21:01 hikami >あの“少女”を拾ってから数日……幾つかの“判った事”と“判らない事”が出ていた。 21:01 hikami >“判った事”は、まさに“世界の真実について何も知らない”と言う非常に厄介かつ微妙な問題を抱えている事、 21:01 hikami >彼女の保有する能力は彼女本来ではなく“彼女の従者”に属するものであろう、と言う事。 21:01 hikami >その“従者”は近年、特異な形でウィザードとして目覚めた者が保有し始めた新種の能力であるという事。 21:01 hikami >何がしか表界でトラブルに巻き込まれた結果、幾つかの偶然が重なる形でこの世界へと放り出された、と言う事。 21:01 hikami >“判らない事”は――― 21:01 hikami >【ディルク】「……よもやこう言う局面で“困る”事になるとは思わなかったな……」                 21:01 hikami >至極単純にして死活問題とも言うべき“彼女本来の力ではなく、従者が力を保有している”と言う事実に伴い、彼女本人に戦いの術が無い、と言う事実である。 21:01 hikami >体術を仕込む事は出来るだろう、最低限の自衛をこなせる、と言う程度には仕上げる事もできるだろう。 21:01 hikami >しかし根本的に膂力も持久力も、こと戦闘行為として行わせるには圧倒的に足りていないのだ。 21:01 hikami >寧ろ適正、と言う意味では魔術の分野……世界の事象を歪め行使する側、だろう。 21:01 hikami >現に“従者”の保有する能力は幾つかの切っ掛けを元に勘案するに“魔術”に属するものだろう事は判断、ないしは調べがついている。 21:01 hikami >―――だからこそ問題、であった。 21:01 hikami >己にとって魔術とは自己の発露であり、血に宿る呪い、力、そういったものをただ表出している、と言うだけに過ぎない。 21:01 hikami >呼吸の仕方や歩き方を教えるのが困難であるように、自然に“できてしまっているもの”を人に教えるのは困難を極める問題なのだ。 21:01 hikami >かといって……無碍に放り捨てAAAの訓練プログラムに無造作に放り込む、と言った“粗い”やり方を好まぬ程度には美学と矜持が邪魔をしていた訳で―――…… 21:01 hikami >…………………… 21:01 hikami >……………… 21:01 hikami >………… 21:01 hikami >…… 21:01 hikami >… 21:01 hikami >【ディルク】「支度は、出来ているかな?」 21:01 hikami >問題となる少女、優希の部屋の戸口を数度、ノック。 21:01 hikami >仮住まいとはいえ自分の部屋をいつまでも明け渡し続ける訳にも行かず、急場の、と用意させたラヴィスパレス内の一角に用意させたメンバー用の一室。 21:01 hikami >結局は“無造作に他人の元へと放り込む”前に“己の中で心当たりのある人物”へと一度話を持ちかけてみる、と言うステップを踏むべく、少女の部屋を訪れていた。 21:04 Ryumaco >【優 希】 「……」                ノックとともに聞こえた声に一瞬このまま居留守してやろうかと思う。 21:06 Ryumaco >【優 希】 「……」                アタマを掻く。そこまでする必要もないし、大体うっかりかれは恩人で、今回もその関係なのは話を聞いている。何をするかまでは知らないけれど               「あいてるよ」                だから、そうこたえた 21:10 hikami >【ディルク】「……ふむ?」                ある意味ではいつも通りか。……そろそろ慣れてきたその対応には無造作、扉を押し開けて部屋へと入り込む               「―――やはり、か。いや、その姿も幾分か優希らしい、とは思うがね。折角の性別を楽しんでは如何かな?」                見えるは男装、と言うよりも男物、の装いか。入って直ぐ、廊下とも言えぬ通路へと佇んだまま               「……まぁ、準備が出来ているのなら問題は無かろう。生憎と先方との連絡がついて居なくてね、心当たりなら幾つかはある事だし、一先ずはギルドハウスへ向かおうと思うが……“出かける”準備は良いかな?」 21:13 Ryumaco >【優 希】 「なんだよ、やはりって」                値踏みされてる用な気がして思わず身体を隠すような仕草               「そんなのボクの勝手だろっ」                この間のセクハラまがいの事件を思い出し警戒してしまう               「別に、そんな特別ほしいものってないだろ?」                 21:16 hikami >【ディルク】「俺は君の事を想っての提案だよ、優希。―――忘れては居ないと思うが、君の“その格好以外”も俺は見ているからね。                素材は十分に美しい、着飾れば立派な“女性”になれると思うがね。まぁ、今は“女”としての君を誘うのではなく下準備……“ウィザード”としての君を誘いに来たのだから、その格好でも問題は無い。                万が一、を考えれば動きやすい方が良いだろうしね」                なんて言葉と共に無造作、否……自然に伸ばされた腕。おいで、とでも言えば気障度は数段上がるだろう仕草か。 21:19 Ryumaco >【優 希】 「……ラプソディ」                ぼそりと呟くと影のうごめく気配。その顔はほんのり赤く、目は釣りあがり。警戒が羞恥へ、そして怒りへと徐々に転嫁していく               「……ふんっ」                その最後の慣れた仕草に少し毒気が抜ける。その一転を除けば好意でしてくれていることなのだ。そこまで不義理な性格じゃあない 21:23 hikami >【ディルク】「ふむ……?」                言葉の響きに移ろう魔力、その揺らめきに以前感じた“不自然”さは、無い。その分追加された違和感、はあるが……               「……“ソレが出来る”のならば好都合、専門家とは言えぬがね、これから逢いに……いや、正直に言えば“探しに”行くのは君と同じウィザードでね。                恐らく彼女の能力は自己研鑽の賜物、理論的な魔術、と言う意味では余程俺よりも卓越している。優希が使い切れぬ能力もどうにかなるかもしれないからね。」                無論、悪びれた様子など皆無どころか、恐れた様子すらも無い               「……では、行こうか?余りのんびりしていてすれ違いとなっても面倒だからね」                 21:25 Ryumaco >【優 希】 「……魔術……?魔法と何か違うんだ?」                へぇ?と声にして               「じゃあ、あれ?魔術師とかそういう類?これから会いに行くの」                ここにきて魔王だなんだと出会っていると感覚が麻痺してくる。その中でまだ比較的自分の常識に近い存在奈だけに違和感を覚えて               「……やっぱこー、黒ずくめのお婆ちゃんとか?」                 21:30 hikami >【ディルク】「いや、そう違う物ではない。此処の趣味によるね、ただ俺は“魔法”と“魔術”にある程度の分類を置いているに過ぎん。                “魔を繰る術”であるからこその魔術、それを“法則”と読み替えれば“魔法”になる、その程度の違いだな。君に必要なのは“術”であると感じての事、そう気にする事でもない。                ……いや、優希の場合一度にそこまで飛ばしてしまうと混乱されかねん。異界の女性(ひと)ではあるが研究熱心な側にも心当たりがあるが……寧ろ今の君に必要なのは導きだろう。                俺がその役を担う事も出来るが……君を魔に堕とすのは少々勿体無い。」                するり、と、そのまま自然な動作で肩へと手を回す……それが当然、とでも言うかの動作、ある程度の触れあいを保ちつつも歩行に支障の無い微妙な距離、それこそ、慣れ、だろう               「……いや、恐らく君と歳も近い。そう離れては居ないだろうね、実際の年齢を聞いた訳ではないが“少女”とも言える。君よりも年上、ではあるがね」                 21:32 Ryumaco >【優 希】 「〜〜〜」                こめかみを揉む。タダでさえ日々新しい要素を記憶しなきゃいけない状態。それも、難しいのはもうたくさんだーと投げ出したくもなるような、そんな。               「……へ?それで魔術師、なんだ?」                 21:36 hikami >【ディルク】「……いや、シスター、だね。言ったろう?君に必要なのは一足飛びに知識を吸収する手順ではなく“導き”だと。                秘蹟の側は兎も角それ以外の……ふむ、君にとっては違和感のある言葉かもしれないが“一般的な”魔術、と言う物はある程度の共通要素を持つ。                ……まぁ、この辺りは以前も軽く説明したが、生憎と俺はその行使方法には詳しくない。“判りそうな者に逢わせる”と言うのが用件、と思って貰えば構わんよ」                そんな仕草のままに再度、扉を開く。ラヴィスパレス内……両端は認識できても“此処が何階であるか”の認識しづらい空間へと。 21:39 Ryumaco >【優 希】 「シスターって…“あの”シスター?」                目の前の男は確か吸血鬼だったはず、なんだけど……               「犬猿の仲、とかじゃないの?普通」                導かれるままに外に出る。そしてそこでふと考える               「ソレを乗り越えた…とかって仲?」                マンガや小説にありそうなネタだなあ、なんて思う 21:45 tuka-neko>【クロエ】 「…………」                扉を開けたディルクと優希の目の前を一人の小柄な“シスター”が歩いていく。どうやら、依頼で出かけていたのだろう、その表情は些か疲労に染まり。                それ以上に身にまとった修道服は裾や袖がじっとりと水分を含み、どこかで引っ掛けたのかあちこちをほつれさせて、なんとも酷い状況。                それでも背筋はぴんと伸び視線はまっすぐ前に向き足取りによどみはなく、とはいえそちらにまで気を向ける余裕がないのか、扉を開けた二人には気づかないまま歩みを進めていた。 21:48 hikami >【ディルク】「…………さて、此処まで“丁度良い”といっそ……そう、神の導き、とでも言おうかね」                そんな光景に零すのは小さな嘆息……同時に軽く、と抱き寄せていた優希の体を手元に引き寄せ戸口から歩み出る               「クロエ、丁度良い。話が―――……」                言葉を向けるものの素通り、気づかぬのか、果ては疲れか、よもやあっさりスルー、などとは……               「……まぁ、今の女性が目的の相手だ。ギルドハウスに向かう手間は省けたがね、追うとしよう、逃すと再び探すのが面倒だからね」 21:48 Ryumaco >【優 希】 「……へ?」                その後姿を目で追う               「さっき年上って言わなかったっけ?」                促されるままそのあとを追う 21:56 tuka-neko>【クロエ】 「……っ!?」                二人には気づかぬそのまま。足音もほとんど立てず廊下を歩く。その道筋は……二人がよくよく知っている、モノ。                というか、最終的にはディルクの部屋の隣で歩みを止め、部屋の鍵を取り出そうとして、そこで漸くに二人の姿に気づく。                年齢不相応な顔立ちに一瞬驚愕が浮かび。次の瞬間、色々思い出してしまったのか見る見る顔色を真っ赤に染めて、怒りに肩を震わせはじめて。 21:59 hikami >【ディルク】「……これも“偶然”と言うべき、かね」                今まさに相手が入ろうとしている場所、手順を踏み進んだ結果……そう“ふりだしにもどる”というのが相応しいわけで               「丁度良い所ではあったがね、クロエ。御機嫌如何かな?」                恐らく問う、までもないだろう。それでもとすんなりこうした言葉が出るのがこの男が故の豪胆さか。クロエに相対した所で優希の肩から腕を解き、一歩先んじる様にと進んだ。 22:03 Ryumaco >【優 希】 「ってちょっと何してた!?」                ちょっといろいろ考えてたせいで今さら肩に手を回されていたことに気付く               「か、関係ないからな!?」                思わずクロエにそういってしまう 22:05 tuka-neko>【クロエ】 「き……貴様……っ……何故ここにっ……よくも私の前に姿を顕せたものだこの痴れモノめっ!」                微笑を浮かべたディルクを、こちらはきりりと眦を吊り上げて睨み付ける。その唇から飛び出した言葉は、シスターというイメージからはおおよそ不似合いな怒声を上げて               「……いったいどこでかどわかしてきた」                一転、視線を優希の方へ。そちらに向くときは厳しい表情のまま、ではあるもののまるで仮面のようにディルクへの怒りはなりを潜めている 22:09 hikami >【ディルク】「痴れ者、とは随分だね、クロエ。事情の説明ならば一度果たした―――と、言うよりも“誤解である”事は解いたと思ったがね?」                寧ろこの言葉のやり取りだけ、ならば随分と危ういモノか。……もっと不味い事にはその怒声に臆するどころか、返す言葉も“慣れて”居る所だろう               「何、と言うのもおかしな話だね優希。言ったろう?“逢わせにいく”と。美少女をエスコートするのならば当然の事だからね」                これ、も両者にとって悪化要因だろう。しれっとした動作のままに半身をずらしクロエの側からも優希の姿が見えるように、と               「……ふむ、詳しく説明をすると少々長いがね。クロエも報告は読んで居ないかな?“街中で倒れていた少女を保護した”と。                ……彼女がその少女、優希、だよ。そして優希、この人がシスター・クロエ。……まぁ、目的の相手、と言う事になるね」 22:12 Ryumaco >【優 希】 「……すごい納得したんだけど?ボク」                痴れ者。この悪びれずいけしゃあしゃあとのたまうこの男にはなんていいえて妙だろう。               「美少女って」                そこでクロエをみる。自分より小柄。そして可愛い、の表現の似合う容姿               「……まあ、可愛いよね、このコ」                自分のことなんて欠片も思わない 22:20 tuka-neko>【クロエ】 「ふん、一応、貴様が人間に敵対していない吸血鬼だということは、理解している。だが、先の言葉は貴様の言動動向を見た上でのモノだ。撤回するつもりはない」                再びディルクに視線を向ければそれは不機嫌を通り越して剣呑ともいえる気迫を纏う。が、優希の紹介をされればその表情はいくらか緩み               「彼女、が……?まだ子供ではないか」                と、呟く。日本人が幼く見える、というのはよく聞く話ではあるが。……ともあれ、優希の言葉を聴けば見る間に渋面が浮かんで               「……何の用事があるのかは知らんが、私にとって貴様の頼みごとなど聞き入れる必然性はない。失礼する」                と、可能な限り平坦な声音でそう言い放ち。身を翻して部屋に入っていってしまう。 22:25 hikami >【ディルク】「それこそ心外だね、クロエ。俺は君に対しても、勿論優希に対してもだが……“美少女に対する扱い”をしているつもりだがね。等しく愛でるべきもの、との認識は変わって居ないよ」                人事、のように言う優希への返答も兼ねての言葉。淡く笑みを浮かべるのは相対する構図、としては少しばかり白々しいモノがあるだろうが               「―――ふむ、直情傾向なのはシスターとしては失点だと思うが……如何かね?」                まさに取りつく島もない、といった所か。ややの疲労を覚えて優希へと言葉を向け……戸を数度、ノック。来意を告げると共に               「“俺の”と言うよりも君にとって、さらにはAAA全体にとっての関心事だ。個人のもの、で受け入れ辛いのならば組織のもの、と考えて構わんよ。一先ず用件を聞いてからでも―――」                その言葉と共に無造作、入ったばかり、の過信からノブへと手をかけ、がちゃり、と、戸を押しあけようとした。 22:28 Ryumaco >【優 希】 「子供ってなにさ!」                クロエの言葉に声を上げるが背中にも届かずドアが閉まる               「め、愛で……?」                その言い草になぜか頬が赤くなる               「ディルク、アイツに何しでかしたのさ?相当怒ってんじゃん」         なんとも無用心なことに、というか今の対応ですっかり頭に血が昇っていたのか扉に鍵をかけ忘れていて。         ノブを捻ればなんともあっさりと扉が開いてしまう。もっとも、二人が話している間にさっさと奥に引っ込んだのか、扉を開けてもそこには人の姿は見えず。         ただ……微かに衣擦れの音が、聞こえてくるかもしれない 22:35 hikami >【ディルク】「……だから言ったろう優希。君は“その格好”では聊か幼い、もう少し歳相応に飾れば“子供”ともならぬだろう。」                そもそも“年齢”に対してこの三者はそれぞれが全く違った発想である、と言う大前提を見事に置き去りにした言葉、                ノブを回す動きは止めず、そのまま、己の居住地と同じであるが故に慣れた自然さで戸を開いてしまって               「大した事をした覚えは無いね、先ほど優希も言ったとおりの事、吸血鬼と聖職者は本来相容れぬ、その思考があるが故の誤解を受けただけ、だろうが―――さて、クロエ。聖職者が迷える少女を見捨てるのかね?」                無論糾弾の響きではなく、冗談、の風合いを含む揶揄。そのままの足取りで再度優希を“連れ込んで”しまおうとしていた。 22:37 Ryumaco >【優 希】 「なんだよそれ、そんなの勝手じゃん」                ディルクの言葉に唇を尖らせ               「あれ、この音……?」                かすかな音に気付いた               「ちょ、ディルクストップ……っ」                だが時既に遅し 22:41 tuka-neko>【クロエ】 「……………………………………ぇ……!?」                優希の言葉に振り向いた時には、もう、色々遅すぎた。ベールも頭巾も取り払われ腰まで垂れた長い金髪が、その動きでふわりと踊ってその姿をさらしてしまう。                些か野暮ったくも見えるブラウスとドロワーズの上を、自身が吸い込んだ湿気の重みでボタンを外された修道服は見る間に滑り落ちてゆく。                あまりといえばあまりの展開に、見事に凍り付いてしまい。思わず、“明らかに晒されているであろう”首筋の傷跡、を隠すのを忘れていた。 22:47 hikami >【ディルク】「……―――ふむ……些か性急ではないかね、用事がある、と言っているのだから少しぐらい待つ余裕はあって然るべきと思うが、如何かな?」                言わば下着姿一歩手前、だが、元貴族である事も相まってかそう“気にした”様子は無い。寝具として愛用していた侍従も居る程度の格好に動じる程初心、ではなかった。―――寝巻き扱い、であるが故に目をそらす、と言う意識も同様に無いわけだが               「しかしクロエ、君は……否、どう、と言ったものかな。“それ”は、最近のものかな?」                示すは首筋の痕、問いの口調は平静の余裕、と言う以前に疑問、が滲み出していた。 22:47 Ryumaco >【優 希】 「あっちゃぁ……」                ま、まあボクは悪くないよね?そんな内心の自己弁護               「って……」                目に映る首の噛み跡               「……あ。あー……やっぱり……」                うん、予想が当たった。っていうか自分ここにいるの場違い? 22:51 tuka-neko>【クロエ】 「な、な、な……っ?!な、なぜ、き、きさま、こ……か、かってに、はいるなどっ!?!?」                着替えの最中だというのに、平然と部屋に居座るディルクの物言いに、思わずなんと言ってよいのかもわからなくなって。                とりあえず……あわてたようにシーツを引き寄せ、小柄な割りに豊かな胸元から隠すように抱きしめ。……その次の台詞に再び表情を凍りつかせる。いまさら、ではあるものの慌てて首筋を押さえて隠し               「っ……き、貴様には関係ないっ……た、ただの、古傷だっ!」                優希の勘違いにも気づかぬまま。殊更に大きな声を出して。 22:56 Ryumaco >【優 希】 「なぁ、席、はずす?」                勘違いしたままで               「って……」                でかっ、っていう言葉は飲み込んだ               「惚気とかチワゲンカとか別でやってほしいかなーとか」 22:57 hikami >【ディルク】「ノックはしたと思うがね、それにその姿ならばそう隠す程でもあるまい、コートを脱いだ程度、そう恥らうモノでもなかろう」                それが主張、である。眼福である事には代わりないが……そこはそれ、一応“真っ当な”用事があるのだ。しかし……               「……ふむ、何を如何勘違いしたのか、までは判らないが……惚気でも痴話喧嘩、でもないね。幸運な偶然が重なって目的の相手が目の前に居る、と、ただそれだけの事。                しかし―――そうだね、クロエが気になる、と言うのなら少し外そうか。衣服を整える時間を待たぬ程危急の用件でもない。……話は、聞いてもらうがね」                 23:06 tuka-neko>【クロエ】 「な、な、な!?!?だ、誰が吸血鬼なぞとっ!私は吸血鬼という存在が大嫌いなのだっ!」                優希の勘違いを含む台詞に、漸く気づいて、更に怒鳴り散らし               「っ……気にするに決まっているだろうっ!ノックをしたからといって返答もないのに入ってきてよいとでも言うのか?少なくとも私は“招いて”なぞいないっ!」                勢いがついてしまったのか、ディルクにまで食ってかかり始め               「っ……!……い、い、言うより前にまず行動で示せっ!?!?」                その言葉が、ある意味止めとなったか。そのままぺたりと、へたり込んでしまう。 23:08 Ryumaco >【優 希】 「違うの?」                ディルクを見あげて               「いやまあ、デリカシーとかないよね、ディルク」                横でうんうんと頷いてる 23:10 hikami >【ディルク】「さて、その言葉には些か思う所がないとは言わんが―――まぁ、良いとしようか。それを言及していては進む話も進まん。                君の信念、いや……“トラウマ”とでも言い換えようか、その障りになる部分だろうからね。最も“俺個人”を“吸血鬼”との枠組みのみで判断されるのは心外だが―――まぁ、見ての通りだね。                優希、君の判断、いや、勘違い、と言わせてもらおうか。君の勘違いが“当たって”いる様には見えぬだろう?」                此方へも突っ込みは特に、ない。行動で、の意に沿う様にと背を向けて               「話は、聞いてもらうよ、クロエ。……同性ならば問題なかろう、一先ず、満足のいくだけ“隠した”ら、呼んでくれ」                そのまま、戸の外へと向かった。 23:12 Ryumaco >【優 希】 「んでも、あれ(首の傷)ってそういうこと、じゃないの?」                吸ったのはディルク、と想っているらしい。このまま残ってもなんだか会話のしようがなさそうでディルクとともに外で待つことに 23:18 tuka-neko>【クロエ】 「ぁ…………っ……」                二人が部屋を出て行き、扉の閉まる音がすれば……小さくためいきをついて。こうなってしまった以上は、と、早々に着替えを再開する。                ……優希も出て行ってくれたのは、ある意味僥倖、かも知れない。ついこの間のクーとの会話を思い出し時折胸元を押さえながら。                なれた様子で洗濯された肌着と修道服に着替え、きちんと髪もまとめ頭巾とベールをかぶり。内心はともかく外面は体裁を整え扉へと向かい、呼べ、とは言われたもののこちらも部屋の外へと出て               「終わった」                と、短く言い放つ。 23:22 hikami >【ディルク】「……いや、ここ100年程“人の血”は吸っていない。優希になら判るかな、あの“輸血パック”と言う保存食で如何にかしているからな」                やはりそう、と捉えられたか。此方は自分で無い以上―――予測は、出来る。それでも血族の気配が、無い……その謎めいた部分に思考の一部を占めて居たのだが               「……ふむ、では、改めて邪魔をするよ、クロエ」                再び扉を開き、中へと入り込む。今度もまた、優希の肩へと手が自然に回されかけている辺り最早、癖、か。 23:24 Ryumaco >【優 希】 「違うんだ?輸血パックってマンガみたい」                じゃあクロエが噛み付くのはなんだろう、裏返し?なんて想う               「壬土優希」                ディルクに続けて自己紹介し               「……ってディルク、これ、何」                その手をじとーっと見る 23:27 tuka-neko>【クロエ】 「……クロエだ。それから貴様、何を勝手に扉を開けている?吸血鬼と軽薄な男をそうそう簡単に部屋に入れるとでも思っているのか?」                名乗られればこちらも短く己の名を名乗る。姓、はない。そんなもの、とっくに風化してしまっている。と、部屋の扉が開く音に慌てて振り返り。               「まるで部屋の主」                であるかのように振舞うディルクに、こちらも冷たい視線を向けていた。 23:34 hikami >【ディルク】「まんが、と言うのが何を指すのかは判らんが……対人吸血を行った場合多少なりとも体調に影響がでない、とも限らないからね。それを避けての事さ」                扉を開けつつの軽い返答、それでも常のもの、ではなく……意図して“軽く”したもの               「何、君が其処にいるのだからね、先ほどまで居た場所に戻ってきただけの事だよ。“呼んでくれ”と、言ったろう?」                しれっとしたもの、である。そもそも先刻の闖入こそが事故以前、ではあるのだが―――さておき               「……では問うが。クロエ、君は“俺の部屋”に来たいかね?幸いにも隣、移動の手間はそうないからね、君がそう、と望むのならば一向に構わんよ。今日の用件は俺ではなく寧ろ優希の側……そう繕ったもの、でもないからね。」 23:36 Ryumaco >【優 希】 「やっぱ吸うと吸血鬼になるの?」                素朴な疑問を返しつつ               「そーとー怒らしてるなぁ。謝ったら?」                 23:40 tuka-neko>【クロエ】 「外ではし辛い話か?」                自分の部屋にディルクを入れるのは嫌。かといって逆にディルクの部屋に足を踏み入れるのもまた然り。結果、質問に質問で返すことになってしまって。そうしながらも優希の疑問が耳に届いたのか               「ウィザード等はいくらか抵抗力もあるようだがな。基本的には血を吸われれば眷属に、なってしまう。ああ、あと例え謝ったとしてもあのような破廉恥な真似をしでかされては許すつもりなど毛頭ない」                と、ついぞ余計なことまで言ってしまう。……思い出したのか、微かに頬が赤い。 23:46 hikami >【ディルク】「“その可能性はある”ね。最も……吸う側と吸われる側、双方が“気をつけて”居れば済む話だがね。                ……まぁ、事故が有り得る以上万全ではない、故に回避を採る、と言うのが方策か。最も、力を抑制したまま戦いを続けられる程楽な仕事であって貰いたいもの、だがね」                事実、相応の制限が掛かっている事は否めない、振りぬき損ねた鎌の一件を含め……万全ではない、と言うのは昨今、自覚している               「それと、謝罪を含む程の事をした覚えはないね、まぁ―――外、否、ラヴィスパレスの廊下でもそう問題はない。                此処に訪れるのはほぼAAAのメンバーだからな、それに、用件そのものもごく手身近に済む。―――クロエと優希が承服してくれれば、だがね」                 23:48 Ryumaco >【優 希】 「ふぅん」                クロエとディルクの言葉に相槌を打つ。地味に難しいけど、そういうもんだというのはわかった               「いやどこでもいいけど、立ち話ってのはどうかなーって思う」                 23:51 tuka-neko>【クロエ】 「………………私としては早く済ませたいところ、なのだが。まったく、仕方がない」                ディルクの言には色々といいたいことはあるようだが、今はとりあえず、飲み込んでおく。やがて小さくため息をつくと……自身の部屋の扉に鍵をかけ、すたすたと隣、ディルクの部屋の扉の前まで移動して、そこで振り返る。                言葉に出すのは業腹なようだが、どうやら話の場所として、自分の部屋以外の手近な場所、を選択した模様 23:56 hikami >【ディルク】「そういうもの、だね。まぁ―――これも長くなる。興味があるのならば別の機会に、としようか」                優希の言葉、理解、はしても納得、はしていないであろう反応に向けたのはそんな補足―――……外へと向かえば今度は此方、鍵、は掛かっていないのか隣の扉を無造作に押し開いて               「適当な所に座って貰って構わんよ。とはいっても調度の揃えは今ひとつ、椅子の数が些か足りないがね」                それこそ余計な一言か、ベット脇の柱に背を預ける様にと、早々に座る事を放棄していた。 00:11 Ryumaco >【優 希】 「おじゃましまーす」                と言ってしまうのは庶民ゆえか。書き物机の椅子を見つければそれに前後逆に座る               「んで、えっと、何するんだっけ?」 00:15 away-neko>【クロエ】 「…………」                二人が先に部屋に入ってゆけば。こちらも後を追うように無言で続いて。立ったまま、壁にもたれ掛かることもせず挑むように腕を組んで、ディルクと優希を見据える。                そんな格好をすれば……当然といえば当然。こんな状況でもなければディルクのいい“目の保養”になるだろうが……少なくとも本人は大真面目で、二人が話し始めるのを待っている。 00:19 hikami >【ディルク】「…………ふむ」                無論、視線はその双丘へと注がれている訳だが……それも僅か。“用件”を思い出せば視線を優希の方へと向けた               「さて、端折れる説明は端折ろうと思うのだが……クロエ、確認しておくが“この少女の事”は聞いているかな?いや……“路地に倒れていた、未知の能力を行使する少女”と言い換えよう。                ……一応の報告は提出したがね、未だに仔細は掴めていない。現状では正式に交付されているか如何かも確認していない―――不確かなものを曖昧なままで流布するのは美しくない以前に優希の身の安全、と言う観点でも余り、好ましい事ではないからね」                 00:22 Ryumaco >【優 希】 「ん、まあそゆことで」                頬をぽりぽりと掻く               「よろしく」                 00:26 away-neko>【クロエ】 「一応、詳しいことまでは知らんがな。聞いてはいる。詳しいことは知らんが、あちら、では新しい型のウィザードも生まれているようではあるが……どう、なのだろうな?                実際に見てみないことには、何とも判別がつけようもないが…………(稀に、ではあるが真面目に事を進めることもあるようだな、この男は……」                珍しく真面目な態度、にもみえるディルクに、内心そんなことを思いながらも……細い眉根を寄せて考え込みはじめて 00:31 hikami >【ディルク】「だ、そうだ。―――しかし流石に“此処”で力を使わせる訳にも行かん。優希の力は何、と呼称したものかは迷うが……どうにも音を媒介とする様でね。                属性も癒しや守護ではなく破壊に属するもの、指向性にも些か問題がある以上、何の防備も保護も成されていない室内で放っては後々の面倒にも繋がる。                ―――その力それ自体も問題、いや、解明すべき点ではあるのだが、それ以上に致命的な点がある。                ……ウィザードとしての自覚も実力も、全てが0の状態でね。基礎知識ならば教え込む事もできる、護身用の体術も同様だ。しかし、見て判る程度の筋力量でね。特質は“魔術”にある、と踏んでいる。……此処までは双方、構わないかな?」 00:33 Ryumaco >【優 希】 「なんかボクのってそうらしい、ねぇ。AAAのひともなんか困ってた。そーいえば」                背もたれに顎を乗っけて               「音を媒介にするっていうか、アレ、ラプソディが歌うからそんな感じで意識すると動かしやすいってくらいかな?」                感覚でつかんでるだけに説明が曖昧 00:36 away-neko>【クロエ】 「人のいない場所に連れて行って……というわけにも、いかんな……ああ、そこまではわかった。そして、私もまた“魔術”に適正のある体、だな。わざわざ私に話を持ってきたのだ。そういう、話なのだろう?」                と、そこで優希へと視線を向けて               「……音……か……ラプソディ?」                この状況にはそぐわない単語……おそらく固有名詞なのだろうと踏んで、首を傾げて問いかける 00:45 hikami >【ディルク】「その通り、彼女と俺の遭遇時点で彼女の従者……ラプソディ、と名づけた様だが……は文字通り“歌って”居た。さて、クロエになら実感として判ると思うが……                如何に街中で十全な戦闘態勢を敷いていなかったとは言え、錯乱状態の無作為攻撃で“吸血鬼に危機感を抱かせた”と言えば程度の程は判るだろう。指向性を定める事さえ出来れば十二分に“ウィザードとして”の使い道には足る。                ……問題は“それ以外”だね。優希は“歌わせる”―――つまり“従者に頼った行動”は取れても当人の身を護る魔術技法の心得がない、加えて言えば月衣やそれに属する飛行技法その他、簡単な魔術も習得していない。                ―――言うまでもないが俺は“吸血鬼”だな。……俺は幾つか魔術の心得があるが、それは全て“血に宿る呪いの開放”か“血を元にした魔力をただ単純に取り出しているだけ”                “人間の扱う魔術”には心得がない、理論、理屈、そういった“人に教えられる知識”が無い。端的に言おう。―――そうした方面の教育を優希に与えてやって欲しい。                無論、基礎教程はAAAにて施される事に成っているが時間外、課外に於いて問われても俺では答える事が出来ん。そうした場合のフォローをしてやって欲しい。―――用件はこう、だね」 00:47 Ryumaco >【優 希】 「?」                きょとんとディルクの言葉を聞く。それがどれほどの意味か理解してはいない               「まあ、なんだ。ボクはあの黒いのを殺せればそれでいいんだ」                 00:53 away-neko>【クロエ】 「……放っておいて……面倒ごとに巻き込まれても厄介、だからな。貴様が持ち込んできた要件、ということで気に食わなくはあるが……引き受けよう」                事情を知れば……それはディルクから持ち込まれた案件、というだけで、以前から気になってはいたこと。協力するのは……心情を勘定に入れたとしてもやぶさかではない。ゆっくりと、優希へと視線を向けて               「……基礎の基礎もできていない、か……ふん……ユーキ、予め言っておくが……一度引き受けたからには、お前が泣こうが喚こうがこちらも手を緩めるつもりは……ないからな?覚悟を決めておけ」                殺す、という言葉を、何とも軽々しく扱う、緊張感のないように見える少女に些か苛立ちながらも、きっぱりと……そう宣言した。 00:59 Ryumaco >【優 希】 「別に。それで力が手に入るんならね……まあ」                ちろっとクロエをみて               「教える側の問題とかでなきゃだけど」 01:00 hikami >【ディルク】「何、AAAの“同胞”として捉えての教授依頼、としても構わん。偶然とは言え拾った、のは俺である以上ある程度の面倒を見ねば無責任だろう?」                等と、常と同じ気楽さ、気安さ……軽く、と捉えて良い程度の音として乗せていた               「―――それも構わんよ、元より“訓練”で泣きを見る程度が魔術行使の心理研鑽には程好いとも聞くからね。心的動揺の要因は少なくとも一つ以上抱えている、のは……まぁ、今の言葉でも判るだろう。                で、ある以上ある程度“精神鍛錬”も施してやるべきだろうからな。精神修養、ならばそれこそ君の得手だろう、クロエ。“聖職者”であるのならば―――積んでいると判断した。                これ以上に適任として信用できるアテも思いつかなかったのでね、引き受けて貰えるのなら、有難い限りだ。」 01:13 tuka-neko>【クロエ】 「……教わる側に問題がある場合もあるがな……」                と、小さく優希の言葉に答えながらもディルクを振り返り。               「それでは、ユーキ・ミヅチへの魔術教授の件は確かに承った……精神修養……は、まあ、“講義”を受けていれば嫌でも身につくだろう……」                そうつぶやいた瞬間。一瞬だけ、その表情から渋面が消える。自分の修行自体を思い出したのか……怯えたような懐かしそうなそんな複雑な表情を浮かべてしまって。 01:14 Ryumaco >【優 希】 「精神修養……?」                めんどくさそうな言葉にうぇ、と声にだしてしまう               「そっちこそみてろ?ほえ面かかせてやるから」                にや、t不適にクロエを見る 01:18 hikami >【ディルク】「……ふむ、どうやら“問題はなさそう”だな」                ひょいと軽く肩を竦め、口の端に浮かべるは微かな笑み。壁に寄りかかる動きから一転身を起こし……空いたままのソファへと片腕を乗せ、体重を預けた               「……さて、では軽く“慣らして”みるかね?幸いこの時間ならば訓練場も空いているだろう、優希の“歌”の実演を此処でするのは不味いが、あそこならば被害は出ないだろう。                ―――暴走したとて今の優希ならば“防衛手段”にも乏しいからね。先に実力を測っておくのも良いだろう。―――と、言うわけで、だ。                クロエ、この後に時間があるのならばもう少し付き合って貰えるかな?礼に食事を用意させたい所ではあるがそれにしても間があるからね、食前の軽い運動も良いと思うが、どうかな?」 01:24 Ryumaco >【優 希】 「ふぅん?思い切りやっちゃってもいいんだ?」                挑発的な表情でクロエを見ながらそう嘯く 01:24 tuka-neko>【クロエ】 「貴様との食事、なぞ御免蒙るがな。生意気な口を叩く“後輩”がどれほどのものか、見せてもらおう」                悠然とそう言い放ちながらも、口元に浮かぶのは……珍しいことに、笑み。それも……優希に挑むような視線を向けながら、口元には不敵な笑みが浮かんでいて。                ……この段になって、漸く……といった様子で組んでいた腕を勢いよく解く。……それまで窮屈に押さえ込まれていたのが苦しかったのか。その表紙に双丘はふよん、と目に見えてゆれ踊ってしまったり、する。 01:25 Ryumaco >【優 希】 「……なぁ、ほんとに手加減しなくていいよね?」                それを目にして思わずそう口走る 01:27 tuka-neko>【クロエ】 「まあ、死なない程度に、というところだな……む……どこを見ている?」                と、優希の視線に気づいたのか……わずかに首をかしげて 01:28 Ryumaco >【優 希】 「うっさい!この乳お化け!」                言うに事欠いてそんな暴言 01:30 tuka-neko>【クロエ】 「な……っ!?な……?!こ、こら!?いくらなんでもそういうことを口走るなというかこんなもの余分な肉の塊だ重くて仕方がないっ!!」                と、こちらも気が動転&頭に血が昇ったのかそんなことを、のたまってしまい 01:31 Ryumaco >【優 希】 「それはあるものの余裕かこのー!?」 01:31 hikami >【ディルク】「ああ、恐らく“思い切り”やる位で調度良いだろうね、優希の場合下手に加減をしよう、とは思わない方がいい。……蛇口の水とて全開にしてしまう方が適量を量るよりも簡単だろう?」                何やら二人に芽生えたらしき対抗意識、予想外の結末ではあるが“都合が良い”とは言えるだろうか               「―――まぁそう言うな。頼みごとをした“礼”を返さぬのも気分が悪い、長々と引き摺るよりも手早くやり取りしてしまった方がクロエとの“貸し借り”は……クロエにとっては都合が良いと思うがね。                俺とて余り“借り”を置いておくのは少々座りが悪い―――おいそれと声をかけづらくなってしまうからな」                恐らく最後の一言は余計、だろう。揺れる膨らみへと視線を向け……そのまま、優希へと視線               「……さて、行くとしようか?」                ―――この男にしては珍しく、コメントが無かった。そう、その程度には“微妙な心境であるだろう”予測はついた、何より……甲乙を感じぬ身とはいえ、口に出せる空気でもなかったわけで―――                “そう思わせる”だけの道中、果たして訓練がどんな結果になったか、は……恐らく、聞かない方が身のためだろう。そう……                           ―――いろんな意味で。