(Ponko) 大公の森、その茂みをあくび混じりに進んでみれば… (Ponko)   (Ponko) 【クー】「…おいおいぉぃ…本当にいるぜ、どうするよおい…。」自問する。答えはない。マスター、リディの頼み事を無碍にするわけにもいかず…、聞けば友人同士になったらしい。…年代的に近いか。ま、アイツにはそういうもんが必要かねぇ…。そんな事も考えながら、一日の5分の4を占める貴重な睡眠時間を削っての時間。大公の森、その中でも比較的開けた場所、この場所は嫌いじゃない。造られた場所とはいえ、適度に入り混じった混沌の感覚が肌に落ち着く。 (Ponko) …が (Ponko) 大公の森停戦協定の前提とされるのこの世界の中、唯一といってもいいくらい、カオス名場所。  (Ponko) 【クー】「あっちの姫さんの方なら精々美味い酒が飲めたんだろうけどなァ…坊主相手じゃ味気ねェや。」咥えた煙草から紫煙を燻らせたまま、直立不動の少年の前を通り過ぎ、ごろん、と手近な木に背を預け座り込む。目は半目を開け、目の前の少年の様子を気だるそうに伺いしばらくの間 (Ponko)   (Ponko)  …口を開く  (Ponko) 【クー】「ぼーっと突っ立って何してんだ坊主。俺は男に寝顔見られて喜ぶ趣味はねェぞ?」言外に…オレ、ネムイ、カエル。そんな事を言いながら。 (Ponko) 【クー】「ま、場所選びは上出来だ。精々俺様をその気にさせてみな。」ふぅ…と煙と共に息を吐き、同時に周辺から色と音が消えた。 −月匣− そう呼ばれる、異世界の中の異世界。 (Ponko) 薄目を開けて、様子を伺う (Ponko)   (rouge_) 【イオ】「……っ…」   まだ一言も発しないうちから、接近を感づかれていた。  それ自体は、別段驚くことでもない。  この人なら、やってのけるだろう。 改めて驚いてしまった、それだけのことだ。  ここにくるまでに、何度も化け物に出くわしつつ、それから逃げてきたのであちこち泥だらけ傷だらけだ。   「ここにいるって、聞きましたから。  俺に…」   闘い方を教えてください。  言う前に、異界が広がった。  「その気に………」  こぶし (rouge_) を握り、力を込めつつ… それはやはり、そういうことなのだろうか? (rouge_) (まずはきゅー (Ponko) 【クー】「お茶会しようってわけじゃないんだろ?こんくらいしとかねぇと後々うるさく言われんのもめんどくせぇ…」ふぁ…と大欠伸しつつ 「誠意。」 (rouge_) 【イオ】「クーさん。  俺に、闘い方を教えてください。  あなたみたいになりたいなんて大それたことは言わない、ただ、あなたの動きを少しでも学びたいんだ…! お願いします…!」  深く腰を折り、木の下で声を張り上げる。 まずは、正直に。 (Ponko) 【クー】「直球勝負は嫌いじゃないぜ、分かりやすい。」素直な感想 「で…?」 (rouge_) 【イオ】「代価は、俺にできる限りで何とかします。  ……お願いできないでしょうか。」  (Ponko) 【クー】「だから、誠意。」頭の後ろで腕を組み…コキ、と首を鳴らしながら…「代価、なんてモンはいらん。どうせなにかもらっても今の俺様にゃあ大して価値はねぇし…そもそも手に入れたいものがあるってなら、そりゃあテメェで手に入れるのが俺様の矜持だ。」少し眉を寄せ (rouge_) 【イオ】「誠意………。 俺に、できることで………?」   自分にできるのは、こうして頼み込む以外に、思いつかない。  「……何かあったときに、また何もできずにただ逃げるのは嫌なんだ。 少しでも力がほしい…だから…協力してください…!」 (Ponko) 【クー】「…あのな。坊主、テメェ俺様に何習いに来たって…?詫びの入れ方?物の頼み方?頭の下げ方?違ぇだろ。んなモンはてめェの主人相手にでも下げて慣れりゃあいいだろうが。」 ぼりぼりと後ろ頭かいて 「てめェ…人様の手の内見せろって来てるんだろうが。自分の手の内もイロハもみせねぇ内に人様に晒せ、ったぁずいぶんむしがいいじゃねえか、なぁ?…ただそのままで暴れるんならこんなモン(パン、と月匣を弾けさせ)…いらねーよなァ?」よっこらせ (Ponko) 、と立ち上がり 「帰れ。」 (rouge_) 【イオ】「……ぐ………」  ざ、ざ、と、2,3歩あとずさる。  そういえば……強く何かを願ったことも。 誰かに何かを頼み込むのも、今までひとつとしてなかった。  やはり…無理なのか……と、諦めかけてきびすを返す。  「…」 仕舞い込んだ聖石を、握りこむ。  「…………モリオンッ!!!」   諦め切れなかった。  鋼機を呼び出し、一瞬にして搭乗状態へ。  そのまま兵装を起動させ、樹上に狙いをつけて、撃ちだす。 (Ponko) 【クー】「…はッ。やっと出したか、坊主!」口元を小さくニィ…と歪め 「…すごすご帰るようじゃ、貴重な時間捕られた腹いせにその背中撃ち抜くとこだったが…つくづく物分りの悪い坊主だぜ…俺様にあそこまでしゃべらせんなっての…!」 轟音と共に砕け、落ちてくる木の残滓。その中でも一際太い一振りを掴み取り… 「ま、玩具の足しにはなるか。はッ…!俺様を直接狙わなかったあたり…及第点には程遠いがな」 パチン、再度世界の色を塗り替える  (な (Ponko) お、この木が、後にとある魔王が大事にしていた盆栽であったと知ったのはまた別の話である) (rouge_) 【イオ】「……今できる全部を………やってやるっ…!!」   思考を戦闘状態に切り替える。  訓練などではなく、戦闘に。 プラーナを鋼機全体に注ぎ込み、まだ眠ったままに等しい鋼機に、活力を与えていく。 このモリオンをバケツと仮定するなら、普通に自分が起動させても、コップで水を汲み取り注ぐような速度でしかエネルギーをためられない。 それでも、バケツを満たすには無理やりにでも蛇口をひねるしかない。  「ぅううおおおお!!」   まずは空間 (rouge_) をゆがめ、穴を開け、死角から敵の虚をつくモリオンの一撃。  ワームブレイカー。 (Ponko) 【クー】「おー、そうだ。それでいい。俺様が手を抜いていいって訳じゃないんだろ?人様に本気見せてくれって以上…そっちの本気を見せてもらわねえとなァ…?」くるん、と枝を後ろ手に構え…両腕をたらし、体中の力を抜いたように直立。「制空圏って知ってるか?そんだけ図体でけぇと大変だな。気をはらにゃあならん部分も比例してでかくなる。だからこそ…自分の薄皮一枚のレベルで気を張る。そうすりゃあ…死角なんてモンはおのずと消えらァ!」 ガィン、と (Ponko) 小気味よい音が響く 同時に枝は真っ二つにわれ、宙を舞う (Ponko) 【クー】「…あーらら…やっぱ玩具のタシにもなんねぇか。」 (rouge_) 大きい、という事はそれだけで強いことだ。  と、この世界に車では思っていた。  巨大、ゆえに気を配らなければならないこと。  それも、覚えていかなければならない。  【イオ】「おおおおお!!!」  全力で。  自分の呼吸を吐き出しきるまで、ワームブレイカーを打ち出し続ける。  クーの背後や、クーの頭上、様々な場所がゆがみ、ゆがんだ空間から突き出した虚無の槍が、貫こうと牙をむく。  (Ponko) 【クー】「やっぱ…、自分の腕脚のが信用置けるねェ。マスター、命令もらったわけだし、ちょっと位派手にやってもいいよなぁ…?」いない主に向けて呟き  ぼぅ…と両腕に魔力を宿らせる。 「流石にあたりゃあ砕けるか。」 ゆらり…傍目にはよろけたようにさえ見える動き。当たる、と見えた直後には風に吹かれる柳(風柳さんノーノー)の様に流し、打点をずらし… 「死角狙いは悪くねぇ。ただな…単調だ、虚実を混ぜろ。後何より…」トン…と地面を蹴り (Ponko) 【クー】「退路を考えた上で攻撃に入れ。」鋼機の足を払うように振るう (rouge_) 【イオ】「くっそ………かすりもしない…!?  …でも!!」  だからこそ、学ぶ価値がある人なんだ、と。  「ぉお、あああっ!?」   考えているのは、目の前の相手に兵装をぶつけきることだけ。  だが、足への衝撃。 気合を吐き出しきる前に、目を白黒とさせる。 視界がぐるりと回り、巨体が轟音を上げて転倒する。  「ッ……てぇ…」 (Ponko) 【クー】「…普通にやりゃあ俺じゃあその図体を倒すのは一苦労だ。が、攻めるのに夢中になりすぎで重心が偏りすぎ。俺様に切り込まれた瞬間、その時じゃあもう遅い。常に退路を確保しろ。…まっすぐすぎんだよ、お前。」 (rouge_) 【イオ】「が…ぐ……」  起き上がりながら。  マルディナにも、同じ事を言われた気がする。  相手の攻撃の質を確かめろ、と。  ひとつの事だけにとらわれては、戦いは、できない。  「………わかり、ました。  もう一度…っ!!」  今度は、鋼機を立ち上がらせると、全速力で後退する。 間合いは、こちらが上回っているはずなのだから。 離れて、ワームブレイカーでの攻撃を、再度行う。 (Ponko) 【クー】「ハッ…バカの一つ覚えか?死角から撃てば当たる、そりゃあ…今まで相手してきたのが図体でかい鈍い相手ならそうさな!…でもって退路ってのはそういう意味じゃねぇ。いちいち動きがデカ過ぎんだよ…。」あきれた様に息をつき…払い、打ち、抑え…威力を殺し 「強いて言やあ…機体の長所にばかり目が行って、頼りすぎだ、坊主。」 魔力の出始め、発射点(そんなのあるの?)を抑え 「だから予想外の事態にうろたえる。」 (rouge_) 【イオ】「ワームブレイカーが、消された…っ!?」   ゆがんだ空間、それそのものをかき消される。  それまで、どんな相手にもそんな防御法はされたことがなかった。  言葉どおりに、うろたえる。  「機体の長所、ばかり……。  …そう、かも知れません。 俺が知ってる、こいつのイメージは……すごいところしか、ないから。  前の持ち主が、最高のフェダーインだったんです、その人の動きに近づけるように、俺は動かしてるつもりで…」   (Ponko) 【クー】「俺らは…あー…今の言葉に直すと月衣ってのがあるらしい。んでもってそのデカブツと、こっちの実質的な図体の差…まあ言ってみりゃ図体でかけりゃ強いっつー常識を無効化してるらしいな。マスター…。…リディに聞いたか?それ位は。…ま、これはこっちの話だからてめェはそういう相手とやりあうかも知れねぇ…ってだけでいいや。さて…ひとつ聞くぜ?」 (Ponko) 【クー】「その前の持ち主になれると思うか?」 (Ponko) 同じ境地にまで、と (rouge_) 【イオ】「同じには………なれない。」 資質の面でも、戦闘経験の面でも。 足りないだろう…適正もプラーナの総量も。   「……けど……同じ位置には立ちたい、そう、思ってます。」 (Ponko) 【クー】「なら、すっぱり諦めちまえ。坊主、お前はその前任者じゃねぇ。その使い方っていうのが…お前見てるだけじゃあどの程度かってのはしらんが…そいつ独自のモンだ。」陳腐な物言いになるが…と呟き 「同じ人間は一人としていやしねぇ、同じ癖、同じ動きができるやつも然りだ。てめェがそいつ自身、って言うのでもない限り同じにはなれねぇ。そんな奴がどうやって同じ位置に立つ?ハッ…」笑い捨て (Ponko) 【クー】「人真似はいいさ、楽でいい。けどな、真似は所詮真似どまりだ。そいつ自身ならそこからさらに応用を利かせるだろうが。真似はそこまでたどり着けねえ。」トントン、と機体を駆け上がり肩のあたりに腰掛け 「…その戦い方はその前任者のものだ。不器用でまっすぐすぎるてめェに向いた使い方じゃねえ。…自分を知れ坊主。」 (rouge_) 【イオ】「…………俺は………爺さんには、なれない………」  ぼう、っとつぶやくようにして。 その言葉は、安堵と、衝撃を、同じだけ与えた。  「………わかってた、のかもしれません。 でも……爺さんの代わりにならなきゃならない、と思ったのも、事実なんです。 ……もう、いないから。 …あ、すみません。 つまんないこと、話しちゃって。」  (Ponko) 【クー】「そりゃあ無理だ。死んだ人間はそれまで。残せるモンなんざ遺産と記憶位のモンだ。…本来こうして干渉してることさえ好ましくねぇのに…ともかく…」 ごまかすように言葉を切り 「強くなりてぇなるってのは自分を知ることだろうが、自分の特技、自分の長所、自分の短所。考え抜いて自分にあったやり方を見つけるんだな。真似で確かにある程度までは強くなれるさ。真似を極めた、って奴もありっちゃあありだからな。が…俺様から見たお前は」 (Ponko) 【クー】「不器用だ。まず無理だな。」 斬って捨てた  (rouge_) 【イオ】「………俺は…。 それでも………」  あの人みたいになりたい。  きっとあの人は、俺なんかよりずっと、姫に必要な存在だったんだろうから。  言葉を飲み込み、鋼機の中で肩を落とす。  動きに連動し、クーが座る肩もがくん、と落ちた。 「じゃあ、どうすれば………って、聞く事自体が、間違ってるんでしょうね。 もう、答えはもらってるのに。」 (Ponko) 【クー】「答えなんかやった覚えねぇよ…。」よ…っと立ち 「俺様は自分で考えろって言ったんだ。答えじゃなくて課題だろうが。それに…だ。ほんとにそいつになりたいって思ってるのかてめェは?」はぁー…っといきをつく 「なら、なんで俺様の所来た?俺様はてめぇの爺じゃねぇ。俺様を真似てもてめぇの爺にゃあなれん。自分でも気づいてる、なのにそれを認めたくねえ…それが今の坊主、てめェ自身じゃねぇのか?ぁ?」 (rouge_) 【イオ】「だから、俺自身が考えろ、って事でしょ。  クーさんなら、そういう風に言われるの位は、わかります。」 操縦桿から手を離し、汗ばむ手のひらを眺めながら。 「………そうなのかもしれないし、違うかもしれない…です。  今は、どんなことでもいい、強くなりたかった。 強い人に、あこがれた人に飛びついちまっただけなのかもしれない。  ………なんか、ごめんなさい。 変な話、ばっかりだ。」 (Ponko) 【クー】「姫さんも難g…や、だからこそか…?完璧な従者、なんざ傍に付いてても息苦しいだけだからなァ。誰も…坊主にその爺さんのようになってくれ…とは思っちゃあいないと思うぜ。姫さんさえな。坊主、てめぇに今あるのは前任者が優秀過ぎるってことから来る劣等感と強迫観念だ。誰かと同じ人間、なんざくだらなくて反吐が出るぜ…」 (rouge_) 【イオ】「爺さんも、完璧ってわけじゃ、なかったですけどね。 なんていうか…いると、ほっとするタイプ、って言うんでしょうかね。」   思い出しながら。  多分、今の表情は、あまり人に見せられたものではない。  「…………でも、姫様には、そういう人が必要なのか、って、たまに思うんです」   ……そもそも、代わりなんて、求めているのだろうか。  ………あの人も、わかってはいるだろうに。 …あれから、あの時死んだ人のことを、口にしない。 俺 (rouge_) を気遣っているのか。 それとも……認めたくないほどに、大事だったのか。  「…俺は俺なりに考えていくしか、ないんでしょうけどね」 (Ponko) 【クー】「バカか?」げし、と外から内部に響く蹴りを入れ… 「どうでも良い人間を傍に置いとくような女じゃないだろ、アレは…。あの女の器はデカいな。一度杯交わしてみたいもんだぜ…ま、気難しい所はあるかもしれんが、それは俺様が言えた事じゃねえや。」はっと鼻で笑う  (rouge_) 【イオ】「凄い人、ですよ。」 それは、認める。  だけど………あの人だって、俺とそんなに年が代わるわけじゃ、ないのだ。 ……生きてきた密度が違うといえばそれまでかもしれないが。 …そもそも、自分がこんなことを心配する時点で、臣下の考えじゃない。 言葉を消す。  「……クーさん、もう一手、お願いできますか?」 (Ponko) 【クー】「同じことの繰り返しじゃ、飽きるぜ…?そろそろ…てめぇのやり方ってーのを拝ませてくれる訳か?…よ…と。」 大きく跳躍して降り立ち… 「他人が他人を気遣うのに理由がいるか?ま、それをどう受け止めるかは当人次第だが…とりあえずリディも気にかけたからこうして場を作らせたんだろうしな…。ったく。こっちの都合はお構いなし、まったく良いマスターだぜ…」 (rouge_) 【イオ】「ちょっと、モリオンの兵装セッティングを俺の思ったように変えてみました」 (rouge_) (おっと (rouge_) 【イオ】「ちょっと、モリオンの兵装セッティングを俺の思ったように変えてみました」  コンソールを軽く叩き、魔装のセッティングを変更しつつ。  「……マスター…」  リディとこの人の関係が今ひとつわからなかった。  明らかにこの人のほうが、強いと思うのだが… とはいえ、主従関係なんて、色々か。  「なんつーか、色々考えること、増えそうですよ、これから。 でも…ありがとうございました。」 (Ponko) 【クー】「関係か…?…リディも今度いるときに知りたいなら話してやる…つっても、もういくらかあいつから聞いてるかもしれんがな。」ぐ…と腕を伸ばし… 「ハッ…これならちったぁ楽しめそうだ。…少々本気出していくぜ、坊主。」 (rouge_) 【イオ】「俺は、最初からずっと本気でしたけどね……行きます…!」  死角狙いは、しない。  ただ、正面に幾つもの空間の穴を展開し、その全てから槍を打ち出すだけだ。  単純極まりない、力押し。 モリオン・グランデのこれまでとは違った動き。  少しずつ、言葉を受けて考えながら今日もまた、一歩進む。 (rouge_) 【イオ】「俺は、最初からずっと本気でしたけどね……行きます…!」  死角狙いは、しない。  ただ、正面に幾つもの空間の穴を展開し、その全てから槍を打ち出すだけだ。  単純極まりない、力押し。 モリオン・グランデのこれまでとは違った動き。  少しずつ、言葉を受けて考えながら今日もまた、一歩進む。 (rouge_)   (rouge_)   (rouge_)