21:05 hikami >拠点をラヴィスパレスに移して数日…… 21:05 hikami >異界、とも言えるこの世界“ファージアース”での生活は、当初懸念したモノとは違いそれなりに快適なモノとなっていた。 21:05 hikami >半壊したカーゴトレーラーでの宿泊を覚悟していたが、現地で遭遇したギルド組織の宿を借り受けるに至り安全と安眠が相応に保障される寝床を確保し、 21:05 hikami >ギルド長の紹介で―――明らかにモグリ、と言った風体ではあったが―――鋼騎技師のアテを付けるにも至った。 21:05 hikami >加えて現地でのミッションの際、中々興味深い現地技術者の双子と面識を得るに至り―――…… 21:05 hikami >此処までは、順調。 21:05 hikami >危惧のひとつでもあった“急造品”であり応急手当、制式量産機の予備パーツに辛うじて無事だったレウカンサの部分武装を搭載した程度の代物も、 21:05 hikami >鋼騎技師達の手により出力系統の問題もある程度クリアしつつある。 21:05 hikami >これも、ある意味では順調な部分。 21:05 hikami >しかし当然の事ながらすべてが上手く行く程に生易しい訳はなく、大きな所では愛機“レウカンサ”の修繕には技術も材料も足りていない事。 21:05 hikami >小さな所では………… 21:05 hikami >………… 21:05 hikami >…… 21:05 hikami >… 21:05 hikami >【カルミア】「さ、て……ちょっと休憩しましょ、イオ」 21:05 hikami >ぱさ、と、手にした数枚の書類束を造り付けの机の上へと投げ出し、簡素な“部屋着用”のドレスの裾を揺らしながら立ち上がる…… 21:05 hikami >借り受けた私室、調度の類は―――個人、としては余り言うつもりもないが―――満足、と言える程に整っている訳では無いが実用には足る程度のモノ。 21:05 hikami >従って休憩、とは言っても精々が持ち込んだテーブルセットでお茶の時間を過ごす程度となってしまうわけで…… 21:05 hikami >今日も変わらぬ、非戦闘時の一コマ。 21:05 hikami >繕わぬ常態としての無造作な動きで、テーブルセットの側へと移動、そのまま緩やかに椅子へと腰を下ろした。 21:12 rouge_ >【 イオ 】 「同席して、よろしいのですか?」                彼女がティーセットに目を向けたのを敏感に察し、カルミアの傍に寄り、ティータイムの準備を進めようとする。   しかし、彼女の言葉に多少目を丸くしつつ…。 言葉を待ちながら、それでも手は確かに準備を進める。  21:21 hikami >【カルミア】「……一人で休んだってイオが続けてたら休憩になんないじゃない?二人でやってた事なんだから、休憩も一緒にとる方が良いじゃない。                後、ちょっと話がしたい気分なのよね。……と言う訳で、そっち、イオの席だから」                反対側にと用意されている普段は使われていない側の椅子を示しながらの言葉、それでも座ったまま用意を待つ辺りは凡そ常態、といった程度のもの。                ……それでも驚いたような反応を見た所為なのか如何か、若干つまらなさそうに表情を歪めてしまったわけだが               「……ま、ちょっと一回状況整理もしたいトコ、だし丁度良いでしょ。」 21:26 rouge_ >【 イオ 】 「は……カルミア様がそう仰られるのなら。」                少しだけ逡巡してから、頷き。  茶の準備をしても、自分が同席することなど初めてで。 正直緊張していた。                こんな状況で、マナー知らずで処罰なんてこともないのだろうけど。 それでもやはり、緊張する。 確か、宮廷のマナーはどうだったか…。 がちがちと緊張しながら、準備を終えて椅子へと腰掛ける。                「状況整理……ですか?」                茶葉を蒸らしてから、彼女のカップにお茶を注ぎつつ、会話を続ける。 21:35 hikami >【カルミア】「イオ」                短く、名前だけを呼ぶ。何気なく、と聞こえるように普段の調子のつもりだが……若干の不機嫌が混ざってしまうだろう               「……休憩しましょ、って言ってンだから緊張してちゃ意味、ないじゃない。                だいじょーぶよ、別に誰が見てるでもなし、お茶一つでどうこう言う侍従だって居ないんだし、あたしは“自室”でかたっくるしくするツモリない、ってのはイオだって知ってんでしょ?」                その証拠、とでもするべくか普段は整えてある背筋を若干、崩す。浅く座る事で姿勢良く見える、なんて教えを崩し背凭れに若干身を預けるような格好となって               「……そ。こっちに来てからちょっと経ったでしょ。だから、状況整理。……何度か、戦ったでしょ、こっちで」 21:46 rouge_ >【 イオ 】 「ですが、姫様、余りそのように姿勢を崩されると……」                いつまでもこうしている訳にはいかない。 いくら彼女がこういった切り替えが上手だと知ってはいても、癖、というのはどんどん累積していくもので…心配にもなる。                彼女は尊敬するフェダーインでもあり、敬愛すべき王女なのだから。 人間としても好ましいのも、そうなのだけど。                 「……すみません、出すぎたことを。」                直ぐに、言葉の失態に気づき。 頭を下げて。                「ええ………短くは、ないですね。 こちらにきてから…」 21:53 hikami >【カルミア】「あたしが普段どおりで、イオが休憩できるンならそれでも良いわよ?……ま、あんましこーしてると背骨おかしくなる、って言うわね」                ずり、と、そのまま身を立て直すようにするも普段のように座りなおす、ではなく、カラダを滑らせる、といった動き。                ……気を抜いているとこんなもの、ではあるのだが……余り良い顔をされない事もあってそう何度もやっていた行動ではなく               「だから、んー……イオ、やっぱそーゆーの、結構目立ってるわよ。普通にしてるつもりだったンだけど、こないだも“お姫様”ってバレちゃったし。                ……此処で“戦う”んなら、あんましそーゆーの気にされない方がお互い、良いと思うんだけど、如何?」                どう、も、何も無かろう。そもそも……きっと手遅れだろう、そもそも隠す、と言う事でもないが……少しばかり肩が凝る               「……そ。その間に一応、だけどグランデの修理補修は出来るようになった、あたしのルークも出力系の調整、してもらってきたし……ま、とりあえずは形になったかしらね」 22:03 rouge_ >【 イオ 】 「そういうわけでは、ありませんが……。」                慌てて手を振る。                「ですが、私はカルミア様の臣下ですから。 ……すみません、不器用で。 やはり、カルミア様の身分は、隠していく方向で?」                思い当たる部分はいくらでもあって、それをカルミアがいい顔をしていない、というのは分かる。 ただ、ここが王宮とは違うとはいえ……。 急に割り切ることが出来ないのまた、事実なのであった。                「思った以上の状況であることは確かですね。 整備補給がここまで順調に行くとは、思いませんでした。」 22:10 hikami >【カルミア】「隠す、までする必要は無いと思うンだけどね。……エルスゴーラであたし達だけになった、なら、あたしの身柄狙いで近場の国が動いた、とかあるだろーけど、                この世界までわざわざ攫いに来るってコトもないでしょ。そーじゃなくって……この世界の人と話して判ったンだけどね、こっちでも“おひめさま”は居るみたいよ。                ……ンで、やっぱり人に気を使わせる人種みたい、ルークの性能を生かすのに“気を使われて”ちゃ、あんまし意味、ないでしょ。だから、隠す必要までは無いけど……大げさにする必要も無い、って、あー……」                こつ、と、軽い音と共に肘を突いての嘆息               「……言っててなんて言っていーのか、自分で判んなくなって来たわ。“普通にして”って言えば良い事なんだろーけど……」                自分達にとっての“普通”は、今の状況をこそ指す。……同世界、においても言葉に悩むとは、なんて思考が脳裏に一瞬掠めていた               「……そゆこと。で、その上で確認するンだけど……モリオンの調子は、如何?」 22:18 rouge_ >【 イオ 】 「ここにも、ということは……AAAにも、身分を隠した姫が居る、ということですか?」                彼女だけじゃないのか? ここは本当にいったいどうなってるんだ…。  また、頭の中で混乱の種が植え付けられた。                 「普通にして……」                自分にとっての普通は、こうだ。 姫に仕える従者。  それとも彼女は、自分が冬子など、身分を考えずにはなせる人間に話すようにしろ、とでも言うのだろうか。 …考えすぎか。  考えても、分からなかった為に保留。                「相変わらずです。 騎士カイエンの遺した…いえ。 騎士カイエンの調整していたモリオンは、私が乗ってもそれなりの動きを、してくれます。」 22:28 hikami >【カルミア】「あー……違う違う、此処、AAAにいるかどうか、までは判んないけど。ファージアース……チキュウ、だったかしら?そっちの文化としても“姫”って存在はあたしたちの世界と同じような意味らしい、ってコト。                ……あたしのレウカンサのが頑丈なのに、騎士はあたしを後ろに下がらせてたでしょ?……そーゆーコトになったら面倒、折角ルークに乗ってる意味がなくなっちゃう……でしょ?」                恐らく、当初の企図としては“頑丈な物に載せる事で護ろうとされた”のだろう。しかし……戦士である事を妄信的に信じる世界の出身、それを戦うため、と判断し、腕を磨き―――今に至るわけで               「……中々難しい言葉よね、普通、って。……こっち来てそれがいっちばん頭、痛いわ。気楽にして、気を使うな、とも違うし、あー……ま、だから、んー……“硬くなるな”って、事」                やはり上手く説明できない、一瞬重なった意識ではあるが、こちらが選べた言葉の種としては正解、とは言い難い物になってしまっていた               「……―――なら、いいわ」                一瞬、露骨に表情が険しくなった。原因は訂正前の言葉、その単語一つ……それでも訂正を受ければ気にしていない風を装っていた               「……そーね、今の所はちゃんと動けてる。でも、本当に調子、悪くないのね?」 22:37 rouge_ >【 イオ 】 (姫に守られる騎士団っていうのも、何か不思議ではあったんだよな。 実際、カルミア様の防衛能力の才能は、凄いものがあったもんな……。                敵の襲来を予測して、最適な位置で守備に立つ。 観察眼に優れてなきゃ出来ないことだ。 そして、受け止めるための度胸。)                改めて、目の前の彼女について考えつつ。 投げられる言葉を考えて……                「硬くなるな………ですか。」                …想像してみる。   (やあカルミア、今日の朝食はこのようなメニューを用意したよ。  やあカルミア、シーツの交換をするからどいてくれよ。  HEYカルミア、ドレスの洗濯が終わったのでハンガーにかけておくからな。)    ……硬くならずに話す自分を想像した。  …余りに恐れ多すぎたので心の中で土下座しておく。                  「難しい、ですね。 望まれるなら…努力させていただきます。」                そう答えておいた。                  「………悪くは、ありません。 少しずつ、慣れていくようにしていますから。」                嘘をついた。 いくらモリオンでも、初心者の動きを完全にカバーしてはくれない。 ならば、足りない部分の力はプラーナで補うしかない。  鋼機を操った後の夜は、死んだように眠る日が続いていた。 22:45 hikami >【カルミア】「……何変な顔、してんの?」                そんな相手の内心も知らず、ただ表面に現れる奇妙な反応に返すのみ、どうせいつも通りに硬く考えすぎているんだろう、程度の予測であった               「努力、とも違うンだけど……あー……まあ、良いわ。気がついたらそん時、言う。あたしも上手く説明できそうに無いわ」                何だかんだで王宮暮らし、であって……“普通に話す”相手など片手で足りる。……最近増えつつありはしても、表面的に劇的な変化を産むには至っていない               「……そう?なら良いんだけどさ」                良く、は、ないが……それこそ幻想か。朦朧とした意識の中での感覚と“今”は、随分な開きがある……自分の物程壊れはしていないが何か影響があるのか、とは思ったのだが               「……いっくらモリオンでも、きちんと整備しないと段々疲れていくンだから、ちゃんと見せンのよ?」 22:54 rouge_ >【 イオ 】 「いえ………本当、なんでもないです。」                力なく首を振った。 そもそも、今こうして向かい合って話していることすら、かなわないような相手だ。  付き合い方や、話し方など考えたことはない。 ただ、彼女のために働けばそれでよかった。                だが……今のカルミアはそれをよしとしていないようでもある。 だからといってどのようにするのが正しいかなど、自分には判断を下せない。                「モリオンに関しては、何とかします。 目処も、つき始めてますから。」 22:58 hikami >【カルミア】「……そう?ならいーけど、まぁ……これは追々、ね」                自分自身、判断も指示もし辛い事柄である以上、さらに、を求めるのは酷。指導者としての教育も受けた身なれば要求可能な程度も測らなければならない―――確か、じーさんにも何度か言われたか。                名前が出た所為で思い出してしまったのか……苦いものでも飲んだかの様に言葉が暫し詰まった               「目処?……あのうさんくさい整備師の方なら目処って程しっかりしたモンじゃないだろーけど……なんか他に思い当たるコトとか、出来た?」 23:05 rouge_ >【 イオ 】 「ああ………いえ、モリオンのほうの整備は、完璧にこなしてもらっていると思います。 優秀……だと思います。 彼らに、整備の基礎を習ってますから。」                自分が吸収しなくてはならないことはいくらでもある。 それこそ、いくらでも。 鋼機の操縦、整備、カルミアへの仕え方。                「AAAのメンバーに、力の使い方を指南してもらっています。 ……どこまで物に出来るかわかりませんが…。」 23:10 hikami >【カルミア】「ふん?」                整備、の側に向けるのは疑問の音。               「ま、鋼騎も万能でもなきゃ……壊れるモノ、だからね。現地で調整すんのは鋼騎士の役割、あたしもある程度できるとは言え今はちょーっと不便ね。……基礎、にしときなさいよ、でも。イオは何でもかんでもやろーとして根詰めるンだから」                そうした事も得意とする者がいた、のだ。……どれほど甘えていたか、は今になって想う所ではあるが……かといって勤勉すぎるのが相手、なのだ。……このぐらいで多分丁度良いだろう               「―――メンバー……同僚、ってコト、か。あの、えーと、なんて言ったかしら……クードの事だったら真似しようって方が無茶よ?」 23:16 rouge_ >【 イオ 】 「……私も、あの動きを自分が出来るなどとは考えていません。」                静かに首を振って。                 「ただ、達人の動き方、一挙動一挙動は見るだけでも参考になりますし。 系統は違いますけれど……プラーナの練り方を教えてもらえる人も、見つけました。 ……カルミア様。 少し、傍を離れる時間が増えるかもしれません。」 23:27 hikami >【カルミア】「……出来たら直ぐにでもデュエルで一躍有名人、ね。鋼騎より間合いの長い踏み込みなんて聞いたことナイわよ、アレ、人間のリーチじゃないわ。……達人、ってのは同意するけどね、あんだけ攻撃の見切りができれば―――……」                もうちょっとレウカンサも……いや、振り返ることに意味は、ない。“もしも”なんて存在しないのは常識、なのだ―――戦士、としては               「……って、練り方?確かにイオは体術よりもそっちのほーが向いてるとは思うけど……にしても、良く見つかったわねそんな人、訓練も研鑽もフェダーインとして必要なコト、王宮程物入り、ってわけじゃないから、あたしの方は大丈夫だと思うわよ」 23:37 rouge_ >【 イオ 】 「すみません。 勝手なことばかり言ってしまって……」                申し訳なさげに、頭を下げた。                「……カルミア様の身の回りを一部でも任せられた光栄を、ないがしろにする訳ではないのですが…。 許していただけるのなら、両方、結果を出して見せたいと、考えています。」 23:45 hikami >【カルミア】「……そーゆーのが、考えすぎ、だってば」                零れるのは小さな嘆息、元々無理をする傾向にあるのは把握済み、さてどうするべきか、と考える―――までも、ない。溜息の後に顔を挙げ、軽く頬杖をついてみせて               「で、イオ。……“此処”にメティスト王国があるわけじゃないし“此処”は異国、どころか、異世界、らしーし。となれば私達は同じフェダーイン、こうして二人だけで此処に居るのも神の与えてくれた試練、かもしれないわけじゃない?」                頭を垂れたままの相手、口調こそ不機嫌、ともすれば否、とも取れそうな態度ではあるが……思惑は真逆、である。その証拠に呆れたような声色と共に零すのは               「……許すも何も、フェダーインが自分を鍛えると決めたんだもの、それを別のフェダーインが邪魔すンのは神への冒涜よ。……あたしがそんな事、するって思ってるならそっち怒るわよ?イオ。                両方、とか、全部、とか考えないでいーわ、自分がいますべき事をなさい?……イオは無茶しっぱなしなンだから、訓練でへばって実戦でポカしたら台無しよ?」 23:52 rouge_ >【 イオ 】 「フェダーイン……」                まだ、その言葉は自分には重い。 ただ、聖石を受け取っただけの自分には。 憧れだった称号。 今は、それに片足を踏み入れているような状態。                「いえ、滅相もないです。 ………その、でも………俺は…。」                迷っているうちに、敬語を忘れていたことにも気づかずに。                「俺は…何になればいいんでしょう。 フェダーインで、カルミア様の従者で……」                そこまで言ってから、いらないことを口走ったことに気がつき…                「すみません、忘れてください。」 00:00 hikami >【カルミア】「イオ?“成ろうと思ったものに成れる”のなら、誰だって成りたいモノに成ってるわ」                内容、は兎も角口調、としては……少し驚くモノではあったのだろう、それでも、いや、それ、だからこそ己の求めた“普通”に近い。……それでも、その事を告げる前に口を突いて出るのは苦い言葉と成ってしまっていた               「私達は神の尖兵として自分を鍛えるべき、少なくとも私はそう思ってるけれど、私は“フェダーイン”ではあっても“メティスト王国第三王女、カルミア=アメテュストス”である、と言う事実は変わらないわ。                ……何かになろう、とする方が間違い、イオは、イオ、それが大前提、それを見失ったら何に成る事だって、できやしないわ。」                此処までは常の凛とした口調、断言、ともいえる響きではあるのだが……ただ、ぽつりと               「……ま、それが一番むずかしーんだけどさ」                なんて、呟きが零れていた。 00:07 rouge_ >【 イオ 】 「……」                黙ってその言葉を聞き入れながら…                 「………ありがとうございます。 考えて、みます。」                臣下なら、その言葉をただ受け入れる台詞を紡ぐのが、筋なのだろうが。 それでも先の意識が残っているのか、そんな言葉をつぶやいた。                「……あ」                ティーセットを見やり、先ほどから全然給仕に移っていなかったことを思い出し、多少慌てた様子で、茶を継ぎ足す。  (…両立か……。 こんなのですら出来ないんじゃ…どうできる?) 00:15 hikami >【カルミア】「……―――へぇ……」                きょと、と、ほんの数秒驚いたような表情を見せ……直ぐに常の穏やかな表情へと戻る。ただし、唇の端だけは別……楽しげ、と言える程度に釣り上がっていた               「良いわ、考えてみなさい、イオ。そーやって考えて自分を理解してあげればモリオンも応えてくれるわ、きっと、ね」                そう、未だに拘ってしまう“奇跡”の様な光景。……この硬さが、あの瞬間には取れていたのではないか―――……微かに去来する予測への答えは……勿論、ない               「……ま、その調子じゃもーちょっと掛かりそうね。良いわ、イオ、その辺も慣れるまではちょっと大目にみたげる。後……―――自分の、減って無いわよ。今は一緒に休憩中なンだから、イオもちゃんと飲みなさい、ほら」                言いつつ砂糖壷から角砂糖を摘み上げ……ぽい、と、相手の側の茶器へと放る。きっと足りてないのは糖分だろう、なんて勝手な予測と共に。 00:21 rouge_ >【 イオ 】 「あ、はい。」                ……砂糖を落とし、紅茶を啜る。                「…美味い。」                そういえば、自分の入れた高級なお茶を飲むのは、初めてかもしれなかった。                「………あ、すみません。」                つい、崩した言葉が漏れたことを直ぐに謝罪して。  00:26 hikami >【カルミア】「……―――なんでそこで謝ンのよ、イオ。コレは美味しいんだから、素直に美味しい、でいいんだって。……減点イチ」                減ったからといって如何ド言う事もあるまい。自分の側も軽く一口……故郷のモノとは違いはするが……此処で出会った中ではそれなりに気に入っている茶葉なのだ、不味い、よりも、美味い、のほうが良いに決まっている。                ―――浮かべたのはそんな、単純な発想だったりするわけで               「……イチイチ感想を言う事を気にしない。コレに慣れろ、とは言わないけど、感想も素直にいえないのって窮屈だと思うわよ?」 00:30 rouge_ >【 イオ 】 「あ、いや、そうじゃなくて、その……」                どうも、そう口にされると弱い。                「申し訳ありません……あ、いや、申し訳ありません。 ああ、だから、そうじゃなくて…」                謝ったことに、謝って。  これでは無限ループだ。                 「……正直なことを言うと、大分緊張してます。」 00:34 hikami >【カルミア】「……ぷっ……」                思わず……吹きだした。何かを堪えるように俯き、数度肩を震わせ……何、を思ったのか自分でも掴み難い、生真面目すぎる、がきっと、正しい答えなのだろう……考え、てしまった結果その発作は収まらず……               「あ、ははっ、そんな今更緊張するコトでもないでしょ、お茶、飲んでるだけなんだし。……ま、それも慣れて貰おうかしら、今は」 00:39 rouge_ >【 イオ 】 「うう……」                軽く頭を抑え、わずかに顔に熱が集まるのが分かる。                 「それでも、カルミア様とこうするのは、初めてですから。 ……仕方ない部分はあると、思います。」                わずかに、抵抗を試みる。 そんな言い訳をしつつ、また一口、こうちゃをすする。 00:45 hikami >【カルミア】「…………ま、だったら余計になれて貰わないとよ、イオ。人前でそんなカッコしてたら目立つわ、あたし、じゃなくって、イオが、ね」                まだ少し、笑いが収まっていない。紅茶に手を伸ばしはしても口元に運べていない程度には……しかし……               「……ま、ちょっと意外な面も見れたし今日は大目にみたげる。けど、そーね……緊張してるんだったら、休憩の意味もそんなに無い訳だし……もう少し続行ね、今度は硬いほーじゃなくって、気楽な話でもしましょ?」                いわば事務、任務、としての話が続いてしまったのだ……休憩、の意味合いとしてはそういう意味でも薄かっただろう。                ―――……最も、最大の理由は“イオ”の姿が少し、面白かったから、だというのは―――ある意味仕方のない部分だろう。それこそ“初めて”の姿、もう少し楽しむぐらいが丁度良い“息抜き”になるだろう―――                そんな意図と共に一口、異世界の茶葉、慣れない風味、この香味に慣れる頃には……もう少し硬さも取れてくるだろう、そんな事を微かに思いながら……