21:23 hikami >―――この時間で良かったのよね? 21:23 hikami >      ええ、良い頃合だったと思います。丁度用事の済ませやすい時間帯ではありますから――― 21:23 hikami >―――そっか、でも珍しいよね、紫苑ちゃんが電話して欲しいっていうなんて。 21:23 hikami >      まあ、少々理由が……ですが、ん……今日のお礼に次は胡鞠さんのお願いを聞きましょうか?――― 21:23 hikami >―――そう?んー、紫苑ちゃんがそう言ってくれるなら折角だし…… 21:23 hikami >……―――そして日曜―――…… 21:23 hikami >幸か不幸か、快晴に恵まれた休日のひと時、降り注ぐ夏の日差しは…… 21:23 hikami >【紫苑】「……日傘ぐらいもってくるべき、でしたか………」 21:23 hikami >夜行性とまでは行かぬものの、至極夜型の生活を送っていた身にとっては些か、厳しいものがある。 21:23 hikami >濡れ羽色の髪を首筋で人くくりに纏め、羽織っているのは薄手、とはいえ長袖の黒のブレザー、同じく黒のスカートを纏い、黒のニーハイソックスをガーターで留めている。 21:23 hikami >ブラウスの白と色白の肌がアクセントとなってはいるものの見事なまでの黒衣であり、その纏う雰囲気は……喪装であるが故の暗さと淡さを併せ持つもの。 21:23 hikami >ほぅ、と、少女の唇から漏れるすこし熱い吐息は外気の暑さの所為……だけ、ではないのだろう。 21:23 hikami >昨晩のミッションから体に残る重い感覚、それが……誤算、ではあったのだろう。 21:23 hikami >駅前の、ショッピングモール。明るい色彩の衣類が店頭を彩り、時節柄なのだろう、水着を着たマネキンもガラスケースの中に相当な数並んでいる。 21:23 hikami >そんな場所へと続く待ち合わせ広場の時計台下、恐らくは己と同じく“誰かを待つ”人の群れの中…… 21:23 hikami >鮮やかな色彩をそれぞれが纏う中、この場所だけがモノトーンの重さ。 21:23 hikami >嗚呼、矢張り………昼間は、得意ではない。 21:23 hikami >じんわりと額ににじむ汗を軽く、ハンカチで拭った。 21:23 hikami >【茉莉】『“デートの約束の電話”ねぇ……?紫苑が、珍しい事もあるものよね、こぉんな昼間にだなんて?ま……ヤクソクはヤクソクだもの、ちゃんと、守ってあげるわ?』 21:23 hikami >中空に浮かぶ少女と同じ“幽霊”の姿、それは……昨日のミッションでそれなりに“満足”もしているのだろう、ある程度の不満はあれども“収穫”はあった、と……あの晩、私に囁いてきたのだ。 21:23 hikami >【茉莉】『だから大目にみてあげるわ?紫苑。んふふ……アナタのカラダが本調子じゃなくっても、私はシラナイけれど?それじゃ…“ヤクソクどおりふたりきりにして”あげる。―――私も愉しませて貰える状況に早くなって欲しいわ?あはっ♪』 21:23 hikami >そんな、コトバと共に……ふわりと、“姉”の姿が………消えた。 21:23 hikami >【紫苑】「……ええ、ありがとうございます。姉さん……」 21:23 hikami >“本調子ではない”のは……あんなミッションに後の事を考えずに動かれた反動、である。いつものベクトルとは違うだけで……まあ、どうとでもなる、か…… 21:23 hikami >寧ろ……… 21:23 hikami >【紫苑】「…………暑い、ですね……」 21:23 hikami >黒は熱を吸収する、ごくごく当り前の方程式こそが、今もっとも……日陰と夜になれた体を、苦しめていた―――…… 21:34 ShiSyo_ >【胡鞠】「んー、今日はちょっと暑い日かなぁ……まあ、雨模様よりはよっぽどいいんだけれど」             独りごちる。 21:34 ShiSyo_ >あの日以来、どうなることかとは思ったがようやく向こうから電話が来るようになり……指定の時間に電話が欲しい、という妙なモノではあったが、まあ、それはよしとして 21:34 ShiSyo_ >しかも、こんな風に昼間、買い物に出てくる、なんていう話にまでなった。あの子の様子からすればコレは結構な革命なのでは無かろうか 21:34 ShiSyo_ >……まあ、だからといって、これで何かがどうなるのかはわかったものでもないが……しかし、「変化」などというものは、最初は取るに足らぬものも多い 21:34 ShiSyo_ >【胡鞠】「……まあ、難しく考えても仕方ないしね。今日は一日、あの子が楽しめるようにしてあげないと」             と、約束の場を見れば…… 21:34 ShiSyo_ >【胡鞠】「って、あら?もう来てる……いきなり私負けてる……ま、まあ、これくらいなら……紫苑ちゃーん」             近づき、声をかける 21:39 hikami >【紫苑】「……ん……嗚呼……」             ふ、と、見上げる形の視線、陽光はやはりまぶしいものなのだろう、目を細め、軽く頭を振る形……明るさにも馴れて来たとは言えどもまだ、まぶしい。夏の日差しはそれほどに強く、意識的に浴びるのを避けてきたのだから……余計に“被害”は大きいのだろう             「……こんにちわ、胡鞠さん。思えば……昼間に会うのは初めて、ですか……」             初対面からして、夜、その後の来訪も晩御飯、である。こういう場の方が矢張り似合う女性なのだな、と……今更の感慨を得ていた。 21:41 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、こんにちは。」             にっこりと笑いかけ             「そうね、昼に会うのは初めてよね。大丈夫?」             なんとなく、そんな心配の言葉をかけてみる。この少女はあまりに闇が合いすぎるから……というと、何か変だけれど 21:46 hikami >【紫苑】「大丈夫か、と問われると……つい、余り、と答えてしまいたくなる程度、でしょうか」             それでも声色は平坦に響き…靴音の響かぬすべるような動きで相手の傍らへと移動し……そ、っと、その表情を見上げるようにと視線を向けた             「……問題、と言う意味では…問題ありません、ね。元よりこの週末は胡鞠さんへのお礼も兼ねて…という意図でしたから。好きな場所にお付き合いします」             そこに笑みでもヒトツつければ随分と違うだろう言葉、だが……無表情は崩されず、ただ、コトバの響きだけがすこし……優しげに変わっていた。 21:55 ShiSyo_ >【胡鞠】「そっか……んー……無理はしなくていいからね?」             ただでさえ、割と我が儘なお願いをしたと思っているのだ。多くは望んではいけない。ただ、僅か声色がいいところがあるのには救われる。 21:55 ShiSyo_ >……しかし、それにしても…… 21:55 ShiSyo_ >【胡鞠】「紫苑ちゃん、その……暑く、ない?」             少女の完璧なまでの「黒」に思わず心配がつのる。 21:58 hikami >【紫苑】「……暑い、ですね。上着ぐらいは脱ぐべきかとも思いましたが………」             下のブラウスは白、であり、半そで、でもある。それでも上衣は薄手とはいえど長袖であり、色も黒いモノなのだ             「……服は…制服以外は皆こういうもの、ですから。不便はあれど、そう変える動機になり得る訳ではありませんし、このまま、で通していましたが……」             今までは日中も日中、こんな日差しの中好き好んで、と言う行為は、なかった、という事もあるだろうが……             「……出来れば涼しい場所を回るコースですと助かりますね」 22:06 ShiSyo_ >【胡鞠】「んー……そっか」             変える動機になり得ない、というのは……おそらくそこに意味があるのだろう。言わないのだから、聞くまでもないことなのか……少し迷いつつも 22:06 ShiSyo_ >【胡鞠】「お店に入れば空調も効いているし……手早く移動しちゃおっか?」             とりあえずそういう事にしてみるとしよう。 22:06 ShiSyo_ >【胡鞠】「まずはそうね……んー……洋服、かな?」             意味があるだろう……とはいえ、やっぱりこの真っ黒は気になる。思わずそう提案してしまった。 22:10 hikami >【紫苑】「……服…ですか……?ええ、胡鞠さんの格好は何時も素敵なものが多いですし、どういった場所で選んでいるのかと興味、ありますね」             こく、と、小さな頷きを一つ……反射、とも、癖、とも言える行為なのだろう、そっと胸元に、ちょうど人の腕1本分の合間を開けて手を触れる形、視線を己の左上方へと流し―――……無論、そこには…“居ない”……             「…そう、ですね、では……案内を頼めますか?」             いいか、の確認を向ける……ただそれだけの習慣を無意識に行いかけ、今日の“約束”を思い返し……無駄な行為であると悟ればそのまま相手の傍らへと寄り添う位置に移動していた。 22:18 ShiSyo_ >【胡鞠】「…………」             虚空に向く少女の視線を一瞬だけ辿り……(ああ、そうか)と納得する。それはこの少女の「日常」なのだろう……少し、心に重みがかかるが 22:18 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、紫苑ちゃんの服もいいとは思うけど……まあ、ちょっと飾り気は少ないかも知れないけれど」             一瞬で頭を切り換える。自分がしたいのは、外の世界にも触れさせてあげること、なのだから。 22:18 ShiSyo_ >【胡鞠】「まあ、その、そこまで褒めて貰えるほどのお店かどうかは分からないけれど……まあ、ひやかすだけでも良いし、行ってみましょうか」             そして、笑顔。そう、郁咲胡鞠は笑っているべきなのだ。 22:23 hikami >【紫苑】「いえ……ん……飾り気、は無くて当然です。これは……喪装、ですから。」             ぽつり、と、零す平坦な響き。ふわりと動く体重を感じさせぬ“気配の移動”とも呼べる歩みはそのままに相手の傍らへ。             「今日の日程は……胡鞠にお任せします。好きな場所に、連れて行って下さい」             ……こうした“普通の買い物”にも疎いのだ、どこ、と振られる前に向ける安全策。実質、このショッピングモールへは……ほぼ、始めて立ち入る事になるのだから―――…… 22:28 ShiSyo_ >【胡鞠】「喪……」             思わず、小さく反芻する。自分には、嫌な記憶しかない言葉……否、普通に良い記憶などあるはずもないそれは……きっとおそらくは「もう一人」に向けられたものなのだろう。 22:28 ShiSyo_ >【胡鞠】「(とは言っても、ここで動揺しちゃうと前の二の舞、よね……つくづく、失敗が多いわ……)」             なんにしても自分の迂闊さには、ほとほと呆れてしまう。 22:28 ShiSyo_ >【胡鞠】「お任せ、か。そっか……それじゃあ、疲れたら言ってね。結構連れ回しちゃうかもよ?」             ここはあえて、いや、半分は本気なのだが……いたずらっぽく笑う。 22:33 hikami >【紫苑】「そう言う訳ですので……夏の暑さは中々参る事になっていますが……毎年の事、ともいえますのである種の慣れはありますが…―――ええ、判りました。折角の……」             そこで、言葉を、区切る。矢張り、ともいうべくか僅か左上方、何もない頃合にはそこに漂っている姿を探すようなシ―――を向け……直ぐに、戻す             「…折角の、胡鞠さんとのデート、というわけですからね。体力は人並みではありますが……問題はないでしょう」             そう言い、相手の傍らへと従う形、のんびりと……漂う、とも似た歩方で歩き始めていた。 22:40 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、それなら安心かな?」             またも一瞬向けられる視線。近くには居なさそうではあるけれど……いや、居ないからこそ、姉のことが気になるのだろうか、などと考え 22:40 ShiSyo_ >【胡鞠】「(でも、こういうのって憶測ばっかりでもしょうがないわよね。ただ、気になってるっぽい事実だけは把握しておこっか)」             と結論づけ、足をすすめ…… 22:40 ShiSyo_ >【胡鞠】「(ん……で、ぇと……?)」             ついぞ縁がなかったせいか、気がつかなかったが……ああ、そうかなるほど、そうなんだ……などと変な納得をした。 22:40 ShiSyo_ >【胡鞠】「あー……うん、まあ、とにかく、いこっか?」             気を取り直して、一瞬硬直した足をすすめ……そう、まずは洋服を見に行こう。 22:44 hikami >【紫苑】「……ええ、問題はありません。倒れるほどのものを着る程自虐的でもありませんし………後は……」             ふ、と、矢張り向く、視線。いけない、と判っていても……“約束”をしている、としても、それこそ“昨日の今日”なのだ。何処で何を、なんて……ついぞ心配になってもしまうもの、だろう。             「ええ、行きましょう」             こうして意識を散らせばかえって失礼、とも言える。ふ、と、不器用ではあるものの微か、笑み、とも見える形に口元の表情を和らげ……―――ショッピングモールの中へと向かう。硬直には気づかぬまま、手頃な、と相手の示す店内へと向かう事となるのだろう。そこに並ぶは無論………種々の衣類。己の纏う色からは随分と離れたものが多く、また、時節柄の水着特集なんてものも片隅にて開催されていた――― 22:49 ShiSyo_ >【胡鞠】「と……まあ、ここなんだけど」             ちょっと周りを見渡し……黒っぽいのはあの辺だっけ、などと算段をしつつ 22:49 ShiSyo_ >【胡鞠】「とりあえず、一通り見てみる?」             もしかすると黒以外のにも目が……向いても喪服の代用にはならないなぁ。ひょっとして失敗だろうか、などと一瞬落ち込みつつ 22:53 hikami >【紫苑】「ええ……そうですね。と、言いますか………胡鞠の服、では無かったのですか?」             てっきり、なんて…そんな発想。相手の今の言葉からすれば恐らく此処での目的は“自分のもの”と言う事になるのだろう。恐らく……この姿を心配してか、もっと、なんて思われたのだろう。内心に浮かぶ微かな、笑み。それを見せる事など無くただ平坦に……             「………胡鞠さんは……私は、どういうものなら似合う、と…思いますか?もっとも、その……“手袋”は外す事ができませんが」             そっと、己の両手甲を軽く撫でる。その下にあるのは月の意匠……この“デート”のきっかけともなった少女の話が本当であるとすれば……この紋様を持つ大本の魔王は今、幾分かの力をふるっているのだろうから。そうでなくともくっきりと刻まれた痕は酷く、目を引くものなのだから。 22:59 ShiSyo_ >【胡鞠】「へ……」             意外な言葉に一瞬止まり……なるほど、そういうことは考えたことがなかったのか、と思う。 22:59 ShiSyo_ >【胡鞠】「うん、それじゃあ……紫苑ちゃんに似合いそうな服を見る前に……まずは、今日の目的をきちんとはっきりさせないといけなそうね」             人差し指を立て、講義を始めるかのようにポーズを取る。 22:59 ShiSyo_ >【胡鞠】「今日は、紫苑ちゃんとお買い物に行く日です。ここまではいい?」             仰々しく問いかける 23:02 hikami >【紫苑】「……ええ、そうですね」             店頭にてたたずむ一組の“カップル”は……歳の差、と言うだけならば見事に一回り、体躯、と言う意味では似た同士。方や活動的、方や……言ってしまえばすこし辛気臭い装いと、色々とアンバランスな組み合わせでもある。そんなポーズにも平然と、視線を合わせるように正面から迎えていた             「もとより、その約束、でした。姉さんの後始末……というわけではありませんが、ん……“胡鞠さんから電話を頂いた”事で助かった、と言うのが趣旨、でしたか」             大丈夫です、とばかり。一つうなづき、続きを待った。 23:09 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん……まあ、その辺はちょっと引っかかるけど、まあこの際置いておこうかな」             約束、で縛った形にしたのは自分であるが故に、そこに多くは望むべきではないだろう、と 23:09 ShiSyo_ >【胡鞠】「で、そうそう。二人でお買い物で、お店をよく知らない紫苑ちゃんを連れて歩く訳。これで、私の買い物優先なんかしたらなんの為に紫苑ちゃんを連れてきたのか分からないわ。主役は紫苑ちゃん。あなたの方よ?」             ついつい、お説教……いや、お節介というべきなのか。ともあれ、変に熱くなってしまう。 23:09 ShiSyo_ >【胡鞠】「………と、ああ……うん、まあ、そういうこと」             なにを力説してるのだろう、と一瞬反省をして、調子を普通に戻し 23:13 hikami >【紫苑】「………―――嗚呼……成る程」             ぽつ、と、此処へきて漸く、なのだろう。思考に至るのが遅く、それでも説明を受けるのは真摯な生徒の態度、であるから妙に様になっている。言葉の終わりに一つ、頷き……             「でしたら……一緒に見る、と言う事で如何でしょうか。此方としては余り服を選んだ経験があるわけではありませんから、胡鞠さんが服を選ぶのと共に、の方が……選びやすいかと思いますので」             どうでしょうか、とでも言うつもりか。軽く上げた視線は伺う形に瞳へと向けられ、ほんの僅か傾げた首は…矢張り問いの形。 23:19 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん……そうね。まあ、私の普段用のだと紫苑ちゃん向けじゃなさそうだし……ちょっと服装を頑張る時用の服をみつつ、にしようか」             何の意味もなく、なんとなく、指をくるくる回しつつ考え……にっこり笑いつつ提案する。 23:19 ShiSyo_ >【胡鞠】「あ、でも。紫苑ちゃん自身がもし、これいいなって思うのがあったら遠慮無く見てね。私ばっかりが見立ててもなんだし」             そういうことがあるかどうかは別として……でも、これは行っておくべきことだと思った。 23:23 hikami >【紫苑】「頑張る…ですか……?」             その差異も判って居ないのだろう。着飾るという発想がない現状………いまいちピンとこない部分ではあった。それでも装いは、好意的に見ればかっちりと整えたものばかり纏って居るのだが             「ええ、それは勿論。“一緒に”と言う事ではありますから……私も、一緒に見るつもりでいます」             安心してください、とでも言うのか、小さく頷き……その頃にはすこし、周囲の注目を集めていた。どういう組み合わせなのかと訝しがる視線が殆どであり、それ以外には好奇、なんてものも混ざるだろう。最も、気にした様子など無いわけで……ふらりと、無造作、店内へと舞い戻ればそのまま相手の薦めに従い“洋服選び”に興じて行く事となるのだろうか。 23:30 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、まあ普段は仕事が仕事だし、動きやすい恰好なのね。どっちかというと、男の子っぽい感じかな?」             なにしろ、ジーンズにシャツ、といったようなラフな恰好までする。 23:30 ShiSyo_ >【胡鞠】「だからまあ、頑張るっていうのは……普通に可愛い恰好するっていうことかな?それじゃ、まずはあっちからね」             周りの視線など気にせず……いや、ひょっとすると気がついていないのか……迷うことなく店の奥に足を進める 23:35 hikami >【紫苑】「嗚呼、そういえば……確かにあれだけの喧騒の中ではそうそうスカートを穿いてもいられませんか……」             納得、とばかりに頷き……誘われるままに店の奥。すこし奥まった位置まで向かえばそれこそ視線などは遠ざかり……店内もそう混雑していない所為かひとまずはとゆったりした時間が過ごせそうか……無意識にそんな算段をとってしまった自分に気づけば微かに表情に苦さが過ぎる。それでも直ぐに隠し……             「成る程………この辺りでしたら普段の格好とあまり離れたデザインではなさそうですね…」             ふと、視線を向けるのはかわいらしい、とも言えるデザインのブラウスであったり、それに合わせるのに丁度よさそうなプリーツスカートの類。丈の短めなものが多い気がするのはまぁ、良いだろう。その中の一つ……とは言っても矢張り白く、当たり障りのない、といったラインのブラウスへと手を伸ばした             「……この辺り、ですと……それこそ“いつもどおり”ではありますか……」 23:45 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、可愛いと思うな」             紫苑の選んだ服を見て             「まあ……いつもどおり、からそう簡単に抜け出せるわけじゃないしね」 23:45 ShiSyo_ >【胡鞠】「ただ時間はあるし、そんなに混雑していないからゆっくり見て回ればいいんじゃないかな?」             考えを読んだわけでもないのだろうが、そんなことを口にして 23:45 ShiSyo_ >【胡鞠】「そうね……んー……いつもどおりから冒険しすぎるのもなんだし……例えば、こんなのとか?」             少しフリルが入ったものを選び出し 23:48 hikami >【紫苑】「…そう、ですね」             ゆっくり、と、ただそれだけの言葉にすこしだけ……ほっとする。カラダに残るあつさも、未だ抜け着れない頭の重さも……ひとまずはどうにかなってくれそうな、感覚。内心の苦笑はあれども、これはこれで良いか、なんて…―――?             「ん………嗚呼、その程度のフリルでしたらそう目立たないと思いますし、良いかもしれませんね。となると……」             かちゃ、と、先ほど選んだ常のブラウスはハンガーへと戻す。視線を向ける先はスカートなのだが………黒っぽいものとなると妙にタイトであったりとすこし、探し辛い             「……色、も………普段と代えて見るべき、でしょうか……」             ぽつり、と、そんな呟きが零れた。 23:53 ShiSyo_ >【胡鞠】「え……」             呟きを聞き             「ん……そうね。変えてみるのもいいんじゃないかな?」             心を開く、とはまた違うのだろうけれど……これも、少しの変化で。そこに気がついて内心少しどきどきとしながら 23:53 ShiSyo_ >【胡鞠】「とりあえず見立てるだけでもいいし。気に入らなかったら買わなければいいだけの話だもの」             努めて普通に喋る……普通に喋れてるわよね、なんて思いながらの辺りが間違っている気もしたが 23:57 hikami >【紫苑】「ええ…………では………」             かた、と……ハンガーから、一着。色の傾向としては赤、だろうか……黒をベースにしたチェック模様、その赤も濃く、どちらかといえばダークファッションに用いられる様な色彩である。フリルのブラウスを合わせてみればそれなりに見られる程度の組み合わせ、ではあるだろうか。そんなもの、己の前にかざす形に相手の方へと体ごと向けて             「……どう、でしょうか?胡鞠さんの感想で構いませんが……」 00:03 ShiSyo_ >【胡鞠】「どれどれ?」             どうかなーという感じに目を向けて             「赤にしたのね……ん……」             じ、と真贋を見極める鑑定士かのごとく真面目に見つめて 00:03 ShiSyo_ >【胡鞠】「うん、可愛いわ。凄く似合ってる」             お世辞でもなく、それは確かに似合っていた。そう思うので、自信を持ってそういってみた 00:05 hikami >【紫苑】「そう、ですか………」             ん、と……小さく、言葉として口に上らせる。僅かの、思案、その後に抱えた衣類を纏めて軽く畳んで行き……             「では、これにしましょう。胡鞠さんも気に入ってくれたのでしたら………問題ない選択だと言う事でしょうから」             その自信に後押しも貰ったのだろう、相変わらず平坦な口調ではあったものの。口元が微かに緩んだ。 00:10 ShiSyo_ >【胡鞠】「気に入ったのがあって良かったわ。うん、それじゃあそれは買うことにしよっか」             少し、普通の女の子っぽくなったかな、などと思いつつ 00:18 hikami >【紫苑】「ええ、そうしましょう。これで………―――デート用の服、が買えた事になりますから」             ぽつりと、ほんの小さな吐息にも似た言葉……それを腕に引っ掛ける形にと保ち……             「では……ん、もう少し見て回りましょう。胡鞠さんの分がまだ、ですから……」             ―――等と、そんな言葉。他意はないのだろう、目的をひとまず決めて尚、それでも……まだ、なんて。めったにない、欲。何の事かと思えども余り判然とせず、どころか……くす、と、何処かで笑われた様な響きもある。 00:18 hikami >…―――それでも…… 00:18 hikami >時は、素直に流れるものである。 00:18 hikami >もとより緩慢な動作の少女の事、目的を定めてなおも続くのんびりとした“買い物”のひと時…… 00:18 hikami >それなりに大きな店内であった所為もあるのだろう、昼過ぎの待ち合わせが、外に出てみれば丁度夕刻、訪れた時と比べて幾分か和らいだ日差しのもと、普段は下げる事のないショッピングバック等を腕にぶらさげ……駅前へと戻る。 00:18 hikami >そのつもりの足が……ふと、わき道へと、反れた。 00:18 hikami >【紫苑】「…………時間、は……そろそろ、でしょうか?」 00:18 hikami >時計を見るまでも無く傾く夏の、日差し………今は相応の時間に、なってしまっている事を悟らせていた。 00:23 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、そうね」             腕時計を見、それが当たり前のように。ただ決まったことを確認するように 00:23 ShiSyo_ >【胡鞠】「流石にまだ明るいけれど、大分時間経ってるものね。うん、それにしても久しぶりに長いこと買い物しちゃったわ」             楽しそうに笑って見せる 00:26 hikami >【紫苑】「ええ………私は始めて、ですね。何時も同じ店で同じものを、と……多少の差異を見出す事はあっても同種の物をそろえるだけのものに時間を使う事はありませんでしたから」             結局、買ったのはあの一組だけであり……残りの時間は胡鞠の服を探したり、とうてい着る事もなさそうな類の服を眺めたりと、無為ではあれど……             「……楽しんで、貰えましたか?」             …そんな、時間。頭の奥に残る鈍い痛みはまだ取れてはくれないものの、ふわり、と……儚さを纏った笑みを見せる事はできる。珍しいともいえる表情の変化、そんなものを、相手へと向けた。 00:30 ShiSyo_ >【胡鞠】「ノンノン」             チッチッチッと目の前で指を振ってみせて             「最初にも言ったけれど、今日の主役は紫苑ちゃん」             じ、と視線を合わせ 00:30 ShiSyo_ >【胡鞠】「だから、紫苑ちゃんが楽しんでくれたらそれだけで私は十分。逆に、そこが駄目なら全然駄目なのよ?」             いい?と問いかける 00:33 hikami >【紫苑】「ん……いえ、それでは“お礼”にはなりませんから。……胡鞠さんも楽しんで貰えたのなら……そう、ですね……」             そんな視線を受けてか、歩みを止め、くるりと、相手と視線を合わせる位置。対面に向かい合うままに相手へと手を、伸ばした             「……―――楽しかった…と、思います。胡鞠さん。……不思議な感覚、ですが………“ここ”で……試しても良いですか?」             外れたのなんて簡単な話、一本入った裏通り、とも言える此処は……人の気配が、少ないのだ。表の活況から比べればいっそ穴場、そんな場所ばかりは良く、知っている。避けられねばそのまま、相手の首筋へと抱きついてしまうだろう。 00:38 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、紫苑ちゃんが楽しめたらそれで私も満足できるから、十分お礼になるのよ?」             相変わらず人差し指を立てた講義姿勢 00:38 ShiSyo_ >【胡鞠】「で、その上で……紫苑ちゃんが楽しめたのなら私も安心して『楽しめた』って言えるわ」             微笑み 00:38 ShiSyo_ >【胡鞠】「試す?」             唐突に出てきた単語に、はて、と首をかしげる。今日で色々あったし、なにかしてみたいことでもあるのだろうか 00:41 hikami >【紫苑】「……でしたら……“楽しめて”居ます。貴女が楽しんでくれる、と言うのでしたら……私も、楽しめた、と言う事になるのでしょうから」             相手の言葉をそのまま引き継いだ形、ふわり、と、微かな笑みの形のままにそう、告げて………避けられなかったのを良いことにと、そのまま、ふわり、と。―――無闇に手馴れたその動き、かさり、と、僅かに響く紙袋特有の落下音と共に身を寄せ……             「……約束、ですから」             ―――ひょい、と、軽い、背伸び。ごく自然な動作で胡鞠の、唇を、奪った。 00:45 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん……ぁ、ぅ……」             予想外……であった。いや、前例のことを考えれば予想してしかるべきだったのかも知れないが……流石に、動揺した。 00:45 ShiSyo_ >【胡鞠】「そ、そうね、約束あったね。うん、そ、外でっていうのはちょっとだけ予想外だけど」             なんとか冷静さを取り戻そうとしてみるが、少し失敗 00:45 ShiSyo_ >【胡鞠】「え、と……その、試すっていうのは……これ?」 00:49 hikami >【紫苑】「……ええ、お試し、と言う事でしたから」             ちゅ、と…微かに響く水音。軽いショッピングバックは抱擁の際に落とされ、両腕を自由にしてある。僅かに残る身長差を埋めるようにと首筋に腕を回し甘える様な姿勢、偶然通りかかった通行人は……すこしぎょっとした様子を見せたが無論、気にする様な性質ではない。寧ろ……             「……確認の意味も含めて、ではありましたが。……胡鞠さん、私のキスは……“嬉しい”ですか?」             それこそ何を、とでも言う言葉だろう。顔なんてごく、間近、近すぎる程の距離、つい先ほどまで重ねた唇にはほんのり残る相手の熱―――             「……私は……“嬉しい”のだと……確認、できました」 00:57 ShiSyo_ >【胡鞠】「……………」             一瞬固まったものの……少し居住まいを正す。抱きつかれた恰好のまま、というのが些か締まらないが仕方ないだろう。 00:57 ShiSyo_ >【胡鞠】「そっか……紫苑ちゃんの結論は、そうなったのね?」             間近にある顔に真面目に問いかける。 01:04 hikami >【紫苑】「結論、といいますか、ん……―――いえ。“お試し”と言う意味では……今日一日、胡鞠さんと過ごしていましたし、今もこうして………あの日、強請った口付けも、今日こうして奪った唇も、その両方が……愛しいものであると感じました。ですから……」             ちょん、と……再度の、口付け。そうできる程度には近く、僅かに目を細める仕草は…姉と同じ癖だが、此方の側の方がすこしばかり柔らかい、か             「……“好き”に…なっているんだと。……そうではないか、という程度の感覚ですが………少なくとも欲や、快楽だけで貴女にこうして欲しいと思っている訳ではないだろう、と。……曖昧な言葉にはなりますが……“好意”を持って、口付けを欲しているのだと思います」             ぽつ、ぽつ、と、平坦に、探るように……微かな音と共に零れる響き。腕だけは、ぎゅ、と、抱きつくポジションをずらさぬよう、すこしだけ力が篭った。 01:10 ShiSyo_ >【胡鞠】             「……ん、ちょっと驚いた。紫苑ちゃん、こんなに積極的なところもあるのね」             思わず、頭を撫でる 01:10 ShiSyo_ >【胡鞠】「それに、愛しい、か……うぅん……そんな言葉初めて人から聞いたかも」             普段の調子に戻って             「こういうことも、そうね、好きでしてくれてるなら、とても嬉しいわ」             なでなで、と 01:14 hikami >【紫苑】「いえ………私も、こういう事は滅多に。―――どちらかと言えば姉さんの担当部分ではありますから」             撫でられる指の動きは……すこし、擽ったい。不快なものではなく、暖かなその指の感触にふわり、と、儚い笑みがまたも、こぼれた             「……では、ん……―――“好き”です、胡鞠さん。」             ぽつ、と、そんな、言葉。挙句に……三度の口付け、今度は僅かに舌を覗かせ、くるり、と、唇を舐める様な動きまでもが混ざる。             「ん………―――」             それでも……そこまで。“約束”の“お試し”は、この程度の踏み込みになるのだろうなんて悟りと共に……身を、外した             「……迷惑でなければ、もう少し、こういう関係を続けて頂ければ……嬉しい、です」             そんな言葉は珍しく…照れくさそうに掠れた、もの。 01:25 ShiSyo_ >【胡鞠】「そうよね……いつもこんなだったら、紫苑ちゃん像を変えないといけなくなっちゃうわ」             緊張は既に解け、本当にいつもの口調で軽い笑いを交え 01:25 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん……迷惑だなんて。そんなことないわ」             そ、と近づき……自然にぎゅ、と抱きしめる 01:25 ShiSyo_ >【胡鞠】「まあ今みたいに、いきなり外で、だとちょっと困っちゃうけれど……うん。大丈夫よ」             頭をなで 01:25 ShiSyo_ >【胡鞠】「それにまあ……本当に迷惑だったりしたら、ここまで付き合わないし。なにより……それならさっきので逃げちゃうかな?私こう見えて恐がりなのよ」             冗談めかしてなのか、本気なのか、そんなことを言って 01:29 hikami >【紫苑】「いえ……胡鞠さん相手にはどうか判りません、が……」             そう、相手、にもよるのだろう。こんな風に……―――             「っふ……」             ―――抱きしめられるのも、撫でられるのも……暖かくて気持ちの良い“体温”であることは間違いがないのだろう。昨晩の熱が僅かに残る中、うっかり、ではあるが甘やかな吐息が零れてしまったのは……すこしの失敗             「……では、胡鞠さんを怖がらせない様にと……気をつけます。逃げられてしまっては……今となってはすこし、傷つきそうですから」             ちょん、と、それでも、悪びれる事なく重なる唇同士……離れたとはいえど、背伸びの気安さなんて……妙に手馴れた動きではあるか             「……今日は“楽しかった”と思います。買い物もすこし新鮮ではありましたし……こういう“デート”ならば…また、いつか」 01:35 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、それなら重畳」             もう、キスにも動揺することなく、笑顔で 01:35 ShiSyo_ >【胡鞠】「うん、この程度でもよければ、いつでもどうぞ」 01:39 hikami >【紫苑】「……ありがとうございます」             ぺこり、と、常の、楚々とした佇まいのままにて頭を垂れる。口付けを狙う為にと落としたショッピングバックを再度拾い上げ、ぽん、ぽん、と、数度埃を払うようにすればまたも掲げなおす事となるだろう             「では……行きましょうか。そろそろ……―――」             夕食か、それとも、それぞれの帰路か……心なしかではあるが、先ほどよりも若干寄り添うような位置、好意的に見れば仲のよい親戚程度、穿って見れば―――そう言う関係、と、される程度の距離を狙い…軽く見上げる視線、構わないか、とでも問うようなものを、向けた――― 01:55 ShiSyo_ >【胡鞠】「ん、と……」             自分の立ち位置を問う視線。流石に鈍い自分でも気がつく。 01:55 ShiSyo_ >【胡鞠】「じゃ、紫苑ちゃん。はい」             腕を回し腕を組むような形に持っていき。大丈夫よ?というような顔を向けて 01:55 ShiSyo_ >おそらくは、私に遠慮してのことなのだろうな、と思い……それならこうしてしまった方が早いだろう、などと思う。 01:55 ShiSyo_ >実際の所、別にそういう関係でなくても腕を組む事なんてあるらしいし……まあ、どっちでもこれくらいなら許容範囲だろう。 01:55 ShiSyo_ >そんなことよりも……お試し、という自分の幼稚な発想の中で、しっかりと答えを出してきた紫苑ちゃんには自分からいずれキチンと返答を出さなければいけないだろう、と思い。 01:55 ShiSyo_ >……さて、この辺は実に困る。まあ、この辺は今後の課題だろうし、これから真面目に考えるべきことだろう。 01:55 ShiSyo_ >今日はともかく、楽しい気分のまま帰る、のが一番……そう思い…… 01:55 ShiSyo_ >【胡鞠】「せっかくだから、御飯も食べて帰ろっか?」             そう提案し……答えを聞かぬまま、もう決めた先に足を向け……