■キャラクター作成 PCは南西海に浮かぶ島、ハヴレに住む魔法使い見習である。 土地柄や文化の両面から他の地域における魔法使いとは異なり、その一挙手、一投足に至るまですべてが魔法となる特別な存在である。 ▼キャラクターの外見 南西海諸島は混血が進んでおり、他の地域のように巨人族、妖精族などが明白に分かれていない。 そこで、キャラクターの外見から、どの種族の血を引くのか決定する。 (本来はある種族の血を引くからこのような外見を成す、のであるが) 身長:大中小、の三段階がある。年齢に比して、であり子供だから小、大人だから大。とはならない(大は2m以上を想定している)。 体格:華奢、繊細、中肉中背、豊満、肥満、筋肉質の6種類がある。 髪質:巻き毛、直毛、無毛の三つがある。 以下の三つはそれぞれの色を決定する。 髪:(未定) 肌:(未定) 瞳:(未定) なお、すべての項目において、特異な外見が存在し、別項目を参照する。 多くは魔族が有する。 以上の結果から表(作成中)を参照し、自分の種族と魔数を決定する。 ▼キャラクターの能力 6.愛、5.憎、4.喜、3.怒、2.哀、1.楽、0.無名、−.体力の8つのパラメータに10〜20までの範囲で、90を割り振ること。 その数値が作成直後の現在値となる。 数字を冠したパラメータを特に感情値と呼ぶ。 感情値の最大値は一律20となる。 体力の最大値は、作成直後の現在値に等しい。 ▼調和・親和・レベルの値を決定する。 親和:作成時に奇数の感情値一つあるごとに+1.偶数一つ毎に−1. 調和:作成時12以上の感情値が一つある毎に+1、7以下の感情値が一つある毎にー1. 一度決定された後は、感情値が変動しても変更しない。 レベル:作成時は通常1。 ■行為判定 キャラクターの行為の成否をランダムに求める場合、相手がいて抵抗する場合などは行為判定を行う。 行動したキャラクターのPLと、対象(PCであればそのPL、NPCや魔法ないし、不特定多数や不在(絵をかく、狩りをする等)の場合、GM)は、それぞれ2d6を振り、修正を加えた上で大きい方を勝者と呼ぶ。通常、行動者が勝利となれば、その行動は成功となる。 ▼基本的な修正 PLは魔法使いであり、心身を制御する魔法は基本として習得している。 1.判定の前に任意の感情値を一点消費するたびに+1の修正を得る。 2.判定の後に任意の感情値を2点消費するたびに+1の修正を得る。 3.判定の前後にかかわらず、体力を1点消費するたびに+1の修正を得る。 いずれも0になるまで消費できる。 消費する感情値が行動に即していれば更に+1の修正を得る(何点消費しても+1のみ)。 愛:誰かを守る・回復する(料理などをふくむ)。 憎:誰かを攻撃する(心身の双方において)。 喜:何かを作る。仕事を行う。 怒:誰かを攻撃する(心身の双方において)。 哀:ウソを見抜く・人を守る。 楽:何かを作る。仕事を行う。 無名:ウソを見抜く。 ▼魔数 行為判定で他のキャラクターの出目が自身のキャラクターの魔数であれば、そのキャラクターの心をゆするぶるような出来事が起きた、と言う事になる。 その行為判定で自身が振ったダイスのうち一つを選び、その目に対応した感情値がもう一つのダイスの目に等しい数だけ上昇する。 なお、0.無名はダイスがゾロ目であった時に選択できる。 ▼難易度 GMが行う判定は1〜6までの修正を任意に行ってもよい。 ■感情値 感情値は健全な精神活動を行う「言葉ある種族(知的生物、という程度の意味)」であればすべてが有している感情を数値化したものである。 0になればどこかしら不安定になり、喪失すれば狂気に落ちったことになる。 魔法を使うとき、魔力を解放するための方向性を与えるためにも使われる。 ▼失調表 感情値が0になった場合、ダイスを二つ振り、以下の表を参照する。 5以下:現在値が1になる。 6・7:一息つくまで(=1シーンの間)、0のままとなり、マジックイメージを一つ失う。 8:一息つくまで0のままとなり、魔法を一つ失う。 9〜11:休憩をとるまで0のままとなる。 12:その感情を喪失し、狂気を一つ得る(内容を決定すること)。体力を1d6上昇させ、レベルが1上がる。 ▼感情共有 互いに信頼や尊敬・友情などの念で結ばれたキャラクターは感情を共有できる。 いわゆる虫の知らせや深い共感を表すルールであり、両者の同意があれば、感情値を合計し、等分する(端数は失われる)。 人間以外にも、アイテム(の精霊)や魔法などと感情を共有できる。 ■体力 体力は健全な生命活動を行うすべての生物がもつ生命力や行動力を数値化したものである。 0になれば疲弊し、動けなくなる。喪失すれば死亡となる。 (感情値が残っていれば残留思念として行動できる) ▼負傷表 体力が0になったときダイスを二つ振り、以下の表を参照する。 3以下:行動不能。喋ることも見ることも出来るが移動を含め、それ以上の行動は出来ない。 4〜6:気絶。一切行動できない。止めを刺されなければ、1d6時間後に目を覚ます。 7・8:気絶。放置すると、体力最大値に等しい分数が経過したのち、死亡する。 9〜11:重傷。四肢か感覚器のいずれかを失い、体力最大値が1d6減少する。ランダムに決めた感情が上昇する。 12:即死。感情値が残っていれば残留思念となる。 ▼休息 2時間休憩することでレベルに等しい点数だけ回復する。 8時間睡眠することで最大値まで回復する。 ■魔法 「萌黄色なす仮初めの大地」ユルセルームは魔法によって成り立つ世界であり、すべてに魔力が宿り形を成している。 よってすべてが魔法と呼んでもよいが、現実にはさほど意識されることもない。 PCをふくむ、「南西海の魔法使い」はハヴァエルの帳に程近い土地柄とそれによって育まれた特異な文化によって、常に魔法を意識している。 ▼受動魔法 通称「魔法の眼(マジックサイト)」と呼ばれる行為。 魔法を使われた時、自然に強大な魔力が働いている時、その働きを抽象的なイメージとして得る。 ゲーム上は解決すべきイベントのヒント・リドルとして使われる。 魔法や呪いを見つけたとき・魔法を使われた時・調律魔法の判定で、達成値が3を越えるたびに、一つのイメージを自分のものに出来る。 ▼能動魔法 世界に満ちる魔力に形を与え、自身の感情によって解き放つ。 多くの人々は、これを「魔法」と呼んでいる。 1.力源と形象のマジックイメージをそれぞれ1つ以上組み合わせ、いかなる魔法として使うかを宣言する。 2.使用する魔法に適した任意の(喪失していない)感情値を一つ指定し、力源一つにつき1d6消費する。 3.使用したイメージの数を修正として行為判定を行う。 4.対象に勝利すれば魔法は狙った効果を得る。使用者が負ければ、GMが使用された感情やイメージから、改めて効果を考え、それを適用するか、暴発として「誰も知らないところで別の効果を発揮した」ものとする。 5.こうして使用された魔法は、すべて消費された感情値に等しい「魔力」を持ち、後述する調律魔法に抵抗したり、魔法としての結果を起こす。 6.成功した「魔法」は習得できる。使用した感情値とどんな魔法かを記録すること。以後感情値を消費することで何度でも同じ魔法として使える。 7.使用したイメージは「魔法」になって消えてしまうが、3.で行った達成値が3を越えるごとに一つのイメージを残しておける。 ▼調律魔法 余り知られていないが、マジックイメージに手を加えることで、呪いや自然現象としての魔法を、変化させることができる。 ただし、「魔力」を与えることになるので、より強大な魔法に変化する危険もある。 いずれも魔法と対抗判定を行い、成功する必要がある。 感情値を与える場合、修正を得るための感情値は別に消費する必要がある。 マジックイメージが変化すると、殆どは以後は新たなイメージに沿った魔法になる。 (力源のみ残った場合、魔法として成立しないので消滅する) 1.イメージの転写。魔法を構成するイメージを奪い取る。感情値を1d6与え、一つのイメージを消し、自分のものとする。 2.イメージの逆転。形象に属するイメージは逆位置があるため、その正逆を逆転することができる。感情値を1点与える。 3.イメージの対消滅。形象に属するイメージの正逆が反対のイメージをぶつけ、消しさる。使ったイメージは無くなる(受動魔法の項にある様に、再び得られる可能性はある)。 ■精霊 ユルセルームは魔法によって成り立つ世界であり、風が吹くのも雨が降るのもすべては魔法である。 そう言った世界の営みは自然そのものが行使する魔法と捉えることができる。 「精霊」はそういった自然現象としての魔法が擬人化されたものである。 精霊は通常のキャラクターと異なり、「魔力」を唯一のパラメータとし、外見の代わりに力源や形象によって構成される。 魔力は体力と同じルールを適用するが、0になった時負傷表を参照せず消滅する。