで判るほどウィザードの真理は、浅くは無かった。 21:08 Ryumaco >KNOCK KNOCK 21:08 Ryumaco >そのときドアが鳴った 21:08 Ryumaco >【 優希 】 「カルミア、いる……?」                ドアの向こうからする声は、以前グラスパに過剰な反応を見せていた少女 21:09 Ryumaco >【 優希 】 「ちょっと、話しあるんだけど、さ」                その声は神妙に、言葉を選んでいるようだった 21:18 rouge_ >【 イオ 】 「……え、あ、はい?」                椅子に腰掛け、カルミアが何か必要そうなら動く。  そんな、従者とも友人とも取れないような、なんともいえない微妙な時間。 ぼうっと部屋の中を眺めているうちに、ぼんやりと瞼が落ちてきていた。                午前中からのマルディナの教えはやはり中々に身体に負担をかけていたらしかった。 ぼんやりしていると、身体が直ぐに睡眠を求める。                 「……っと、あー…。 すいません、ぼうっと、してました。」                何か答えようかと思ったが、取り繕う前にこの青年は正直だった。  そんな時に、聞こえたノックの音。                「……優希?  …ですかね?」                如何しましょうか、と尋ねながら、立ち上がる。 客人なら招き入れるのが自分の仕事で、面倒なら追い返すのも、自分の仕事だ。 21:23 hikami >【カルミア】「……眠い?」                ぐぃと身を反らし、顔が逆向きになる微妙な視線の向け具合……前髪がぱさりと落ち、普段は前髪に隠れている額が露になって……言葉を続けようとした矢先に響くノックの音に、再度身を起こす               「……んー、別に害がある、ってわけでも無いでしょ。それより、なンか声が沈んでるほーが気になるわ」                もっと無謀……もとい、突撃思考、と言うのが覚えた感想、であったわけで……               「居るわ、優希。空いてるから、入ってきて良いわよ」                迎えに出る程でもなかろう。……何よりイオも疲れ気味の様子、なのだ。ドアを開けに行く程度の雑用を省略しようと、そんな言葉を戸の外へと放った。                ―――もっとも、だからと言って自分が立ち上がる、と言う所までは思考が追いついて居なかった訳、だが…… 21:25 Ryumaco >【 優希 】 「……ん、さんきゅ」                がちゃり。そう声をかけながらドアを開けた               「あ、イオもいたんだ……もしかして、お邪魔……?」                なんとなく、そう聞いたほうがいいかな?そう思った               「邪魔じゃないなら、グラスパについて、教えてほしいんだけど」 21:28 rouge_ >【 イオ 】 「それを決めるのは、俺じゃないよ。」                そう答える。 眠気にとらわれていた頭は、次の言葉で一気に覚まされる事になったが。                「……グラスパ、か。」                目の前の少女をじっと見やる、自然と目が険しくなる。 21:33 hikami >【カルミア】「邪魔、って、何の邪魔よ。本って意味なら……ああ、優希もウィザード、だったわよね?」                それなら、この本、の内容を聞く事も出来るか……内容としては“ウィザード”として古い派閥が自分達の能力……月衣について、やたらと丁寧に書き記した古臭いだけの書物。                古典、を超えた化石や骨董品レベルの代物―――現代のウィザードにとっては無用のモノでしかないだろう               「……ま、用件は深刻っぽいわよね。あたしも、ちょーっと優希に話し聞いてみたいって思ったままズルズルしてたし。……イオも居るから丁度良いでしょ。こっち、座っていーわよ」                それはどちらに向けたものか。元々そう広くはない部屋の空きスペースを新たに占拠している4人がけのテーブル……空いている椅子は、2つ。 21:34 Ryumaco >【 優希 】 「あ、いやほら、いちゃついてるとこに、敵意丸出しの話しってどうかなーっておもってさ?」                自分を落ち着かせるための軽口。ダシになった二人には悪いけども               「さんきゅ」                促されるままに座る               「ぅわ、なにこの高そうな感触」                いい椅子、だった 21:35 rouge_ >【 イオ 】 「はい。」                立ち上がり、優希の分も椅子を整える。 ティーセットはあいにく、カルミアの分しかない。 如何したものか、とは思うが、話を聞き逃すのも癪ではあった。 まあ、優希にそこまで尽くす義理もないか、と、酷いことを考えつつ。  21:38 rouge_ >【 イオ 】 「……外からって、そういう風に見えるのか、俺。」                その言葉に、何故かショックを受けたように。                 「………すみません、至らなくて。 もっと精進します。」                …それでは明らかに使用人失格ではないか!  カルミアに、深く頭を下げた。 …生真面目もここまでくるとどうか、という一例ではアル。  21:41 hikami >【カルミア】「や、そこでイオが凹む話じゃないでしょ、コレ」                かく、と、肩が落ちる……その生真面目さ、悪い訳ではない、のだが……               「イオ、優希の前で“従者”を誇示する必要ないわよ、賓客って訳じゃあないんだもの」                言うフォローも何か、ズレていた。……気安いつもりで居るらしいのだろう、が……               「ま、なんにしても優希が心配するよーな状況じゃないわ。あたしは勉強中、イオは休憩中……話しする分には問題ない状況よ。で……―――グラスパの事、よね。何が聞きたい、って言っても―――ま、漠然とした質問になるわよね」 21:45 Ryumaco >【 優希 】 「フゥン?」                カルミアの言葉にイオをちらっとみる。苦労してるんだな。むしろイオ自身が気付いてないのかも?とか思う。が、今はそんな話じゃない               「仇を知らないと仇討ちもできないじゃん?」                ぐ、と手を握る               「それにほら、そっちも。ボクんとこで何しでかしたか、知りたいんじゃないかな?って。ま、これはボクの希望的観測」 21:48 rouge_ >【 イオ 】 「………じゃあ、そのように。 カルミア。」                気分を切り替える。  これでこの時間は、彼女は君主ではなく、同年代の友人、だ。                「仇を知る、か。 そういわれてみるなら、お笑い種でもあるんだぜ。 ……その仇を知るどころか、ずっとだまされてたのが俺なんだから。  グラスパ=ガナドゥール。」                思い出し、名をつぶやくだけでも、表情が強張る。                「大体の想像は付く。 けど、そっちが話してくれるっていうんなら、聞く。 こっちも、話せることは話す。 俺は、そんな感じだ。」 21:51 hikami >【カルミア】「同感。……あたしも、同じよ。その辺りの顛末は優希も目の前で見てたから省略するけど、ね。……あたし達は“騙されていた”って訳。それでもいーなら、話せるわ。                あいつがどうやって、あたし達を騙したのか……そんな話しになるから、あたしが言えるのはアイツの上面と―――そーね、敵を知る、って意味なら、ある意味嫌な話しなら聞かせられるわ」                とん、と、軽く額を指先で叩く。……つい先日、まだ、克明に思い出せる。……重すぎる一撃、溜めの大きさが故に“派手”な、屈強な男の姿を……               「―――先ずはどーする?尋ねてきたのは優希だし、あたし達の方から話す?」 21:53 Ryumaco >【 優希 】 「イヤな話……?」                カルミアとイオの顔を見る               「うん、騙されてたのはわかってる。でもそれだって長年だろ?全部が全部偽りきれるとは思わないしさ?どんな些細なことでもいいから聞きたいんだ。お姉を取り返すためにも」 21:57 rouge_ >【 イオ 】 「偽りだよ。」                小さく、低い声で優希に告げる。                「偽りきれるとは思わない? 如何観ても、仲間だったんだ。 尊敬すらしてたよ、俺は。 …あいつが見せてた周りへの気遣いも、爺さんへの尊敬も、ひとかけらでも真実があったって? …ねえよ。」                訂正しろ、と言わんがばかりに。 優希に視線を向ける。                 「……あいつは、偽りきれるんだ。 …そうじゃないと……」                 22:02 hikami >【カルミア】「……そうじゃないと、報われない、わよね」                はぁ、と、深く零す吐息。軽く瞼を閉じ……背凭れに体を預ける。余り良くない行動ではあるのだが……何を話すか、その選別に迷っているらしく               「ま、あたしの“嫌な話し”はちょっと脱線するから、後ね。……まず、話しの前に整頓。                ―――あたしは、この世界とは違う“エルスゴーラ”の出身、そこの小国、メティスト王国の第三王女……って言うのが一応の肩書きね。こっちじゃ、あんまり意味無いけど。                ……んで、じーさん、って言ってるのはうちの国の騎士、カイエン。じーさん、て言うだけあって結構な歳なんだけどね。                デュエル……っと……1対1の対戦じゃ、うちの国でじーさんより強い、ってーと……多分、片手で数えられるンじゃないかしら」 22:06 Ryumaco >【 優希 】 「あ、う、ん、ごめん」                イオの雰囲気に気おされる。この辺は怒り以外にも、素人と、実戦の存在する世界の人間との差、だろうか               「そんなに、強いんだ……?」                ごくり、と喉が鳴る               「そんなヤツがどうして……っていうか。いつからそんなことたくらんだんだろ」 22:08 rouge_ >【 イオ 】 「グラスパ=ガナドゥールは、そんな人の一番弟子だった。 勿論、上からの信頼だって厚かった。  カルミアの護衛として、パーリスに随伴する許可を貰うってことは、そういうことだから。                …俺から見れば、グラスパは模範的な鋼騎士だったよ。  常に向上心を忘れず。礼節を重んじる。 そして、負けない。」 22:11 rouge_ >【 イオ 】 「………言ったろ、全て演技だったって。」                握った拳、掌に爪を立てながら。                「あいつは、たった一つの目的のために、そんな自分とかけ離れたキャラクターを演じてみせたんだ。 ……カルミアと…」                口にするだけで、虫唾が走りそうだった。  レウカンサ、カルミアの持つ、本来の鋼騎。  …レウカンサのついでに、カルミアも貰ってやろうか。  …そう、本来の表情で告げるあの男の表情は、今でも鮮明に思い出せる。 22:13 hikami >【カルミア】「ああ、誤解しないで。グラスパそのものは、そんなに名を上げた騎士じゃあなかった。少なくとも、周囲の評価は“じーさんの弟子”ね。                ……逆を言えば、肉体に左右され辛いとは言っても、じーさんは、じーさん。老体だった筈なのに、20代やら30代の優秀な騎士団が一本取るのって結構難しかったみたいだもの。                ……そんな、じーさんの弟子が務まって、周囲に認められる程度には模範生だったわ、グラスパは。あの時の“グラスパ”と印象がイコールって感じじゃないけど、アレが偽者、って気もしない。                ……そんぐらい、綺麗に周りを騙して見せるぐらいに“優秀”じゃ、あるんでしょーね」                最後の、優秀、は、皮肉が篭った響き、であった 22:15 Ryumaco >【 優希 】 「イオ、はわかるとして」                最も裏切られた一人、ゆえにその様子も理解できる               「カルミアは、どうおもってんの?」 22:21 hikami >【カルミア】「……―――“癪”って言うコメントで通じるかしらね。あたしは、イオ程、グラスパに近くは無かったわ。                言っちゃえば、あたしは王女、つまり、近くに居るのはイオみたいな側仕えとか、じーさんクラスの精鋭騎士、ってトコ。                ファージアースの感覚でちょっと説明できるのかどーか怪しいトコだけど……“王族と市井の民の交流”ってあんまり誉められたモンじゃなかったのよ。                あたしが、こーやって優希と話してるのがメティストだったら、あたしもそーだけど、優希もそーとー怒られるよーな環境。……従騎士だもの、名前と顔は一致してても、深い親交は、ないわ。                ンで―――じーさんの仇だってコトをあいつが公言した以上、あたしにとって倒すべき“敵”よ。……怨嗟とか、妄執とか、そーゆーのに囚われるな。……王族の基本よ、コレ」 22:26 Ryumaco >【 優希 】 「王族って大変、なんだなぁ……」                話がそれてしまうが、それでもそう言葉にしてしまう               「イオ、は?」                どれほどの思いが燻ってるんだろう               「どう、したい?」 22:29 rouge_ >【 イオ 】 「………」                じっと、カルミアの表情を見る。 そう言葉にしていても、彼女は悔いていた。 自身の本分が守護であるのに、               「護りきれなかった」                事を。 彼女がそんな後悔の念等にとらわれずに戦うのが王族だというのなら、                「俺が、叩きつけますよ、まとめて。」                ……小さく、呟いた。                 「如何したいか、は。 聞かなくても分かってるんじゃないか? 沢山の仲間を…家族にも近いような仲間が死ぬように仕向けた元凶だ。 …そいつのせいで、」 22:30 rouge_ >【 イオ 】 「………」                じっと、カルミアの表情を見る。 そう言葉にしていても、彼女は悔いていた。 自身の本分が守護であるのに、               「護りきれなかった」                事を。 彼女がそんな後悔の念等にとらわれずに戦うのが王族だというのなら、                「俺が、叩きつけますよ、まとめて。」                ……小さく、呟いた。                 「如何したいか、は。 聞かなくても分かってるんじゃないか? 沢山の仲間を…家族にも近いような仲間が死ぬように仕向けた元凶だ。 …そいつのせいで、何人が死んだ? ……優希なら、言わなくても分かると思うけど。」 22:35 hikami >【カルミア】「……大変って言うか、めんどー、よ」                そう……ある意味では“偽って”居た。正確に言えば“グラスパへの思い”と言う範囲では、嘘ではない。                ……問題は、グラスパが及ぼした、と判明した“被害”の方にある。―――自責、後悔、悔恨、そんな感情は、綺麗に“嘘を吐ける”ぐらいじゃなければ、ならない。マイナスベクトルの感情は表に出すべきではない。                ……幼少期から仕込まれてきたのは、そんな事なのだから               「つーわけで、あたしが言えるのは。……グラスパは赦せる存在じゃない、って事。レウカンサへの侮辱、メティストへの侮辱。……死者への冒涜。                さらに言えば、あたし達がコッチに飛んできた時、つまりはグラスパが仕込んだ時、なンだけど。……あいつは冥魔とも一緒に居た。冥魔、と見せかけた、なにか、なのかもしれないけどね。                ―――基本的に相容れるとは、思っちゃ居ないわ。逢ったら倒す、容赦は、しない。その点じゃ、多分三人とも一致してると思うわ」 22:41 Ryumaco >【 優希 】 「……うん。わかる、つもり……でも、イオの口から聞いておきたかったから」                イオに頷いた               「……容赦しないっていうか、正直」                カルミアの言葉に、背もたれに埋もれ天井を見る               「まともにいれる自信、ないかなぁ」                実際これまでもそうだった               「どうしても、あのときのこと、思い出しちゃうから、さ?」                戻した視線は、救いを求めるような、そんな心細いもの 22:45 rouge_ >【 イオ 】 「仇を取る。 落とし前を払わせる。 俺に出来る限りの方法で。 俺の記憶にある全員の無念を、晴らせるように。」                その言葉に答えるように、改めて、グラスパ=ガナドゥールへの意思を露にして。                「………ここまでが、俺の…俺達の事情だ。  優希の事情は、想像は出来るけどちゃんとは知らない。  奴に姉さんがさらわれた、んだろうとはみてるけど。」 22:47 hikami >【カルミア】「ま、そんなトコ、ね。……ついでにアドバイス。いかに相手を恨んでも“それだけ”で闘うと、読まれやすいわ。……難しいトコじゃあるけどさ?                優希、正面からグーで殴ってくるって判ってるなら、真横に避ければ良いし、あたしなら、真正面に盾を構えればいーわ。……頭に血を上らせるな、言うのは簡単だけど、やるのは、あたしでもけっこー辛いわ。                ……だから、ついで、程度に、ね。つーわけで、イオに同じく、これがこっちの話し。……判んないトコがなきゃ、今度はそっちの話を教えて欲しいわ」 22:50 Ryumaco >【 優希 】 「ん……」                二人の言葉に頷く               「それは、桜にも言われた。……ボクの《狂ウ想イノ詩》ってね?発音はラプソディっていうけど、その意味は狂った想いの歌っていうんだ。これ、ボクのココロの一部、なんだってさ」                自嘲気味に言う               「……ボクの場合、実は、お姉が浚われたかどうか、わかんないんだ」 22:53 Ryumaco >【 優希 】 「あの日……」                思い返す。ぞくり、と悪寒。そして吐き気。必死にソレを堪える               「あの日、ボクが帰ってきたら、家中血の臭いで一杯で……お父さんとお母さんが、黒いヤツに……喰われてたんだ……」                両手で目を覆い頭を抱える               「まだ、まだ覚えてるよ、お母さんの、落ちてた頭が、あの顔が、忘れらんない……っ」 22:57 hikami >【カルミア】「……親族殺し、か……」                確かに、良い光景ではないだろう。……王家である以上暗殺の類は常に心配される物とは言え……想像すれば表情は、苦い。とん、と、軽く額に指を添え、眼を、伏せた               「―――ま、現場の状況は“惨殺”って事、ね。……んで、お姉ってのは実の姉、ってコトよね。判らない、でも、関係性を疑ってる……グラスパが持ってたし、優希の反応してたあの黒いのと関係あるのかしら?」 22:58 rouge_ >【 イオ 】 「………そっか。」                同じような光景が想像できてしまうのは、幸いなのか。                冥魔の一撃で跡形もなく消えうせたもの、右と左が半分に分かれたもの、口から上がない顔。 真っ赤な肉の塊。 …かつての同僚や友人が、そんな、ナニカ、に変わる光景。 それを、今の話は連想させた。                「……あいつは、どこまで。 」 23:03 Ryumaco >【 優希 】 「……あの黒いの、たぶんアレが、喰ったんだ……」                一転して殺意をにじませた瞳を見せる               「お姉は、ボクの双子の姉。……ダシガラのボクなんかかなわないくらい、完璧だったんだ」                その表情は、姉を心酔してたのがよくわかる               「あいつ、あの時、ボクの《狂ウ想イノ詩》みたいなの、つかったろ?あの時、お姉の感じ、したんだ」                それは確信に至るほどの実感 23:03 Ryumaco >【 優希 】 「ボクが帰ったあのとき、お姉はいなかった。だから、きっとアイツが浚ったんだ」                だから、倒せば取り返せる 23:07 rouge_ >【 イオ 】 「……あいつは、ナニカを収集するのに、異常なまでに執着してた。 カルミアの、レウカンサだってそうだ。 あいつの言葉、聴いてたろ。                …だから多分、あいつにとってはコレクションの一つくらいのつもりなのかもな。  …優希の双子って事は、多分、同じような素質、持ってたんだろうな。 …多分それごと、あいつは奪った。」                メディウム。 そう呼ばれるような力を、グラスパが操っていたのは、この目に焼き付けている。 同乗しても、始まる話じゃない。 出来る限り、感情を込めないように、告げる。 23:09 hikami >【カルミア】「ウィザード同士の共鳴、ってやつ、かしらね。この本にも、ちょっと書いてあったわ。」                手の甲、中指の背で赤黒い表紙の本を軽く、突付く。ウィザードの秘蹟、と言うものを長口上で説明した化石的な本、だけに“双子の間には密接な霊的関係が〜”などといった類のモノも、きっちり“原理”の説明がなされている。                ……一面では正しいのだが、多面では誤った、そんな内容。しかし……その“誤り”には該当しないだろう、程度の予測はある。実際目の前で、優希は“アレ”に反応して見せたのだから               「……コレクション説には同意ね。趣味的な所はあったらしいし……あいつが自分で暴露したトコを信じるなら、の前置きで。                ……あいつは力のあるものを集めたがってるんじゃないか、って予想は出来るわね。―――あんまり想像したくないトコまで予想はできるけど、まー……それは脇に置くべき、ね」 23:11 Ryumaco >【 優希 】 「じゃあ、お姉もこのチカラもってて、そのせいで、狙われた……?そのせいでお父さんもお母さんも喰われたって、こと……?」                ぎり、と奥歯を噛む               「想像したくない、って何さ……?」 23:17 rouge_ >【 イオ 】 「……あいつは、そんな男だよ。 …分かってたろ。 俺達の敵は、そんな楽しみのために何でもやってのける。 そんな奴だって事を、頭に叩き込んどかなきゃ駄目だ。」                 23:17 hikami >【カルミア】「“可能性”は、ね。……優希がそのチカラを持ってたから、って可能性も勿論、否定しないわ。……その根拠は“あたし”が、居る。                ……あいつは、あたしのレウカンサ欲しさに、あたしの部隊を全滅させてる。あいつは、技を欲しさにじーさんに弟子入りして……会得したって思ったンじゃないかしらね。                あたしの部隊に居たじーさんも、殺してる。……蒐集品以外に興味がない。―――邪推すると、こー、ね」                つまりは“すでにしんでいる”可能性。チカラを使っていた以上、奪った、と言う、仮定。……鋼騎は本来、二人乗りできるようには作られていない、と言う、ごく一部の例外を除いた事実。……ただ、ここで“死”を口に出す事までは避けた。 23:20 Ryumaco >【 優希 】 「え、ちょ、まって。まってよ、それ……なんだよ、そんなことのために、あんなこと、したって、いうの……!?」                頭を抱えてがたがたと震える。それはわかりやすい恐怖               「なんで、なんでそんなこと、なんでボクとお姉、こんなチカラ、もっちゃったんだよぉ」                声がかすれ、濡れていく。その姿はいつも以上に小さく見えるだろう 23:23 hikami >【カルミア】「イオも言ったわ“そういう男”が、グラスパって奴よ。……綺麗に騙されてたから、この認識も“騙されて”居る可能性はあるけど、まー……ここまでやって、それも芝居でした、なんて役者だったらいっそ感心するわ」                言葉に篭るのは呆れと嘆息、そして、僅かな、疲労。……そう、掴み所が無い、と言うのはどうにも相手に取り辛い               「……もっちゃった、んじゃなくって、なんか理由があったのか、はたまた運命か。―――あるものは、あるもの、使えるものは使えるもの。                そーやって認識するほーが、いいわよ、優希。少なくとも、優希にはチカラがあるンでしょ?……仇を取るって気勢あげたンだから、眼を反らして凹んでる暇なんてナイわ」 23:26 rouge_ >【 イオ 】 「……俺は。  ここに来るまで、あの事件が起こるまで、鋼騎士にあこがれてるだけだった。  ……あの事件のとき、はじめてカルミアに鋼騎を貰って、実際に乗ってみれば、嬉しいとか楽しいとか、そういうこと思う前に、命がけだ。」                何を話しているのか、自分でもよくわからない。 だが…。                「あるものは、あるものなんだ。 起こったことは、変わらない。 今やれることを考えて、自分のやりたいことをやってかなきゃ、どうしようもない。 だから俺は、少しでもまともになれるように、いろんな人に教えを貰ってる。                泣いて、どうにかなるものじゃないんだ。 ……それとも優希。 俺が、グラスパを倒していいのか?」 23:28 Ryumaco >【 優希 】 「……うん」                二人の言葉に静かに頷き               「……ヤダ」                ぐずった声でイオに答える               「……絶対、ボクがコロす」                何も知らなかった子供がコレだけの言葉を今では吐くようになっている 23:31 hikami >【カルミア】「だったら、泣いてる暇はナイ、わね。―――悪い話の追加、よ。グラスパの逃亡を手助けした子が居たでしょ?                あの子だけじゃない、もっと厄介な……あたしの鋼騎の内部フレームをすっかり歪めるぐらいの“一撃”を撃って来る奴もカウントして、あとは名前しか知らないのが何人か。                ―――あたし達が“グラスパを倒そうと”するなら……集団を相手にする必要が、あるって事が、はっきりしたわ」 23:36 rouge_ >【 イオ 】 「T・C、とか名乗ってる集団らしいな。 どうも、スリーエースとは目的がちょうど反対側にあるらしい。 ……ここにいれば、嫌でもぶつかり合う可能性があるって事だ。 願ったり、かなったりだけどな。」                …シャオが、信用できなくなりつつあるのとそれは、また別の問題だ。 今は、信じるしかない。  23:38 Ryumaco >【 優希 】 「……全部、まとめてぶっ潰せばいいんだよね」                やっと生意気な、不適とも取れる表情を取り戻す               「カルミアとイオよりも先に」                そういって、まだ潤んだ瞳のまま舌を出した。そうしてみれば、男の子の格好をしていても、女の子なわけで 23:41 hikami >【カルミア】「上出来、ね。……ついでに言うと、グラスパは連中の中でもきっちり名前と存在が通ってる。総数としてどんだけ居るのかは掴み切れて無いけど、集団、だとしたらそれなりに地位かポジションか……ないしは実力、か。                その辺りは、あるはずよ。―――で、そのついで、なんだけどさ。“出涸らし”のつもりで居るンなら、残念だけど、獲物を譲ってあげる訳には行かないわ。                ―――あたし達は“出涸らし”以下になるつもりなんざ、これっぽっちも無いのよ」                そう、不敵な表情に返すは意地の悪い、笑み。……イオの側から見れば“悪戯を思いついた”時の様な……何とも不穏な類の表情では、あるわけだが 23:43 rouge_ >【 イオ 】 「やってみろよ。 同じ初心者に、先を越されはしないぞ。」                此方も、それに合わせて言葉を返す。                「正直、世界の破滅とか、融合とかはよくわからないんだ。 …だけど、戦う目的はある。」                敵討ちだったり、友人を助けるため、だったり。 カルミアの表情を見れば、少しため息をつく。                ああ、いろんな人が困る、何時もの笑みだ、と。 だが……それも含めて、彼女の元にいることが、好きなのだから。 23:46 Ryumaco >【 優希 】 「なんだよそれ」                ぶぅ、と膨れる               「お姉みたことないからそーゆーんだ。でも……歌とコレ(メディウム)は負けないからさ?その分、きっちり二人より先にもらってくかんね」 23:51 hikami >【カルミア】「見たこと無くても“誰かの下”だって思ってるンなら、それは誰かを超える事にはならないわ。……尊敬と卑下は別問題、まー……追々判るンじゃないかしら?」                そう、こればかりは諭すだけでは意味がない。意地の悪い笑み、それ、は、挑発の意図。泣いた子をムキにさせる為の反論材料、無論、それだけではなく               「ま、判んないうちは、突撃思考さえなきゃ、いーわ。……きっちり護りきるのが、あたしの仕事。                首級争いは、イオと優希の分担、じゃあるもの。あたしは“餌”にはなり得るだろーから。……優希も色々磨かないと、こっちによってきちゃう分、あたし達のが有利かもしれないわよ?」                そう、視線の先は、ある意味では野暮ったい服装。……少女、と言うにも少しばかり遠い装いに向いていた 23:53 rouge_ >【 イオ 】 「ま……どっちにしろ、獲物は同じなんだ。 抜け駆けはしないようにしたいところだな。」                優希の表情が元に戻ってきたのを観つつ、頷く。 カルミアが餌、という子と場には少し渋い顔をするものの、事実ではあるので、それだけでとどめて置く。                「……そーいや。 最初、男だと思ってたもんなあ、俺。」                カルミアの視線に追従するように、頷く。 23:55 Ryumaco >【 優希 】 「なんだよそれ」                ものの見事に挑発に乗るのは、素直というか単純というか               「餌って言い方どうなんだろ」                あたってはいるのだけど               「って、何そのいろいろ磨かないとって……?」                きょとん               「まそれはお互い様だよね」                ヌケガケはいけないね、うん 23:57 Ryumaco >【 優希 】 「……って、うぇ……?何、え、あれ……?バレて、んの……?え、いつ?」                これだけナチュラルで男と偽装してるようなつもりなのは、たぶん姉と比較された結果のコンプレックスの裏返し               「なん、で?」                バレた覚えは、自分では、ない 23:59 rouge_ >【 イオ 】 「そりゃあ。 行動の反応が、男じゃないだろ、明らかに。」                それは本気で言っているのか、の表情で、返す。  …しばらくはだまされていたイオなのだが、そこは攻めの波に乗ったものとするがいいのだろう。  23:59 hikami >【カルミア】「……―――あのさ、あたし、女の子。ンで、一応これでも美意識には気を使ってるほーよ?                …………あと、胸。流石に、密着距離に居て判んない程馬鹿じゃないし、さっきの泣き方も“男”が泣くやり方じゃーないわね。……―――こんなトコ?」 00:00 Ryumaco >【 優希 】 「ぇう……」                絶句。今までソレでバレたことがなかっただけに。そういえば人前で泣いたことってなかった               「え、もしかして、結構、バレ、バレ……?」                恐る恐る聞く               「あ、え、マジ?」                胸でわかる、というのは、ちょっと、いや、結構、うれしかったり 00:02 rouge_ >【 イオ 】 「隠しきれてる、って思ってんなら、認識を改めるべきだと思う。」                優希の言葉に、力強く返す。 カルミアの話には、少し視線のやり場に困ったが。 男の自分が、どういう表情でその話題に参加しろというのだ。 00:04 hikami >【カルミア】「男装するなら、もーちょっと考えるほーがいいわよ?                “男装する”のが似合うのは良いコトだけど、それで“男だと思わせたい”ンなら、一先ず胸を潰すのと、腰を誤魔化すのと、声を誤魔化すのと……あとそーね、イオも言ったけど振る舞い、か。                まー……この辺はイオの前でする話し、でもない、か」                脇に視線を向ける……ああ、やっぱり少し困っているか……その反応につい、笑みがこぼれていた               「……ま、とりあえず、グラスパの件はこんなトコ、かしら?」 00:07 Ryumaco >【 優希 】 「うー、だって今までずっと男だって間違われてきたんだ……まあ、自分から偽ってるつもり、はあんまりなかったけど……」                級に恥かしくなってそっぽむく               「胸潰すのは……うー。それに声は…」                自慢の一品(?) 胸は成長に影響しそうで嫌               「振る舞い?」                カルミアを見て、その視線をイオに移す               「……え、イオ、どしたの?」                わかってない。きょとん 00:12 rouge_ >【 イオ 】 「いや。 だって、俺、男だぜ…。  胸が如何とか、スタイル云々の話されてもさ、その……。」                テーブルにひじをついて、額を押さえる。 如何コメントしたのか、とても、困る。 女性に免疫がないというわけではないが、そういう話が得意なわけでも、ないのだ。                「俺にわかるのって、カルミアのドレスの種類と着付けのやり方くらいなんだ。 優希が如何したくてそういう格好してるのかは知らんが、おれには如何コメントしていいかなんていうか、真面目に相談されても、こまるっつーか。」                 00:17 hikami >【カルミア】「そーゆーコト。……ま、優希はもーちょっと自分を考えたほーがいいかもね。少なくとも、グラスパの“性癖”は結構幅、ひろそーよ?」                アルアの零した呟きに混ざっていた不穏な言葉……さておき、と、一先ずは棚に上げる。それこそ“おんなのこなはなし”ならば、イオを同席させるのは自分としても少々恥ずかしい               「……ま、とりあえずは、夕食ね。そろそろ、時間でしょ?ついでだもの、一緒に行きましょ」                言いつつ、席を立つ。……用意せずとも、出てくるのが良い所でもあり……外食、の選択肢も結構豊富なのだ。食事については飽きる事がない。―――王宮にいた頃の数少ない楽しみは、まだ、続いていた。 00:19 Ryumaco >【 優希 】 「う゛」                そうだ、男の前でコンプレックスの話題だった。               「って、え?カルミアの着付け、イオ、してんの……?」                盛大な勘違い               「性癖とか」                エロっぽい言葉に絶句 00:20 Ryumaco >【 優希 】 「ご飯、いいの?マジ?じゃあじゃあ、何?王様のご飯?うわ、なんかすごい期待」                現金な現代っ子であった 00:22 rouge_ >【 イオ 】 「出来る、ってだけだけどな。 最近は、正装の機会もないしさ。 優希、俺の仕事、なんだと思ってるんだ。 彼女の身の回りの世話をするのが、俺の仕事だぞ?」                ふう、とため息をついて。 何を勘違いしているのかは知らないが。                 「…残念ながら食堂だよ。 言ったろ、ここじゃ、メティスト王女の肩書きも、あんまり意味がないって。 意味のあるのは、俺くらいで。 …でも、こういう場所だから、俺もこんな言葉遣いが出来るわけで…。」 00:23 Ryumaco >【 優希 】 「か、カルミアもイオも、すごい、ね」                何がって、進んでるんだー、と。頬が赤くなって 00:26 hikami >【カルミア】「……―――何想像してんのか知らないけど、どっちもきっと、期待はずれよ」                そんな言葉と共に背を向ける……否、扉に向かって歩き出す。目指すは夕食、もう少し……そう、暗いだけの話では味気がない。折角いぢれそうなネタは手に入れた。―――夕食の共は、そんな所だろう…… 00:29 rouge_ >【 イオ 】 「……いや、如何凄いのかよくわからんが。」                首を傾げつつ。                「行こうか。」                夕食の場へ向かう。 主君と一緒に、いや、この場合は…友人二人と、に、なるのだろうか。                「どうしてそういう格好をはじめたかとかは、聞いてみると楽しそうじゃあるしな。」                話の種としては、面白そうだ。