20:19 rouge_ >【尚也】「……ううむ。」              がらんがらーん、とハンドベルが鳴り響いて、それは僕の手元にやってきた。 20:19 rouge_ >5等、の称号を背負うもの。手に提げた重いような軽いようなそんな荷物を見やる。 20:19 rouge_ >花火セット。 それが荷物の正体だった。 20:19 rouge_ >  20:19 rouge_ >【尚也】「……大々的にやるにはちょっと足りないよな。微妙にシーズンも早いし。 20:19 rouge_ >しかして折角の僕の幸運だ、遊ばないのももったいない。」 20:19 rouge_ >そして家に帰ればその使い道を早速家族と話し合う。 どっちかというと妹と。  20:19 rouge_ >最近出来た知り合いや有人、更には幼馴染達の顔を順繰りに数える。 20:19 rouge_ >どう多く見積もっても3人分以上の量はない気がした。 20:19 rouge_ >本格的な夏も近い、そんな催しも、悪くない気がした。 20:19 rouge_ >  20:19 rouge_ >【尚也】「夏休みはいったら今度は皆誘って花火大会とかもいいよな。 どっか遠出して……」 20:19 rouge_ >理夢が火遊びだと張り切っていたので、自分を含めて残り誘えるのは一人のみ…… 20:19 rouge_ >  20:19 rouge_ >【尚也】「てゆか、もう決まってるんだよな……理夢の頼みだし……、あいたいってごねる以上どうしようもないし… 20:19 rouge_ >なんか燐は、こういうのやった事なさそうだしな。 しかし来るかなぁ…唐突に呼び出して……」 20:19 rouge_ >休日の午後、三崎尚也は一華燐に電話をかけた。 20:19 rouge_ >用件は、今夜うちで花火をやるからよかったら来い。 20:19 rouge_ >……というものであった。 20:28 hikami >  20:28 hikami >どんなタイミングか、と言われれば……それは“唐突”とも……“またか”とも取れるものであった。 20:28 hikami >後者は無論否定的なものではなく、なんでこんなタイミングで、なんていう―――弱みに、値する評価だったりするのだが。 20:28 hikami >さておき。 20:28 hikami >【燐】「……迎えに来ないって言うのは気が効かない所…かもしれないけれど……」 20:28 hikami >道を覚えているか、なんて言葉に頷いた結果だろうとは思えども、それでも、と思うのは贅沢でもないだろうに… 20:28 hikami >門限ギリギリに戻った寮の部屋を、渋い顔をされながらも強引に押し付けた外出届けと共に外に向かい、月夜の道をのんびりと歩む。 20:28 hikami >今更、なのだ、この程度物騒でもなんでもない―――寧ろ闇に溶ける時刻の方が“落ち着く”のだ、なんて… 20:28 hikami >【燐】「―――不味い、か。理夢の提案みたいだったし………気分転換、のつもりが一番よね、多分」 20:28 hikami >普段は持ち歩かない少し大きめの鞄を持つのも、ただヒトリの存在に対しての言い訳である。 20:28 hikami >―――数度しか来た事がないというのに迷わなかったのは…なんでか、なんて―――まあ、そんな事はどうでもいい。 20:28 hikami >【燐】「………………………………………押すべき、よね、こういう場合は…」 20:28 hikami >さて、誰が出るか―――なんだか、早速…心臓に悪い…… 20:32 rouge_ >【理夢】「はいはーい、今出るよー」              ぱたぱたぱたと廊下を走り、玄関の扉を開く。 眼鏡にショートカット、夏らしく薄着のまま少女が顔を出す。              「や、燐ちゃんひさしぶりっ、元気だったっ!?」              満面の笑みを浮かべ手いる。 20:36 hikami >【燐】「っ……―――」             外れ…とは言わないが……否、尚也と、彼女以外に出迎えられるよりは何倍もマシではあるのだがそれでも、戸惑う。一瞬の沈黙を見せた此方は常のゴシックロリータを纏い、アンティーク調のカート式鞄を引き摺っている格好でもある             「ん…久しぶり、って程でもないじゃない。この間…ご飯、貰ったし」             思えばアレも少し、気恥ずかしい記憶でもあるのだろう。若干、尻すぼみになってしまっていた 20:39 rouge_ >【理夢】「世間じゃ1週間会わなきゃ久しぶりだよ。 ん、そのかばん可愛いなー、何処で買ったの? って、玄関先で立ち話もなんだね、はいってはいって。」              若干テンションがいつもの彼女を知るものなら高めである事を見れば即座に理解するであろう。 燐の後ろへとまわり、ぐいぐいと其の背中をおして家の中に入れようとする。 20:42 hikami >【燐】「そんなもの?…そんな気はしないけれど……ん、これは駅前の―――って、あ、ちょ、ちょっと……まだ、靴っ……!」             らしくない、とでも言うべくか。あっさりと相手に背後を許したばかりか…鞄を慌てて引き寄せるので精一杯の惨状、常ならばここら辺で来るであろう助け舟が……―――それこそ、期待し過ぎといった物だろう、夜分の珍客、ではあるわけだし―――             「お、おじゃまします…あぁ、もう、入る、から靴、脱がせてよ。これ、結構面倒なんだから……!」             そのテンションについていくのは一苦労以前、あっさりと気圧されてしまう辺り難、だろう。結局はもたもたと、慣れた筈のブーツを脱ぐ作業ひとつ、指先をもたつかせる事となってしまっていたのだが…… 20:48 rouge_ >【理夢】「あ、そっか、ごめんごめん。」              玄関先に座って、燐が靴紐をほどくところをじっと観察する。              「結構こだわってるよね、やっぱ今度燐ちゃんモデルにしたいなあ……今度写真とってもいい?」              何てそんな割といつものやり取り。              「あ、そうそう、兄さんから伝言。 天文部のほうではずせない用事が出来たので悪いけどちょっと出てくる。 花火のほうは楽しんどいてくれ、だってさ。」 20:51 hikami >【燐】「…な、何よ……」             流石に…気恥ずかしい。夏物だから、と言う訳でもなく―――ちょっとした御洒落の一環としてスカート丈が一部短い物を選んできたのだから…角度によっては少し、不味いのだ             「モデルって何のよ、それに、写真なんて撮ったって良いものじゃないわよ、こんなの。…拘ってるのは確かだけれど、別に……」             “衣装”なのだから、とは流石に言えない。とん、と、框を踏む際には念のためにとこっそり呼気を整えて…             「……―――は…?」             おじゃまします、の言葉はそんな一言に遮られ…             「―――何、居ないの?尚也…」             …反射、心細げな音がぽつりと零れた 20:57 rouge_ >ここから回想シーン。           【尚也】「…割と外出るときって言い訳に困らない? 急に呼び出されたりすると。 天文部に入ってると偽って星を見る集まりがあるんだよ! と言い張って外に出たりしてるけど。」              やれやれ、とばかりに頭を振る。              「光さんはいいにしろ、アンゼロットさんがわからの話だと本と時間お構い無しかつ無茶っていうことが結構あるよな。 なんか最近、あの人から呼び出されるのが微妙に億劫になってきたぞ、僕。」              何て雑談が、かってあったりなかったり、したのかも知れない。          回想終了。 20:58 rouge_ >【理夢】「うん、なんか外人っぽい人の名前を呪詛めいた呟きしながら渋々でてったよ。 何ていうか、天文部っていうキャラじゃないよね、兄さんって。 燐ちゃんは何かクラブ活動、入っていたんだっけ?」 21:02 hikami >【燐】「……ぁあ………」             その言葉で…確信する。なんだ、その天文部、って言うのは。そもそも……なんで“そう言う時に”こそ、なんて……駄目だ、これじゃあ拗ねているだけだ。そもそも“今”の自分が、なんて――見透かされているのかも知れない――思うのは過剰評価だろうか…             「……らしくないけど、尚也がらしくない事するのは今更だもの。大方………春奈にでも誘われたんじゃない?」             これを如何繕えと言うのか、と…もう少しマシな言い訳を用意して欲しいものだ。まさかこうして行き当たるとも思えず、携帯は―――恐らく無駄だろう             「…どのぐらい前よ、でてったの。……楽しんでろったって…戻って来る訳?」             なんて聞いてしまえばいっそ難だろうに、つい言葉が零れてしまう             「…ん、私は……入ってない。苦手、だし…」             ―――人が、なんて事は…流石に言えないけれど。 21:08 rouge_ >【理夢】「んー……6時過ぎ、燐ちゃんに電話かけてから割と直ぐの事だったかな?」             んー、と首を傾げながらその時の情景を思い出す。              「ああ……そういえば、燐ちゃんも知ってるんだ? 春奈のこと。 あの2人付き合いだしたんだよね、春奈が前々からそうじゃないかと思いつつも早まるなー…って願ってたけど、早まっちゃったみたいなんだよね…」              はぁ、と溜息をついて。 それでも、表情事態を見てみれば、それはけして苦いものではなく。              「そっか、燐ちゃんもクラブ無所属か。 私もなんだけどね、ちょっと他にやりたい事も多いし。」 21:13 hikami >【燐】「そ、っか……まぁ急用じゃ仕方ない、か……ま、それならそれで理夢と遊ばせて貰っても良い、のよね。…あらためて、おじゃまします。」             それでも零す言葉に寂しさが滲むのは感情を隠し辛くなってきた証拠でもあるのだろう。ふるりと軽く頭を振って追い払おうとし―――……             「……ん、知ってる。春奈ともちょっと…知り合いじゃある、し。付き合った、ってのも……尚也から聞いた。馬鹿みたいにうれしそうだったわ」             ちくり、と…少しの苦さを覚えるのは……まだ棄てきれては居ない証拠でもあるのだろう。己の位置を自覚しても尚、なんて―――戯言だ             「本当、似合い、ってよりは尚也がうまくやった、って感じよね。並んでるとちょっと……―――面白いもの。」             取り繕う様な言葉にならぬように勤め、皮肉げに口元を歪めての毒舌、軽く、ひょいと肩を竦める癖が移っている事にも気づかないままに             「…やりたい事…?―――なに、それが私をモデルにする事と…何か関係でもあるの?」 21:21 rouge_ >【理夢】「うん、寧ろ遊んで遊んで。」              その言葉に、嬉しそうに表情をほころばせて。              「燐ちゃんは、花火けっこうするほう? 私はもう2年ぶりくらいなんだけどさ。」              燐を何度か案内した客間に案内しながら。              「そっか、兄さん、燐ちゃんには結構色んなこと話してるんだね。なんか、兄が本当、お世話になってます。」              冗談めかしてぺこりとお辞儀をして見せたりもした。              「あれ、燐ちゃんにはいってなかったっけ。 私、漫画描いたりもしてるんだ。 結構、頑張って活動させてもらったりもしてたり。」 21:27 hikami >【燐】「……うん」             まさかそんな風に喜ばれるとも思わなかったのだろう、一瞬面くらい、きょとりと瞳を瞬かせ…僅かの赤面、そんな行程の後に俯く様な動きでの返答を返す。ぺたり、と板間を踏む足音と共に、カート部を切り離した革の鞄を手に廊下を歩み客間へと腰を下ろした             「……世話に、なんて。まぁ確かに色々厄介事は押し付けられるけど……悪い気分じゃないわ。私だって迷惑…かけてそう、だし。」             寧ろ…話す事なんて望んだもの、それによる何か、だって…したい、と思ったものなのだ。そんなの言える訳もなく曖昧に言葉を濁し、視線を彷徨わせた。―――調子が狂う、なんてものじゃない。助け舟のない中落ち着くことだって…―――だから、うっかり零れたのだろう             「…やったこと、ない。花火がどんなものかぐらいは知ってるけど……手にした事は一度も、ないわ」             …それがこの年齢の者にとってどれだけ稀な事かを自覚せぬままについ、本当の事が零れた             「絵、は聞いたけど……漫画、理夢も描いてたんだ……本を読むって言うのは聞いた事あったけど、そっか……そういえば瀞も理夢に漫画、薦められたっていってたわね…」             思い返すのは二人分の面影。自分に初めて同人誌と言うものを教えてくれたシュナと、以前…隣り合って話をした春奈の、妹。…案外…世間は狭いものなんだな、なんて――― 21:34 rouge_ >【理夢】「うん、商業で活躍してる作家さんに好きな人は多いけど、近い世界での話をするなら好きな作家さんは陽月流々さんって人かな。 私はオリジナル系でお話展開するの好きであの人は原作ありなんだけど、何ていうんだろう、キャラクターの愛し方とかシチュエーションの選択具合とか、凄く上手なんだよね。              流石大手だよね……って、こんな話してもしょうがないかな。 あ、燐ちゃん、今日良かったら見ていく? 私の作った奴とか、その陽月さんのとか、お勧め漫画とか。」              思わず熱く語りすぎたかなんて思えば、僅かにほおを赤らめて。              「ふえ、花火、やった事ないんだ? そっか……」              暫く考え込んだ後。              「そんじゃ、今日は2人で花火で遊び倒そうか。 火遊びって、なんだかどきどきするんだから。」              明るい笑顔で、僅かにばつの悪そうに見える表情を包み込むように。 21:39 hikami >【燐】「…商業…って、本屋で買える奴、って事よね」             そこら辺の細やかな違いはシュナにおぼろげに聞いた程度、そう、理解しきったものでもないのだ…故に問い、軽く首をかしげてしまって             「私も結構好き…なのはある、けど……それでも濫読よ、結構。統一性はあんまりない、かも……―――ん、ちょっと見てみたい、かも。以前見せてもらった時、に……―――」             …反射で思い出すのは“あの”シーンなのだろう。かぁ、と、相手以上に判りやすい色白の肌が羞恥に染まり、慌てて頭を振って、追いやった             「……見せて、欲しいかも」             故に、見覚えのあるオトにも反応を返す事が出来ず、微かな引っ掛かりを覚えるだけに留まった             「―――……やったことない、から。やり方教えてくれるなら、良いわ。…尚也に聞こうと思ったのにアテが外れちゃったし、理夢のが教えるの上手そうだから……丁度良い」             此方は此方で…赤面の理由をごまかす方法なんてのを考えていた所為で矢張り、気まずい調子、ではあったのだが… 21:46 rouge_ >【理夢】「あ、燐ちゃんも嫌いじゃないんだ? 良かったあ。 ふふ、瀞ちゃん…えっと、さっき会話に出てきたから面識はあるのかな。瀞ちゃんなんかは漫画自体見たことのない感じだったからちょっと勧めるのに苦労したよ。 それじゃ、花火のあとはお部屋で漫画タイムだね、うん、なんか楽しくなってきた。」              ちらり、と燐の持ってきたケースに視線をやりながら。              「今日は泊まっていってくれるんだよね? いっぱい遊ぼうねーっ」              気まずそうに赤面をごまかそうとする燐にここぞとばかり近寄り、軽く抱き寄せる。 21:50 hikami >【燐】「と言うか……私も結構、持ってるし、本は。ええと…同人誌はこの間初めてだけれど……ちっちゃい頃とか、本読むぐらいしかする事なかったから…気づいたら溜まってた感じだもの。……ん、瀞もちょっと前に知り合ったから、判る。…丁度私が漫画、読んでた時だったから…理夢の名前出てきてびっくりしたぐらいだもの。…ん、そうね。後で…見せてもらう。面白いの知ってたら教えて欲しいし……」             本を読んでいれば、なんて逃げを算段した、と言う事もあるだろう、うっかり意識を反らし……―――それが油断、だったのだろう             「わぁっ…!?」             …矢張り―――慣れない。びく、と、一瞬身を強張らせ、常とは違う少しだけ大きな声、それに気づきかぁ、と、頬の熱が…増した。 21:57 rouge_ >【理夢】「ふふー……うん、やっぱり燐ちゃん、あったかいねえ。 一度こうしてみたかったのだよ、うん。」              ぐりぐりと自身のおでこを燐の髪におしつけつつ。 しばしの抱擁を楽しんでみたりして。              「ようし、充電完了。」              しばしの時間が経過すれば…ぱっ、と手を離し、非常に満ち足りた表情で。              「燐ちゃん、結構兄さん周りの友達とも仲がよさそうだよね。 ふふ、色々聞かせてもらっちゃおうかな。 それに、紹介してあげたい漫画は沢山あるし。あー、時間足りるかなーほんと。」              楽しげに、壁にかかる時計を見上げた。 22:02 hikami >【燐】「ちょ、ちょっと……こら……っ……!」             かぁ、と、当たる身の柔らかさやら、伝えられる体温の暖かさやら―――矢張り兄妹か、感じる雰囲気の、端々に滲む共通点なんかにすっかり戸惑い…擦り抜ける努力も適う事無く腕の中、である。―――離された時には、ばくばくと嫌な調子に心音が早まり、額にはうっすらとやはり歓迎し辛い汗が滲む事となるか             「仲良い、って程じゃないわ。春奈経由で知ったりした程度だったりするし……―――珍しがられてるだけよ、こんなの」             流石に…高等部までは己の風聞は伝わって居ないだろう、こんな姿は学校とは…大違い、なのだから。ほぅ、と、吐息を零し、乱れた髪を整えた             「―――……泊まっていくつもり、なんだし……夜更かしぐらい構わないわよ。それに……」             …まだ、今日だけとは限らないじゃないか、なんて……言える訳も無い。緩く首を振り、乱れた衣服もきちんと、整えた             「…先ずは、花火、でしょ?―――教えてもらわないと気になっちゃうわ」 22:09 rouge_ >【理夢】「うん、それじゃ行こうか。 えっと、花火のほかに蝋燭蝋燭…と、チャッカマンとかつかってもいいんだけど、やっぱり蝋燭のほうが私は雰囲気でて良いな。  それじゃ、庭にでよっか?」              花火セットを引っつかみ、既に用意してある蝋燭とマッチを手にとって。 うきうきとした様子で先導する。              「ん、大丈夫? 体調悪い?」              そんな照れのことはいざ知らず、ぼうっとした様子の燐にはそんな風に声をかけて。 22:12 hikami >【燐】「…そんなもの?火がつけばなんだって良い気はするけれど………」             そう、という訳でもないのだろう。風情なんてものは矢張り…まだ判らない。庭に、の言葉にも頷き、また靴を履くのにもたもたと時間を使う事にもなるのだろう             「……なんでそう思うのよ。別に…普通、いつも通りよ?」             その心配の理由も矢張り察せぬのだろう、若干の不機嫌を滲ませた言葉と共に首を傾げ、穿き終えたブーツの踵を整えるようにと軽く足を捻った。 22:18 rouge_ >【理夢】「ん、ならいいんだ。」              分かっているのかいないのか、微妙ににやにやしている。 分かっているのかいないのか。 くすりと小さな笑いを漏らして。              「んー、確かにそういう一面はあるけどね。 やっぱり花火といえば全体に漂う雰囲気を楽しむことのような気がするのですよ。私は。 これが日本的な感覚って奴なのかな? 燐ちゃんは、日本は勿論長いのかな? 言葉上手いし、そうだと思うけど。」              その容姿から、燐は外国から着た、と解釈しているようで。 22:25 hikami >【燐】「……何よ…」             頬の熱は…自覚していた。抱擁の残滓を引き摺ったまま、向けられた言葉の追い討ちと……調子が狂う。常ならば、なんて逃げの矛先は今日は…居ない、のだ。二人きりなんて状況はもはや初めてにも近い、こんなので、なんて思えども今更引き返す気にもなれないし―――厄介、が…相応しい言葉か             「…そう、なんだ。ん……じゃあその辺りは体験して見れば判るものかもしれないわね……」             軽く砂利を踏み、庭へと至れば芝生、だろう。花火につき物の水の用意等を手伝うべくかまだ少し、迷う。それでも一先ずはと相手の後ろについて動く事になるだろう             「……―――日本以外に居た記憶は、無いわ」             これも…幾度か言われてきた質問、なのだ。故に返す言葉なんて決まっている             「…孤児だからね、私は。本当の事なんて知らないわ」             …だというのに…真実を知った今、その言葉も白々しく嘯き、微かの苦さを纏う事となるか。 22:34 rouge_ >【理夢】「んー……」              思った以上の答えが返ってきた。 バケツに水を注ぐ腕が、僅かにゆれて泊まる。              「…そっかぁ。」              暫く考えて口に出来たのは、そんな相槌程度だった、自身の語彙のなさに苛々とする。              「うん、ごめん。 ちょっと私今、同情しちゃった。 だから、って訳でもないんだけどさ。 沢山遊びにきなよね、うち。どっちかって言うと、私が燐ちゃんと遊びたいゆえのお誘いだけどね、これ。」              深呼吸の後に出した台詞は、とりあえずは飾らないように告げようときめて。 22:38 hikami >【燐】「―――……」             まぁ、そうだろうな、なんて…思った通りの反応が返ってきたのだ、それこそ…今更だ。拒絶に丁度良い言葉ではあれども、こういう場合には逆に少し……参った、という思いの方が強いのだろう             「…別に、気を使われる程の事じゃ…無いわ。親の有無なんて関係ない、今はこうして生きてるし―――尚也も、春奈も……理夢だっているもの。別に…同情される程酷い境遇だなんて、思っちゃ居ないわ。―――それに、理夢が嫌だっていったって尚也がなんだかんだ理由つけて引っ張り込もうとするわよ、きっと」             自然に、そんな言葉と共に笑みを浮かべる事が、出来た。最後に呼ぶ名前の響きだけが少しの甘えを覗かせてしまい…気づかぬままに             「…だから、きっと遊びには来るわよ。今日だって……来た、でしょ。初めての事、教えて貰うのはちょっと―――…うれしいもの」 22:44 rouge_ >【理夢】             「ん。 兄さん、そういうところの面倒見は良かったっけ。」              軽く目を閉じて、何かを思い出すようにして笑いながら、静かにマッチを刷って、蝋燭に火をともす。 すっかり降りた夜の闇が、僅かに照らされて。              「じゃ、私としては本当に妹だって思っちゃおうかな、燐ちゃん。 色んなことを教えてあげたかったんだよね、妹に。 なあんてね。」              花火の袋をがさごそと空け、花火を一本、手渡す。 22:49 hikami >【燐】「…やっぱり兄妹ね、理夢と尚也って………」             僅かに燈る焔の揺らめきに…少しだけ子供っぽく口元を緩め、嗚呼、成る程、なんて…その雰囲気に“蝋燭の方がいい”の言葉を思い返していた。しゃがみ込む形で花火を受け取り…確か火をつければよかったんだよな、なんて、軸を手にしたままどうやったものかと…焔と花火を並べ見ていた             「……―――尚也も私の事“妹みたいだ”って言ったのよね」             僅かに苦さの残るものの、それ以上に思うのは…許され、傍に居られる安堵と幸福。少し惚気にも似た…―――聞く者が聞けば…             「…馬鹿みたいにさ、それが嬉しくって……それがこないだ、ご飯食べさせて貰った時の話。結局……恥ずかしくてごまかしたけど、そう言う事で……ちょっと甘えてたのよね、あの時。―――癪だけど、本当……そう言う所だけ面倒見良いから、尚也って」             …恋する乙女の風合い、を…まだ、少しだけ残す物となっていた。 22:55 rouge_ >【理夢】「どうかな、似てないつもりだけど。 …あー、でも、兄さんを美人にしたら理夢になるよねっていわれたことある。 よく考えたら複雑な評価だよね。」              はは、何て表面上の容姿について語ってみながら。              「やり方っていうか、一目瞭然だよね。」              先に、花火の先端を炎に浸して………ほどなくして、火薬の音をたてて色の混ざった火花が散り始めて。              「ん………」              燐が語る、兄の事を受け止めるように耳で、身体で聞き取りながら。              「………燐ちゃんは、まだまだこれからだよ。」              ただ、それだけの言葉を返した。何となくそれだけで、なにがあったのかはさっせた気がしたから。 深くは聞かない、けれど、ただそれだけを。 23:00 hikami >【燐】「そりゃ、外見だったら理夢のがぜんぜん可愛いと思うわよ?そうじゃなくって……雰囲気とか、そう言うの、よ。―――私の事を…妹、って言うのも……そう、だし」             程なく弾ける火花の色、最初は少し驚く様に身をすくませはすれども……自分も、とする頃には興味の方が勝るのだろう。ぱちぱちと、火花の照り返しに浮かぶ……少し、複雑な笑み             「……―――何がよ」             なんて…判りきった言葉。嗚呼、不味い、揺れたか、なんて―――今でも幸せなのだ、これ以上を望む必要なんて無い、思っていても……“居ない”となると…寂しさの方が超えてしまったのだろう。苦い笑みを隠す様にと僅かに顔を伏せた 23:07 rouge_ >【理夢】「何がだろうね?」              火花がうるさく音を立てる、その中で柔らかに笑みをたたえて。              「きっと、悪い思い出だけにはならないと思うな。 だって燐ちゃんさ、前より可愛くなったもん。」 23:11 hikami >【燐】「生憎…嫌な思い出、なんてこっちに来てからはそう、無いわ。それに―――可愛くなんて…無い」             ぱちぱちと響く火花の音。うっかり……沈んだ。今、苛むのは“嫌な現実”でもあり、己を苦しめるものなんて“過去の亡霊”みたいなもの、なのだ。…この場には、関係がある筈も無い。ふるり、と、軽く首を振り、誤魔化す様に挑発的な笑みを浮かべて見せた             「生憎、可愛くない、って事に関しちゃ自信あるもの。比較して前よりったってそうマシになったとも思わないしね。―――理夢のがよっぽど、よ。私から見たら」             言う言葉の調子は…“いつもどおり” 捻くれ、煽り、棘を含む……“いつもどおりの自衛”である。偽りに適した服は…選んであるのだから。 23:15 rouge_ >【理夢】「そうかな? 本当にそうかな?」              くすり、と試すように笑って。 今度選んだ花火は、先程よりも少し大きな花火。 日がつくまでの時間もそれなりにかかるが、ついてしまえば激しい音と火花が飛ぶ。              「こういうのは、ある程度離れてる私のほうが分かりやすいのかもしれないけどね。 人間、自分の事って案外気付かないものだからさ。 燐ちゃん、凄く表情が変わるようになったよ?」 23:19 hikami >【燐】「……う、うるさい……そう、に決まってるじゃない…!」             その笑みが…なんだか照れくさくて…酷く、恥ずかしい。繕った自分を見透かされているかの様で…若干慌て気味に放つ言葉が少しだけ裏返り、それに気づき憮然と、視線を落とした。そんな矢先のオト、である……             「ひゃっ…!?」             ……すっかり、油断していた。小さく零れた悲鳴は…そういったモノへの警戒に乏しく、今まさに火の消えた、先刻までの花火が“花火”であると過信したが故の……油断             「……………それこそ…誰の所為、って言いたい所よね。全く………もともと可愛くないのが変に表情出したって…気味悪がられるだけよ」             クラスで“浮く”事など気にもしていなかった、それを……身に染みる形で思い知らされたのは文化祭の、孤独。それから先に人の温もりを覚え、それでも―――対人関係を変える所までは至っていなかったが故の…いっそ悲しい自覚             「…理夢達が、レアケースなのよ、私に構おうとするなんてさ」 23:26 rouge_ >【理夢】「あはは、そんなので驚いてちゃ駄目だよ、もっと凄い音の、結構あるんだからさ。」              驚いた燐の様子に、微笑ましいものを感じながら。              「んー、そうかな。 私が燐ちゃん可愛いな、って思ったのは殆ど一目惚れみたいなものだったけど、今は中身含めて、大好きだよ?」              じっと、炎の向こうにある彼女の瞳を見据えて。              「燐ちゃんは、誰かに話しかけるのって…怖いかな?」 23:30 hikami >【燐】「お、驚いて…無い…っ……」             …無論嘘、だ。かぁ、と、羞恥に染まる頬、なんてのも……表情の制御が利かなくなっている証拠だろう             「………一目ぼれ、って……随分物好きよね。尚也が連れてきた珍しい服来たオンナノコ、って興味なんじゃない?こういう服着てれば…レースとかで何だって可愛く見えるものよ。異質、だし……漫画とかにだって良くあるでしょ、絵だけ、見た目だけ、って。中身含めてって言ったって、それこそ可愛げ無いじゃない」             ぱちぱちと響いていた手元の焔が消えれば…ふと、次を手にしようとし……理夢と目が、合う。言葉も……図星、反射的に動きの全てが、止まった。 23:36 rouge_ >【理夢】「可愛げがない、って言われても、私は好きになった。 それが事実じゃないかな? 燐ちゃんは、本当、もうちょっと自分に自信を持ったほうが良いね。 私はなんだかんだ言って、自分大好き。 絵を描いてる自分とか、希君と遊んでる自分とか、燐ちゃんとこうやって遊んでいる自分とか。 …ちょっと説教くさいかな。」               くす、と笑って。 大筒の花火を、ひょいと掲げて見せる。 23:42 hikami >【燐】「―――……ううん、羨ましい。……自分に自信、なんて…………持てる理由が判らないわ。矜持も、何も、ちょっと―――判んなくなってきたし」             それが何か、を言う事は出来ないのだが…ぽつりと、呟く愚痴の響き。ぱち、と、跳ねた火花のオトに気づき軽く首を振り、改めてと花火に手を伸ばした             「尚也もきっとそう言うと思う。二人とも……やっぱりちょっと似てるもの。私には家族が居た事…―――ないから、判らないけど。ずっと一緒に居るってそう言う事なんだろうなって気がするし。別に悪い気は、してない、ただ……―――」             その好き、ですら……裏切っているかもしれない、なんて自責は…矢張り心に楔を打ち込んでいた。 23:50 rouge_ >【理夢】「よし、ごー」              大きな筒の花火に、蝋燭をともして。 発射の時を静かに待つ。              「理由かあ……燐ちゃんだって、好きなところ、あるでしょ、自分の。 んー…いや、難しいかな、自分の好きなところあげろって言われてあげるのって、何だかんだで難しいしねえ。それに理由って言われたら難しいけど、もてない理由って言うのも、また同様に説明するの、難しくない? ほんの少しの、気持ちのあり方なんじゃないかなって思うよ、そういうの。」              そういううちに、派手な音を立てて花火が打ち上げられる。 派手さは花火大会のに比べるべくもないが、何処となく、爽快な気分にさせてくれる。 23:54 hikami >【燐】「……ごー?」             何のつもりか、なんて無論判らない。灯された火が導火線を辿るのを視線で追いかけていて             「………」             ――好きな所なんて、それこそ…答えに窮するものでしかない。何処を好きになれば良いか……まだ、掴めてすら居ないのだから。気の持ちよう、なんて言えども…――燐さんは、燐さんですから――…ふと、浮かぶのはそんな言葉             「ねえ、理……っひゃあ……!?」             問いの為に身を乗り出した矢先に響く、爆音。…普段ならばその程度聞きなれたもの以下だろうに……すっかり気を抜いた“日常”で聞けば反動は大きいのだろう。落差と、気の緩みと……別の所に決めていた覚悟、なんてものが及ぼす全ての、油断。反射的に間近に居た理夢へと、縋る様に抱きついてしまった。 00:01 rouge_ >【理夢】「あはは、怖くない怖くない。」              ぽふぽふ、と、優しく抱きとめて、背中をさするように。              「んー……夏とはいえ、夜は冷えるからねえ。 体温が心地よいわー」              目の前の少女は、多分色々なものが複雑に絡み合って、動けないでいるのかもしれない。 何となく……そんな印象を受けた。 最初は本当、好みの外見だったから騒いでいただけなのだけど、兄に対する容赦のない言動が気に入って。 一緒に食事した時に僅かに覗く、年相応の可愛さだったりが気に入って。 いつの間にか、妹でもいい名なんて思うようになっていた。 もう一度、背中を優しく撫でさすり。 00:05 hikami >【燐】「っ……ひゃっ……!?」             しがみ付いてしまった羞恥を自覚するよりも前、擽られる動きにひく、と、肩が震えてしまい…かぁ、と、ますます頬を赤らめ……結局、抱擁の腕へとその動きが変わるのだろう。ちょっと今…顔を見せるのは抱きつくよりも……恥ずかしい。やってしまった事、であるというのもあるだろうし、それ以上―――腕の温かさからは矢張り、逃げられなくなってしまって居たのだろう             「……ば、馬鹿…くすぐったい…って…背中っ……!」             言う言葉は拗ね、甘えた響きになってしまうのもいっそ自滅だろう、余計に火照った頬が…恨めしい…… 00:11 rouge_ >【理夢】「んー、こうしたら落ち着くかなって思って?」              首を傾げて、そんな風に答えを返した。              「なーんか今日は、燐ちゃん、面白いね。 色んな一面が見えた。 兄さんが妹にしたいなんていうの、よく分かるよ。」              ぐしぐしと髪を撫でてみたりもしながら、              「落ち着いた?」              何て、悪戯っぽく聞いてみたりもして。 00:13 hikami >【燐】「………ば、馬鹿……ちょっとびっくりして掴んじゃっただけ、じゃない。嗚呼、もう、撫でないでってば………!」             髪もくすぐったくって…つい、声が緩みそうになる。必死で向ける常の調子に近づけた声はいっそ虚勢だけが一人歩きした反応にもなってしまうのだろう。悪戯げな言葉には……             「……恥ずかしい」             ……なんて、拗ねた調子で呟き…抵抗する動きを止めた。 00:21 rouge_ >【理夢】「……ね、燐ちゃん。 少なくてもね、好きだって言われる事には自信をもってもいいと思うよ。」              そんな燐の頭をぽんぽんと撫でてから身を離して。              「花火、もっと落ち着いたのにする? 今度もうちょっとかいたして、兄さんとやり直す?」              庭に置かれたブロックにちょこんと腰掛けて、一休み。 00:25 hikami >【燐】「……判ったわよ……」             ぽつ、と、零す小さな呟きは矢張り…拗ねた響き。離れる体温に微かに漏れたオトは……自覚して尚、そ知らぬフリ。ひょいと、己も相手の傍らへと移動し、緩く首を振った             「……尚也と、って言うのも良いけど……ちょっとその前に一通り見ておきたいわ。尚也の前で驚きたくなんて、ないし。―――尚也とやる、って言うのも……楽しそうだけどね。きっと、変にお兄さんぶって“知ってるか?燐”なんて言いだすに決まってるんだから。……しょうもない薀蓄ばっかりの癖にさ」             なんて、くすくすと、少しだけ寂しげに、それ以上に楽しげに…言葉を、漏らす。視線を向けることもせずに、ぽつり、と…―――             「……ねえ、理夢。私が……理夢に“嘘を吐いてる”としても…まだ、好き?」             なんて、戸惑い、揺れた響きでの問いを向けた。 00:30 rouge_ >【理夢】「じゃ、今度はもうちょっと大人しめのでいこうか。 あ、でも線香花火は絶対最後ね、これだけは譲れない。」              花火の束を見ながら、大きく頷いた。              「ああああ、あれは言いそう。 結構知ったかなのよね、兄さんって。」              身内に容赦なく苦言を呈しながら、              「んー………でも、好きだよ。 だってほら、嘘ついてるの位、普通の事じゃない?」              しばし考えた後返したのは、そんな答え。 沈黙の後は、よどみなく応える。 00:37 hikami >【燐】「……寧ろ…音の大きいのはやる前に教えて。……びっくりする」             それこそ…紙面でしか見て来なかった所為での油断なのだろう。             「線香花火は……そう言うものだ、ってのは聞くけど。…どれの事?間違えてやんないようにするから…最初に教えておいてくれると助かるんだけど……」             言いつつ、どれが安全か、なんて値踏みしつつ…尚也のぷち薀蓄、同意得られれば、でしょう?なんて、ちょっと呆れを覗かせた笑みを浮かべて返した             「……―――そ、っか。…そう、だよね………」             普通…か。吐かないと生きていけず、それゆえに作った、壁が…馬鹿みたいなモノだったか、なんて。こんな風な感想を抱く相手なんてやっぱり、まだ少ないだろうけれど             「…変な事、だったわ。それでも、ちょっと気楽になった。」             言い、手近な花火へと火を点ける。最初にやったもの故音量も、反応も、そんなのは把握しているから―――声を紛れ込ませようとするのに選んだのだ             「……私も、好きよ。理夢の事」             そんなの、素直に言える筈が無い。弾ける音に紛れ込ませるようにと、小さく、呟いた。 00:44 rouge_ >【理夢】「…ふふー」              その言葉には合えて言葉を返さない。 ただ、満足げに笑う。 隣に座った燐を軽く抱き寄せて。 花火の束をこちらに引っ張り寄せる。              「この小さいのが、線香花火ね。 ちっちゃいから分かりやすいよね。 これがさいごぽとって落ちたら、花火終わりだなーって感じるんだよね。」              弾む声音で、解説を続ける。 00:48 hikami >【燐】「…わっ、ちょ、ちょっと理夢、火、危ない……!」             軽さ故、そう近づき過ぎなければ良いだろうに…ふっと、反射で傾けそうになる体が…不味い。慌てて花火を遠ざけるようにと手を動かしたりしつつ…ぽしゅりと、消えた焔を水の中へと突っ込んでしまえば…束へと視線を落とし、軽く身を滑らせるようにその“線香花火”へと触れた             「…そう、ね。これなら判りやすいかもしれない……―――どんなのか、ってまだちょっと想像でしかないから……やるの、楽しみにしておくわ」             紡がれる解説に、やっぱりちょっと似てる、なんて思ってしまったか、うっかり…笑いが零れた。 00:54 rouge_ >【理夢】「まとめて火をつけて遊ぶのが男の子流、らしいよ? ちょっと危なくてワイルドで消費も早いから、今みたいに在庫が少ない時はダメだよ?」              何て、花火に火をつけ、火花を堪能しながら……               「うん、いい夜だね。 ほんと。 …あっと、ほんとにもう在庫少なくなってきちゃった。 これは、線香花火の出番も近いかな。」 00:57 hikami >【燐】「しないわよ、って言うか……勿体無いじゃない」             一気に、なんて……そんな言葉に向けるのは眉を顰めた表情。手にした花火の減り行く様には……―――矢張り少し、哀愁めいたものを感じはするのか…少しだけ、表情が沈んだ             「……ほんとだ。案外……早いものなのね。―――ちょっと、物足りない感じ…するかも……」             燃えれば消える定めなんて、判っていても……             「…次は、私も用意してくるわ、花火。……夏休みにでもなったら、もっとゆっくりこれると思うし……」 01:02 rouge_ >【理夢】「次はさ、兄さん、皆呼んでやろう、って言ってたよ。 どっか、川原にでも行ってさ。 希君や、春奈や瀞ちゃんや悠人さんとかも誘って、皆の友達誘って、盛大にやろうよ。 きっと楽しいよ、もう直ぐ、夏休みだよねえ……私も、原稿完成させたら遊び倒すぞーっ。」              また一本、花火が終わる。 残すところは、線香花火だけ。 蝋燭の火がゆらゆらとゆれて、月明かりが2人を照らす。              「楽しみだねえ、夏休み。 燐ちゃん、沢山泊まりにきなよ?」 01:07 hikami >【燐】「そう、ね……―――それも、悪くないかも知れない。でも、それこそ…良いの?私が泊まりに来ても」             皆で、なんて……流石に想像もつかない所…だが、こういう事だったらきっと、悪くない。嗚呼、そうか、なんて―――それこそきっと“今更”だったんだろう。             「…春奈に、嫉妬されそうだもの。なんでー、って…だから“沢山”は、無理かもしれないけど……でも、夏休みになったら絶対、もう一度来るわ。……理夢と、遊びに、ね」             言いつつ手を伸ばす線香花火…嗚呼、きっと自分のした選択は……間違っていなかった。それでもきっと、その事には責任を持たなければならない…筈、なんだ             「―――楽しみに、してる。だからその原稿っての、ちゃんと終わらせておいてよ?いざとなって遊べない、なんてなったら……怒るわよ」 01:11 rouge_ >【理夢】「大丈夫、私、原稿落としたことなんてないんだからさ。 じゃ、約束ね。」              線香花火の最後の珠が、用意していた水の上に落ちる頃。 燐に向けて、小指を立てる。              「ほら、指きりげんまん」 01:14 hikami >【燐】「そう?なら、いいけど……ぁっ―――…」             じゅっ、と、此方の線香花火の火も…水に落ち、消える。思わず漏れた言葉に混ざるのは矢張り、寂しさなのだろう。それでも……             「……うん、約束。ええ、と……こう……?」             聞いては居ても、初めてする行為に戸惑い、それでも…そう言う事の出来る“イノセント”がいるのだ、と。―――嘘、なんて、きっと一生言える事では無いと思うけれど、それでも、こんなに近い…約束があるのだから。             「……破らない様に、しないとね」 01:17 rouge_ >【理夢】「嘘ついたらはりせんぼんのー、ます、っと。」              指を絡め、何度か振ってから、放す。              「それじゃ、これ片付けて、一緒にお風呂は言って私の部屋いこうか。 見せたいもの沢山あるしね。」 01:19 hikami >【燐】「ん、そうね………」             するり、と、解けた指。片付ける言葉に頷いた……筈、だったんだ、でも、今、なんて……?             「って………は、入らないわよ一緒になんて……!?ひ、一人で入れるわ、お風呂ぐらいっ……!」             ―――うっかり、頷いた無いように含まれた言葉へ向けるのは過剰反応気味の、慌てぶり……狼狽、というのが…きっと相応しいのだろう…… 01:22 rouge_ >【理夢】「いいじゃない、うちのお風呂、実は結構広めだよ?」              花火の出来る庭のある時点で、それなりの中流家庭である。 広くても不思議はないわけだが… そこは色々と強気になり始めたのか、片づけを終えると燐を引きずるようにして、家の中へと入っていくのであった。 01:25 hikami >【燐】「ち、違う……そう言う事じゃなくってっ…!は、恥ずかしくないの理夢は私とお風呂、って、こ、こら、引き摺るんじゃないわよ………!」             片付けに逃げる事すら赦されぬ手際の良さに、こう言う時の強引さ…なんて……嗚呼、やっぱり兄妹か、なんて、諦め……             「や、だ、ちょっと……まだ、靴っ……!」             ―――られるわけもないのだが……逃げられる目算の方が…―――少ない、だろう――― 01:32 hikami >  01:32 hikami >………―――結局…なんだか色々恥ずかしい思いをした気もする。 01:32 hikami >泊まるのならば確実に通るであろう風呂も……結局、水嫌いが理夢にばれてしまう結果にもなっていたし、思えば……否、思い返してみれば、花火の光景だってちょっとした恥曝しであったかもしれない。 01:32 hikami >それでも、まだ少し小指に残る“やくそく”の暖かさと引き換えなら…安い授業料か、なんて思い……思えてしまう自分に少し、驚く事にもなる。 01:32 hikami >――燐さんは、燐さんですから――好きだって言われる事には自信を持って良いと思うよ?――…… 01:32 hikami >                                              ―――絶対に“一人”になんてしない――― 01:32 hikami >                 ―――ボクは、燐との関係が終わるのは、嫌だよ。 01:32 hikami >――今の自分は好きですか?―― 01:32 hikami >…決まってるじゃないか、そんなの。 01:32 hikami >一回、断言して見せたじゃないか………揺れた自分、捻くれ、自虐に走りかけていた弱さ、そんなのでもきっと…受け入れてくれる。 01:32 hikami >人に頼った考えはやっぱり、脆いのだろうけれど……きっと、なんて言葉に縋る日が来るとは思わなかったけれど…… 01:32 hikami >【燐】「………よし、出来た」 01:32 hikami >…―――結局、そろそろ寝よっか、なんて言われる時刻になっても……尚也はまだ帰ってこない。 01:32 hikami >状況は判らないが…自分にまで呼び出しの来ないは手間取りはしても予定通りのもの、なんだろう、もしかしたらちょっと遠出になったのかもしれない… 01:32 hikami >それでも絶対に、帰ってくる筈なんだ、何せ…約束が、あるんだから。 01:32 hikami >故に、寝る前にと尚也の部屋を聞き、ゴシック調のデザインのカードメモと……一本、こっそり抜き取っておいた線香花火を挟み込んでおいた。 01:32 hikami >これでも見て、反省すれば良いんだ。 01:32 hikami >内容なんて、一言で済むんだから。精々……“妹”を置き去りにした事を反省すれば良いんだ。 01:32 hikami >朝に見つけたら二人係で責めたっていいか、なんて…だったら、本当に、こんな一言だけ書いておけば十分だろう。 01:32 hikami >                【 な お や の 、 ば か 】