kunashi : 【ルー】「さて、妾の供の支度はできておろうな?」 kunashi :   kunashi : 黄金の魔王の宮殿、その正門の外にて6歳ほどの金髪銀眼の少女―ルー=サイファー―は、楽しそうに笑みを浮かべる。 kunashi : 今日はイコ=スーが宮廷内の大清掃を行うため、主であるルーも館の外へと出る手はずとなっており。 kunashi : ただ外に出るのではつまらない、と馬小屋を閨に借りる魔王を連れ立ち、迷宮街へと繰り出そうとしていた。 kunashi : 本来全ての力がそろっていないルーが表を気楽に歩くなどは言語道断ではあるが… kunashi : 危険分子であるパール=クールもベール=ゼファーも今日はシティ内にいない事は確認済み。 kunashi : ならば、自分を害する危険性があるものは1人とて居ない。 kunashi : だからこその戯れとしての外出に、名前も知らなかった魔王を付き添いに選んだのもまた戯れであった。 kunashi :   kunashi : 【ルー】「財布の事ならば、気にするでない。ここはイコ=スーの造りし妾の為の世界。ここにある全ては、妾の為のものであるのだからな」 kunashi :   kunashi :   kunashi :   kunashi : …といいつつ懐からちょちく●ょきんぎょを取り出すのは如何なものかと思われますが。 kunashi :   torazou_ :   torazou_ : 私は魔王である……名前は置いて置く事とする torazou_ : そう言うのも道理も道理……冥魔王に敗北し弱体化の一途を辿ったこの身体は……魔王と呼ぶには相応しくない torazou_ : 人間の子供その見た目と差ほど変わらぬ細い腕、試した事は未だ無いが耐久力もその程度の物だろう torazou_ : もっと酷いのは魔力、……器一杯に満たした魔装を支えるだけで精一杯で torazou_ : これで魔王と名乗るなら私とて鼻で笑い、呆れ返る…… torazou_ : だがこれが今の実力……惰弱なるこの身には必要な物が多いがそれを獲る術は少なく torazou_ : 自分の在処に帰ることもできずに、金色の魔王を頼って今は此処にいる torazou_ :   torazou_ : ならば今日の之からの出来事も家主に対しての責任と言う物だろう…… torazou_ : それに必要な物も有る…ならば買い物に出るのは好都合 torazou_ : パチン torazou_ : 金属製の枠を閉じると財布を懐に仕舞い torazou_ : 今はこれとて僅かながらの生きる力……無くす事は許されない torazou_ : 向かい合う自分と差ほど変わらぬ姿から出る言葉に torazou_ : 【マルディナ】「……一瞬でもほっとした自分が……」少しばかり悲しくなって来た…… torazou_ : 子供の姿に為ってまだ間もない日の出来事 kunashi :   kunashi : 【ルー】「汝は、この世界を回った事はあるか?」        小さなポシェットに●ょちくちょきんぎょを直しつつ、        目の前の少女(といっても自分よりはサイズが大きい)がこの世界についてドレくらい知っているか確認しようと。 torazou_ : 【マルディナ】「……ある訳無いだろう、つい5日ほど前まで動く事すら出来なかったのだから」       ふふふふふふふと地の底から響くような笑い声を上げて……がくっと肩を落すと              「それで今日は何処に行く?」 kunashi : 【ルー】「くくく、そうであったそうであった。汝は全ての力を失い、妾の宮殿に転がり込んできたばかりであったな。」        意地悪そうに笑みを浮かべると、坂の下、町のほうへ向けて歩き出す。       目の前には大きな館が建っているが、それは今回の目的ではないのだろう。進路を西にとり、町と城堀の境目の道を歩いて。            「何、妾の買い物に付き合わせるだけじゃ。何処に行くかなど考えておらぬ。もし汝が何か欲する物あらば、案内するぞ?」 torazou_ : 【マルディナ】「精々、笑え。助けて貰ったからにはその権利は有る」       初めて歩く街への道……以前なら一足飛びであろう距離も遠くに感じられ              「ああうむ……あるにはある……真逆人間と同じ物が必要になるとは思わなかったが……」       ついと白いだけのワンピースの裾を摘むと              「着替えだ。今の魔力では維持するのが精一杯だからな…削れる物は削れるだけ削っておきたい」 kunashi : 【ルー】「魔王たる者が己を笑えと卑下するのは如何かと思うのじゃが?            妾とて、現在は本来の力の10/666程度にすぎぬ。汝の元の力は知らぬが、妾ほど減じてはおるまい?」        まぁ、妾は元々の総量が多いのでこの量でもただの魔王には遅れはとらぬが、と小さく笑みを見せて。            「着替えか…ならば、後ほどイコ=スーにも届けさせるとして、一応汝の好みも知っておかねばな。こっちじゃ。」        言葉途中に道を渡り、街の中へと入っていき。そこはショッピングモールのような構造となっていて、様々な店が軒を連ねている。 torazou_ : 【マルディナ】「今はその資格が無い。ならば身に過ぎた名は笑い話にしかならん……貴様とは違うからな」       ほんの一瞬視線に羨望に似た物が混じり              「……そうか助かる。この恩は借りておく、必ず返すからな」       と念押しする様に答えるとその後を付いて kunashi : 【ルー】「まぁせっかくの客人だ。無碍にするのも主としての品格に悖る(もとる)。            休息で取り戻せるならば休めばよいし、ちょうどウィザード達が『ギルド』というのを行っておる。            そこにいけば力を練ることもできるであろう。」        きょろきょろと周囲の店を見回しながら、目的の店を探し。       近くにあるコロネ屋やドーナツ屋はたしかにお気に入りだが、目的には沿わない。       そうしてすこし進んだところで、1件のブティックを見つけて。            「ここじゃ、入るぞ。」        マルディナに確認もとらずに、その店へとはいっていく。 torazou_ : 【マルディナ】「ギルド……?人とか……いやそれなら……探索の手を増やす事も可能か」       ふむとその言葉に考え込むとルーの背を追う様に歩いて              「……ここか?」       後について見せにはいると物珍しそうにきょろきょろと店内を見回す、その行動は本当の子供の様にも見えて kunashi : 【ルー】「あぁ、一応言っておくが。この迷宮街では基本的に我ら魔王も夜闇の魔法使いも共に争わぬ。            ここでは戦わぬように真昼の月と協定を結んでおるのでな。            汝が理由なくここの人間を襲った場合、妾とイコ=スーが厳罰を下すので覚悟しておけ。」        きょろきょろと楽しそうに衣類小物を見ながら忠告。それを言った理由は簡単で―― kunashi : 【店員】「いらっしゃいませ、お客様。本日はどのようなものをお探しでしょうか?」        ルーとマルディナに笑顔で接客してきたものが、ただの人間だったのだ。 torazou_ : 【マルディナ】「この身体でか?それこそ馬鹿な話だ、が理解したその忠告は受け取って置く」       と頷いて              「んっ……ああ下着から上まで一式を……これこの通り襤褸だからな」       摘んだスカート部分の生地は良く見れば破れかけていて kunashi : 【店員】「あらあら、ルー様のお付の方ならば…そうですね、では此方へどうぞ。」       【ルー】「うむ、妾は店内を見ておるのでな、適当に見繕っておいてくれ。」       店員はマルディナに奥の試着室を案内し、ルーは主にカバン類のある小物棚を楽しそうに見ています。 torazou_ : 【マルディナ】「お付の方……」       微妙に抵抗のあるその言葉には顔を顰めて              「……いや、いい頼むぞ。色はそうだな白がいい引っ掛かりのある部分が少ない物があれば言う事は無い               ……あれは何時もこの店ではああなのか?」       とルーの方を見てから店員に尋ねて kunashi : 【店員】「申し訳ございません、お客人の方でございましたか」        ぺこり、と頭を下げてからマルディナの注文を聞いて。手元のメモになにやら書き込みつつ、頷いて返し…            「ルー様でございますか?この店を『創造』されたのはルー様でございますので、言ってしまえば支配人のようなもの。            ただ、普段は宮殿にいらっしゃいますので、基本はこちらから伺う場合が多くございますね。」        にこにこしながら別の女性店員にメモを渡し。その人が服を取ってくる間、店員はマルディナの世話役として付き添う様子。 torazou_ : 【マルディナ】「いやお付でいい。等価も払ってないのに客人といってタカを括るには、流石に之が邪魔をする」       とトンと胸に軽く手を当てると              「手馴れているように見えるが……そうか、しかしあの態度は見習うべきか……」       うんうんと考えると kunashi : 【店員】「さようでございますか。」        マルディナの要望とあらば、ぺこりと頭を下げて。       その頃になると、奥からドレスハンガーに華美な衣装、清楚な衣装を様々にかけて持ってこられ。           「お客様の体格に会う、白く、装飾品の少ない品にございます。」       ためしに手にとったものは、真っ白な生地で魔力の感じる特殊な衣装。魔王の使う店だけあって、ただの『布』での製品はそこには無い様子。 torazou_ : 【マルディナ】「では、それで」       即断して答えると少し首を傾げて              「……処で之は幾らする?言って置くが私の財布の軽さは……泣けるぞ色々と」       触れてみれば宿る魔力が直接感じられて、店員に聞き返すと kunashi : 【店員】「…え、と。」       最初に見せた品、それでいきなり決定されるとは思わなかったのだろう。店員は戸惑いの声を一瞬上げて。           「では、こちらの衣装を用意させていただきます。採寸を行いたいのですが、よろしいでしょうか?」       メモにドレスの名前をとりつつ、もう1人の店員にドレスハンガーを下げさせ。メジャーを用意しながら、マルディナに近づき。           「こちらの店は、先ほども申しましたとおりルー様の店にございます。            そのお客人、お付きの方をルー様が案内されたとなれば、お代など頂くわけにもまいりません。」       にっこりと、安心させようと店員は笑みを浮かべてメジャーを伸ばし。           「では、採寸させていただいてよろしいでしょうか?」       許可があれば、そのまま彼女の体のサイズを測っていこうと。 torazou_ : 【マルディナ】「着れれば問題ない今は……その他事は余裕の有る時に行う物だろう?               私には今はその余裕がないからな、それに先程の言葉からして下手な物は勧めないと推測する」       戸惑った店員に言葉を返すと              「構わん……それが貴様の仕事だろう、為らば滞りなく行うといい」       と言うと姿勢を正し、サイズを測ろうとすれば下に何もつけてないのが生地越しに見て取れて kunashi : 【店員】「確かにわたくし共はこの迷宮街随一の品を提供している自負はございます。            …ですので、宮廷内で召し上がられる衣類なども考えておいたのですが。」       差し出がましい事、申し訳ございませんと頭を下げて採寸を行い。そこで…衣類の下に、あるべき下着が無い事に気づき。           「………申し訳ございません、わたくし共の不勉強ならばご教授願いたいのですが、            その、魔王様方は下着をお召しにならぬ方が、多いのでしょうか…?」       進めるべきか、それとも魔王たちの好きにさせるべきなのか。すこし戸惑い、尋ねてみて。       どうもこの様子では、他にも下着をつけていない魔王がいた様子で。 torazou_ : 【マルディナ】「……いや?人をそのような露出癖と一緒にするな、先程下着から上まで一式といった筈だぞ」       と言ってからはたと気がついてぱたぱたと服の上から自分の身体を確かめてから              「……消えた……な」       少しばかり物悲しい面持ちでそう言うと kunashi : 【店員】「そうでございましたか。申し訳ございません、それでは…どのようなものが、お好みでしょうか?」       と、カタログを取り出して開いて見せて。       そこには無地の白いものから紅く派手なものまで色とりどりのものが掲示してある。       彼女の言葉に一瞬だけ疑問が浮かんだが、消えた、という言葉の意味が理解できなかったために、重ねてきくのも分不相応と考えて口をつぐみ。 torazou_ : 【マルディナ】「そうだなシンプルでいいぞ、くまさんとかそう言うのがついてたら泣くが……               逆にそれらしく振舞うのであればそれ気で良いのかも知れぬが……」       なにやら葛藤しながら答える、そのそのこの格好は眼前で偽るなと言われたからのもの……       であればこの身一つで出歩く事は少なかろうと思い直すと              「……下着ぐらいは派手で良いか」 kunashi : 【店員】「シンプルなものですと、このあたりからこのあたり。」       指差したものは、本当に一般的な形のもの。       無地だったり、縞模様だったりといった、見た目に軽そうなものからフリルがわずかにあしらってある可愛いものまで。           「派手なものですと、こちらのページになります。」       ぺらりとめくると、そこには一面の派手な下着。       血のように真っ赤だったり、夜のように黒かったり、まるで星空のようなものまであれば、アゼルデザインとかかれた帯のようなものまで。       フリルだけで作られた下着、なんかもラインナップされている。 torazou_ : 【マルディナ】「では使い出のあるものと……」       無地の物を幾点か選んでから              「赤は好かん、黒でいい」       と派手な物からも一点選び kunashi : 【店員】「承りました。すぐにお持ちします。」       再びメモに何か書いて、別の店員に手渡し。すぐに持ってくるように伝えると、カタログを閉じて。           「では、すぐに下着をお持ちしますのでしばしお待ちください。            採寸のほう終えましたので、2週間後に宮廷のほうへお持ちいたしますがよろしいでしょうか?」 torazou_ : 【マルディナ】「いや簡単な物でいいから今直ぐ着れる者はないか?買い物は未だ続く……重ね重ね言うが私に露出癖はないのだ」       ちらとルーの買い物途中で服まで消え去るというビジョンが浮ぶと              「流石にそうなったら笑える……笑え過ぎで誰彼構わず八つ当たりしたくなるかもしれんしな」 kunashi : 【店員】「今すぐ、でございますか?…先ほどの商品サンプルでよければ、すぐにでもお渡しできますが…」       体型に一番近いものを用意したとはいえ、オーダーメイドではない既製品。きっと一番の着心地を用意できないと思って、すこし顔を曇らせて。           「…わかりました。では、先ほどのものをお持ちいたします。少々お待ちください。」       それでも、客の要望とあらば答えないわけにも行かず。マルディナに頭を下げると、店員は奥へと消えていって。 kunashi : 【ルー】「どうじゃ、満足いく物は見付かったか?」       嬉しそうに、新しい小さなバックを手にしてにこにこ笑顔。       試着室の中に立ったままのマルディナを見るように、近くの椅子に腰掛けてからカバンから小さなタブレットを取り出し、食べてみて。           「いい店だろう?人間はこういう気を利かす商売に向いている。裏界に生きるものたちには、こういった商売は行えない。」 torazou_ : 【マルディナ】「……仕事に誇り有か」       店員の去る背を見てか一人口に出すと              「そうだな……気を利かすと言うよりは相手を魔王と理解した上でただの人間が表す矜持は気に入ったが……」       別の意味では確かに気に入ったと頷いて答えると              「……世話になったな」       と礼を言い kunashi : 【ルー】「人間はそう言うところが面白い。まぁ、この元々人間のものであった体を手にいれてから、特に思うようになったのだがな。」       マルディナの言葉に同感だ、と答えながら頷いてみせて。           「だからこそ、ここでは人間だ魔王だという諍いは起こさぬように真昼の月と協定を結んでいる。            汝もそれに賛同してくれると思って、こういう店につれてきた。思惑あってのことだ、気にするな。」       くすくすと、さっきまでのような威圧的なものがない笑みを見せてから、店員が戻ってくるのをまち。       さっきのワンピースを出来る限りマルディナの体格にあわせたものと、不透明な袋にいれた下着を数点持ってきたのを見れば       マルディナが着替えるのを待つために、その場で店員と話しはじめ。 torazou_ : 【マルディナ】「……ふむ。その身に感化された……そう言う事か?現世であれば入れ物に心が引き摺られると言う話は聞くが」       と答えると              「すまんな店員、だが客の無理に答えるというのも確かに貴様の仕事しっかり果して貰ったぞ」       と言って受け取ると試着室に消え魔力で編んだ衣服を消し去ると受け取ったばかりの下着や服を身に着けて kunashi : 【ルー】「似たようなものだろう。元々の持ち主の意識は、この体の中にまだ残っておる。            妾としても好ましい『人間』であるのでな、消すのはもったいない。」       だからこそ、常に惹かれるのだがと言い訳がましく言う姿は、金色の魔王の威厳は少なく、どこか体相応の少女のようにも見えて。           「ふむ、似合っておるぞ。後ほど、それの完成品が届くであろう。またそれも届けさせるようにするとするか。」       店員がマルディナに頭を下げて、光栄にございますと言っているのをみながら満足そうに。       これで問題がもうなくなったのならば、外に出るかと考えて外を見て。 torazou_ : 【マルディナ】「それをそうと思えるようになった……人間が言うならば進歩だが。               ……まあよい、戦うだけが戦に非ず共に生きるもまた戦よ、為らばその取り決めを自ら破らぬ事もまてた戦いだろうて」       と言って仕切りから外に出ると              「さてと、身も軽くはなりはした。私の用件は終わったがそもそもの目的の場所は何処だ?」       似合ってるの言葉には礼をいい              「よい仕事をしたのだ、誇っていいぞ」       と店員には声をかけて kunashi : 【ルー】「あぁ、その通り。妾ら『奪う者』が言う言葉ではないが、『生きる』のも戦いの一つ。            人間の戦いは実に面白いのでな。…たまに不愉快な『戦い』をする事もあるのが、また愚かしき所だとは思うが。」       マルディナが試着室から出たのを見て、頷き。           「目的の場所か?…そうだな、決めておらぬ。            しいていえば、宮廷の掃除を終えるとイコ=スーが呼びに来るであろう。それまでの暇つぶしが目的だ。」       そしてそのまま、店の外へ出ていく。店員にはねぎらいの言葉を既にかけた。ならば、この店にとどまる用事はもうない、とばかりに。       店員はマルディナに深く礼をし、またのご来店をお待ちしております、と応えて2人を見送って。 torazou_ : 【マルディナ】「藁草と共に掃出されては叶わんからな私物は先に預けたが……               ふむではこの身体では酒は無理となると甘味か……この身体になってから無性に甘い物に対する欲求が増えたしな」       それは貴女だけと言う言葉が聞えて来そうな言葉を吐いてから、辺りを見て kunashi : 【ルー】「ほう。」       甘味、と申したか。にやりと笑みを浮かべてルーは先ほどきた道を戻る。           「喜べ。妾も甘いものには眼がなくてな、先ほど通った通りの菓子店は、全て妾の味見を行い選んだ店ぞ。」       金色の魔王の眼に適った甘味どころ。それが、この通り入り口にあった甘味店であり。       和洋中のあらゆる種類の店が軒をならべ、そのどれもが一級のオーラを放っている。その中でルーは1つの洋物店へと入り。           「店主!コロネを2つくれ!」       楽しそうに大きな声で注文を行い。店主が「まいど!」と明るい声で返事を返すと、ルーが手ずから財布をとりだしその代価を支払い。           「ありがとう!」       なんと、マルディナの前であって魔王が人間に例を言うと2つのコロネを持ってかえってきた。       1つはチョコ、1つはクリーム。そのどちらも美味しそうであり。 torazou_ : 【マルディナ】「手馴れている?いやそれ以上に馴れ親しんでいる?」       迷い等ないその動きに……それは何と言うか先程の言葉の体言に思えて              「……一つ聞く、あの中からコロネを選んだのは……趣味か?」 kunashi : 【ルー】「うむ?好きなほうを選んでいいぞ?」       マルディナの問いに、趣味かと聞かれて。チョコとクリームを選んだのは確かにそれが好みであるため、頷きつつ。           「ただ、2つはダメだからな。1つだけだぞ。」 torazou_ : 【マルディナ】「何処の食いしん坊だそれは、自分が金も出してないのにどちらもなどと……」       そー言う目で見てたのかと言いたげにジトと見て              「もう一つ方法があるぞ、半分ずつにすればいい。貴様のお勧めどちらも味わえるその方が興味深い」 kunashi : 【ルー】「前にパールの奴めを誘った場合は、何も言わずに2個とも喰いおってな…」       忌々しい、とばかりに眉の間に皺をつくり。あの時はつい、山を1つ吹き飛ばしてしまったと後悔交じりの言葉を吐きつつ。           「なるほど、頭がよいな。では半分こにして、だな。」       うむ、と頷くとナイフを月衣から取り出し、綺麗に2つに分けて。           「では頂くとするか!」       どちらのコロネに先に手をだすか、指をさし悩みながら言葉を放って。 torazou_ : 【マルディナ】「いやまてそれは随分と……」       其処まで言って自分もこの前迷宮で散々壁を破壊した事を思い出して              「……ではあり難くいただく」       と此方は迷わずにクリームの方から口を付けて              「どうした?随分と楽しみにしている様に見えたが食べないのか?」       もきゅもきゅと美味しそうに kunashi : 【ルー】「あれはパールが悪いのだ。妾が楽しみにしていたチョココロネを何も言わずに食べおったのがな…」       今でもその恨みは晴れていない様子。そのためか、どうも東の森には最近プラーナが薄いようにも思えて。       閑話休題。           「当たり前だ、妾の大好物なのだぞ?どちらを先に食すべきか、悩むではないか。            甘くてとろけるチョコもいいし、ふんわりクリームも捨てがたい…あぁ、なんと罪造りなのだろうな、このコロネは…」       うっとりとした様子で、コロネの偉大さを語りつつ。やがて、クリームをすこしたべてからチョコをたべる、という食べ方にして。 torazou_ : 【マルディナ】「アレは力は有っても馬鹿だからな」       その件には同意をすると              「……しかしクリームよりチョコレートの方が味が濃い…ならば先にクリームのほうの甘さを堪能してだな……」       などと言いながら今度はチョコレートの方を食べて kunashi :   kunashi :   kunashi : そうして2人の魔王はコロネ屋の軒先であーだこーだと言い合いながら絶品のコロネを賞味して。 kunashi : そこにイコ=スーが迎えに来た事で今日のお出かけが終了という事となり。 kunashi : また今度暇があれば、ルーがマルディナを誘い甘味を食べに行くと誓いながら、3人は帰っていったのでした。 kunashi :   kunashi :   kunashi : おしまい。