21:19 hikami >かしゃん、と、微かに金網の音が、響く――― 21:19 hikami >遠くに聞こえるのは昼休み独特の浮ついた喧噪と、晴天と言う事もあってか体力のありあまった生徒が校庭で遊び回る歓声。 21:19 hikami >眼下に見下ろせるそんな“日常風景”とを隔てるのは金網一枚程度の距離なのだろう。 21:19 hikami >このまま振り返り、階段を降り、教室に戻りさえすればすぐ間近でもっと仔細に聞く事もできるもの。 21:19 hikami >“喧噪”等と言うあいまいな括りではない“世間話”とも“無駄話”ともいえるモノに興じる事もできるのだろう。 21:19 hikami >ただし、そこには“普通ならば”と言う前置きが必要になる。 21:19 hikami >別段特別な資格が必要な訳でもない、ほんの些細な事、そんな些細ですらもが遠く……否、遠くに、自らを押しやってしまっている。 21:19 hikami >【燐】 「……はぁ………」 21:19 hikami >長い金髪を三つ編みにと結い、夏服のブラウスの背に垂らす形での無造作、蒼い瞳はどこを見るともなく屋上のフェンス越しにと眼下を眺め…… 21:19 hikami >4月から通い、7月となった今でも続く逃避の時間、昼休み、と言う、否応にも“他人との距離”の測り方が必須になる時間帯はこうした逃げを打つ事が多い。 21:19 hikami >それでいい、と、所詮は―――無駄な時間、そう思えていた頃は良かったのだろう。 21:19 hikami >しかし、それを“良かった”とすら思えぬ心境に至った今であってもそう容易く踏み出せる程、己の矜持と“苦手意識”は軽いものではなかった。 21:19 hikami >踏み出せず、踏み込めず、おそらくは―――“恐れて”いる他者との接触。 21:19 hikami >故に遠く、ただ無為なだけの時間を浪費していた。 21:26 ballock_ >  21:26 ballock_ >【マナ】「さて、と。少々悪いとは思いましたけど、まぁたまには良いですよね」 21:26 ballock_ >昼休みと言えば、普段は同級生の人間の付き合いに費やされてしまうのだが 21:26 ballock_ >今日に限っては言い訳もあった事で少し抜け出してきた。少々悪い、なんて思うあたり日常生活の影響は 21:26 ballock_ >少なからず受けているのだろう。なんて、ちょっと溜息をつきながら 21:26 ballock_ >  21:26 ballock_ >まぁ、それはともかく目的の人間はすぐに見つかるだろう。ああいうタイプは大抵居る場所は決まっている 21:26 ballock_ >【マナ】「………(予想通りすぎて溜息が出そうですが)」 21:26 ballock_ >屋上の扉を静かに開けると探していた少女を発見する。どうやらこちらにはまだ気がついていないようで 21:26 ballock_ >軽い溜息と共に気配を消しつつ近づく、ちょっと驚かせてやろうか。なんて思い 21:26 ballock_ >燐の背をつつ、と撫でた 21:31 hikami >【燐】 「………嫌になるわね……」             ぽつ、と、小さな、小さな呟き、その響きが消えるか消えないか、といった所だろうか。寧ろ……“口を開いた所であった”と言うのがこの場合災いしたとも言える。夏服になった今ブレザーの防御はなく、薄手のブラウスが背を護るのみ、元来暑がりである性質も相まって透けない程度に気を配ってはいるものの薄手、を最優先に選んでいた、と言うのもこの“事故”の一因、つまり―――             「ふ、ぁっ………!?」             ―――そう言う、事。反射でびくりと震えた肩、挙句に零れた少し甘さを含んだ小さな、悲鳴。反射で振り向いた表情に含まれるのは“怯え”と言えるものであり―――………             「っ、て………マナっ……!?」             ……それら全てが“失点”となりうる少女との邂逅……衝撃の反動からなのだろう、驚きを宿した表情はそのままに……固まった――― 21:34 ballock_ >【マナ】「何をそんなに怯えてるんですか?燐」             こちらの表情は燐とは対照的に“してやったり”的なモノ             「しかも背中撫でただけなのに変な声出さないでくださいイキナリ」             明らかにわかっててやってるのは微妙に笑みを含んだ表情からわかるのだが 21:37 hikami >【燐】 「っ………………!」             かぁ、と、一拍遅れた所為でなのだろう、常の反応よりも大きく……色白、が災いしてはっきりと判りやすい羞恥の色彩に染まった頬、何事か反論を向けようと口を開けども、何を言うべくかと迷い、コトバにできぬままに―――             「っ、い、いきなりだから、びっくりしたのよ……!」             ―――結局零したのは陳腐な、言い訳。ぷぃ、と、露骨にそっぽを向く格好、腕を組む事で常の格好を整えるものの……服装の所為でどうにも、落ち着かない。こつ、こつ、と、革靴がコンクリの床を苛立たしげに叩く音が響いていた             「……そういえば中学部、なんだっけ。……すっかり忘れてたわ……」 21:41 ballock_ >【マナ】「ええ、一応此処では14歳。と言う事になっていますから。この年頃の人間の相手はどうにも面倒ではありますが」             軽く溜息をつくが、意外と楽しんでる節もあるのかさほど暗くは無い声調             「ついでに単純に驚いた風、とも思えませんでしたが?」             こういう部分では本当にわかりやすい少女だ。思わずクス、と笑い 21:47 hikami >【燐】 「……面倒って意味じゃ同意するわ。」             かしゃん、と、今度は背を預ける形に金網を揺らす―――無意識に“弱点”をカバーする行動、と言う訳でもあるのだが             「っ……う、うるさい……!い、いいじゃない、くすぐったいんだから、っていうか………っ―――」             かぁ、と、今度は違った意味で頬に熱が、上る……何の事はない、思い出してしまった、というだけの事でもあり……             「……どうすれば我慢できるのか、判んないんだもの。仕方ないじゃない……あんなの、殆どはじめてみたいなものだもの、あんなにくすぐったいものとは思わないわよ、普段……擽られる事なんてないんだから」             それとは別種の“理由”によって、だろう。ある意味では強烈に意識を引き戻された格好ではあるものの、直前に浮かんでいた思考にはやはり、縛られてしまっていた。 21:50 ballock_ >【マナ】「無駄に弁舌になる辺り、随分と…?」             くす、と笑みがやはり零れる。まぁ、そこは置いといた方が今は良いか。というかこのやりとりだけで昼休みが終わりそうだ             「どうやら燐はその“面倒”から随分と逃げ回っているようですね?」             同じようにフェンスを軽く掴んで校庭の様子を見回しながら 21:54 hikami >【燐】 「っ………っ、ぁ、ぅ………!」             ―――言い返せない事そのものが酷く癪、なのだが……“そう言う方面”はさっぱり、といって良い程に疎い部分でも、ある。事実……―――いや、いいか、そこまで“思い出して”しまえばこの頬の熱が悪化しかねない。ふるり、と、首を振る事で束ねられた金髪が、その形状故に普段よりも幾分か重く、揺れた             「………逃げ、てるわけじゃ……ない、わよ」             それでも……その、事実。“背を向けてしまった”格好であればこそ説得力もきっと、薄い。挙句に零す声色も低く、落ち込んだものになってしまっていて             「………何、わざわざそれを言いに来た訳?」             直前まで沈んだ思考とも相まってか、僅か、怪訝な声色を返した。 21:57 ballock_ >【マナ】「いえ、本当は単純にりゅかの事に関してお礼を言いに来ただけです。ちょっとしたイタズラは妙に黄昏ていたのでついついやってしまったということで一つ」             本当の用件は実に単純で、それもまったく悪びれずに言うあたりがどうにも本当に礼を言いに来たのかと疑いたくもなるかもしれないか 22:01 hikami >【燐】 「い、たずらって………ぁあ、もう……っ!」             そんな“コトバ”に思う連想もやはり……不味いもの、か、何をそこまで慌てる必用があるのか、と―――ふるり、と、再度首を、振る。ひょっとしてコレは“不味い状況”なのではないか、とも思う程ではあるのだが……本来の意図を聞ければ、応じる前にと微か、呼気を整えた。何せ……             「………お礼、言ってもらえる状況じゃ、ない、でしょ」             ……こんな“浮ついた”状況でも“沈んだ”状況でも、その名を口にするのは相応しくない、と……ある種の、自戒、でもあった             「……まだ、貴女の目的を達した、ってわけじゃ、ないんでしょ?」 22:03 ballock_ >【マナ】「いえ、“私自身”の目的はアレで達しているとは言えますから」             片目を瞑って人差し指を自身の唇に触れつつ、そう返答を返す 22:05 hikami >【燐】 「……どういう事?りゅかを目覚めさせる事、が……目的じゃ、ないの?」             そんな仕草につい、目が行くのは―――嗚呼、だから、不味い。余程、か、これは……ふる、と、頭を振り、そんな光景から視線を外す             「……“面倒ごと”に付き合ってもらってたのはこっちの方、そっちの進捗はまぁ……見ての通りだったわけ、だし。私から見れば……全部状況が半端、っていう気は、するけれど?」 22:09 ballock_ >【マナ】「少々勘違いがあるようですね。それは“マスターの目的”です。私の目的は“マスターの力になる事”、つまりは“りゅかが目覚めるかどうか”。ではないんです」             あくまで冷静に燐へそう返答をする             「それにですね。りゅかはなんだかんだで目覚めるでしょうから心配するだけ損なんですよ。それに天使化に関しても言ったはずです。“良くて一個か二個”と。“あの時に使えなかったとはいえ燐は充分にマスターの力になってくれました”だからこそ礼を言うんですよ」 22:14 hikami >【燐】 「……ああ……成る程……」             状況としては“待ち”なのだ、言ってしまえばそこまで“進んだ”結果の―――停滞。             「……すっかり忘れてたわよ、本当………随分久しぶりにマナのあっちの格好見たってのにね」             目の前の少女は自分たちと同じようでいて、決定的に“違う”のだと言う事実、いわばシェルファの方が存在としては近いのだろうし……―――きし、と、金網を軋ませ、暫しの沈黙             「……だったらそうね。“訓練に付き合ってもらった”分ぐらいは返せてると良いけど。借りを作りたい訳じゃないし、手を貸すのも何もマナの為、ってわけじゃない。私は私で恩返しのツモリだったんだし、そう言う意味じゃお互い様、って所ね。まぁ………ん―――こっちも助かってるわよ。もう少し、だとは思うし……少なくとも、前よりぜんぜん力が“使いやすい”もの」 22:20 ballock_ >【マナ】「それに、ついでに言うとですね、その“力”はきっとこの先で役に立つとは思いますよ。恐らくは実戦までに持っていくには一つのキッカケは欲しいでしょうね」             特に責めるようなモノでもない             「そうですね。一つマスターからお礼ついでに伝言もありました。“自分の為に力が振るえるようになっておいてほしい”と」 22:24 hikami >【燐】 「……ま、そうね。実際……りゅかの件だけじゃ、ないもの。実際………」             きし、と、金網を軋ませる音と共に背後を振り返り、視線の先にと捉える理事長室のある、辺り。のうのうと勤務をしていると言う訳でもなく、あの日に言っていた通りに“不在”の続いているその部屋の方へと―――             「……今までと違う力を一月たらずで物にしよう、っていうんだしね。随分と厄介な代物だったってのも判ったわけ、だし―――……」             それこそ……“間に合わせる”べきは決戦の日であるべき、なのだろう。連中の思惑はそれこそ“個人”の事情の枠を超えた規模なのだから             「……自分の?」             そんな思考に沈んでいた所為か、コトバの意図を捉えるには、至らなかったのだろう、怪訝な声色を返し             「………私は“一華燐”である為にチカラを使ってきたつもりよ。今回みたいに恩返し、ってのが……最近出来たイレギュラーみたいなものなんだし」 22:28 ballock_ >【マナ】「まぁ、今はそんな捉え方で構いませんよ」             燐の答えに含みのある笑みで返答。それが何を意図するのかは…何も言わずに             「改めて、“ありがとう”」             校庭を見下ろしながら、素直な声調で礼を述べた 22:31 hikami >【燐】 「………―――ぁー…………」             ぽつ、と、思わず……返答に詰まる。何と返すべくか、なんてわかっているだろうに、向けられた言葉に一瞬……反応が、追いついてくれなかった。それぐらい……             「…………良いわよ、別に。こっちだって……助かってるん、だし。ええ、と………」             レアケース、と言うよりも、聞けるとは思わなかった言葉でも、ある。挙句には……口にする事が苦手な部類の言葉、でもあるわけで……             「………まだ、付き合ってくれるの?」             ―――逃げた。 22:35 ballock_ >【マナ】「以前にも言ったはずですよ、此処にいる間は付き合って上げます…と、もう忘れたんですか?」             燐の戸惑いとその問いに少し呆れ気味、とも取れるか。首を微かに傾げて 22:38 hikami >【燐】 「……っ―――わ、すれてないわよ……ただ、あぁ、もう………!」             がしゃん、と、少し乱暴に金網を叩き、苛立ちにも似た言葉の響き、全く―――“不意打ち”が過ぎる。おまけに……今は、制服、即ち……“衣装”ではない、わけで……             「―――………“マナの目的”を果たしたんだったら、こっからは私の都合になるわけ、でしょ」             つぃ、と、視線を、外す。嗚呼、だから―――慣れない、と言うのに……             「……だったら……“あらためて、よろしく”って、言わなきゃいけないじゃない。……礼を聞いたら、そこで……区切りがついちゃう気がしたのよ」 22:40 ballock_ >【マナ】「まったく、考えすぎですね燐は。というよりもそんな調子だからイノセントからも逃げてるんじゃないですか?」             勝手に自分でラインを敷いて、などと 22:44 hikami >【燐】 「っ………―――」             図星、だったのだろう。かしゃん、と……背が、落ちる。金網に寄りかかる形、零す嘆息は今までで一番……重い、か             「…………………苦手なのよ。人付き合い……12年、殆どやってこなかったんだもの。今更、って感じだし、なにより………“ウィザード”は……イノセントと、違うわよ。決定的に、ね。              何より、まっとうに“ふつうのがくえんせいかつ”を送るツモリでいるわけでもないし、送れる、とも、思わない。―――そんなのが“普通の付き合い”をできる、とは……思えないのよ」 22:45 ballock_ >【マナ】「燐、それを私の前で言えるというのは中々良い度胸してますね」             そんな燐の言葉にクス、と笑みが零れる。 22:49 hikami >【燐】 「………それこそ不思議よ、何でマナが普通に“学園生活”が出来てるのか、って所が、ね」             言う意味は、判る。その“括り”で言えば相手のほうが余程、異質だ。             「“イノセント”よりも、まだマナのが“こっち側”って気がするもの。私の認識なんて、そんなものよ。……夜闇の住人が昼間の世界に“迷いでて”どうやっていけば良いのか判らないのも、確か。―――下手に触れたら“壊して”しまうかもしれないものなら……触らない方がよっぽど良いわ」 22:56 ballock_ >【マナ】「一つ言っておきますが、私は何百年とエルフレアでマスターの血族の中で代々継承されてきた“モノ”です。そうですね……“人”として考えてくれたのはほんとに極少数でした」             そんな風になんでもない世間話のように淡々と話を続ける             「そうですね、こちらへ来た最初の方…私も随分と不満でしたね。マスターの命だったからこそ。この学園生活は始めましたが…まぁ、燐との違いは別にイノセントがどうなってもさほど気にしない…というのはあったんでしょうが」 23:04 hikami >【燐】 「…………―――」             きし、と、またも金網を軋ませる、オト。“厄介者”とて一応は人間扱い、か………そもそもの感覚が違う事もあろうかと思いはするものの、今まで接してきた部分からしては……             「………私は、気にするわ。少なくとも……うっかり“仲良く”なっちゃったイノセントがひとり、居るわけだし……」             ひょい、と、金網から身を離し、己も外へと視線を向ける。矛先は高等部のある辺り、教室がどこか、なんてそんな単純な事すら知らないわけだが             「………それに、よ。マナだって“人”よ。だからこそ不思議ってだけ、尚也なんかは随分と上手くやってるわけだし、ここまで下手なのも珍しいんだろうし―――苦手な事を“失敗したら”アウトだって事ぐらい自覚してるもの。だから……」             ―――逃げて、いる、のか?至る意識は些か重く、ぢく、と、胸に棘の様にと刺さる感触、余り……             「―――まぁ、良い気分じゃ、ないわね。それこそ……これも“課題”なのかもしれない、って思う事にすればいいんだろうけど。“今更”なのは、確かよ。―――どの面下げて話しかけろ、って方が強いわね」 23:09 ballock_ >【マナ】「そこまでは知ったこっちゃないですが、一つ言えることは確かですよ」             軽く髪を弄りながらなんともなしに             「“私が人だと言うなら燐こそ人”、イノセントとウィザードの違いなんて普段の付き合いからすれば“力を使うか使わないか”それだけですよ?言葉にするだけならただの電波人間ですしウィザードとしての言葉なんて」             私がその証拠だろう、とでも言わんばかり。             「ま、私自身は“マスターの従者”…それが“今の私の最も望む事”ですから“人かどうか”というのはどうでもいいのですが」             決して悲観的な言い方ではない。“自分は自分”どんな存在であれ、それはしっかりと持ち合わせた物言いで 23:13 hikami >【燐】 「………判ってるわよ」             ぽつ、と、呟く……拗ねた、響き。沈みがちだった思考がまた戻ってでも来たのだろう、こつ、こつ、と、苛立たしげに踵でコンクリの床へとリズムを刻む……そんな辺りもクセ、なのだろう             「―――“人として”接する事も苦手だから困ってるんだって。4月から数えての3ヶ月、私は………“避けて”来た。もう直ぐ夏休みって時になって今更どうやって話しかければいいのか、って所よ。             実際私が“話す”相手なんて尚也とか風華とか、それこそりゅかとか……そんな辺りだったんだもの。―――“世間話”のやり方だって、判らないわ」              23:17 ballock_ >【マナ】「私も世間話の一つもできませんでしたよ最初は。というか今でもそんな感じですが――大体ですね、三崎尚也や風柳風華でしたか。その辺りの繋がり、それに先ほど言ってましたがイノセントの知り合い。機会だけで考えれば無数にあるんです。燐はどちらかといえば判ったふりをしてるだけですね」             やれやれ、と首を軽く振って 23:22 hikami >【燐】 「…………っ…………」             軋む、金網の、オト。ふるり、と、軽く首を振り………外から視線を外し、傍らへと向ける。図星、ではあるのだろう、反論の言葉を探る様な不自然な間の、後に―――             「…………つくづく痛い所遠慮なく突いて来るわよね、マナって」             結局は見当たらずに零すそんな、言葉。ひょい、と、軽く肩を竦めるような仕草の、後             「……“機会が”あったらね。―――マナだっていきなり私が友好的になったらキモチワルイでしょ、人間、そんな急には、変われないわ。“クラスの端にいるポジション”に変わりは、ない。―――私にとってはエミュレイターを斬る方がいくらも“楽”な内容だもの」 23:27 ballock_ >【マナ】「遠慮する意味もありませんしね、“楽”というのは考える事が無いから“楽”なだけなんじゃないですか?」             そんな事だから、なんて気分でいて             「それに誰が“イキナリ”なんて言いましたか。別に器用にできるなんて思ってはいませんし……まぁ、イノセントの知り合いとやらと一緒に居ればわかりますよ自然と、ね。燐が知り合う唯一の、なんて言えばおそらく私の周りの連中と同種の人間でしょうしね」             含みのある笑みを向けた 23:31 hikami >【燐】 「…………まぁ……ね」             同種、といえば確かに“同種”だ。それどころか……兄妹、だったりする辺りが手におえない。しかし……             「……あのテンションについていけるとは思えないけど、まぁ……―――それこそ、マナにできるなら、出来るようになるでしょ。“そのうち”なら、ね」             ひょい、と、肩を竦め……             「―――“ありがと” 一応、励ましてくれてたのよね、それ。……“むこう”に居る時と違って、暗かっただろうし。」             23:35 ballock_ >【マナ】「む、別に励ましたわけじゃないですよ。無駄にウジウジされるのが面倒だっただけです」             礼の言葉…それには素直な言葉を返さずに多少拗ねた言葉で返してしまう             「大体ですね……こうでも言わないとどうせ一生うじうじしてそうで苛立つんですよ。まぁ、思い出したくもない事を言ってもわからないようなら見切りつけようかとも思いましたが」             ブツブツと文句を言うようにあーだこーだと言い訳がましいことを並べる辺りが照れ隠し、か 23:39 hikami >【燐】 「―――……なんだ」             そんな言葉の中に混ざっていた言葉にくす、と、何処か楽しげな、笑み。嗚呼、そうか、なんて―――             「…………やっぱり“お人よし”が多いのかしらね、ロイヤルガードには。マナも結構、って所だし、んー―――………」             クッ、と、唇の端に浮かぶ悪戯げな、笑み。何となく―――             「…………“私だけ弱点知られた”んじゃなくって、良かったわ。次はそうね……」             ―――唐突に、ひょい、と。そんな少女の向かって手を、のばし……             「……―――くすぐったい所も追々、探させて貰おうかしら。“そっちの弱点”も私が覚えれば、そうそう背中触れないでしょ?」             ぐい、と、少し強引に、抱きついてみせた             「“オンナノコ同士”だものね?」             そんな、如何しようもない言葉さえなくば……まだ、ましだったろうに――― 23:44 ballock_ >【マナ】「なんですか、その笑みは」             む、とジト目で見やりながら、ふと抱き寄せられる…密着してしまえば燐よりも成長しているような感触を与えてしまうか             「……燐、“そっちの趣味”でもあるんですか?」             そんな事を問いかけながらも…             「それに、この体勢は私よりも燐の方が圧倒的に不利なのわかってますか?」 23:48 hikami >【燐】 「……そっちの趣味、って、何よ。」             きょと、と、僅かに向ける違和感の言葉、そういった方面の疎さが災いしてか伏せられたままでは判らないらしく……うっかり触れてしまった胸元の辺り、少し慌てた調子で腰元へとずらして触れなおしつつ             「……“こういうの”……寂しい気分の時にしてもらうと嬉しいから。“嫌なこと”を思い出した時なんかも、だし。ちょっとは違うかって思っただけ、って―――……」             ―――それも、そう、か。何せ自分は………             「………っ!?」             ―――“まだ、弱点が、わからない”上に………“弱点”は、がら空き、である。その指摘にはさすがに、慌てた。不味い、なんて思ってか、ぱ、っと、腕を放す事にはなるのだろう。 23:51 ballock_ >【マナ】「あぁ――」             そうか、認識が明らかに違うのだろうと考えを改める。が弱点を探ると言われた以上は探られる前に反撃してしまう方が早いか。             「反応遅いですよ?」             なんていいながら腕を放した後だが、離れる前にまた背中をツツ、と撫でた 23:55 hikami >【燐】 「何、よ?」             きょと、と、訝しげな言葉、軽く首までも傾げ―――そんな思考は恐らく、飛んだ。離れ際の“逆襲”は―――             「ふ、ぁっ………!?」             びくん、と、先程よりも少し高く、甘い、響き。挙句……離れる途中だった所為でもあるのだろう、バランスを若干崩した結果……ぺたん、と、屋上に座り込んでしまう結果となっていて……             「…………………し、心配したのが馬鹿、だったわ……今に見てなさいよ、絶対……マナの弱点、見つけてやるわ」             ―――それが“どれだけ危ういセリフか”なんて、無自覚の、ままに。半眼にて相手の姿を睨み付ける他―――“反撃の手段”が圧倒的に足りないので、あった。 23:59 ballock_ >【マナ】「燐に心配されるほど私は弱いつもりはないですよ」             この位置だと軽く見下ろす形にもなるか、不敵な笑みを浮かべていた             「ついでに、燐がそういうの一個探す間に燐の弱点3個くらい見つけられそうですけどね?」             圧倒的な自信…いや、こういう自信を持つのは色々どうなのかと思わないでもないが、燐相手には何故か対抗心が宿るのか売り言葉に買い言葉…か。ついでに―――             「ちなみにその姿勢、ちょっと見えてますよ?」             同姓同士、そこまで気にする必要はないであろうが――― 00:05 hikami >【燐】 「……ぁあ、もう……可愛くないわね……」             む、と、若干拗ね気味の視線、対抗意識と言うのもさることながら、不思議と……妙な親近感を持ってしまっているのがそもそもの致命傷なのだろう、常ならば突っぱねる様な言葉であっても、絡め取る様にと弄する言葉もなく、ただの口喧嘩になってしまう“違和感”それでも……             「う、うるさい、こんな弱い所が二つも三つもあるわけ、ないじゃない……っ!」             そもそも背中ですら最近発覚したもの、なのだ。酷く疎すぎた所為でか吼える言葉は無知故の悲しさか、額面どおりに受け取っての反発は、それでも―――             「………っぅ……!?」             がば、と、反射で起き上がる。スカート丈は相応に短く、それを引っ張る格好での赤面、その由来する所も……             「―――………か、考えてみれば見られるのも私ばっかり、じゃない……」             着替え、も、そう、である。考えてみればそこら辺も“不公平”か。―――この連想は少し不味い気もするのだが。 00:08 ballock_ >【マナ】「本当に予想通りといいますか、見てて飽きない反応を返してくれますね」             つまりは、そういう反応を考えて言った事のようで             「見られるっていうよりも、燐が迂闊なのが悪いだけじゃないですか……大体ですね…」             なんて言い合いをしている中唐突に――キーンコーンカーンコーン、とチャイムが聞こえてきて動きが止まった 00:15 hikami >【燐】 「…………っ……ぁあ、もう…………!」             良いようにやり込められてしまう辺りがいっそ新鮮でもあり、無論……不本意、とも言える言葉。チャイムのオトと共に向ける苛立たしげな声色はそれでも飽き足らないのだろう、ぺしぺしと熱を持った頬を叩きつつ……             「……見てなさいよ、いつか見てやる…………」             そんな、不穏な言葉と共に立ち上がれば埃を払い、つぃ、と、背を、向けて……             「…………いこ。遅れる、わ。―――…………今日、付き合ってよ、訓練。……運動しないと変な感じが残りそうだもの」             なんて、言い訳、か。なんとなく、このままほうっておく、なんて気にもなれず、持ち出した言い訳は色気も何もない、ものだが―――まぁ、この辺りが……限界、だろうか。 00:19 ballock_ >【マナ】「確かに授業に遅れるのもなんですし、行きましょうか」             ギリギリに戻った後何を言われるのやら、なんとも思いつつ             「付き合いますよ、色々と応用で何があるかも教えましょうか今日は」             そんな風に靡く髪を抑えながら歩き出した