(tuka-neko)   (tuka-neko)   (tuka-neko) 修養の名目でとある忘却世界を訪れた翌日。水に濡れたまま一日近く無茶をしていたせいかあっさりと、風邪を引いてしまった。 (tuka-neko) 最近風邪を引いてばかり、のような気もするが、熱もそれなりに高いようだし身体の節々も痛い、頭もぼうっとするし咳も出る、という状況では、ギルドの仕事、に出るにしても仲間に迷惑をかけるばかり。故にしばらく休養をとろうと、思いはしたのだが。 (tuka-neko) ここのところ買い物など行けてなかったせいで生活必需品がいろいろと、足りない。持っている着替えも健康な状態であれば、と注釈が付くが必要最低限しか持っていないし、薬の類も常備などしていない。故に、寝込む前に買い物をしておかなければ……色々と困る、のだ。 (tuka-neko) 誰かに頼めばよい、という話があることもあるが、中には人に頼むには気恥ずかしいものも含まれているし、何とか身体は動く。 (tuka-neko) それに、こういう事で誰かの手を煩わせるのも……と、言うのもあって。結局、多少ふらつきながら、ではあるものの、買い物に出かける事にした。 (tuka-neko) もちろん、そんな無理をすれば身体にとってよいはずもない。最後に薬屋にやってきたころには更に熱も上がり、身体の気だるさも限界に近くなっていた。 (tuka-neko) 何とかビタミン剤だとか、その他必要になりそうなものを買い込み終えラヴィスパレスは自分の部屋の前にたどり着く、ものの。鍵を探る間すらも自分の身体を支える事が出来ず、扉にもたれ掛かってしまっていて…… (tuka-neko) (きゅー (ookinaGU) 【伊集院】「やれやれ、月衣があるとは言え、買い出しは面倒なものだな……早いところ助手を完成させねばならんか」パレスの廊下を歩く青髪の女性。白衣を着込み黒鞄を手に提げた姿は女医のようにも見える。 (ookinaGU) 【伊集院】「ん?」こつこつこつ。ヒールの足音を立てる歩みが止まる。目の前で通路をふさぐような形で人が座り込んでいる。 (tuka-neko) 【クロエ】「…………」顔を真っ赤に染め荒い息をついて。いかにも具合が悪そうに蹲っている。その足元、には部屋の鍵が無造作に落ちていて (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ」どうしたものか、思案し、まずは声をかけてみる「あー、その、なんだ。大丈夫……じゃなさそうだな」落ちている鍵に気づき (tuka-neko) 【クロエ】「……?ぁ……いや、たいしたことは、ない……これから、やすむところで……」声をかけられれば大儀そうにそちらを見上げるけれども。……どこからどうみてもたいしたことがない、とは言い切れなさそうなそんな体たらく。なんとか、鍵を拾い上げるものの。どうやらそこまでが限界 (ookinaGU) 【伊集院】「フフ……この私の前で病気になるとは、まったく気の毒な事だ」一挙動で、月衣から巨大な注射器を引き抜く (tuka-neko) 【クロエ】「……単なる風邪だ……休んでいれば……ってそれをどこからだした!?」それまでは視界には一定ないかった巨大な注射器を目にすれば、思わずそんな事を叫んでしまう。単純に考えれば相手もウィザード、と、それだけの話なのだが。熱で思考がぼやけているせいか、そんな容易な事にさえ、気付く事ができない (ookinaGU) 【伊集院】「魔法使いが月衣から箒を取り出すのが、そんなに不思議かね?」右手で右手をとり、背中を相手の胸に合わせて一回転、それだけの動作で倒れている相手の体を起こし、注射器の上に担ぎ上げる「二人乗りへの改造も考慮しておいた方が良さそうだな」ポツリと呟き (tuka-neko) 【クロエ】「ぇ?あ、ウィザード……だったのか、すまない、ええと、その……気付かなかった……う、わ?!」触れられれば、手袋越しだというのにやたら高い体温が伊集院の手に伝わって。担ぎ上げられれば……少し目が回ったのか、悲鳴じみた声を上げる。……もっとも、抵抗できるような体調では到底なく、されるがまま、でしかないが。 (ookinaGU) 【伊集院】「まぁ、気にする事はない。高熱による判断力の低下及び記憶の混濁。よくある反応だな」そのまま宙に浮かぶ注射器を引き連れ、扉の前を離れる (tuka-neko) 【クロエ】「え?あ、ど、どこへ、いくんだっ!?わ、わたしは、その、部屋に戻れれば、いいんだがっ……」遠ざかっていく自分の部屋の扉に再びあわてたような声を上げ。じたばたと注射器の上で身をよじって伊集院に向き直る (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ」落ちている鍵と、真っ赤なクロエの顔を見比べて「そうだな、時間が惜しい、か。では、済まないが入らせてもらうぞ」それを拾い、目の前の扉のノブに突き刺し、捻る (tuka-neko) 【クロエ】「いや……こちらこそ、世話をかける……すまない……」かちゃん、と軽い音を立てて鍵は開き。その音を聞けば……ほう、とため息をつく。唯でさえ目敏い隣人がいるというのに、いつまでもこんなところでこんな醜態を晒しているわけには、いかないのだ。 (ookinaGU) 【伊集院】「大体、間取りは私の部屋と変わらないようだな。ならば寝室はこちらか……」先行して部屋に入り、間取りを確認すると、注射器を誘導し、寝台の傍まで患者を連れてくる (tuka-neko) 【クロエ】「ああ、ここまでで、いい。ありがとう……ええと……」ベッドの上には、戻り次第着替えるつもりだったのか几帳面に畳まれた野暮ったい寝巻きと、古風なシュミーズとドロワーズが置かれていて。さすがに、着替えは自分でやらなければ、と思ったのか。そんな事をいい……そういえば相手の名前を知らない事に気が付いて言葉を途切れさせる (ookinaGU) 【伊集院】「あぁ、私は伊集院。イルリード・F・伊集院だ」着替えが置いてあるのを見つけ「ふむ。自力で脱げるか?」 (tuka-neko) 【クロエ】「イルリード、か……私は、クロエという……ああ、着替え、くらいは自分でできる……」ゆらりと何とか自力で身を起こしはするものの。その手つきは微妙に覚束ない。自分で……と焦っているせいか、それこそ体調以上に揺らいでしまっている (ookinaGU) 【伊集院】「あぁ、色々あってな、伊集院と呼んでもらう方が都合が良い」上体を起こすのを支えながら「では、上着だけでも脱いでおきなさい。その間に台所と風呂場を借りるぞ」そう言って、さっさと部屋を出る (tuka-neko) 【クロエ】「ぇ゛…………!?!?」伊集院の言葉に、思わず……熱で赤く染まった顔色が青ざめる。そういえば、さっきの箒は注射器型だった、ような。アレが酔狂でなければ……要するに彼女は医者、ということで。……その事に気が付いてしまえば、伊集院が戻ってくる前に、とばかりに慌てたように着替え始めて (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ。そのくらいの元気はまだあるようだな」丁度、脱いだタイミングで部屋に戻ってくる。手には数枚のタオルと湯を張った洗面器 (tuka-neko) 【クロエ】「…………っ!?!?」いつもならとっくに着替え終えている筈の時間をかけて。漸くワンピースを脱ぎ終えたところで伊集院が戻ってきてしまい。慌てたように……首筋を押さえてしまう。小柄な割りにそれなりの発育を見せている肢体を覆うのは、やはりベッドの上にもあったとおりの古風な下着で。下着姿だというのに露出はかなり抑え目だったりする (ookinaGU) 【伊集院】「汗をかいたままで寝たとしても体調は悪化する一方だからな」寝台の傍らに椅子を動かして腰掛け、タオルを湯に浸す (tuka-neko) 【クロエ】「あ、いや、その、じ、自分で、できるから、だ、大丈夫だっ!?!?」目に見えてウロタエながらも必死で言いつくろう。頬を伝う汗の量は増えて、どうみても大丈夫そうではないけれども。慌てすぎて手袋をはめたままの手で湯に浸されたタオルを取り上げようとしてしまう (ookinaGU) 【伊集院】「おいおい、手袋が濡れてしまうぞ?」やんわりと手を押し戻し、硬く絞ったタオルを渡す (tuka-neko) 【クロエ】「あ、あ、えと、その……………………すまない、ええと……イジューイン……恥ずかしいのだが…………」渡されたタオルを弄びつつ、再び首筋を手で押さえる。恥ずかしい、というよりは、別の感情によるものではあるのだが。さすがに伊集院の前で脱ぐわけにはいかない。 (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ。そういうものか……」立ち上がり、部屋を出ながら「私は台所に居るから、一人で手が足りないと思えば声をかけるように」そう言って、台所に向かう。暫くすると水が流れる音と、まな板を叩く包丁の音が聞こえ出す (tuka-neko) 【クロエ】「あ、ぁ、すまない……」はふ、とため息をつきながらも。伊集院の姿が見えなくなれば落ち着いて手袋をはずし下着を脱ぎ、汗に濡れた肌を拭い始める。それが終われば真新しいものに着替え寝巻きを着込み。さらに新しい手袋を填め、首筋にタオルを巻いてから、洗濯物をまとめてしまってから漸くベッドに向かい「……すまない、な。そんな事までさせてしまって……」と声をかけて (ookinaGU) 【伊集院】「いや、構わないさ。好きでやっている事だからな」台所から声と一緒に生姜の香りが流れてくる「ただし、私に捕まったからには覚悟をしておいて貰おう。ククク」剣呑な哂い声が響く (tuka-neko) 【クロエ】「覚悟? 覚悟……とは一体何の事だ……?」していることは看病の流れのはずなのに。聞こえてくる声音からは剣呑さ以外は感じられず。思わず冷や汗を流しながら問いかける。多分、伊集院が作っているのは病人食なのだろう……彼女がそこまでで止まってくれれば、よいのだが……到底そんな楽観視は出来なくて天を仰いでしまう (ookinaGU) 【伊集院】「私の前に病人として姿を現したのが運の尽きだったな、クロエ」 コトコトと鍋の蓋が歌う音が流れ「病人を完治させずに放置しておくなど私の沽券に関わるからな。治るまできっちりと面倒を見させて貰うぞ。ククク」 (tuka-neko) 【クロエ】「……ドクターのプライドか信念か、といったあたりか?……本当に、たいしたことはないのだが、な」ベッドに横になれば少しは楽になったのか。さっきよりはずいぶんとはっきりした口調でそう言って。“傷跡”のこともあってか医者が苦手ではあるのだが、諦観をこめてため息をついてしまう。 (ookinaGU) 【伊集院】「大した事の無い人間が玄関前で倒れている訳が無かろう?」タオルで手を拭きながら台所から戻ってくる「もう少し待ってくれよ。その間にこれでも咥えておくのだな」鞄から体温計を取り出して咥えさせる (tuka-neko) 【クロエ】「むぐ!?」いきなり口に体温計をねじ込まれればそれ以上反論する事も出来ず。目の前でどんどん伸びてゆく赤い中身を見つめていって。……やがて勢いの失せた水銀計は、38度6分を示す。微熱、というにはかなり高い。さすがにこれはたいしたことはない、とは言い切れず、困ったように伊集院を見上げてしまう。 (ookinaGU) 【伊集院】「これで判ったか?」引き抜いた体温計を軽く振って水銀の位置を戻しながら「しばらく安静にしているように。判ったかな?」厳しく問いかける。正面から見つめる目は金と青のオッドアイだ (tuka-neko) 【クロエ】「……ああ……もとより、休養はとるつもり、だったんだ。色々と不足があったので買い物に出ていたのだが……」そういえば買ってきたものは月衣の中に放り込みっぱなしだったような。とはいえ今からおきて荷解きをするのも億劫なほど。それに気付けば……漸く自分の体調の程度、というものを認識して伊集院のオッドアイを、こちらは蒼の瞳で見つめ頷いて見せて。 (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ。ならば問題ないな、他に足りないものがあれば知り合いに頼むなり、私に連絡すれば良い」0−Phoneの番号を伝える。そして、一度台所へ戻りザラザラザラ、キュキュ、ジャー! と音がして赤いブヨブヨとした袋をタオルで包みながら帰ってくる (tuka-neko) 【クロエ】「すまない、助かる…………それは……?」強いゴムのにおいのする、見た事も無い物体を持ってこられれば思わず目を丸くして問いかけてしまう。先ほどの音からすれば、中に入っているのは氷と水、なのだろうが……? (ookinaGU) 【伊集院】「なに、気にするな」そう良いながらクロエの頭を持ち上げ、氷枕を置いて頭を戻す。「さて、これで熱に関してはしばらく様子見だな。その間に診察をしておこうか」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ!?!?!?あ、いや、その、し、しんさつは、その……?!」診察、と聞けば見る間に顔色が変わる。思わずぢたばたと身をよじり、上にかけられた毛布を引き寄せてぎゅう、と抱きしめてしまって。……傍からみれば病院嫌いの子供にも通じる、そんな仕草を見せてしまった。 (ookinaGU) 【伊集院】「覚悟をしておけと言った筈だ」鞄から聴診器を取り出し首にかける。ワゴンを展開させ、その上にヘラや懐中電灯、注射器、血圧計、各種薬品壺などが並ぶ (tuka-neko) 【クロエ】「いや、その……だな、こちらにも色々事情が……その、人に見せられるような体ではないんだ……」思わずたじろぎながらも、更に言い募る。流石に、これ以上アレを見られてしまう、のは……精神衛生上よろしくはないので、必死に抵抗するようにベッドの上をにじっていってしまい (ookinaGU) 【伊集院】「確か、第八世界の医者には守秘義務と言うものがあったな。ならば、私もそれに準じるとしよう」逃げるクロエからは影になって、その表情は見えないが、口の端が三日月のよう引き伸ばされるのが見えた。「さぁ、安心してすべてを曝け出すが良いぞ。ククク」 (tuka-neko) 【クロエ】「ちょ……な、何だその怪しい言い回しはっ!?というか、イジューイン!?さ、さっきと雰囲気が……!?!?」更に逃げようと、したところであっさり壁に背をぶつけてそれ以上逃げられなくなってしまい。なだらかなラインを描く頬にたらりと冷や汗が流れ落ちていく。 (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ。ますます怖がらせてしまったか……第八世界の書物から学んだのだがな」一瞬で真面目な表情に戻り「薬の処方及び今後の治療方針を決めるのに必要だからな、とりあえず口を開けてみてくれ」懐中電灯とヘラを手に (tuka-neko) 【クロエ】「……いやそれは……たぶん色々と違う……」とは言うものの。伊集院の信念を覆す事など到底はできはしないと悟ったのか。大人しく口を開けて見せる。……長じてからは医者にかかった事などないから、色々もたつきはしたけれども。 (ookinaGU) 【伊集院】「はい、あーって声を出して。あぁ、扁桃腺が腫れているな」ヘラと懐中電灯をワゴンの上に戻す。手元のクリップボードに何やら書き込むと、首にかけておいた聴診器を取り外し耳に当てる。「さぁ、次は肺の音を聞かせて貰おう。胸を出してくれ」寝巻きをたくし上げるよう、要求する。 (tuka-neko) 【クロエ】「…………………………ああ、その……すまないがそれだけは勘弁してもらえないか……その……」思わず自分の胸元を見下ろす。一応、前をボタンで留めるタイプだから、たくし上げるというはしたない行為はしなくてもすむだろうが……「……せめて見えないような状態で、とかはできないだろうか……?」 (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ。胸の大きさが気になる御年頃という訳か?」さっき畳んであった着替えの中にシュミーズがあった事を思い出しながら「上着だけ脱いでくれればそれで良いぞ。あと、できればブラジャーも外しておいてくれ」 (tuka-neko) 【クロエ】「胸の大きさ、云々ではなく……洒落にならない傷跡があって、それが例え医者であっても見られたくないんだ。……そんなものはつけていない、問題はない」と、言いながらもぽつぽつ、と上半身部分のボタンをはずし、シュミーズを持ち上げて肌との間に隙間を作る (ookinaGU) 【伊集院】「まぁ、気になるのなら整形手術でも請け負うが……寝る時だけではなく、普段からつけていないのか?」その隙間に聴診器を入れ、肌に当てる。何箇所か動かし、指で軽くトトンと叩いては反響を確認する (tuka-neko) 【クロエ】「……いや……整形……はしても無駄だろう、多分……普通の傷跡じゃあないから、な。……ああ、つけていない。露出部分が多すぎてどうも苦手なんだ……」やはり慣れていないせいか居心地悪そうにもぞもぞと身をよじって。そうすれば矮躯に似合わないボリュームが聴診器越しに感じられてしまう。 (ookinaGU) 【伊集院】「それは、褒められたものではないな」クロエに背中を向けるよう指示すると、今度は背面の聴診を始め「まず、クロエの大きさだと肩こりが酷くなる。これは進行すると頭痛や骨格の歪み、果ては脳梗塞の遠因にすらなる可能性がある」 (tuka-neko) 【クロエ】「……そこまで大事になるのか……?むう、確かに……時々肩が辛い事はがあるが……というか好きで大きくなったわけじゃないんだがな……不要なものだ」はふ、とため息をつきながらもそう呟く。とはいえ、こう……コレまでこういうガードの固い代物で慣れてきているのに、今更現代風のもの、といわれても……ど色々と、困ってしまう。 (ookinaGU) 【伊集院】「まぁ、縮胸手術も請け負いはするが……お勧めはしないな」ぽん、と背中を叩いて、今度は横になるように指示「他にも、戦闘などで派手な動きをした時に、乳頭が布地に擦れて痛みを感じた事はないかね?」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ!?!?あ、ええと、そ、それは……ある、が……その、たいしたことはないだろう、そのくらい……」そう水を向けられれば、素直に伊集院の言葉に従いながらも頬を赤らめてしまって「……それとも、それも、何か大事に、繋がる、とでもいうのか……?」 (ookinaGU) 【伊集院】「擦り切れると痛いぞ? 良いのか?」苦笑しながら、腹部の触診を始める「あぁ、押して痛い所があれば言ってくれよ?」くすくすくす (tuka-neko) 【クロエ】「……ぅ……痛み、なぞたいしたことは……そもそも、私は、神に仕える身だ……その、胸があったところで、使い道など……だからといって、手術、という話になるとこう、肌を晒さなければならないから勘弁してほしいが……いや、痛む場所は、ないようだ……何がおかしい……」言い訳がましく言葉を紡ぎながらも、ぐ、ぐ、とお腹を押される感覚の違和感に眉根を寄せ。笑う伊集院を見れば不機嫌そうな顔になってしまう (ookinaGU) 【伊集院】「いや。小児科の医師というのはこのような気分なのかな、と思ってな」寝巻きを直してやり、診察道具を片付け始める「あと一つ。これは完全に余計なお世話かもしれないが……聖職者が、あまり扇情的な格好をするのも如何なものかとは思うぞ」その不機嫌そうな表情に、また笑みがこぼれる (tuka-neko) 【クロエ】「……小児科ってなぜ……って……え!?!?!?」伊集院の指摘、に、これは完全に思っても見なかったのか、目を丸くしてしまう。それまでの不機嫌さもどこかへと飛んでいってしまって「な、な、な、そ、そんな、ことっ?!だ、だれがそんなかっこうをしていると!?!?」 (ookinaGU) 【伊集院】「なんだ、気づいていなかったのか?」意外……でもないか、と思い直し「きちんとした下着を着けていないと、薄着の時には布の上から形がよく判るし、動いた時に揺れて、とても目立つのだぞ。あ、もう一回口を開けてくれ」綿棒に消毒液をつけて「はい、あーん」 (tuka-neko) 【クロエ】「ひ、人前で薄着なぞ、するはずもないだろうにっ……む、ぅう……」まるで子供に対するような言い様に再び不機嫌そうに表情を歪めて。それでも……気付いていなかった、とはいえそういう姿を晒していたのかと考えると、熱とは別に燃えるように頬が熱くほてってしまう。その気恥ずかしさをごまかすように、思い切り口を開けて見せて。 (ookinaGU) 【伊集院】「まぁ、男性と一緒の席で薄着になった時に、誘っていると誤解される可能性はあるな」喉の奥、腫れた箇所に綿棒で消毒液を塗り「まぁ、クロエの場合は、薄着になった時点で誘っているようなものかもしれないがな」治療に使った道具を纏めて鞄に押し込み、立ち上がる (tuka-neko) 【クロエ】「んぐっ……っ……ふ……そ……そんなはしたないこと、するはずないだろうっ……」とは言うものの、頭の中では以前起きたハプニングその他諸々が走馬灯のように駆け巡り半ばパニック状態に陥ってしまって。それでも伊集院が立ち上がれば「……世話になった、ありがとう、イジューイン」と、視線をそらしながら呟く (ookinaGU) 【伊集院】「胃腸には異常がなさそうだから、後は寝て体力を回復し、しっかり食事を取って、小まめにうがいをしてれば治るだろう。一応、台所に粥の準備をしておいた。暖めるだけで食べられるようにしてある。食後にこれを飲んでおくように」抗生剤と解熱剤を渡すと、巨大注射器を片手に「治療を急ぐなら注射の一本も撃っておくが、どうする?」にやりと哂う (tuka-neko) 【クロエ】「……いや……いい……一応ビタミン剤くらいなら買ってきてあるし。……助かる……正直、食事はジャンクフードに頼るかと真剣に考えていたところだったんだ」そんな巨大な注射器を担がれて言われれば。それこそ恐怖心を煽られ頬に汗を伝わせつつも。月衣の中からハンバーガーやサンドイッチの類、ビタミン剤の小瓶を取り出して見せる。 (ookinaGU) 【伊集院】「胃が弱ってないとはいえ、あまり感心はできないな。丁度、今夜の食材を使い切った所だ。これは私が頂いて帰るとしよう」出てきたジャンクフードを自分の月衣にしまう (tuka-neko) 【クロエ】「む……まぁ、謝礼、としてはたいしたものでもないが、好きに持っていってくれ。……しかし、本当にすまないな、何から何まで……こういう医者ばかりなら……よかったんだがな」はふ、とため息をつきながらも。漸く気が緩んだのか瞼の重みを感じてしまい、思わずぱちぱちと目を瞬かせる。 (ookinaGU) 【伊集院】「いや、気にする事はないぞ。趣味だと言っただろう?」注射器も月衣に仕舞い、クロエの布団をかけ直す「あぁ、そうそう。老婆心ついでに、一つだけ……最近の下着は矯正を用途にしたものもある。これは胸が変形したり垂れたりするのを防ぐ効果もあるらしいな。まぁ、重ね着可能な部分防具とでも受け取ると良いのではないかな?」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ……そういう、ものなのか……………………わかった、風邪が治ったら……何がしか、考えてみる……すまない、少し疲れたようだ………………」現代風の下着などどこに買いに行けばいいのかもわからない。とりあえず……アトで誰かに相談してみよう、と思いつつも。瞼の重みに耐え切れなくなったのか……すぅ、と案外安らかな寝息を立て始める (ookinaGU) 【伊集院】「ふむ。では、私もそろそろ辞去するとしようか」白衣を翻し玄関に向かう「しっかり養生してくれたまえよ。クロエ君」扉を開けて廊下に出ていった。コツコツコツ、ヒールの音が遠ざかって行く (tuka-neko)   (tuka-neko)