00:15 hikami >―――ごめん、ちょっと、尚也貸して。 00:15 hikami >一連のやり取りの後、解散し、それぞれがそれぞれの準備を始める最中。 00:15 hikami >“別の”組み合わせである自身としては……矢張り、隙、としてはこの時でしかなかったのだろう。 00:15 hikami >ヒーラーとして同行するにも……否、そう、でなかったとしても…… 00:15 hikami >春奈こそ、尚也のパートナーであるべきなのだ。 00:15 hikami >それでも………つい、欲が出た。 00:15 hikami >当然、とも言うべくか尚也と春奈は一緒に居たのだ、だから二人を前にして、でも良かった筈だ。 00:15 hikami >―――それでも……… 00:15 hikami >……やっぱり、これも未練、と言えるのかもしれない。 00:15 hikami >否…… 00:15 hikami >怖い、のかも、しれない。 00:15 hikami >奇妙な符号、奇妙な………偶然、そんな、良く判らない“モノ”への不安。 00:15 hikami >だから、少しだけ…… 00:15 hikami >……少し、だけでいい。 00:15 hikami >多くない、と判っている“時間”を……私に、欲しい、と…… 00:15 hikami >…………………… 00:15 hikami >……………… 00:15 hikami >………… 00:15 hikami >…… 00:15 hikami >… 00:15 hikami >【燐】「……ごめんね、時間ない、って判ってるのに。………春奈も、いたのにね。…………我侭だ、って、判ってる。でも……」 00:15 hikami >呼び出したのは休憩室の片隅、今は流石にここでのんびりと過ごすものも居るでもない、奇妙にあいた日常の、空白。 00:15 hikami >【燐】「…………ほんのちょっとでも、いい。少しで良いから……二人で、いて。……怖い……から……」 00:15 hikami >ぽつ、と、そんな……掠れかけた声音を、漏らした。 00:15 hikami >  00:21 rouge >【尚也】「どうした?」              春奈と喋りながら、シェルファを磨く、そんな時間を過ごしていたところにかけられた声。 もとより、必要不可欠な整備というわけでもない。              「ま、なんでもいっか。 兄は妹に対して優しくするもんだ。 何か飲むか?」              休憩室の端にあるジュースサーバを指差して、そんなことを尋ねる。 00:24 hikami >【燐】「………ん、うん………」             こつ、と……靴音。休憩室の椅子に細身を座り込ませてしまって             「……なんでもいい。ちょっと尚也と話したかっただけ、だし……落ち着く、わ。そのうち、だから……それまで、でいい。私もやる事、無いわけじゃないし、尚也の所が…―――」             ぽつ、と、そこで一度…言葉を途切れさせる。軽く、顔を伏せて…             「……一番キツいって、話だったしね…」              00:28 rouge >【尚也】「そっか。 ………燐は……不安?」              少し迷った挙句に、アイスココアを選んで、2人分の紙コップを手に、燐の隣へと座る。 それを差し出しながら。              「……まあ、実力が買われたのかな、何ていってみたりしてね。 なんてったって、世界を救った男だけどね。」              何だかんだいって、世界の危機なんて日常茶飯事なのがこの世界だったりするから、この経歴も微妙といえば微妙だけど。 沈む燐に向けて、明るく振舞って見せる。 00:33 hikami >【燐】「……………ありがと」             不安、の言葉には頷きを返すに留まってしまう。受けとった甘い飲み物は…その冷たさが心地いいのだろう。口に含んだ甘さともども、少しだけ体の強張りを解してくれる……だが……             「―――違う、世界、って言っても……尚也が救ったのは“異世界”じゃない。それに、一年…帰ってこなかったんじゃない」             その言葉を口に、する。それだけでも……肩が震えてしまうのだろう、判っていても……             「………また、尚也が“異世界”に行く。 00:33 hikami >それだけでも不安、なのに…………市内にはエミュレイター。挙句には…如月のお姉ちゃんがディナの転生で、不動も健在…………皆を信じないわけじゃ、ないわ。でも……っ―――イノセントは、この状況をきっと、知覚できない。唐突に……“終わって”しまうかもしれない、じゃない。そんなの………―――怖い、わよ。やっぱり。私達が何処か……欠けただけで、ううん、欠けなかったとしても、市内の防備の枠を抜けたエミュレイターがちょっと暴れるだけで…… 00:33 hikami >…理夢が、被害にあうかも、しれないんだもの…」              00:39 rouge >【尚也】「………。」              ぐい、と、アイスココアを煽る。             「僕は、決めたよ。 ……この世界で、戦うって。 前にも言ったろ? 二つの扉をくぐることは出来ないんだ、って。 それに、あれだ。 一年経っちゃったけど……僕は死ななかった。」              コインのことを話したときの事を、思い出して。              「………燐は、初めてなんだな。 なくなるのが、怖いって思うの。」              そっと、隣の少女の様子を、見やって。 00:44 hikami >【燐】「………判ってる、でも……っ……春奈は、一緒に行くわ、でも……私は、待ってる側、だもの。……勿論死ぬつもりなんて、ない。私だけじゃない、誰一人欠けさせるつもり、ない……でも―――距離が、違いすぎる。異世界、に尚也が行くって事が……怖い、のよ。待つにしたって1年も、待ってられない。…夏休みが、始まっちゃうじゃない……」             ぎり、と、カップを握ってない側の手を…強く握る。元々白い手がさらに白く、血の気が少し引いてでも居るかの如く……             「………言ったでしょ。“一之瀬鈴音”には…何もなかった。でも……“一華燐”には……嫌ってぐらい、大事なものができた、って。……春奈も、瀞も、風華も、シュナも………理夢も、勿論、尚也だって。………それが皆いっぺんに危ない、なんて……―――私の手じゃ、短すぎる。ロイヤルガードの仲間を信用しないわけじゃないけど、それでも……っ…―――……できる、事が…少なすぎるのよ」             俯いた視線は…上げられない。カップの水面が微かに震えて 00:44 hikami >しまうのは、少女の小さな怯えを示すモノ 00:54 rouge >【尚也】「………よっと。」               小さな手に握られるカップを、ひょいと掴んで机の上に置く。 そして、そのまま燐の肩を抱き寄せ、引き寄せる。              「約束したろ? 燐のお兄さんをやるって。 それなら、成長を見守ってやらないとな。 それに、理夢だって花火楽しみにしてるんだ。 すっぽかしたらどえらい一撃を食らう。」              いつものように、肩をすくめて。              「……振るい手のいない剣、剣士のいない癒し手、護られない術士。そのどれもが役立たずだ。 皆が、皆を守りあって。 はじめて、僕らは頑張れる。自分ひとりが護るなんて、思っちゃ駄目だ。 一人に出来る事は少ないよ、だから、皆でやればいい。」              悪戯っぽく笑うと。              「とある人の、受け売りなんだけどね。」               00:58 hikami >【燐】「ふ、わ……っ!?」             先刻の春奈のものでもそう、だったが……これも、反則だ。漏れる小さな声はきっと、悲鳴に類するもの……宿る甘ささえなければ、だが             「…………っ………誰の、よ、本当……馬鹿。そんなの、言われないでも判ってる、わよ。」             不覚……こんな意趣返しだなんて聴いていない、否……それだけ自分が脆くなった、と言う事か。抱き寄せられたのを幸いと、相手の肩口へと顔を埋めた             「………ばか………直ぐ、返すつもり、だったのに……どうしてくれんのよ………とまん、ないじゃない……」             今度は…堪えられなかった。与えて貰えた体温にも、皆で、の言葉にも―――可愛くもない、己の放った揶揄の言葉を、そんな風に覚えてくれていた、なんて事にも……緩んだ涙腺から、涙がこぼれてしまっていた。 01:02 rouge >【尚也】「さ、誰だろう? でも僕には、印象に残ってる言葉なんだ。変わるきっかけの一つ。」              ぽんぽん、と、背中を撫でながら。 その金色の髪に目をやって。              「戦う場所は違うけど、この戦いだって、僕と燐はお互いに護りあってる。 ………そうだろ?」 01:06 hikami >【燐】「……変わってるわ、ほんと………そんな当り前の事を気取っただけの言葉、たいしたことじゃ、ないじゃない…っ……」             相変わらず“泣き方”は不器用なモノ、それでも……風華に受け止めて貰えた時に随分と……解れた。泣き声こそ出せぬものの、泣いている、と自覚しても、それで尚、途切れながらでも言葉は続く。涙濡れの顔なんて見せたくもないからこそ、肩口にぐい、と、強引に押し付けてしまってはいるのだが             「…っく……そ、う…なのかな……追撃を、食い止める尚也達と……―――帰ってくる場所を護る…私達……?」             ひく、と、なでられる動きに背筋が震える。くすぐったさと、恥ずかしさと、それを超える暖かさ。反射で浮いた涙は…それでも、ひいてはくれなかったけれども 01:13 rouge >【尚也】「うん。 ……僕にも、燐にも、春奈にも皆にも……護りたいものがある。 …この街。 この街に住む、人たちと、思い出。それと、この街での、これから。」              泣いた事には触れずに、ただ、優しくその背を、髪を撫でて。              「僕たちは皆、そういうのの為に戦うんだ。 違う場所だけど、同じものの為に戦う。 だから……僕の傍には燐がいるし、燐の傍には僕がいる。そこにいなくても、さ。」              少し、強く抱き寄せつつ、ゆっくりと言葉を口にしていく。 01:18 hikami >【燐】「……―――じゃあ………」             ぐい、と…矢張り強引、目元を袖口で拭い、身を捩る。ほんの少し、顔をずらすだけでいい、抱き寄せて貰っているのだから……そういう、距離             「……約束に、追加よ。夏休み前に無事に帰ってくる事、帰ってくだけじゃ、許さない。おかえり、って言うから……“ただいま”って、言って。それと……怪我はしないのが一番だけど、きちんと春奈に治してもらう事、治せないような傷は、だめよ。特に……腕も、体も、顔も、声も、足も、どれがかけても、だめ。              こうして話せないのは嫌、一緒に出かけるって約束だってできなくなるのは嫌、何より―――…………二度と抱きしめて貰えなくなるのは…絶対に、嫌。尚也にこうして貰うの落ち着くし、なでて貰うのも……嬉しいんだもの。だから、絶対…―――生きてるだけじゃ、駄目。…約束、して。…―――私も、約束するから、同じ事を。              …“翼”は……ない、けど。それでも……尚也に貰ったコインがある、風華に教えてもらった剣がある、ユメだって、繰れなくなったわけじゃない。……皆、だっているんだもの。……癒し手としての仕事は…果たして見せる」 01:25 rouge >【尚也】「何度も言ってるだろ。 ………『でんせつのゆうしゃさま』、を、甘く見るな、ってさ。 そんな約束の1つ、ちょちょいのちょいで叶えて、帰ってくるさ。」              燐の言葉に、一つ一つ頷きながら、言葉を返す。 ……負けられないな、という気持ちが、首を振るたびに強くなる。              「妹に優しくするのは兄の務めだしね。 ん…これ、さっきも言ったかな。」              何て、冗談を交えながら。              「一緒に、戦おう。この街は、任せた。」              一見すると、矛盾したような言葉だが…力強く。 01:28 hikami >【燐】「…………馬鹿、そんな風に見えないから言ってるんじゃない」             くす、と、そんなおどける様子に…笑みが零れた。それだけ、余裕を取り戻せた、と言う事なのだろう……涙を零した目元は僅かに赤くなっていたものの、拭った以上は零れる事なく止まってくれた。平気になったわけ、ではないが……ガマンすることぐらい、できる             「………判ってる、ちゃんと我妻市も、理夢も、護ってみせるわ。だから………」             ―――もう、すこし、だけ……             「……ごめん」             そう、言葉にすると…ひょい、と顔の位置をずらす。抱擁の位置、ならば…頬は近くにあるというもの。ちょん、と…遠慮がち、怯え、も少し、混ざる甘えた口付けを、落とした。 01:33 rouge >【尚也】「……!?」              流石にちょっと、予想外。 目を、何度かぱちくりとさせる。 僅かに感じる、濡れた唇の感触。              「………いや、気合はいった。 妹に激励貰ったからね。 ありがとう。」              口付けに返すのは、笑みと頭をくしゃりと撫でる動作。 ごめんに対して、ありがとうを返して。 01:38 hikami >【燐】「………っ……」             びく、と、それでも…少しだけ肩が震える。罪悪感が無いわけではないのだから……微かに目を伏せ、またも体を相手へと預ける形に表情を、隠した。             「………お礼、言われる様なこと、してない。今のは私の我侭、だもの……甘えたくなっただけ、こんな時だ、ってのにね。……でも―――落ち着いた。やる、ことも…決まったわ。―――うじうじなんてしてらんない、目の前の事を……片付けるしか、ないもの」             ふる、と、軽く…頭を振る。ぎゅ、と、此方からも少し強い抱擁を返して―――             「……尚也には貰ってばっかり。御守りにできそうなもの、いっぱい、だもの。コインなんて…ちょっと手荒に扱っちゃってるけど前よりもずっと、暖かくて使いやすいわ、魔力の繰りもしやすい気がするもの。……尚也が救った世界の想いがつまってるから、ね。……何か、欲しいものとか、ない?……お返しの御守り、できる事…思いつかないんだもの」 01:44 rouge >【尚也】「その意気その意気。」               満足げに、そんな燐の表情と動きに頷いてみせて。              「燐には、既に色んなもの貰ってるからな、今更何が欲しいとか特にないんだよな。」              道に迷った時の一喝や、大事なことを思い出させてくれた言葉。 そんなものを、沢山貰ったから。 それこそ、コインじゃあ、お返しにならないとも。でも、ここは燐の言葉に甘えるとして…              「何か、ある? 僕が持ってていいもの、燐のもので。 縁起物として、借りておこうかな。」 01:47 hikami >【燐】「……ぁ……―――だったら」             もぞ、と、身を外し…腕の中から抜け出す様な動き。名残惜しくはあるし、もっと、とも思うが―――これ以上は甘え、だ。余り時間がないという事もある、それに……余り“借りた”ままでは心配もかけてしまうだろうから。             「……こんなのでも、いいかな」             言うと、髪を飾る漆黒のリボン、ゴシック調のレースに彩られた、この格好の際にわりといつも身に着けているものではある事だし…             「……似合わないかもしれないけど、縁起…かどうかもわかんないけど―――黒、だしね。それでも……いっつも持ってたの、って意味じゃ、これぐらいしか思いつかない」             脇を飾るだけのリボンであるが故に髪が広がる事はない、それでも、束ねられていた房がふわふわと解く反動に揺れた             「…どっか、結ぶ?」 01:52 rouge >【尚也】「十分。 じゃ、有難く………借りとく。」              それを受け取って、暫く考える。              「じゃあ……」              そっと、自身の腕に巻く。              「………流石に、こんなところにまいといたら破いちまうかな。」              それは不味いか、と、首を傾げつつ燐にアドバイスを求める。 01:58 hikami >【燐】「……良いわよ、御守り、なんだから。破けたら破けたで“尚也を護った”ってこと、でしょ?手首に巻く御守りが切れるのは成就した証、って事だもの。それに…………破けてだいなしになったら、また、買い物付き合ってくれればいいわ。……そんな口実くれるんだったら、破けたって、いい。だから……好きな場所に持っててくれれば良いわよ」             その様子にと僅かに目を細め……くす、と、軽い、笑み。少女の淡さと、寂しさを押し殺した少しの、無理。泣き止んだばかりの、少しだけ残る目の赤さ…そんな、表情を向けて             「……私なんかのでも、縁起物になるっていうなら、それだけで嬉しいもの」 02:03 rouge >【尚也】「んじゃ、気にせず、ここに巻かせてもらう。」              ……その笑みに、少し、胸が痛んだ。 でも、後悔はない。 僕にとっての正直を貫くことが、燐にとっても多分、一番いいのだから。 嘘をついて妹と接するなんて、できやしないのだから。 手首にリボンを巻きつけながら、揺れる髪に、軽く触れた。              「ほんと、こうして話してるだけで帰ってこなきゃならない理由がガンガン増えていくんだから。 ほんと、人と人とのつながりって、凄いよな。」              ぐっと背中を伸ばして、天井を見上げて、そう呟いた。 02:08 hikami >【燐】「……ほんと、よね」             零すのは…感慨の言葉、になるのだろう。軽く伏せた視線、それを今度こそと…微かに残る涙の雫を指先にて拭い……頭を、振る。後に、僅かの瞑目………再び、顔を上げた時にはいつもの、繕った強気の表情。それでいい、これが……“いつもどおり”なのだから             「……連中の好きになってさせやしない。割り振られたキャストがあるなら余計に、ね……こっちのチームでもやるべき事はたくさん、二次的な目的だって追加されちゃってるんだからね。……―――さっきは春奈に頼んだけど…尚也も。春奈の事、ちゃんと護ってあげるのよ。              ―――“おねえちゃん”がいなくなるんじゃ……寂しがるわよ、きっとね。私だって……寂しいもの、さっき、抱きしめられて判った。……私も、春奈の事、思ったより好きになれてるって。……あのまま甘えたいって思っちゃったぐらいだもの、春奈の腕だって……欠けて欲しいものじゃないわ」 02:13 rouge >【尚也】「春奈のことは護るさ、そんなのは言われるまでもない。 でも……ありがとう。言葉で言ってくれれば…その分頑張れる気がする。 春奈が僕を護ってくれるように、僕が春奈を護る。」              そう、言い切って。              「春奈だって、燐を甘やかしたがると思うぞ。 あれであいつ、凄い世話焼きだからさ。 これが終わったら、存分に甘えてみるといい。 きっと、燐のこと凄いかわいがると思うから。 いいおねえちゃんに、なると思う。」              02:19 hikami >【燐】「……尚也が私とした約束破らないって判ってるもの。それに……“言葉”にすればそれだけ意識できる、ってのは夢使いの基本よ。―――…でも、やっぱり…ちょっと妬けるわね」             ひょい、と、軽く肩を竦め…それでも、いいか、なんて…そのまま身を離し、とん、と、軽い調子で立ち上がった             「……そんな気は、するわ。瀞にちょっとだけ、だけど話し……聞かせてもらったし。抱きしめられて嫌じゃないどころか、後で、とかいっちゃったもの。だったら―――……尚也に妬かれない程度には甘えさせて貰えないかな、とか、思っちゃったぐらいだもの。嗚呼……また、増えたわね」             クッ、と、喉を鳴らす嘲笑の笑み、普段ならばそんなものになったのだろうが、今日は…口元にも楽しげな表情が浮かんだ             「……じゃ、そろそろ返さないと………そうする前に春奈に怒られちゃうわ。―――ごめん、尚也。つきあってくれて、ありがと。……随分落ち着いたわ、これで……大丈夫」 02:24 rouge >【尚也】「いや、こっちも……いい縁起物を貰った。」              腕に巻かれたリボンを、燐に見せて。              「これからの事は、帰ってきてから考えようか。 ほんと、やりたいこと多すぎるしな。 ………じゃ、燐。 いってきます。」              立ち上がって、机においてあったのみかけのココアを一気にあおる。 気負うことのない笑顔でそう告げて、足を踏み出した。 02:29 hikami >【燐】「……ん。…―――“いってらっしゃい”……私も、美潮達の所に行って来る。お互い……がんばろ」             ふわり、と、気負いを隠し、相手の清清しいまでの笑みを見れば……そんな不安も少し、薄れてくれる。僅かに残る寂しさ、嗚呼…―――“隣に、立ちたい”と……いつの頃からか願った、想い。踏み出す相手をそのままの位置で暫し見送り……ぎゅ、と、己の胸元を押さえた             「………大丈夫……私は……“燐”は………一人じゃ、無いわ。手が足りなくたって、他の人がいる。だったら、その人の為にも……―――」             私は、私のできる事をしよう。ふわり、と、後背になびかせる金色の髪、漆黒の翼も……             「―――きっと、今なら……大丈夫」             ―――もう、怖く、なくなってくれた……