(tuka-neko)   (tuka-neko)   (tuka-neko)   (tuka-neko) アレからというモノの、色々と、“余計”な考えが頭に浮かんでばかりで物思いにふけることも多くなってしまった。何もする事がないときは勿論、何かをしているその間隙にすら、気を抜けばいつの間にかそうなってしまう。 (tuka-neko) 今だって、そうだ。優希へと色々教えている最中。与えた課題が出来上がるのを待つ間にも、つい首筋に指先を触れさせぼうっとしてしまって… (tuka-neko) (きゅー) (Ryumaco) 【優希】「……」ふとペンを止め視線を上げる。なんだこいつ……。怪訝に思ってじっと見た (tuka-neko) 【クロエ】「………………………………」ややも顔色を青ざめさせ唇をかみ締めた状態のまま、優希の視線にも気づかず呆けている (Ryumaco) 【優希】「……」輪ゴムがあった。指に引っ掛ける。「てい」ぱちん、輪ゴムは見事な弾丸となりクロエの額にあたる (tuka-neko) 【クロエ】「ぁぅっ!?!?!な、何だっ!?………………ぁ……す、すまない……その、何か、わからないことでもあるのか……?」と、流石にそれは痛かったのか。真っ赤になったおでこを押さえつつ立ち上がって。きょろきょろと辺りを見回す。もっとも、凶器はとっくに机の隙間に落っこちて姿を隠していて。暫くすれば……優希の視線に気がつき、気まずそうな表情を浮かべる。 (Ryumaco) 【優希】「何首撫でてボーっとしてんだよ?」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ…………少し、嫌な事を思い出していただけだ……大した、事じゃない……」と、言いつつも視線をそらす。たいしたことがない割りに、長引きすぎ、ではあるが。 (Ryumaco) 【優希】「ふぅん……ま、いいけどね。で?できたんだけど」 (tuka-neko) 【クロエ】「あ、ぁあ……」そういわれれば、優希の仕上げた課題を引き寄せ……添削に入る。ゆっくりと時間をかけて最後まで目を通せば……優希のほうを見て「よく出来ている」と頷いてみせる (Ryumaco) 【優希】「そりゃできてないと困る。どんだけサドクロエにいびられたとおもってんのさ」んー、と伸びる (tuka-neko) 【クロエ】「……散々な言いようだな?好き好んでそうしているわけではないのだが」はふ、とため息をつきつつも。座学はここまでの予定だったのか。ぱさりと優希の前に数枚のプリントを置きつつ、テキストノートの類を片付け始める (Ryumaco) 【優希】「どーだか」挑発気味に。これだけの軽口を叩ける仲にはなったということか (tuka-neko) 【クロエ】「……まったく、口の減らない……」と、不機嫌そうに呟きつつも、表情はそこまで苦々しいものではなく苦笑といった程度。こちらも随分と慣れた、のだろう。それでもすぐに笑みは消えて「……今日は、あとは実技、だな……30分後に訓練室だ」 (Ryumaco) 【優希】「おーけい。みてろ?今日は勝ってやるから」BANG、と指鉄砲をクロエに (tuka-neko) 【クロエ】「さて、実戦は早々思うように行くものではないぞ?ああ、次までにこれはきちんと済ませておくようにな」几帳面すぎるほどに丁寧に纏めたテキストとノートの上に出したプリントを載せつつ。勝気な台詞には……不敵に唇の端を吊り上げて返し「それではまた後で。こちらも、少し頭を冷やしてくる」 (Ryumaco) 【優希】「……頭を、ねぇ?」見送って呟く (tuka-neko)   (tuka-neko)   (tuka-neko) そろそろ良かろうと思い始めてみた実戦訓練。体を動かしていれば妙な考えは起こらないだろう、とは思っていたものの。いつもと同じように術式を組み上げいつもと同じように放っているはず、なのに、ちりちりと嫌なな不安が混じる。 (tuka-neko) やがてそれはじりじりと膨れ上がり。何合目かの魔装の打ち合い、その直後の一瞬……満ちたソレは肩や腕を強張らせ。僅かに、動作が遅れて…… (tuka-neko) (再度、きゅー! (Ryumaco) 【優希】「謳え!ラプソディ!」いつもよりも操れるようになった相棒、そのせいかを見せてやろうとしてか。むしろ単にいいところ見せようと思っただけかもしれない。思いっきり、自分のベストと思える一撃を放つ (tuka-neko) 【クロエ】「…………っあ……っ!」反応が遅れた。いつものように避けようとする動作すらもなく。目を見開いて、迫りくる一撃を見つめている (Ryumaco) 【優希】「い!?ちょ、棒立ち!?と、止れラプソディ!」だが急には止らない止められない (tuka-neko) 【クロエ】「っ!!」優希の叫び、にようやく我に返る。慌てて数歩下がり、直撃こそは避けようとするが。それでも到底間に合うものでもなく……走る衝撃に一瞬息を詰まらせ (Ryumaco) 【優希】「ああもう!護れ!ラプソディ!」咄嗟にクロエに障壁を張る。自らの攻撃にシールドを張る無茶 (tuka-neko) 【クロエ】「っ……っ……」攻撃の意を持って放たれた術と護りの意を持って放たれた術、ソレのぶつかり合う瞬きが収まれば。障壁のおかげで大した怪我もなく、呆けたようにへたり込んでいるのが見て取れる (Ryumaco) 【優希】「ば、馬鹿かお前!?」走ってきて怒鳴る (tuka-neko) 【クロエ】「っ……ぁ……す、すま……ない……すこし、ぼうっと、していた……」は、ふ、と小さく息を吐いて……珍しい事に怒り以外でf声を震わせながらも……そう返し…… (Ryumaco) 【優希】「もう上がり!クロエがどうだろうと終わり!何してんだよまったくもう」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ…………わかった。すまないな……こうも引きずる事になる、とは……思わなかった……」 (Ryumaco) 【優希】「で?何があったのさ」タオルで汗を拭き、スポーツドリンクを飲んでクールダウン (tuka-neko) 【クロエ】「……この間ディルクと……ああいやこれは……切欠、なのだが…………さっきも言ったが少し、嫌な事を……思い出していた」ふぅ、とこちらもため息をつきつつ、首筋の……優希が以前見た噛み傷に触れる (Ryumaco) 【優希】「どんな?」ずかずかと踏み入る (tuka-neko) 【クロエ】「……余り、聞いていて気持ちのいい話、ではないぞ?」ちらりと怯えの浮かんだ顔をうつむかせたまま。確認、するかのようにそう呟く。誰かに話せば……楽になるだろうか? (Ryumaco) 【優希】「べっつに?『いいたくない』んならそれでもいいけど?」足を組んで「どうするかはクロエ次第」 (tuka-neko) 【クロエ】「………………」ふ、と短く息を吐き……すいと顔を上げる。優希の顔を通り越して天井を仰ぎ「……子供の頃、住んでいた村が吸血鬼に襲われた時の、事……だ……」 (Ryumaco) 【優希】「ん」先を促す (tuka-neko) 【クロエ】「……私が、招き入れてしまった。そのまま捕らえられて、目の前で……村人たちや……父や母がまともに抵抗する事も出来ず、血を吸われ引き裂かれていくのを見せ付けられ………私自身も、血を吸われた……」 (tuka-neko) 【クロエ】「……抑え付けていたはず、なんだがな……」 (Ryumaco) 【優希】「抑えつけて?」 (tuka-neko) 【クロエ】「……怖い……んだ……父や母を奪った吸血鬼が憎い……敵を討ちたいとは思っていても……怖くて仕方がないんだ……」 (Ryumaco) 【優希】「ふぅん……」自分と似たような、むしろ比較に鳴らないほどの悲劇、でも「だから?」そう言い放つ「どうしたいんだよ、クロエは」相手の規模なんか知らない。ボクだって相手を殺すためにここにいるのだもの (tuka-neko) 【クロエ】「……どうしたいか、なんて、決まってる。奴を見つけ出して……滅する。私は……そのために、この街に来たのだ……」そう言いながらも、じっと自身の手を見下ろして (Ryumaco) 【優希】「で?」その上でそう投げかけた (tuka-neko) 【クロエ】「……………………その後は別に考えてはいないな。まぁ、生きていられれば、ではあるが……」吸血鬼に対する怯えが嘘のように。自身の生死には無頓着にも淡々と答える。……神に仕えるものとしては凡そ相応しくない考えではあるが。 (Ryumaco) 【優希】「ま」その様子をみてクロエに肩を竦め「無理だね。やめちゃえば?」あえてそう切り出した (tuka-neko) 【クロエ】「出来ない。出来るはず、ないだろう……そんな事」即座に切り返す言葉は、断定的な割りに弱弱しい。 (Ryumaco) 【優希】「一緒に喰われて加害者になるのがオチじゃない?」挑発を続け。 (tuka-neko) 【クロエ】「そうはならない為に今まで鍛錬を積んできたのだっ!」まるで絞り出すような声。虚勢を張るかのように敢えて大声を上げて。ぎりりと拳を握り締める (Ryumaco) 【優希】「でも怖気づいてんだろ?今日のボクが敵だったら死んでるよねぇ?」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ……こんなもの、すぐに抑え込んで見せるさっ!前にも、出来たんだ、今回だって出来ないはずはないっ!」 (Ryumaco) 【優希】「できてないじゃん?無理無理」 (tuka-neko) 【クロエ】「だからといって諦めきれるかっ!!それに……例え諦めたとしたってっ……奴の……マールブランシェの影が消えるわけじゃないっ!」 (Ryumaco) 【優希】「怯えて暮らせばいいじゃん」 (tuka-neko) 【クロエ】「嫌だ!」一際響く声。声を震わせ肩を震わせ、怯えを振り切れないくせに。目元に涙を浮かべながらも優希を見上げ睨みつけて (Ryumaco) 【優希】「そうやってわめいてれば?」 (tuka-neko) 【クロエ】「喚かせているのは誰だっ!……こんなものっ……単なる、気の持ちようなんだっ……自分で、納得さえすれば、すぐに抑え込めるっ……」ぎり、と握り締めた拳。怯えとは別のベクトルで腕が震える。 (Ryumaco) 【優希】「誰ってクロエじゃん」しれっと言う (Ryumaco) 【優希】「ほかに誰がいるていうのさ?」 (Ryumaco) 【優希】「まさかボク?はー、そっか。責任転嫁しちゃうヤツなんだ?クロエ」 (Ryumaco) さも心外、と大仰に肩を竦める (tuka-neko) 【クロエ】「っ……!」優希の言葉に。一瞬ぎり、と唇をかみ締める。震える腕を強引に抑え込み。“挑発”を繰り返す優希にくるりと背を向けて「…………暫く、出掛ける。当分……戻らない、だろう」低く押し殺した声で、かろうじてそう言って (Ryumaco) 【優希】「へぇ、逃げるんだ?そうしてずっと逃げ続ければ?」 (tuka-neko) 【クロエ】「好きに言えば……良い。……私が憎いのは、お前ではない……“吸血鬼”なのだ。ここでお前の狙い通り怒りに身を任せたとしても。一時の激情では……吹っ切る助けになど、なりはしない」 (Ryumaco) 【優希】「ふぅん」白い目で見る「ボクに言わせれば、それも間違いだけどね。吸血鬼が憎い?違うだろ?それ以前でサ。別に、吹っ切らせようなんて思ってないよ。イライラすんだ。挑発?違うよ、全部本音。喚いて震えて泣いてろよ」」 (tuka-neko) 【クロエ】「……もし、私が諦める、という選択肢を選ぶとすれば。その時は自分で自分を殺すだろうな」 (tuka-neko) 【クロエ】「……両親を殺したのは確かに吸血鬼だが……ソレを招き入れたのは……私自身、なのだからな……赦されていいはずがない」 (Ryumaco) 【優希】「は、つまり」すごく馬鹿にした表情を作る「悲劇のヒロインに酔ってるだけなんじゃん」 (tuka-neko) 【クロエ】「っ!」その言葉を聴けば。一瞬頭に血が昇ってしまって。振り返りざまに優希の肩を掴み睨みつける。それでも、すぐにぐぅ、とその怒りを抑え込んで「……お前に怒りをぶつけてどうにかなるようなものなら、とっくにしているさ……だが…………そんな事をしても、それこそ……責任転嫁、だろうに……」と、呟いてしまう。 (Ryumaco) 【優希】「……」肩を竦めて、別段止めるでも無く (tuka-neko) 【クロエ】「……」そのまま、くるりと身を翻し……足早に、その場を立ち去っていく (Ryumaco) 【優希】「……」ソレを見るでもなく。背で送り、その姿がここから消えると「……ほんと、イライラする」そう、呟いた (tuka-neko)   (tuka-neko)