(tuka-neko)   (tuka-neko)   (tuka-neko) 優希との間に溝ができて数日。あれから謝らなくては……と、ずっと思ってはいたものの、何とも情けないことに風邪を引いて寝込んでしまっていた。 (tuka-neko) 本当ならもっと早くに向かっていたはず、なのに、気ははやるばかり、なのに。結局彼女の所を訪れるのが、こんなにも遅れてしまった。 (tuka-neko) 話を聞いてもらえるだろうか、そもそも今居るのかどうかもわからない。アポなどとりようもなかった、ものの。今やってきたのは優希の部屋の前。 (tuka-neko) 【クロエ】「……ユーキ……いるか?その、話があるのだが……」もはや覚悟を決めているのか、躊躇う事もなくドアをノックして…… (tuka-neko) (きゅー) (Ryumaco) 【優希】「っ!?」びく、と震えた。予想もしてなかっただけに覚悟もまだしてなかった「あ…あいてるよ、勝手に入れば……?」極力動揺を抑えながらそう言う (tuka-neko) 【クロエ】「……失礼する……ユーキ……この間は……すまなかった。せっかく、発破をかけようとしてくれていたのに、それにも気付かず私は……」優希の声が返ってくれば思わず小さくため息をついて。扉を開き……少女の姿を見つけるやいなや。いきなり深々と頭を下げてそう言って…… (Ryumaco) 【優希】「あ、う……本当に、そうおもって、んの?」必死に取り繕うと、言葉が糸とは逆に出る (tuka-neko) 【クロエ】「……あぁ……それに……お前を、信頼、しきれていなかった……もう、大切なものをなくすのはいやだったから、と、言ったところで、詮の無い言い訳でしかないが。……すまない……」頭を下げたまま、さらに言葉を重ね。そうしてようやくゆっくりと顔を上げていく。まっすぐに、青い瞳で優希を見つめて (Ryumaco) 【優希】「ほ、本当にそうおもってんだか怪しいな。口だけなんじゃないの?」口が勝手に動く。こんなこといいたいわけじゃないのに、あやまりたいのに。 (tuka-neko) 【クロエ】「……言葉だけでは不足というのなら。どうすればいい?……どうすれば……ユーキの気がすむ?」多少の事で許してもらえる、とは思ってもいない。多少の”無茶”であっても、それで優希の気が済むのなら……否、信じてもらえるならば、と、無駄に気負い過ぎている (Ryumaco) 【優希】「……そ、それを考えなきゃ、丸投げしたら意味ない、じゃん?」口は挑発ばかり。内心の罪悪感だけが積み重なっていく (tuka-neko) 【クロエ】「………………日本、における謝罪の方法は……確かドゲザ、かセップク、だった、か?より重い方は……」いつぞや、知り合いの神父に吹き込まれた間違った日本文化、を思い返しつつ。ぎこちなく、床に座る。正座には慣れていないのか、何度か身じろぎをして姿勢を正し…… (Ryumaco) 【優希】「っ」息を呑んだ「そ」意を決する「それをしたら、完全に絶交になる、ね」 (tuka-neko) 【クロエ】「……違う、と?」慣れていないはず、だというのに。背筋がピンと伸びているせいかやけによく見える姿勢で、優希を見上げる (Ryumaco) 【優希】「か、考えればわかるだろっ!考えろよ!」前髪が目元を隠す「それくらいのアタマもってないのかよっ」 (tuka-neko) 【クロエ】「……言葉だけ、では不足なのだろう?寡聞、なのだろう、この場における謝罪の方法として相応しいモノは手念思いつかないのだ」これまで、このラビリンスシティに来るまで、人との接触を過剰に避けていたが故の、弊害。人との距離のとり方が、わからない…… (tuka-neko) …… (Ryumaco) 【優希】「ボク!あの時何言ったよ! (Ryumaco) 【優希】「ボク!あの時何言ったよ!何を望んだのさ!それもわかんないの!?」泣きそうな顔で叫ぶ「本気で見限れっていうの!?」 (tuka-neko) 【クロエ】「……ユーキ……」僅かに困惑の表情を浮かべながらも、ゆっくりと立ち上がり……足の痺れのせいで多少ふらつきながらも歩み寄って……暫し悩んだ挙句躊躇った挙句。覚悟を決めて……ユーキの頬を、思い切り張り飛ばす。こういう直接打撃、は慣れてなどいないし、足も痺れているから腰も定まっては居ないが。それでも……手加減も容赦も無く…… (Ryumaco) パァン  (Ryumaco) 乾いた音が部屋に響く。そしてそのままたたらを踏んで背後の壁に背を打ち付けるように倒れ (Ryumaco) 【優希】「っつー……」呟く。幸いにして、相手はキャスター。さらにはバランスの定まってない状況ゆえ、思い切りと言ってもそれほどではない。もっとも、この年頃の少女には十分痛いのだが「……はは、なんだ、やればできる、じゃん?」目じりに涙を浮かべたままクロエを見あげる (tuka-neko) 【クロエ】「……正直……やりたくはなかった、ぞ?……例え慣れていなくても威力が無くても……ユーキを殴るなんて…………ディルクみたいな痴れモノなら幾らでも殴る理由は出来るのだが……」と、いつもの仏頂面になりつつも、ぼやく様に返す。 (Ryumaco) 【優希】「あはは、ひっでぇ。ディルク泣いちゃうかも?」くすくす笑って頬を撫でながら立ち上がる「……ん、あのね、その……ごめん」勢いよく頭を下げた「ボクも言い過ぎた」 (tuka-neko) 【クロエ】「アイツがそんな殊勝な事をするか……」と、釣られるように笑いながら、すい、と優希を抱き寄せ抱き締めて「……なら……その、また……親しく、してくれる、だろうか?ユーキ……」 (Ryumaco) 【優希】「ばーか、だからびんた、させたんだろ?いちち」照れるように笑って「これは、ボクにとって必要だった、からさ」 (tuka-neko) 【クロエ】「そんなに気にすることは、なかったのに。元はと言えば……私が弱音を吐いたのが原因なのだから……それでも……よかった……このまま、仲直りできなかったらどうしようかと……思っていた……」はふ……と、小さくため息をつきながらも。優希の肩に頭を預ける。安堵のため息と一緒に滲んだ涙が、優希の肩口に染みとおってゆき (Ryumaco) 【優希】「あは、それも面白かったかな」自分の罪悪感をぎゅっと服を握り抱き返す手に込め冗談にする。笑えるのは、仲直りした証「ま、きっとディルクが世話やいたんだろーけどね」くすくすと笑う (tuka-neko) 【クロエ】「笑い事じゃないだろうに?まったく…………まあ、実は……その通り、なんだ。アイツにも、いろいろと手を煩わせた、から………………またアイツにも、謝罪と、礼を言っておかなければ……」と、言いつつもこちらもくすくすと笑って。それでもディルクの事が再び話題に上ればどうするべきかと真剣に悩み始めてたりする (Ryumaco) 【優希】「いいんじゃない?なんかいろいろ楽しんでルっぽいもん」最近いろいろ玩具にされてる気がする、なんて思いながら (tuka-neko) 【クロエ】「……まったく、だな……まったくあの痴れモノめ一々人の羞恥を煽って…………」ディルクとの会話を思い出すたびに一々頬が熱くなる。それを誤魔化すように、あえて不機嫌そうな声を絞り出した。頬は赤いままだったりするが (Ryumaco) 【優希】「そーそー、ディルクって意地悪いしスケベだし」指折り数えて「なんであんなに気障なんだろ」最後、気障な仕草なんか思い出してちょっと頬を染める。外人ってずるいと思う (tuka-neko) 【クロエ】「……吸血鬼がすべからくそうだと言うわけではないはず、なのだが……私が知る限り、と言っても口調や仕草を知っているのは二人だけ、なのだが……吸血鬼はああだったような気がする」その表情を見れば、ああ、ユーキまでディルクの毒牙にかかってしまったのか、と天を仰ぎ。「……ああ、そういえば、その、ユーキ……頼みがあるのだが、いいか?その、買い物に付き合って欲しいのだが……」 (Ryumaco) 【優希】「買い物?いつ?」 (tuka-neko) 【クロエ】「可能なら明日にでもと言いたいところだが……週末あたりでどうだろうか?」 (Ryumaco) 【優希】「んー、おっけ。丁度ボクも何か買いたかったし。服とか部屋に置く小物とか」 (tuka-neko) 【クロエ】「……よかった。じゃあ…………ユーキ、改めてよろしく頼む」一旦離れると……生真面目な顔でそう言ってぺこんと頭を下げる (Ryumaco) 【優希】「こちらこそ、クロエ」手を差し出す (tuka-neko) 【クロエ】「……あぁ……」一瞬手を差し出しかけて。僅かに悩んだ挙句するりと……あれ程頑固につけ続けていた手袋を外し、優希の手を握り返す (Ryumaco) 【優希】「あ、いいの?それ」手袋を見て「嫌がってたじゃん」 (tuka-neko) 【クロエ】「……まぁ、な。だが……隠していたところで、消えるわけでもないしな……」と、言いつつも、優希の手を握り締めた自分の手の甲に視線を落とす (Ryumaco) 息を呑む。でもそれを口にするのはいろいろと悩んで、スルーに決めた (Ryumaco) 【優希】「じゃ、えっと」取り繕いながら「9時に、カフェ?ディルクのお気にの」 (tuka-neko) 【クロエ】「………………ありがとう……」驚きは、伝わってくる。それでも何も言わない優希にそう囁きつつ「……ディルクのお気に入り、と言われても店の名前がわからなければどうしようもない、ぞ?都合が悪いのでもなければ、部屋まで迎えに来るが」 (Ryumaco) 【優希】「行ったことない?」道をカクカクしかじか「たぶん、ディルクのことだからあそこにクロエも連れてってるとおもうんだけど」 (tuka-neko) 【クロエ】「……アイツと一緒に出かけたことは……仕事、以外では無いぞ?……出先で出くわしたことは多々あるが……」と、返しつつも道を聞けば大体の位置の辺りをつけて (Ryumaco) 【優希】「マジで?連れて行きそうなもんだけど」 (tuka-neko) 【クロエ】「……仮に誘いを受けたとしても、それに乗る理由はないぞ?何度も言っているが、ああ言う軽薄な男は嫌いだ」嫌いだ、と言う割には……ディルクを避けようとする節はないわけだが (Ryumaco) 【優希】「あの店、美味しいよ?当たり。しかも他人のサイフ。美味い話だとおもうけどなー?」この辺はお小遣いをやりくりしてた現代っ子の感覚」 (tuka-neko) 【クロエ】「……表界に居たときはそう言う場所は敢えて避けていたし。ここはここで、わざわざ出かけなくてもミーミルがよくお茶会を開いているからな……」若い娘の楽しみ、とは殆ど縁のなかった事がありありとわかる台詞。 (Ryumaco) 【優希】「ミーミル?」 (tuka-neko) 【クロエ】「ああ、エル=フレアからきたと言う、軍師の少年だよ。ユーキとさほど年は変わらないが。AAAメンバーの親睦を深めるため、と言って食堂でお茶会を開いているから、折を見つけて顔を出してみるといい」 (Ryumaco) 【優希】「へぇー。軍師って【ゲゲェ孔明】とかいうあれ?」わかりにくい例「お茶会?」 (tuka-neko) 【クロエ】「……それはむしろ言われる方だろうに。ヨコヤマミツテルとはまたコアな……」きっちり理解しているシスター「ああ、お茶会だ。どこから仕入れてくるのか、茶葉も茶菓子もいい物が揃っているぞ?」 (Ryumaco) 【優希】「なんかこー、エイコクシンシがジョンブルーな雰囲気か、有閑マダムしか思いつかないんだけど」イメージが貧困 (tuka-neko) 【クロエ】「いつの話だ。今ではお茶も安価になっているし貴族だって普通にサラリーマンをしている時代だぞ?まあ、お茶とお菓子を囲んでお喋りをする会、だな。別段堅苦しい作法もあるわけでもないし」 (Ryumaco) 【優希】「へぇ、いってみてもいいかなあ?」 (tuka-neko) 【クロエ】「それはもちろん。ユーキだってAAAのメンバーなんだ。ほかのメンバーと仲良くなっておくといい」 (Ryumaco) 【優希】「面倒なのはなー」」 (tuka-neko) 【クロエ】「面倒、なのか?……いろいろと面白い連中が揃っていると思うのだが……」 (Ryumaco) 【優希】「基本、めんどい」インドア派はこれだから (tuka-neko) 【クロエ】「……ディルクと一緒のほうがいいのか?」思わず渋面を作りつつ (Ryumaco) 【優希】「……へ?」きょとん「な、なんでそこで出てくんのさ」 (tuka-neko) 【クロエ】「……さっきの話からすれば、ディルクとは度々出かけてお茶を飲んでいる、のだろう?だから、一緒のほうがいいのかと……そう思ったのだが?」 (Ryumaco) 【優希】「や、ほら、知った顔と行くのはいいんだけど、知らないのとはさ?」 (tuka-neko) 【クロエ】「……じゃあ今度手が空いてるときにでも一緒に行こうか?」にっこり笑いつつ (Ryumaco) 【優希】「奢り?」 (tuka-neko) 【クロエ】「わざわざカフェにいくのでもなし。あのお茶会は無料のようだぞ?……まあ、そう言うのがいいなら今度の待ち合わせはそうしておこうか?」くすくす笑いつつ。背は自分のほうが低いくせに優希の頭を撫でる (Ryumaco) 【優希】「子ども扱いすんなってば。ボクよりちびなくせに」 (tuka-neko) 【クロエ】「子ども扱いされる事を怒っているようじゃ、子供と言われても仕方ないぞ?まあ、背は……仕方が無いというかいろいろもう諦めた。もう17だし伸びるあてもないだろうし……」とは言いつつもやっぱり気にはしているらしくため息 (Ryumaco) 【優希】「自分だって大してかわんないくせに」 (tuka-neko) 【クロエ】「3つも違うだろうに?……まあ、その分ユーキはまだ伸び代があるわけだが……」どこと無く羨ましそうにぐりぐり頭を撫でてる (Ryumaco) 【優希】「ふふん、それはね」伸び代に余裕を見せ「すぐに子ども扱いできなくしてやる」 (tuka-neko) 【クロエ】「む……なら今のうちが子ども扱いのし時、と、そう言うことだな?」優希の言葉に……不敵に唇の端を吊り上げつつ (Ryumaco) 【優希】「させないってばっ」クロエのアタマをわしわしなでる (tuka-neko) 【クロエ】「わ!?こ、こらっ!?」慌てて頭を抱えるようにして、逃げ回る。矮躯のせいで、やっぱりこういうことになると分が悪いっ (tuka-neko) それでも、その表情は……年相応の見た目相応の楽しそうな笑み、だったり。 (Ryumaco) 【優希】「ほらほら子供扱いしてやるー」それを楽しそうに追い回す (tuka-neko) ………… (tuka-neko) …… (tuka-neko) … (tuka-neko)   (tuka-neko)