21:32 Ryumaco >そのとき「界」が一瞬開いた。 21:32 Ryumaco >流れ星のようにソレは街の真ん中に落ちた 21:32 Ryumaco >そこにいたのは、一人の少年。 21:33 Ryumaco >その黒いパーカーは血がべっとりとつき、ただ事でないことを思い浮かばせる 21:33 Ryumaco >ふらり、夢遊病のように彼は、街へと歩き出す 21:34 Ryumaco >【??】  「……」                何かを求めるように、逃げるように、ふらふら、ふらふらと 21:34 Ryumaco >  21:34 Ryumaco >  21:43 hikami >―――それは些細な偶然の成せる技であった。 21:43 hikami >“偶々”暇な日であり“偶々”出歩いていた、そして……“偶々”事前に耳にした世界の歪みの存在。 21:43 hikami >先日幾人かが腕試しとどこぞに出向いたと言うが仔細までは聞いていない―――そんな程度の曖昧な認識、だが…… 21:43 hikami >【ディルク】「……ん……?」 21:43 hikami >迷宮街のある角を曲がった直後に鼻につく、ある種では慣れ親しんだ類の臭気……鉄錆びた様な独特のソレを嗅ぎ取っていた。 21:43 hikami >【ディルク】「どこぞの雑種が小競り合いでもやらかしたか……この匂いの濃さならどちらかは確実に不味いだろうな……―――行くか」 21:43 hikami >呟く言葉はある種では平坦な分析とも、お人よしの慈善行為とも取れる類のモノ……ばさり、と、漆黒の、蝙蝠じみた翼を広げ中空を舞い、暫し――― 21:43 hikami >眼下に見える血塗れた姿、路地から出てきた辺りその向こうが“現場”とでも言うべきなのだろう、明らかに返り血、傷らしい傷の見受けられぬ状況は余り穏やかでは無い風合いを感じさせ、結果…… 21:43 hikami >【ディルク】「そこの人間、何を、している。否……“何をした”?」 21:43 hikami >警戒の響きを宿すままの高圧的な響き、丁度“少年”の頭の位置に己の靴底が来る程度の高さ、見下ろす位置にて言葉を放った。 21:43 hikami >  21:46 Ryumaco >【優希】  「……」                ずるり、ぺた…。裸足のまま歩を進める。開けた場所に出た。そこへ…月を背負った男の姿               「ぁ……」                目が見開かれる。小さく呻く。背にあるのは翼。明らかな『人外』の姿 21:47 Ryumaco >【優希】  「ぁぁぁ…」                膝を崩し地面に膝立ちになり頭を抱える。つい先刻のことが鮮明にしかし抽象的に思い出される。裂かれ喰われる親。飛び散る血。その真ん中で笑う『人外』の姿 21:53 hikami >【ディルク】「……―――問いに答えて貰おう。“何故こんな所で返り血に濡れている”?」                その言葉が混乱を煽る結果となるとも知らず、ただ、その返り血が“目の前のモノが犯した殺戮行為の結果である”と判断したままでの言葉。明らかな異常、を感じてのもの、なのだろう               「―――狂ったか、何処かの落し子か……冥界の輩に囚われたかは知らぬがな。大人しく投降して貰おう、その意思が、あるのならば、な」                続いて両の腕に宿すのは暗い、夜色の炎。中空に陣取ったまま視線を鋭く細め、漆黒の翼を背後に羽ばたかせた。 21:54 Ryumaco >【優希】  「ぁ…あ、ああああああああ! 21:55 Ryumaco >【優希】  「ぁ…あ、ああああああああ!」                突然大声で吼える。――ミツケタ――。そんな言葉が脳裏に浮かぶ               「お前が!お前がぁぁぁぁぁぁ!」                異常な激昂。それは、その背後の影から、異形の人形を呼び出した人形は、高く、低く、旋律を奏でる。それは様々なジャンルの入り組んだ、無秩序のようでいて秩序のあるような、自由奔放な、狂った歌 21:59 hikami >【ディルク】「……―――カースドール……いや、違うか……?サーヴァントの類、魔物……とも違う―――下級の侵魔か?」                ある種では同種の気配を感じ取ったのだろう、己と同じく“夜”に属する存在。直後に響く不協和音、耳に届く“異音”に眉を顰めて               「……正体は判らん、だが……」                姿勢を、低く、相手に向ける面積を最小限に……               「―――被害の拡大は防がねば、煩い者が多いのでね、片付けさせて貰う」                相手の力量を低く見積もった結果なのだろう、応援を呼ぶ事も無くこの場での“処理”を選択し、まずは、と相手の懐に潜りこむべく一気に滑空、距離を詰める為にと飛翔する。 22:03 Ryumaco >【優希】  「あああああああ!」                何も手にもせずディルクに走る。それは戦い方など知らない、素人の走り。人形はその叫びにハモるように歌う。それは奔流となり夜空を舞うディルクへと迸る 22:08 hikami >【ディルク】「くっ……」                耳に響くオトの奔流、それは些かの行動を乱すには十分な代物なのだろう、微かに感じ、また、酷くなる“頭痛”とも言える感覚……               「……従者に支援させての近接、とするには―――動きが甘かった様だな、人間」                それでも隠し玉がある可能性は十二分にある、本命は魔力を込めた軍靴の一撃であり、夜色の炎は囮程度のモノ、                先ずは、と、そのガードを崩すべくわざと浅い位置……それでも胸元を狙い、体をがら空きにさせようと横薙ぎに爪を薙ぎ払う、続く一撃を見極めるため、油断無くその挙動を観察しながら…… 22:14 Ryumaco >【優希】  「ああああ!」                ディルクの行動なんか見えていない。ただそこにきたから、殴る。ガードなんかない。しかし狙い済ましてもいない。そんなただ頭に血の上った人間の行動。ディルクの爪はやすやすと少年を捉える。                浅く薙いだのが幸か不幸か、パーカーをびりびりと引き裂き、さらに軽く突き倒すような形になる 22:15 Ryumaco >【優希】  「――!?」                それでも、そのショックは小柄な少年の意識を奪うには十分で、後ろに倒れるとそのまま意識を失う。それに伴ってか人形は影に吸い込まれるように消えていく残ったのは、倒れパーカーの残骸を纏った少年と、吸血鬼の男 22:18 hikami >【ディルク】「……っ―――」                当たる、とも思って居なかったその一撃、纏った夜色の炎によって引き裂かれたパーカーは燃え落ち、灰となって辺りへと舞い散る形……あっさりと吹き飛んだ姿はいっそ、拍子抜けとでも言うべくものか、蹴りの一撃は放たれる前に留められていた               「……何だ、こいつは……?」                ふわりと、そのまま地面へと降り立ち翼を消し……それでも油断無く、これが“罠”である可能性も考慮し倒れこんだ傍らへと近づいて行く。                幸か不幸か、吹き飛んだ先は物陰、警戒の為に距離をとり続ける意味も見出せなかった、と言うだけの結果。腕の炎は消さぬまま、その姿を覗き込むようにした。 22:20 Ryumaco >【優希】  「……」                意識を失い横たわる。覗き込めば……胸を隠す淡いブルーの布。よくよく見れば、整った顔。それが、目の前に、転がっている奇妙な光景 22:25 hikami >【ディルク】「……本格的に昏倒している……か……?」                眉根を寄せ、訝しげに覗き込む姿。裂け目から見えるモノは―――……               「……何だ?」                恐らくは見覚えの薄いモノ、ソレもそのはず当世に生きた存在ではなく、数百の時を隠遁にと過ごしていた訳で……恐らく、と感じるのは曖昧な予測。試しに、と炎を消した掌が伸びた、先は―――               「……女、か?」                ふにょん、と、微かに弾力を伝えるその“淡いブルーの布地”であった 22:26 Ryumaco >【優希】  「……ん」                くすぐったそうにもぞり、と身をよじる。おそらく手付かずの無防備なソレがディルクの腕の内にあった 22:29 hikami >【ディルク】「―――……何者だ?」                軽く探るような動きは傍目には怪しく映る事この上ないだろう、寧ろ……種々の謎の方が大きいのは確か。放置する、と言う訳にも行かず、かといって……―――               「……始末ぐらいはつけるとするか」                このまま連れて行く、と言う訳にも行くまい。また暴れられても困る上に―――誤解、を生む可能性の方が高いのだ。ひょい、と、その小柄な、外観以上に軽く感じる体を抱きかかえると再度翼を背に宿し―――ばさり、と、空中、向う先は己の、逗留先――― 22:36 hikami >……………… 22:36 hikami >………… 22:36 hikami >…… 22:36 hikami >… 22:36 hikami >―――暫し、時を飛ばす。 22:36 hikami >向った先はAAA所属者が利用する一室、己が迷宮街に留まる際に利用する仮の宿泊先……部屋のベットの上には先程の少年―――改め“少女”が寝かしつけられていた。 22:36 hikami >身に纏わせたのは己の衣服の予備、適当に調達するのも考えたがある種主義に反する部分でもあったのか、血塗れ破けたパーカーは予備の椅子の上、 22:36 hikami >その“少女”の寝顔を暫し眺めつつ思考を続けていた。 22:36 hikami >【ディルク】「……侵魔落し子の類とするには……弱すぎる。本体をこそ強化するであろう存在とも思えぬが……かといってやはり魔物、とも違う。何より……」 22:36 hikami >その“弱すぎる”本体とは違い動いた“謎の物体”は確かに己に痛痒を与えていた。 22:36 hikami >頭の芯に残る僅かな頭痛、これを“本格的に操っていた”のならば相応に危険な存在だろう。 22:36 hikami >そんな意識の成せる警戒が一先ず少女の目覚めを待つ、と言う行動を男に、採らせていた。 22:38 Ryumaco >  22:39 Ryumaco >【優希】  「ただいまー」                そのとき、そっけなくいつもどおりに帰宅した。靴を脱ぎリビングのそばを通る。 22:39 Ryumaco >【優希】  「……あれ?」                いつもならかかる声。それが聞こえない。               「どこかいってんの……?」                靴はあった。なんだろう、胸騒ぎがする 22:39 Ryumaco >くちゃ くちゃ 22:40 Ryumaco >湿った音が扉の向こうからする 22:40 Ryumaco >【優希】  「お母さん?何かやってんの?」                扉を開けた 22:40 Ryumaco >  22:40 Ryumaco >濃厚な鉄錆のような匂い 22:40 Ryumaco >あたり一面に飛び散る真赤な血 22:40 Ryumaco >その中心にいる、黒い男 22:40 Ryumaco >  22:40 Ryumaco >一瞬、何が起きてるかわからなかった 22:41 Ryumaco >【優希】  「……!?」                ずるり、足がすべる。うつ伏せにころぶ。身を起こした目の前に……優しい母の、うつろな目をした顔が合った。そう、床の上に 22:42 Ryumaco >【優希】  「ひ…っ!?」                汚れるのも構わず、後ろに這う、そこに、いつもにこやかな父の顔 22:42 Ryumaco >【優希】  「あっ、ひっ、や…っ」                言葉にならない。息が詰まる 22:43 Ryumaco >中央で母の腕を食っていた黒い男は、こちらを見て、ニヤリ、と笑った 22:43 Ryumaco >【優希】  「あ、ああああああああ!?」                叫んだ、それと同時にまばゆい閃光が周囲を満たして…… 22:43 Ryumaco >  22:44 Ryumaco >【優希】  「あ、ああああああああ!?」                がばぁ!とベッドの上で上半身を起こす               「は、はっ、はっ」                息が荒い。あのときのように胸が詰まるような感覚。寝汗がべっとりと気持ち悪い 22:47 hikami >【ディルク】「……―――目が覚めたかね、人間」                その叫びにも動じる事なく、心配、どころか……向ける視線は観察。再度の、恐らくは“暴走”があればいつでも動けるようにと椅子には浅く腰掛けた状態。余裕と、先制の意思の無さを示す為にか肩肘は傍らの簡易デスクの上へとつかれていた               「……寧ろ、こう問うべきか。“理性はあるかね、人間”?」                 22:49 Ryumaco >【優希】  「はっはっ……は……?」                横を見る               「だれ……あんた……?」                思わずベッド上で壁際に逃げるように動く               「にん…げん……?」                思い浮かぶ               「お、お前が!お前がお父さんとお母さんを!?」                一瞬でスイッチが入った。襟首をつかもうと手を伸ばす 22:52 hikami >【ディルク】「……ふむ?」                事態そのものは掴めぬものの……これも反射の成せる技か。伸びゆく手をそのまま掴み、再度ベットへと叩き戻す様な動き―――纏わせているのは己のシャツ一枚、どういう結果になるか、までは確認せぬままに               「先刻よりも落ち着いた様子だが未だ混乱している様だな、人間。―――生憎、君の父母の事なら俺は知らん、俺は君に攻撃を加えられた、言わば被害者の様なものだぞ?」 22:54 Ryumaco >【優希】  「ぅわ!?」                ベッドに転がすように戻される               「お前がやった、んじゃない、のか?」                記憶のフラッシュバックで目覚めたためだろうか。目の前の男と黒い男が一致しないのがよくわかる。裾がめくれ、健康的な太股が覗くが、気付く余裕もない 22:59 hikami >【ディルク】「君が此処で無事に休養を取れる手配を整え、襲撃と暴走を警戒し何事かあった際には直ぐに対応出来るように、は、したがな」                軽く肩を竦める格好、言わば眼福とも言える状況だがその余裕を持てるわけでは、ない。―――まだ、だが。               「生憎と、それ以外に心当たりはない、もっと周りを良く、見るんだな」 23:01 Ryumaco >【優希】  「……ここ、どこだよ」                睨む               「あと、ニンゲン、ってどういうこと……?」                睨んではいるが、力はない。怯えを必死に隠すための方便 23:04 hikami >【ディルク】「此処は俺の部屋、だな。さらに広く言うのならば“ラビリンスシティ”と言う事になるか。狭界に漂う忘却世界の一つ、魔王の作った箱庭の中、と言う説明で―――理解は出来ぬだろうな」                続いた言葉による感想、なのだろう。軽く口元を吊り上げる一種酷薄とも見える類の笑みを見せて               「俺はDirk=Toreador=Malebranche―――短絡的に、判りやすく説明するのならばそう……“吸血鬼”という事になるな」 23:06 Ryumaco >【優希】  「らび…境界、忘却……?魔王?何言ってるんだ?ボクのこと騙して……きゅう、けつ、き……?」                昨夜の記憶は微かにある。そう、翼の生えた彼の姿の無意識におびえ、壁際へと背をくっつけ、喉を鳴らす 23:08 hikami >【ディルク】「騙す意味が何処にあると言うのだ?人間」                これで確定、か。軽い嘆息と共に呼気を吐き出すと椅子へと座り直して               「残念ながらこれは現実だ、人間。我ら夜闇に生きる者は神話伝承の類ではなく、実在し世界の裏に隠され、潜んでいただけに過ぎん。                種は違えど人間の中にもそうしたチカラを持つモノは存在する、とだけ今は覚えておけば良かろう、その様子では説明した所で理解出来まい?」 23:10 Ryumaco >【優希】  「な。何言ってんだよ、いったい…」                怯えを紛らわせるために身を隠すべく傍らの枕をぎゅう、と抱く               「ボクを、どうするつもり……?」 23:14 hikami >【ディルク】「さて、如何されたいかな?」                枕越し、脅す様にもみえる細めた視線は胸元へと向かい、次いでその顔へと……そして、暫し               「食らうか、犯すか、弄ぶか―――短絡的に採りうる手段は幾らでも想像できるだろうがね、先ずは一度落ち着くと良い。“今まで君は寝ていた”だろう?                ―――そのどれもが、とっくに済ませてしまえる用事だ。自分の体を確かめて見ると良い、何か、変調はあるかな?」 23:16 Ryumaco >【優希】  「ひっ」                そもそもまだ14歳。人生経験なんて高が知れている。ディルクの脅しに悲鳴をあげ涙を浮かべる               「!?」                ディルクの言葉に自分の身体を調べる。どこも痛くない。アレは痛いって聞いてたから、痛くないってことは、大丈夫、なの……?               「何も、して、ない……?」                おびえながら、伺う。何せ経験がないことは具体的な知識もない。されたかどうかなんて、わからない 23:21 hikami >【ディルク】「……言ったろう“倒れた君が休める手配はした”と、ね。それ以外、危害を加えたのは君への反撃に一撃奮っただけだ。最も……」                言うとそのまま血塗れのパーカーを摘みあげぷらりと垂れ下がらせてしまって               「……元々着るには適さない惨状ではあったがね、寝具に血を移さぬ為に別のものを応急的に用意した、と言うのも含むがね」 23:23 Ryumaco >【優希】  「え……?」                自分の姿を見下ろす               「……あ、あ、あ……」                見る見るうちに、顔どころか首まで赤くなっていく               「あああああっ」                枕を思いっきり、顔めがけて投げた 23:26 hikami >【ディルク】「ぶっ……!」                皮肉ぶった行為の所為だろう、見事に枕は直撃し…………へにゃりと垂れ下がった柔らかい生地は僅か、己の視界を塞いでいた               「―――……それが暴走を止めた者への仕打ちかね。少々ぐらいは“役得”と計算する気はないのか?俺の服を貸しただけまともな対応とは思うが……―――不用なら、返して貰うぞ」                そのまま、ぽい、と、枕を傍らへと放り捨てた 23:28 Ryumaco >【優希】  「ぼ、暴走ってなんだよ!?大体なんで脱がせてこんなの着せてんだー!?」                返してもらう、に抵抗するようにぎゅうっと合わせ目を握る。動転しているのか、着せられた理由なんかすっぱり頭から消えている 23:31 hikami >【ディルク】「……君が何処から来たのか、までは判らんが」                と、前置きしての言葉。枕の障害が無くなった分“見やすく”なっている事実に少しの溜飲は下がったのだろう               「君はラビリンスシティ内で謎の力を発動させた。俺への“攻撃”として、ね。先刻掴みかかろうとした以上に判り安い攻撃行動ではあったが―――記憶は、あるか?」 23:32 Ryumaco >【優希】  「……」                思い返す               「……なんと、なく。あれ、なに……?」                困ったことにここがどこなのか、何が起きてるのかがわからない。頼れるのは目の前のいけ好かない男だけなわけで 23:37 hikami >【ディルク】「知らん」                即答、一言で斬って捨てるに近い返答ではあるのだが               「俺は、の前置きが付くがね。此処の管理者ならば何らかの知識もあろう、だが―――少なくとも君は“普通の人間”と言う定義には当て嵌まらなくなった。そうだな、例えるならば“魔女”か。                それならば君も理解がしやすかろう?人の身でありながら異才を発揮するモノに成った、と思って構わん。―――だが……」                一言、区切り、椅子から立ち上がる。向うのはベット、つまり相手の側、であり……               「―――先刻も言ったが君は暴走した直後にある、理解力のある方だ、などと楽観視する気もないのでね、君が今すべきは、そう―――いつまでも名を知らぬままでは不便で仕方ない。それとも“人間”と呼ばれるのが好みなら、そうするが」 23:39 Ryumaco >【優希】  「ぅ…」                途方にくれる。どうすればいいんだろう。心細さに毛布をぎゅっと抱きしめる               「……壬土 優希」                ぼそっと名を呟く 23:42 hikami >【ディルク】「ならば、優希」                言葉に返すのは確認、の響き。名を呼ぶ事で再度相手の存在を認識する、と言う極単純な手順の後に               「では、次にすべきは“休養をとる事”だ。―――その姿で街中を出歩きたい、と言うのであれば連れて行くがね、今の優希に詰め込んだ所で到底理解出来るとは思わん。」 23:43 Ryumaco >【優希】  「―――っ!」                真赤になって睨みつける。               「でも、ここ、どこだよ」                睨みながら疑問を口にする 23:47 hikami >【ディルク】「だから、言ったろう“ラビリンスシティ”だ。」                何度も言わせるな、とばかりに呆れた口調、軽い嘆息の後に……思い当たったのか               「―――ああ、加えて言うならば此処は俺の仮宿だ。優希を一夜泊めた所で支障もない、自由は保障できんが、この室内に限ってのモノならば安全は保障しよう。」 23:51 Ryumaco >【優希】  「そのラビリンスシティって一体なんなんだ……?」                そういって窓の外に目を移す。               「なに、これ……」                頬をつねる。痛い、夢じゃない。とりあえず現実逃避               「仮宿?この広さで……?」                都心などでは十分いい値段のするアパートくらいの広さはあるだろう。これを仮っていえるならもしかして目の前の男は結構な金持ちなんだろうか、とも思う 23:55 hikami >【ディルク】「……ふむ、なんと説明したものかな」                正しい、といえる理解には己も恐らく及んでいない。基礎からゆっくりと説明すれば兎も角、だろうが……               「“世界は一つではない”と言う事だ。優希、書物の類は読むか?そう、伝奇や奇譚の類であれば尚手っ取り早い。世界の裏、妖精郷は“実在する”                ラビリンスシティはそうした累話寓話の類、人間が想像し得る数多“存在する”世界の一つ―――と、言っても理解出来ないだろう?」 23:57 Ryumaco >【優希】  「そんな、ゲームとか漫画みたいな……」                割とその手のは読んでたりする               「……って、まった。ボクが普通の人間じゃなくなった、ってどういうことさ?」 00:02 hikami >【ディルク】「“げぇむ”も“まんが”も知らんが、理解の形は如何でも良い、細かく説明するには時間がかかる上に、今の優希に理解できるとも思わん。」                軽い嘆息、そのままに一度カーテンを大きく開き外の―――いわゆるファンタジックな町並みを―――見下ろせる形にしてやって               「我ら吸血鬼を含め“夜闇の魔法使い−ウィザード−”と呼称している。ソレには種々の力が備わっているものでね、                発露の種は様々だ、最も、ウィザードとは言えど俺の様に元々“人ではない”者も含まれるが……―――生憎と優希の用いた力が何に分類される代物なのかは判らん。だが、少なくとも“普通の人間”にあのような音を奏でる能力は、無い」 00:04 Ryumaco >【優希】  「うぃざーど……」                呟く。目の前の不思議な世界を見ながらだと信じざるを得ない               「どうやったら……あの黒いヤツを倒せるようになる?」                 00:08 hikami >【ディルク】「―――優希が示すモノが何か、はわからん。少なくとも“普通ではないモノ”を倒す事が出来るのは“普通ではない”我らのみだ。君が何を見たのかも今は問わん、だが……」                向けるのは、血糊。“人間のもの”と思しきモノ、その下手人を指しての事だろうが―――“暴走の結果であった”事も予測に入れてか深入りする事は無く               「必要ならば戦う技法を習得する事も出来よう、だが……―――そう震えて居ては”敵”を前にする以前のモノ、だな」                そう零せば相手の細い肩口をそっと、撫でるようにと指を滑らせ―――               「……先ずは落ち着くと良い。一人寝が寂しければ付き合ってやっても構わんぞ?」                そのまま指先が擽るようにと胸元、サイズの所為で大きく開いた胸元へと―――…… 00:16 Ryumaco >【優希】  「っ」                血糊を目にし胸を押さえる。苦しい。だけど、だから……               「本当に?教えてくれんの?」                そうして見あげれば……               「ひゃっ」                すべる指のくすぐったさに思わず声を漏らし               「ちょ、や、ななな、なにして!?」                真赤になってその手をさえぎろうと両手で押さえる 00:23 hikami >【ディルク】「無論だ、最も理解が出来る、とまでは思っておらん。それに、だ、君の肌は柔らかい、ウィザードの身体能力は肉付きに影響されない、とは言えども先刻の様な格闘戦は恐らく不向きだろう。                ―――それでも構わぬのならば護身程度の心構えは教える事が出来るがね、ウィザードは此処別々に能力を発現させるモノだ、結局は自らの研鑽が必要である事には変わりない」                言うも、指先は中途で留まる事となるだろう……とは言え鎖骨付近、つぅ、と、人、とするには冷えすぎた体温でなぞって見せた               「―――それだけの元気があるのならば、問題無いな。」                抵抗が無ければそのまま服の中へと手が潜りこむだろう、それでも無理強いするでもなく、暫し鎖骨を擽り終えると……指を、引く               「“一人でも眠れる”な?」 00:26 Ryumaco >【優希】  「ひ―っ」                鎖骨をなぞられ悲鳴を上げる。初めての、異性に触れられる感覚。囁かれる言葉。肌が脳が、異常に敏感になる。               「や…っ」                思わず目じりに涙を浮かべてしまう。指が引けば安堵か腰が抜けたように身体を預けてしまう。刺激が強すぎた               「……っ」                一人で寝れるな?にぶんぶん、と頭を上下に振って必死に同意する 00:29 hikami >【ディルク】「―――……成る程、問題はなさそうだ」                クッ、と、喉元で零す愉しげな笑み。そのまま、つぅ、と、頬を撫で擽り……今度こそ体を外してしまって               「―――ならば一晩此処を使うと良い。明日の朝、着替えをもって迎えに来る。それまで、外に出ぬ事だ。“何があるか判らない”以上に……その下着を俺以外にも見られたいのなら、別だがな」                戯れにと放った言葉、幾度も暴れた所為で捲れた布地を軽く指摘した後に背を、向けて――― 00:32 Ryumaco >【優希】  「あっあんたにだって見せたくないーっ!」                裾を引っ張り必死に隠し、傍らに合ったクッションをその背中に向けて投げつける               「ううううううっ」                恥かしさに頬が真赤に火照り、目じりには涙が浮かんでいる。気付けるだろうか。一連のやり取りで心の負の負担が和らいでいることに 00:35 hikami >【ディルク】「クッ……―――それだけ元気があれば十分だ。精々その“元気”を保持する事だな、狂気と混沌に支配され暴走しては“処理”されかねん」                脅しともつかぬ軽い言葉、クツクツと愉しげに笑いを響かせ―――投げつけられたクッションはそのままぽふりと当たれども勢いまではそう、なかろう               「―――ようこそ“世界の真実”へ。明日の朝まで平静を保っていられれば改めて説明しよう。長い座学を覚悟しておくのだな」 00:37 Ryumaco >【優希】  「でてけーっ!」                この部屋は目の前の男のもので、このベッドはその男のものなわけで、本来出て行くべきは自分なのだろうが、そんなことに気が回るはずもなく、その背中に精一杯の大声を投げかけて見送る 00:38 hikami >―――その言葉には答えず、ただ残すは笑い声のみ。漂う気配は酷く“愉しげ”なモノ……だが、ぱたん、と戸を閉じれば即座に名目。気楽な気配はあっさりと、消えており――― 00:41 hikami >【ディルク】「“アレ”は“何”だ……?」                呟き、漏れるのはそんな言葉。少なくとも己が表界に居た間も……どころか、忘却世界にて隠遁していた間にも聞き覚えすらない、能力。それが新種である事も知らぬ身は               「―――先ずは報告、か。幸い“確保”は出来た。明日の朝まで理性を保っていれば問題は無かろう」                心算に落とすは現実的な、結社の者としての感慨。廊下に暫し靴音が響いた後、男が向った先は―――……AAAのギルドハウス。“詳細”を説明するには、まずは情報を収集する必要がある、と―――