21:24 tuka-neko>じっとりと赤く染まった手袋。“仕事”の後、まるでその場を逃げ出すかのように早々に自室へと戻ってきてしまい、         あまりにも急ぎすぎたため途中で捨ててくるのを忘れてしまったそれを、なんとも忌まわしそうに洗面台に放り込み水を流し、         どうにもやる気なさげに濯ぎはじめる。そうしていれば己の手にこびりついたモノも流れ水に混じりあい溶け合いながら一緒に洗い流されてゆき。 21:24 tuka-neko>両手の甲に薄く浮かぶ傷痕、それが視界に映れば……漏れるのは小さなため息。それと共になけなしの気力すらも削ぎ落とされてしまったのか、         まだ赤い染みの残る手袋を水から引き上げ、軽く絞ってから……ゴミ箱に放り込んでしまう。         気にするほどのモノではない、と頭では判ってつもりではあるもののやはり気になるのだろう、タオルで乱暴に拭った手に視線を落とさぬまま……         新しい手袋でソレを覆い隠して。そのままの勢いで、ベールも頭巾も法衣も脱ぎ捨て、着替えを始めるべくワンピースのボタンに手をかける。 21:24 tuka-neko>一つ、二つ、と外して行けば、洗い流されたはずの血の匂いが再び漂いはじめる。         吐き気さえ催される紅の匂いに眉をしかめ、それでもその行為をやめるわけにもいかず、ぐっと息を詰めて着替えを続けようと、する。         それは……いつものこと、神罰代行者としての力を振るうたびに、繰り返されること、ではあった。         ただ、今回が“いつも”とは違ったのは……背中のボタンを全て外し終える前に、部屋の扉がノックされたこと。         一瞬無視してしまおうかとも考えたが……部屋の扉に鍵をかけ忘れて居たことに気づき……仕方なく、外したばかりのボタンを留めてから               「……誰だ?」                ……気の弱いものなら跣で逃げ出してしまいそうな不機嫌極まりない声を、外へと向け…… 21:32 hikami >異質な世界からの帰還―――ある意味では悔いのある“結末”は男の思考に幾つかのしこりを残すモノではあったのだろう。 21:32 hikami >ある意味では悠然としたその行動に陰りを落とした事実は二つ。 21:32 hikami >“女性に助けられ、そのまま託してきてしまった事” 21:32 hikami >“負傷するはずのなかった女性から漂う血の匂い” 21:32 hikami >―――以前見た、独特の痕の事もあり、結局は気になり、追う、と言う選択を取らせていた 21:32 hikami >【ディルク】「……―――ふむ、予測通りではあるが……随分と不機嫌そうだね、クロエ。……“入るよ”?」 21:32 hikami >来意を告げる意思、許可、を求めたのでは拒絶、となり得る状況は十分に整っている。 21:32 hikami >故に、許可を求める言葉ではなく、意思を告げる、と言う行動。 21:32 hikami >それでも少しは遠慮、を置いたか、ノブを回し、扉を開く速度は常の倍程に緩やかなものであった。 21:38 tuka-neko>【クロエ】 「貴様か……入ってもよいと言った覚えは、ないぞ」                じれったくなるほどにゆっくりと開かれる扉、その向こうについ先ほど別れてきたばかりの仲間、の姿を見れば。                ぐいと腕を組んで唇をへの字に結び、そう言い放つ。警戒、しているのかその肩はいつも以上に強張り、投げかけられる視線もまた、初めて会ったとき、のように鋭いもので。 21:40 hikami >【ディルク】「……―――の、割には扉を閉めに来なかったのは何故かな?それと……」                こつ、と、一歩。その1歩だけは緩やかに、のんびり、ともいえる挙動で踏み出しつつ               「それと、鍵をかける癖はつけた方が良いだろうね、クロエ。」                その1歩の後は常と同じ挙動。滑るような歩法で相手の傍へと無造作に歩んで居た 21:45 tuka-neko>【クロエ】 「っく……来るなっ!?」                するりするりと近づいてくるディルクの姿に。つい声を荒げながら後ずさっていく。                …嗅覚の鈍い人間の自分でさえはっきりと感じ取ってしまう血の匂いを、例え服越しとはいえ血を糧とする“吸血鬼”相手に隠し通そうとする無謀を自覚しながらも。ぎゅ、と自身を抱きしめ逃げるようにディルクに背を向けてしまう 21:49 hikami >【ディルク】「いや、先日も思ったのだがね。……一つ、確認する必要があるだろう。君が……いや」                背を向けたクロエの後ろ、あと一歩、で触れられる程度の位置まで歩み……               「……クロエ、何か隠しているのではないかな?いや、隠し事そのものは構わないが―――その隠し事が“吸血種”ひいては……我が血族同胞に類する事であるのならば、少々惜しい。」 21:54 tuka-neko>【クロエ】 「っ……な、何を、惜しいと言うのだっ……き、貴様には、関係ない、だろうっ……」                背後に感じる……息苦しくなってしまいそうな圧迫感を伴う気配に、声が震える。緊張に微かに汗を浮かべながら、それでも否定はせず、ただ拒絶の言葉を紡いでいく。 22:02 hikami >【ディルク】「それは酷いね、先刻まで共に竜退治をしてきただろう?―――……君にとっては“一応”かもしれないが、AAAに出向してきた以上俺はクロエも含め同志であると思っているからね」                その言葉こそ、ある種軽いものだろう、だが……くっ、と、軽く喉を鳴らす動き。そっと背後から腕を回し……               「それ以上に君は“美しい”……聖職にある、と言う事もあるだろうが君の保つプラーナは俺にとっても心地が良いものでね。                だからこそ、と前置きさせてもらうが―――負傷は、しなかったはずだね。セルヴィスと俺があの龍種のダメージは全て引き受けた筈だ。なのに、何故君から“血の匂い”がしているのかな?」                その前置きは“誤魔化し”を許さぬ理由、吸血種であるが故に過敏な血の気配……腕は避けねばそのまま抱擁の形をとる。 22:07 tuka-neko>【クロエ】 「っ!?」                ふわりと動く気配。慌てて身を翻そうとするも一足、遅かった。華奢な体躯はあっさりとディルクの腕に包まれ、そこから抜け出そうともがけば、更に血の匂いは振り撒かれにちりと湿っぽい音が、胸元から響いてしまい               「っ……そ、それこそ、貴様には関係ないっ……た、ただ、単にっ……力を振るった代償なだけだっ!」                それを誤魔化そうとするかのように、尚更に声を張り上げていく。 22:10 hikami >【ディルク】「代償、か……それは先日の傷跡に関係する事かな?ソレにしては……ふむ」                背後に感じさせる長身の体躯はすっぽりと小柄な体を包み込んでしまってい……視線は胸元、常の好色な視線ではなく、細めた観察の視線を向けていた               「場所が奇妙だな、それに関係がない、という事もなかろう。失血は戦術的にも戦略的にもペナルティになり得るものだ。……共に闘う以上、気にかける必要がある。」 22:21 tuka-neko>【クロエ】 「っ……あ、あれは……っ!?」                先日の、と言えば……優希と引き合わされた時の、事だろう。ディルクが知る傷、と言うのはそれしか有り得ない。何かを見定めるような視線を肩越しに感じれば……慌ててその行為をとどめるように、ディルクの足に、彼の靴の構造も忘れて踵をねじ込んでゆき               「っ……た、大した量ではないっ……っ闘いが長引きでもしない限りはっ……は、離せっ!」                言い訳でも刷るかのように呟いた、かと思えば。再び盛大に暴れ始めてしまう。 22:25 hikami >【ディルク】「……そう、いわれて離すと思うかな?」                無論、鉄板越しの踵など痛痒を感じる程ではなく、体重そのものによる影響も矮躯が相手ではそう負担に感じるモノでもないのだろう。               「……長引く可能性もあれば、つい先刻のような奇襲を受ける可能性もある。……“仲間”の不利益は事前に知っておくに越した事は無いとは思うがね。ふむ……―――」                暴れるカラダを少し強引に押さえつけるようにと腕の力を強め、指先は胸元、豊かな膨らみを手繰り……オトと匂いの元凶、血、の、出所を探るようにと滑る。見ようによっては“胸を揉む”様にしか見えぬだろうが。 22:32 tuka-neko>【クロエ】 「ぁ……っ!?っ……な、ぁ……だ、だから、と、いって……も、これは……っや、やめ……!?」                暴れることさえも封じられ、それでも諦め悪く身を捩じらせて。そうすれば……ディルクの手によって固定された……微かに内からの湿り気を感じさせるワンピースと、ねっとりとした液体に濡れた肌が滑り、再び水音が響いてしまい… 22:37 hikami >【ディルク】「それに、だ。……軽く指を動かす“だけ”でこれだけの感触と音がするのだからね。長引かねば、と前置く程度には傷の程度は……」                そのままある種手馴れた動き、身を捩るにあわせて一度外れかけたブラウスのボタンを外し……垣間見えた出血元、胸元に穿たれた“傷”に暫し動きを止めた               「……君のそれは後天的なもの、かな?」                首筋の痕とあわせて考えればその連想にはなるのだろう。反射、それまでの緩慢さと悪戯さの混ざった口調から一転、重く潜めた動きとなり―――ぐい、と、残る布地を少し強く引く。元々の膂力も合わせれば胸元を肌蹴させる程度、十分に足りてくれるだろう。 22:45 tuka-neko>【クロエ】 「……っ!?」                露にされた白い肌を染める朱。その中に、ちょうど心臓に当たる位置に曝け出された、旧い貫通創。視線を受けた今更出血することなど有り得ない様に思えるその傷跡は、それでもまだ微かにじくりと血を滲ませていて。                中途半端に脱がされたワンピースとブラウスが邪魔になってそれ以上抗することもできず肌を隠すことも出来ず唇をわななかせて               「っ……っ……ちが……う…………」                やっとのことでそれだけの言葉を、搾り出す。 22:48 hikami >【ディルク】「……ならば聖職の証、か。確か磔刑に処された聖人の模倣、刻まれた証がその身に浮かぶ事がある、と言う話は聞いた事があるね」                そんな状況にして尚も動く指先、背面……ブラウスの襟元を軽く引く様にして両腕の動きを阻害、半脱ぎ状態であるが故の“動き辛さ”を作ってしまって               「……これが君の言う“代償”かな?」                そのまま指先は乳房を撫で、這い……膨らみを全て、外気へと曝そうとしてしまっていた。 22:55 tuka-neko>【クロエ】 「っ……そ、そう、だっ……も、もう良いだろうっ……もう……は、はな、して……っ」                見る見るうちに肌が晒され豊かな双丘が晒されてしまえば、声の勢いは見る間にそぎ落とされていく。擦れて広がったのか、胸元全体に痛々しいまでにべっとりとこびりついた血……それを恥じ入るかのように顔を伏せ、か細い肩を震わせていた。 23:00 hikami >【ディルク】「いや、良くは、ないね。……クロエ、君が今“どういう格好”で……誰に抱かれているのか、を先ず考えてみると良い。―――美女の半裸を前にして俺が何もしない、と思うかな?」                それこそ戯言であるが……予想外、の光景を前にしてか些か声の響きが硬い。たぷん、と、柔らかな膨らみを掌全体で弄り、その頂すらも指にかけ……耳朶へと落とす甘い、吐息               「……それに正直、ただ流れ捨て行かれるだけのクロエの血は、俺にとっては酷く惜しい。先刻の戦いで相応に魔力を消耗していてね。……“もう良い”と捨て置くには軽くない」 23:06 tuka-neko>【クロエ】 「こ、こんな風にしたのは……き、きさまだっ!?」                戯言染みた言葉とは裏腹に、洒落になり得るはずもない指の動きを感じれば、言い返す言葉に悲鳴染みた響きが混じる。耳朶にかかる吐息に……微かに思考が痺れ、一瞬ディルクのその言葉を理解できず、呆けたように緩慢に振り返り見上げて               「……っ……な……なら、ば……い、いったい……ど、どう、する、と…………っ」 23:12 hikami >【ディルク】「しかし、クロエならば如何様にも跳ね除けられただろう?それに、だ……」                掌全体、片方の膨らみを―――流血し、赤く染まりかけた膨らみを―――包み込み、無骨な指にてその形を歪める。人、と比べ幾分以上も低い体温は相手の火照りを受け、人肌、程度の温かさと成ってくれるだろう               「クロエ、君がただ悪戯に血を流し、代償、として“消耗されていくのみ”ならば……その血を俺にくれないかな?このまま水浴びをすればただ流れ清められるだけの“汚れ”程度かもしれないが……俺にとってはその一滴が生命の、ひいては消耗した魔力を補う糧となる。                ……現状では力を制限する必要があるからね。それではあの龍種に“次”に相対した時に同じ事が出来るとは限らん」 23:20 tuka-neko>【クロエ】 「ん、ぁうっ……く……」                緊張に震え熱に染まった肌は酷く過敏になっていて。柔肌に指が食い込めば掠れた吐息を……思わずして、漏らしてしまい。それでもすぐにその細い眉を顰めて               「し、しかしっ……一度、流れ出たモノ……を、どうするとっ……そ、それに……わ、私にとっては……こ、この、傷跡は……厭うべきもの、なのだっ……そ、それなのに……」 23:26 hikami >【ディルク】「流れ出たモノとて“鮮血”には変わりないのだよ、クロエ」                軽い揶揄の笑み、背後から覗き込むような姿となりつつ一度乳房から指先を外す。そうすれば裸の胸も、そこに刻まれた傷跡も……双方共に視界の中               「厭う必要はあるまい、君は聖職、だろう?―――聖人の証を厭う必要はない。女性としても……価値を減じるものではないね、モノに刻まれた証は等しく評価されるべきもの、人は“欠ける事が出来る”が故に美しい。                傷を纏い、血を流し、それでも“神”に殉じる君の姿は吸血種の俺から見ても十分に美しいものだと思うがね」 23:31 tuka-neko>【クロエ】 「違うっ!」                笑みを浮かべるディルクとは対照的に……こちらは、今にも泣き出しそうな顔。普段強気に吊り上げられた瞳、その端に、微かに光るモノを浮かべていた               「聖人の証……だと言うなら……なぜ、このような……“吸血鬼”を連想させる形を取るっ……心臓に杭を打たれたような傷跡……証など……聞いたこともないっ……聖なる証だと言うのなら……何故あの時……力を与えてくれなかったのだっ!!」 23:37 hikami >【ディルク】「“心臓に白木の杭を撃てば死ぬ”……昨今の吸血種の弱点、であったかな?生憎と俺は“その時代”以前の存在でね。最も、杭打ちそのものは古来の磔刑に最も使われやすかったモチーフ、特別な意味を“人間”が考えたとて違和感はない」                ある種淡々とした言葉、裏界に……否、忘却世界に属する以上“人のイメージ”に影響を全く受けない身では、ないのだから               「君の力の由来までは知らんがね、力、なら、あるだろう。―――我等マールブランシェは本来毒性の強い種でね。一つ、問うがクロエ」                そのまま目尻へと唇を寄せ、滲む雫へと軽く唇を触れさせ……               「……君は“人間”だろう。そうして“壊れ、厭う”自我を保った人間だ。我等が種に襲撃を受けて尚、否……“傷跡が残る程の吸血を受けて”尚その意識を保ち、神聖儀式を行使できる。―――君の信奉する神は“力のみ”を与える存在かな?」 23:50 tuka-neko>【クロエ】 「ぁ…………っ……」                目元に触れる冷たい……けれども柔らかい唇の感触にぴくんと肩を震わせ…僅かに、俯く。あの時……の事は恐怖のあまりか今では、今でも曖昧のままだけれども。それでも意識を失っていたわけでは、なかったはず。その頃はまだ神の道とはそう縁が深いわけではなかったけれども……               「……でもっ……あの時、の、ことはっ……わ、私が、招いてっ……捕らわれて、父さんも、母さんも……私のせいで抵抗も出来ずに殺されてっ……たすけ、たかったのに……なのにっ……」                堰が切れたかのように、涙が溢れ始める。霞がかかったような記憶が渦巻く中、微かに首筋の傷が、ずきりと疼き。 23:58 hikami >【ディルク】「……一つ。君を襲ったのが我が血族なのだと仮定した上での話しならば……」                抱擁の腕はそのまま、涙を流す少女の身を包み込む。半裸にしたまま、となれば随分と危ういモノだが……つぅ、と、指先が胸の合間。“傷”の上を軽く撫でた               「我が血族が現代において活動するのに“理由”は、ない。そこに聖なる血があろうと無かろうと、肉と破壊の喜びの前ではそう、変わらんものだろう。だが、ふむ―――君の体に刻まれた記憶も、痕も、無論経験も。……君の信奉する“神”が与えたモノなのだろう?                ならば恥じる必要も悔いる必要もあるまい、現に君の“今”はこうして宵闇の狭間にて異形を撃ち滅ぼす力を手に入れているのだからね。過去を変える事は何人にもできん、過ぎ去った日々を“変える”事が出来ぬ以上―――留まり停滞し、そこで思考を固着させてしまえば折角の美しさも霞む。                疵も涙も、その美を彩るモノではあるが……俺が“人間”を愛でる最大の理由はその“変化”でね。―――ならば“取引”で如何かな、クロエ。俺は君の身の一部を貰う、その代わり共に戦う際には君の味方をしよう。」 00:05 tuka-neko>【クロエ】 「ぅ……ぁっ!?っ……ぇ…………?」                つい、と傷の上をなぞる指、奇妙に痺れる感覚に小さく声を上げて。次の瞬間……するりと思考の中に滑り込んでくる“申し出”に、涙に濡れたままのどこかきょとんとした顔をディルクに向け、普段の口調がなりを潜め幼いとさえも思える声で               「……みか……た……?しんじて……いい、の…………?」                と、跳ね除けることもせず、問いかけて、しまう。 00:10 hikami >【ディルク】「無論、だね。少なくとも……」                頬へと唇を寄せるようにしつつ……そのまま舌先を蠢かせる形、擽るようにと涙を舐め取り……               「……“今この段階に於いて”……君に以前告げた“軽々しく血を吸おうとは思わない”と言う言葉を護っているつもりでは、あるがね。加えて言えば君の血を、流れ出た分も含め未だに摂取していない。                ……吸血種にとって、消耗直後の血液がどれ程甘美なものか、君はわかっていると思うがね。“そう”としている現状は証拠にならんかな?……少なくとも、美女を裏切る程に勿体無い真似をするつもりはないね」 00:18 tuka-neko>【クロエ】 「っ……ぁ……んっ……ぅ、ん……」                ぎちりと音がしそうなほどに強張っていた肩が、微かに、緩む。そのままほうと深いため息をついてカラダの力を抜き、ディルクにもたれ掛かって……肯定の意を持って、頷いてしまう。                それがどう言う意味をはらんでいるか、深いところまで理解……しきれているわけではない、だろうけれども。衝撃を受けすぎて痺れた思考は、案外安易に、甘い誘惑を……受け入れてしまった。 00:26 hikami >【ディルク】「……感謝しよう。素直に言えば……助かるからね」                そのまま、ひょい、と、相手の体を抱き上げ……いわゆるお姫様だっこの姿勢。そのまま運び行くは傍らのベットとなるだろう。ほんの数歩で足る位置、ぽふん、と、その身を横たえさせて               「……ならば今は流れ出る血を貰おう。君の温もりと共に、ね」                そんな言葉と共に、ぎし、と、軋むベットの音―――覆いかぶさった“行為”の前振りでもあったのだろう、至極無造作、その首筋へと、牙ではなく唇を押し当てようとして―――…… 00:32 tuka-neko>【クロエ】 「ぁ…………っ……っひ、ぅっ?!」                首筋に、冷えた吐息を感じた瞬間。ぞくりと……背筋を嫌な感覚が這い降りた。かつて感じたことのある感触……その中に、硬く鋭い牙のモノはなかったはず、だけれども。一気に思考をフラッシュバック――深紅に冒され、怯えた様な引きつった声を漏らし。次の瞬間               「ぃ……やぁあぁああぁあああっ!?」                長じてから……否、“あの時”以降決して発することのなかった悲鳴が迸っていた。 00:36 hikami >【ディルク】「っ―――……」                反射、ではあったのだろう。……首筋に落とす口付け、その動きは悲鳴により途切れていた               「……随分、根深い様子だね」                零れるのはそんな言葉か。ぎし、と、軋む音がもう一つ……そのまま脇にと身をずらし、己の胸元へと抱き寄せるような仕草。ある意味では添い寝、とも言えるモノではあるだろうか、そのまま宥めるようにと背を撫でようとしていた。 00:43 tuka-neko>【クロエ】 「っ……あ、ぁ、ぁ……ぁあ……っ……い、や……とう、さんっ……かあさん……あ、ぁ……でぃ、るく……っ……」                こみ上げてくる恐怖と荒れ狂う記憶に曖昧に声を震わせながら。声をかけられれば幾らか我に返ったのか、初めて、ディルクの名を呼び……それこそ、恐ろしい夢を見て親の元に駆け込む子供、のように、自分から縋り付きしがみ付いて大人しく撫でられて。                そのまま暫し……ひくり、ひくりとしゃくりあげる様に肩を震わせていた、かと思えばやがて……疲れていたのか、微かな寝息を立て始めてしまう。 00:46 hikami >【ディルク】「―――……珍しい、な」                零れるのは嘆息にも似た吐息。こと“この場面”でなくば素直に“名”を呼ばれた事に満足も出来ただろうが……そのまま数度、背を撫で、涙を落ち着かせるようにと与えるリズム。                ぽん、ぽん、と、ある意味では“不慣れな”ものなのか常の手馴れた感覚は次第に崩れ……―――聞こえる寝息、それでいっそ毒気を抜かれたのか、自らもそのまま暫しの休息の時を過ごす事に―――……