21:13 hikami >【燐】「っ……はぁ……―――」 21:13 hikami >訓練所へと続く廊下を曲がり、余り使われぬ一角へと続く道程の片隅…… 21:13 hikami >施設の性質故にか所々に休息用の椅子が置かれているのを幸いと、ナニカから逃れるようにと身を潜め、そんなモノの一つに深く腰掛けて居た。 21:13 hikami >【燐】「なん、だって…言うのよ……っ……!」 21:13 hikami >漏れるのは苛立たしげなヤツアタリの響き、それにすらも常の力が篭るでもなく、原因の判らぬ“熱”の残った体が酷く、だるい。 21:13 hikami >先日の一件で……予想以上の“収穫”には、なったのだ。 21:13 hikami >それを即座にどうにかできるなんて自負も無く、それでもと浮かぶ反発心から“認識”したチカラの掌握にと魔力を少し、通しただけ… 21:13 hikami >そこにある“何か”の正体まで掴めたのだ、後は容易い筈、なんて自意識はあっさりと打砕かれていた。 21:13 hikami >常とは違う、おそらく存在する筈の…おぼろげな形だけは思い出せる本来の“翼”を成す所か、実情の掴めぬ“何か”の反動にすっかり…打ちのめされていた。 21:13 hikami >これが“天使”の反作用なのか“冥界”の侵食なのか……結局は掴む事すらままならず、得物としてきた闇の刃すらも形成しきる事が出来ずに居たのだ。 21:13 hikami >“何か”を掴んだ進歩と言えば…先日の様なチカラの暴発に至る程の無茶はせずとも良くなった……その程度だろう。 21:13 hikami >それすらも加減なのだ、実戦でどうなるか、なんてまだ何の保障もない。 21:13 hikami >“認識”してしまったチカラを…そのまま放置するなんて真似は…きっと、できない。 21:13 hikami >【燐】「ふざけてる……自分の事、だっていうのに……」 21:13 hikami >―――それが一番“どうしようもないこと”だなんて認識は、嘘を続けてきた少女の手元には、無い。 21:13 hikami >がつ、と、人気の無いのを良いことに熱を逃す場に選んだ廊下、厚底のヒールが苛立たしげに蹴り付け、微かなオトを響かせた。 21:17 ShiSyo_ >暇……なのはいつものことで。なんとはなしに、施設内を歩くのも……これまたいつものこと。 21:17 ShiSyo_ >そうすると、大抵は何かに行き当たる……これも、いつものこと。 21:17 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……こういうのって、えぇと……犬も歩けば棒に当たる、です?」             くきん、と首をかしげ 21:18 ShiSyo_ >……ただまあ、今日はまだ収穫はない。これも、いつものこと……ではあったが 21:19 ShiSyo_ >【美鐘】「んー……そういえば、この辺は来たことがありません?」             なんとなく、未知の場所を選んでみる……と、なにやら聞こえるかすかな音 21:19 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ?」             とりあえず、そこへ行ってみよう……と思ってみた 21:23 hikami >【燐】「っ……―――!?」             びく、と、微かに肩が震えたのは…隠すつもりも無いのか何なのか、能天気に届く相手の気配の所為。存在を悟ればふるりと強引に首を振り、軽く肩を竦め……嘆息、そこまでで1行動             「……珍しい所で珍しいのに逢ったわね……」             想定され得る中での最悪の部類ではないものの、余り……喜ばしい邂逅と言うわけでもないのだろう。僅かに眉が顰められた 21:27 ShiSyo_ >【美鐘】「あっるこーあっるこー♪…………ふにゃ、燐さんです?」             行ってみた先には見知った顔が。とりあえず、まずはご挨拶             「こんにちは」             にこにこと、屈託のない笑顔でぺこん、とお辞儀 21:30 hikami >【燐】「………予想外と言うかなんと言うか……」             ほぅ、と、漏らす溜息も…僅か、熱っぽさが残るもの。そんなのに気づく程度の余裕は残っていたのか不快げに眉を顰めてしまって             「―――…ん、久しぶり…って程でもないか。……この間は少し迷惑、かけたわね」             それこそ不本意な事でもある。タワーでの帰路に苛立ちを押さえきれず、そんな自分の傍らで……今と同じく緩い笑みを浮かべていたのだ。つい…毒気が抜かれてしまった、なんてのも―――いっそらしくない、認め難い事、ではあった。 21:32 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ?迷惑……です?」             くきん、と首をかしげて考える。この間というと、おそらくタワーでのこと……でも確かあの時は…… 21:33 ShiSyo_ >【美鐘】「んー、お世話になったのは私の方です?」             何しろ話し合いの仕事にいったのだ。その割に喋ったのはほとんど彼女だったことを考えれば、これが正しい判断。 21:33 ShiSyo_ >【美鐘】「あの時は、ありがとうございました。燐さんはやっぱり、頼りになります」             にこにこと 21:38 hikami >【燐】「……―――“仕事”なんだもの、別にそっちは問題じゃない。頼れる云々は……ん…―――」             前ならば…否、つい数日前ならば“当然”なんて返答も出来たであろう言葉に…詰まる。口元に浮かぶのは自嘲気味の笑みであり、未だ少し握力の戻らぬ手へとぼぅ、と、視線を飛ばした             「……力を…使ったわけじゃない、あの程度……出来て当然よ」             試しに言っては見るものの…矢張り実感には至りきらないまま、であった 21:40 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……流石、燐さんです」             にっこりと、なんの迷いもなく言われた言葉を受け止め……うんうん、と頷く。 21:46 hikami >【燐】「……だから…―――」             漏らす嘆息はいっそ…呆れ、か。その能天気さが少し羨ましくもあるのだが……ひょいと肩を竦め、壁に後頭部を預けた             「……美鐘だって調査方面には強いじゃない、得手不得手……ああ言う敵性相手との交渉なんて…―――」             言って…少し苦い。結局報告書こそ作成したものの、纏めの資料、としては未だ更新できずに居る―――偏に、遠慮や…心配、不安……らしく、ない。             「……ねえ、美鐘。……貴女は…“裏界”の関係者、なのよね」             以前耳にしたコト、おぼろげな記憶と認識ではあるが…ぽつりと、呟きの音で問う 21:48 ShiSyo_ >【美鐘】             「ふにゃ……えぇと……」             突然飛び出した質問……少し考える。そういえば、そんな話も聞いたことがある             「はい、そうみたいです?」             くきん、と首をかしげる 21:50 hikami >【燐】「…みたい、って、どういう事よ」             ひょい、と、軽く身を起こす。まだ少し…芯の熱が取れずに居るものの―――認めたのならば丁度良いとばかり。椅子の隅に寄ると隣、と言うには少し遠い位置をぽんぽんと軽く叩いた             「……エミュレイターを叩く任務もそう少ないって訳じゃないと思うけれど。……それでも良いわけ?“こっち”に居て…違和感があったりはしないの?」 21:53 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……」             すとん、と示された場所に座り             「んー……えぇと……んー……」             質問について、ひとしきり悩みはじめる 21:54 ShiSyo_ >【美鐘】「私は、えぇと、えみゅれいたー、さんではない……そうです?」             くきん、と首をかしげて 21:54 ShiSyo_ >【美鐘】「ですから……違和感、というものはない、と思います。はい」             一生懸命考えたのがなんなのやら…… 21:56 hikami >【燐】「……違う」             そんな事は見れば判るのだ。漏れるのは嘆息……肩を竦め、緩く首を振った             「…“エミュレイターの属する世界”の関係者で、そこに近い力を使ってウィザードをやってて……―――エミュレイターを“敵に回す”集団に混ざってて、違和感が無いのか……って事。」             そんなのは単純…己の力の由来が“そんなもの”よりも……もっと不味いものであったと…知ってしまった所為だろう。ほとんど愚痴、でしかなかった。 22:00 ShiSyo_ >【美鐘】「ああ、それは……」             ちょっと考えて             「お母さんは、好きにしなさいって言ってくださいましたし」 22:00 ShiSyo_ >【美鐘】「それに……はい。私は、誰かを助けたい、と思って。ここなら世界を助けることも出来ると聞きましたので」             単純……実に子供じみた理由。しかし、それだけに”本気”なのだと、分かる 22:00 ShiSyo_ >【美鐘】「それに……出来るだけ、喧嘩をしないようにするのも、ここなら出来るかも……しれません?」             くきん、と首をかしげて 22:02 hikami >【燐】「……“世界を助ける”事が……裏界にとって望ましい事じゃないとしても?」             嗚呼…何を言っているんだ、なんて…気づいても遅い。ヤツアタリも良い所じゃないか、なんて…―――             「……―――なんて、戯言よね。にしても…“お母さん”って。この流れで“母親”ってコトは美鐘の産まれそのものが“向こう”だ、ってコト?」 22:04 ShiSyo_ >【美鐘】「そのままで居れば十分、と……そういう風に言われまして」             ふにゃん、と答え             「ん……産まれ、です?向こう、というと……えぇと……この街ではないです?」             くきん、と首をかしげる 22:06 hikami >【燐】「…そう……」             漏らすのは吐息、そう言う意味では、なんて……思えども緩く頭を振って追い払う思考             「違う、そう言う意味じゃないわよ。“出身”が裏界なのか、って事。……関係者なのか、って問いから出てきた“母親”なんて言葉だもの。……そっちなのか、って勘繰っただけ。言い辛い事なら無理に聞かないわ。」 22:09 ShiSyo_ >【美鐘】「ああ、すみません。生まれは、えぇと……お母さんのところじゃないです?」             くきん、と首をかしげて             「今のお母さんは、お母さんではなくて、えぇと……お母さんは別のお母さんです?」             聞いていると混乱しそうな台詞を迷うことなく言って 22:11 hikami >【燐】「……―――は?」             何を、と…幾つも並んだ“母”の単語…反射的に眉を顰めた。単純にまだ……受け入れられてない……なんて、先日のコトバが重く刺さっていた所為でもあるだろうけれど             「……何、じゃあ美鐘は…本来の“母親”とは違う“母親”に育てられて……」             それで裏界に?だとしたら、なんて―――……             「……良くそれで平気よね。寧ろ……それで“好きにしろ”って言う貴女の母親もなんと言うかずいぶんな人って気はするけれど」 22:13 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ。でも、今のお母さんは、私の命を助けてくれました。とても優しいお母さんです?」             にこにこと、語り             「ですから、とても平気です。はい」             うん、と頷く 22:17 hikami >【燐】「……なんだか釈然としないわね、それも……」             恐らく相手の説明で如何、なんて判断をするのは不可能でもあるか。大枠だけの納得であっても―――“こう”見えて、なんて妙な感傷を抱きかける辺りが少し問題ともなるか             「………まったく能天気じゃあるけど……ずいぶんな開き直りと言うか納得と言うか……“母親”…好きなのね、美鐘は」 22:20 ShiSyo_ >【美鐘】「はい、今のお母さんのことは好きです」             にこにこと、とても当たり前のように             「んー……よくわかりますね。流石、燐さんです?」             感心したように言って 22:24 hikami >【燐】「……―――判らないわよ」             反射で漏れる…自嘲気味の響き。同様に零れるのは反射の溜息と…落ちる、肩             「……“母親が好き”なんて感情、如何すればもてるか、なんて判らない。どころか……家族愛なんて紙の向こうの幻想、夢物語…私が知っているのは“知識”としてであって……実感じゃ、無いわ。不動の一件だってそう、如月が何らかの衝撃を受ける“かもしれない”なんてのはただの予測だし、他にも、そう。―――私にとって“家族”は………絶対に手に入る事の無い夢想のものだったんだもの。だから……“判る”訳じゃない。貴女の話を聞いて、繋ぎ合わせた…ただ、それだけでしかないわ」 22:29 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ、なるほど……燐さんは、賢いんですね」             うん、と頷いて             「んー……ふにゃ。確かに……みなさん全員に”家族”があるわけでもないです?」             くきん、と分かってるのか分かってないのか 22:29 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……そう考えると、奥が深いです」             はい、と頷いて             「でも、もしかしたら似たようなものは手にはいるかも知れません?私も、たまたま、ですし」             くきん、と首をかしげ 22:33 hikami >【燐】「“かしこい”んじゃない。“さかしい”のよ」             それが処世術…生きる場所を“与えられた”のは…戦場だったのだから             「―――まあ、ね。私みたいなケースは世の中転がってるって事も知った。だから如何とも思わなかったし……“父さん”が居ないわけでもないもの。それが家族愛に値するものか、なんて聞かれれば確実に否、だけれど。…便宜上の呼称でしかないし、触れられた事だって無いわ」             深い、のコトバには軽く…肩を竦める。判らないからこそ……こうして、悩んでいるのだから             「―――…“似た”もの…なら、きっと手に入った。尚也も、風華も……きっと、受け入れてくれる、って……思ってた。でも―――」             落ちる視線は自分の腹部、そのどちらにしたって…“これ”は……このまま、で、なんて…ただの驕りでしかないだろう             「―――その資格があるのか、って。判らなくなったわ」 22:37 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……資格、です?」             くきん、と首をかしげて             「んー……………試験を受けなければいけません?」             少し考えてからそういって 22:37 ShiSyo_ >【美鐘】「でも、資格って……いるんです?」             はて、とまた首をかしげてしまう。 22:42 hikami >【燐】「似たようなもの、ね。」             試験…対策の出来るもの、なんて認識にある単語で片付くのならば随分と気楽なモノである。シュナに出された“課題”の糸口を見つけたと思った矢先に突きつけられた…現実、己の存在の本質に…つい、折れたのだ。認め難くはある事実ではあるが             「要るわよ、資格も…運も、ね。12年かけて漸く、なんて思ったけれど……そもそも私がその腕の中に居て良いのか、ってね。―――貴女は“裏界”のモノでしょう?私の魔力の元は…」             そこで一度、コトバを区切る。何…目の前の相手に何を零した所で、なんていう……いっそ歪んだ“過信”から             「…“冥界”のもの、らしいわ。天界の天使のチカラを強引に繰る為に冥界の理で制御する術を埋め込んだ兵器……だった、って話。そんなの、愛される資格があるのか、って―――よりによって、だもの。…裏界の勢力ですら憎む場所、あんなのが自分の大本だったなんて、ってね」 22:46 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……ああ、冥界、ですか」             臆することもなく……今日も良い天気ですね、とでも言われたかのように、言葉を受け止める。 22:48 ShiSyo_ >【美鐘】「なるほど……んー……凄いことを考えた人がいるんですね」             そこには何らかの感情があるのか無いのか。ただ、普通に 22:49 hikami >【燐】「……―――は?」             幾つか予測した反応の中、それのどれとも違う…妙な反応にきょとり、と、一瞬呆けた。             「………“冥界”がどういうものか、は……知ってるのよね、美鐘でも。ある種の常識じゃあったと思っていたけれど……―――いや、確かに“凄いこと”ではあると思うしそれを認める部分じゃあるけれど」             自分とて…実例としての実感が無ければ疑ったであろうし……こういうの、なんて見せようとすれば恐らく二の舞。相手の反応が疑いから来るものとすれば…証拠なんてないけれど。 22:53 ShiSyo_ >【美鐘】「はい。えぇと……確か、"混沌"の世界……です? 確か……冥魔さん達の力になったりもしています」             ん、と考えて答える 22:57 hikami >【燐】「……その通り。私のあの力の大元がその“冥魔”と近似のモノだった、って事よ」             …本当に判っているのか、なんて……矢張り相変わらずの能天気でもあるのだろう、妙な事を言ったな、なんて―――微かに漏れる嘆息             「…そんなのを使っておいて尚…“こっち”の……日常を第一に考えてるヒトの中に入る資格があるのか―――って事よ。不思議なチカラだブラックボックスだと……そりゃ判らない筈よ。本来相容れない筈のモノ…私だって―――憎んでたって言うのに」 23:01 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……憎む、です?」             くきん、と首をかしげ             「どうして、憎むんでしょう?」             不思議そうに 23:03 hikami >【燐】「どう、って……―――“日常”を侵す敵だからよ。世界結界の守護とイノセントの保護、その為にこそウィザードが居る筈だもの。それで、なんて考えれば済む話……―――憎んで敵対こそすれど、他の感慨を得るべきバショじゃあないわ。…裏界の勢力とは対話が成立したケースも確認されてるけれど……冥界となれば別……その認識だった筈だけれど?」             ―――どこまで能天気なのか、それとも……出自の所為か…?いまいち掴み所のないのが……もどかしい 23:05 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……冥魔さんは、確かに……んー、とても大変な方ですけれど……」             ん、と考えて             「でも、冥界と冥魔さんは、違います?」             くきん、と首をかしげて 23:08 hikami >【燐】「…どこまでも能天気よね……所属する勢力と、そこの尖兵……同一と見る方がいっそしっくりくるわ。そう言う意味じゃあ…貴女の所属がウィザードとしてみるべくなのか裏界とすべきなのか……判断が難しい所ではあるけれど」             なんだか…妙な話にはなったか。何故此処でこうも講釈をする必要があるのか、なんて―――愚痴ったツモリが…やっぱり、世話が焼ける…             「…属する世界の為にこその抗争よ、今このセカイにあるのは。…そう言う意味じゃあ連中……魔王の巣の属する“世界”はこの地球じゃなくて“昔の我妻”に縛られている…と見て良いのかもしれないけれど」 23:12 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……えぇと、ですね。冥界は……光があれば影があるように……えぇ、と……んー、生命が生まれれば、必然としてそこにあるべきもの、とお母さんは言っていました」 23:12 ShiSyo_ >【美鐘】「つまり……んー、冥魔さんは大変な方ですけれど、冥界自体は……憎んでも仕方のないこと……じゃないでしょうか?」             くきん、と 23:12 ShiSyo_ >【美鐘】「人も、そういうことあります? 大事なのは……えぇと、どうやって一緒にすごすか、だと思うんです、はい」             うん、と頷いて 23:13 ShiSyo_ >【美鐘】「魔王の巣の人達も……はい。一緒に過ごせる方法も、あるかもしれません?」             くきん、と 23:17 hikami >【燐】「……随分悟った言い方よね、それも」             向けらた言葉の意味、なんて―――理解しようと思えば出来るもの、だろう。そう考えられれば…楽だとすら             「それにしたって随分甘いわ、魔王の巣の連中とはもう決裂が確定したモノ…いまさら如何なんて出来る筈ない程度には思想が違いすぎる……―――冥界だってそう、だと思ってたけれど……」             何だ、それは…何て、呟き、零れそうになる自嘲。             「……それだけ悟った物言いを出来る程、皆が能天気ってわけじゃ、ないじゃない」 23:22 ShiSyo_ >【美鐘】「そうですね、はい。皆さんが全員そうじゃないのは……わかります?」             くきん、と 23:22 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……でも、あるものは、あるんですから……それは変えられないので。それなら、一緒に過ごせるようになれれば……きっとそれが一番素敵なことだと思います」             はい、と頷いて。そこは存外頑固というか……それ以外に考えられない、とでもいうのだろうか 23:26 hikami >【燐】「……―――随分と……」             あっさりしたもの、か。微かに零す嘆息は…そこまでの達観に至れなかった敗北感とでも言うのか。この時ばかりは……能天気が羨ましくもなる             「―――できれば一番よ、理想論……でも“それ”が万人に受け入れられるなんて楽観は…出来ない。その類似で傷を負った経緯があるなら尚のこと、ね。……でも、そうか……―――“そう思えば”良い、のか。…美鐘は…私が“冥界のチカラを使っていた”としても…ん、いや、そう、らしいんだけれど―――…なんとも、思わないわけ?」 23:31 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ?えぇと……」             なんの話でしょう、とでも言うように考え             「んー……何をしていても、燐さんは燐さんです? それなら、別に何の問題もありません?」             こくん、と頷く 23:31 ShiSyo_ >【美鐘】「だって、燐さんですから」             何の根拠がそこにあるのか。あっさりと答える 23:35 hikami >【燐】「………―――参ったわね」             それが正直な感想でもある。             「…随分と過信されたものね。これでも暴走をやらかした事だってあるってのに……“私”であればいい、でも……そうじゃない意識で暴れてしまった事だってある。それが冥界だ、って……―――知って、随分と自分に失望してたってのに」             あっさりとした肯定には思わず、額に手の甲を乗っける形に天井を仰ぎ、ずるり、と、軽く身を滑らせた             「………その言い方じゃ、反論できやしないわよ」 23:39 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ。冥界の力を取り込む冥魔さんが居るそうですから……冥魔さんに出来るなら、燐さんにもきっと出来ると思います?」             はい、と手をあわせて。やはり何の根拠もそこになく。ただ純粋なる信頼だけをのせ 23:42 hikami >【燐】「随分と買い被られたものね、それ………所属のチカラを取り込むのなら兎も角…私は冥魔でもなければ冥界に堕ちた、なんて言うつもり、ないもの」             それでも脱力の姿勢は変える事なく、若干火照った吐息を中空に散らし、零す             「……異界の某か、なんて……随分求めたけれど、こんなオチだった、なんて予想外…―――それでも、なんて…随分軽く言ってくれるわ……任務の時も、そう。……なんで私なんかをそこまで…信用できるわけ?」 23:49 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ?」             くきん、と首をかしげ             「んー……ここの皆さんは、全員凄い方達ばかりで……」             そこで、一息……考える 23:49 ShiSyo_ >【美鐘】「燐さんは、とても賢い方です。色々なことを考えて行動することが出来ます。深く、悩むことも出来ます。考えることは、とても大事なことです」             はい、と 23:49 ShiSyo_ >【美鐘】「私は……燐さんが、とても頑張っていることを知っています。それだけで、十分です?」             くきん、と 23:52 hikami >【燐】「…悩んだって答えが出せるとも限らないし……―――頑張った所で結果が出るなんて保障も、無いわ」             それでもつい零してしまう反論は…きっと甘えなのだろう。一度…以前に自覚してから言ってから気づく、なんて遅さを認識して少し…バツが悪い             「そう言ってる美鐘も随分“凄いこと”を言ってるんだって自覚、あるわけ?……私には真似できそうにないもの、ソレ」 23:55 ShiSyo_ >【美鐘】「えぇと……蒔かぬ種は生えぬ、でしたっけ。何かがあるには、誰かがしないといけません?」             これでいいのかな、と首をかしげて 23:55 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ?そんなに、凄い……です?」             言われた言葉に、うーん、と考える 00:00 hikami >【燐】「……種を植えた所で確実に芽生えさせる事が出来るなんて自惚れた思考までは持ってないわ」             なんて言えども…ひょいと、軽く身を起こす。どうにか……繕える程度には回復してくれたか             「…凄いわよ、その“全肯定”……やろうったって出来るもんじゃないわよ、そんな信頼をヒトに向けられるのって、いっそ才能よ。―――私は美鐘の前でそう凄い事をしたのでもなければ…」             ―――尚也や……風華の様に夢中にさせたわけでもない、なんて…妙な思考。嗚呼……すっかり甘えてる。―――今は甘える訳になんて行かない二人だと、言うのに。浮かべてしまえばやっぱり……厳しいか             「……それも“母親”の影響?」 00:03 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……んー……………どう、でしょう?」             くきん、と考えて             「今のお母さんに助けてもらって……嬉しかったので、私も、他の人を助けてみよう、とは思いました?」             少し、ずれた回答 00:07 hikami >【燐】「……そこから、か。…“助けてもらって”って…裏界の存在が貴女を“助けた”―――って……」             …すっかり“裏界”の混ざる内容だけに“助ける”にも違和感が無かったが……主体が、おかしい、その言い方だと……             「…“昔の保護者”はどうだったのよ、その話だと……“今”の前は助けられるような状態だった、って事…よね」 00:10 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ? ああ、はい。えぇと……私、昔に一度死んでしまいまして」             こともなげに……日常の一風景であるかのようにあっさりと、告げる 00:12 hikami >【燐】「……………は?」             流石に…違和感所ではない。その単語と、目の前の相手と…それらがどうにも結びつかないのだから…             「……何、どういう事、それ」             …自分の事が少し、落ち着いた、なんて……思っている場合ではないのだろう。微かに残る倦怠感を強引に捻じ伏せ、意識を…向けた。 00:14 ShiSyo_ >【美鐘】「はい。昔、事故にあいまして……それで、えぇと……その時に、1回、死んでしまいました?それで……んー、と。今のお母さんに助けていただきまして」             はい、と。変わらぬ調子で再度告げる 00:16 hikami >【燐】「……“事故”……?」             過ぎるには……嗚呼、それこそ過信だ。己の境遇と重ねたがるのはそろそろ…悪癖だろうに。そんな判断基準しかない、なんてのもいっそ問題ではあるのだろうけれども…             「―――“昔”の親もいる…いや“いた”って事、よね。それ」             ―――それでも、問う。何を…こんなに踏み込むのか、なんて……少し胡乱、それこそ、お人よしが移ったか、なんて、微かに及ぶ思考 00:18 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ? うーん……ああ、はい。昔の親も、います?」             一瞬悩み……それからは淀みなく 00:21 hikami >【燐】「……“それ”は、どうした訳?…―――嗚呼……これも言うべきじゃないと思ったら言う必要はない。…私自身“昔の両親”には…良い思い出なんてないもの。名前だって全部、棄てた。―――それで尚、なんて状況になって…きっとナーバスになってるだけだもの。戯言……“興味”で踏み込む領域じゃないってぐらいは自覚してる」             …踏み込みすぎたか、なんて。…問いを向けてすぐに気づく…失態。音にしてしまえば“遅い”というのに……矢張り…余裕がない、のか。 00:23 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……”それ”……ああ、昔の親のこと、です?」             確認するように聞き返し             「はい、今も元気で暮らしているそうです?」             くきん、と首をかしげて 00:27 hikami >【燐】「だぁ………」             ―――だから、そう言う事じゃない。なんだ、それは……自分と同じく、なんて…だから―――重ねるな、馬鹿……             「……なんとも、思わないわけ?自分の…元の親を」             それがどういう形であれど、別離…死ぬ様な“事故”を経てのもの…それが“事故”であれば…良いのだけれど             「…“生きてた”娘と逢おう、とか、そういうのは無かったわけ?“親”が」             ―――作為、だったのならば……それこそ…“裏界がなんなのか”が…判らなく、なる――― 00:32 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……んんー」             聞かれたことを考える。昔のお父さんお母さんは……             「会えないのは少し寂しいですけれど、はい。お母さん達の都合もつかないようですし」             ふにゃ、と 00:35 hikami >【燐】「………そう」             …つまりは……“その程度”という事、か。苦く思う意識と……矢張り“判らなく”なった裏界の住人。ふるり、と、軽く頭を振ってしまって             「……じゃ、しょうがない…の、か。ん……否、良いわ、そっちは、もう。―――変な事聞いて悪かったわね、妙な質問になった。」 00:38 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……昔のお母さん達が居ることがわかって凄い、と感心しました……けれど、別に、おかしなところはなかったです?」             くきん、と 00:41 hikami >【燐】「…判るわよ、そりゃ。…“今の”なんて言われれば“昔”があって当然。“今”が裏界の住人で、美鐘が“裏界”の住人じゃない、って言うなら……こっちの世界の住人に親が居る、って推測は当然の事だと思うし。……それに」             …ここまで聞いたのだから、と…僅かの思案、それでも、と漏らす言葉             「…私だって疎まれた側だもの。“本当の両親”が…誰を指すのかも今となっちゃ判らないけれど。何も知らなかった小さいころに“両親”だと思ってた人達は私の事を“バケモノ”だって言った。…産まれる筈のない髪、瞳、肌……省みる事もなくて、棄てるとなればあっさり。―――今でも邪魔者みたいよ。私。……境遇的に連想…しやすかったってだけ。でも―――そう言う意味じゃ“今の母親”には可愛がられてるのかしらね、美鐘は」 00:45 ShiSyo_ >【美鐘】「なるほど……んー、燐さんはこんなに素敵な方なのに……」             ふにゃん、と……どうやら不満を述べている……のだろうか 00:45 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……はい、家にはあまり居ませんけれど……お母さんは優しいです」             そして、質問に答え、にっこりと頷く 00:49 hikami >【燐】「…素敵、って……」             ―――それこそ反射…つい、頬に朱が上るのは先刻残っていた熱の所為でもあるのだろう。ふるり、と、髪を振る仕草で強引に追い払った             「……なら、幸運ね。……どんな人よ、その“母親”って。―――美鐘がそんな風に考えられるの、てっきり微温湯の家庭で育った所為だ、とか思ってたぐらいだったからね。……違うって判ったら…興味が出てきたわ“裏界の存在”ってのに」 00:52 ShiSyo_ >【美鐘】「んー……………」             母親を問われ……ひとしきり考える             「とても自信があって、よく、色々やっていて……」 00:53 ShiSyo_ >【美鐘】「でも、よく失敗もしています?」             ふにゃん、と 00:54 ShiSyo_ >【美鐘】「お母さんのお友達は『割とドジ』とおっしゃってました?」             と、結ぶ 00:56 hikami >【燐】「…―――間抜けな図しか浮かばないんだけれど、それ。」             何をどう重ねてみても…へっぽこというか間抜けというか……なんとも形容し難いもの、か。苦笑が張り付いてしまい…それでも笑みの形、か。…なんだ、本当…悩んでいたのが―――馬鹿みたいじゃないか             「…月並みな言葉じゃあるけどね。……大事にされてたって事…で、いいのよね、美鐘は」             ふわり、と、軽く髪を背の側へと舞い散らす。同時に零すのは嘆息……僅かに目を閉じ、緩く、首を振った 01:00 ShiSyo_ >【美鐘】「はい」             それには、はっきりと答え             「とても、うれしいことです?」             くきん、と 01:04 hikami >【燐】「…ん、そう、なら……良いわ」             即答に…少し、安心した。…安心?―――何をそんな感情を持っているのか、なんて…やっぱり調子が狂ったんだろう。誰の所為か、なんて連想してしまえば…つい……             「―――私も、もっと信用しないと、か……」             ぽつりと零す甘えた響き。うっかり、泣き出しそうな程の心細さを感じ、ふるり、と、先程よりも大きく頭を振った。この感傷はそれこそ、ぶつける相手を間違える訳にはいかないのだ―――勿体無いから             「…助かったわ、美鐘。なんとか……しなきゃって、思えたわ」 01:06 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……んー」 01:08 ShiSyo_ >【美鐘】「安らかな、君の愛に〜 真実はやがて〜訪れる〜 信じてごらん〜 笑顔から全てが〜始まるから〜♪」 01:13 hikami >【燐】「……―――何よ、それ」             相変わらず、ではあるか。折角話が続いていたと思うのに…また、聞こえる歌。嗚呼、いつもこうだったか、能天気で、ぼうっとしてて、なんて―――表面で判断していただけ、か。呆れた言葉にも若干笑みの響きが混ざる程には…落ち着いた             「……笑えるかなんて判らないでも…そう“嘘を吐く事”は悪い事じゃないって事は判ってる訳だし。―――ん……ちょっとぐらい…」             甘えてみるか、なんて。その選択そのものが少し…逃げ、だろうに。向き合うのに……充電するのはきっと悪い事じゃない。免罪符じみた言い訳、それこそ……戯言だ             「……ゆっくりし過ぎたわ。こんな湿っぽい所で油を売ってたんじゃ憂鬱にもなる、か……―――まだ、暇はある?」             ―――何を問うのか、なんて自分でも判らずに零れた言葉。きし、と、長く座りすぎた所為で軋んだ椅子から立ち上がり、金糸を背後へと舞わせた 01:15 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……はい。今日は一日、何もありません?」             せっかくの空気を壊したことなど気にもとめず……ただ普通に返事を返す 01:17 hikami >【燐】「…なら、ちょっと付き合って。疲れたら甘い物欲しくなった………一人で食べるのも味気ないから、折角……なんだし」             何がだ、なんて…内心に及ぶ反論の意識を捻じ曲げ、押し込めて―――今は欲求に従おう。それが…代償行為だとも、判っているけれど             「……付き合って。暇なら。食堂でも…手ごろなの、あるわ」 01:20 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……それは、素敵ですね」             にっこりと微笑む             「食堂でも、どこでもいいです?」             くきん、と首をかしげて 01:24 hikami >【燐】「…じゃ、決まりね」             思えば…こんな風に誰かを誘おう、なんて思えたのもあの二人の影響か。本当……らしくない。それでも、気づけばカラダの熱も腹部の痛みも抜けているのだ、ならばきっと……             「…悪くない、わよね」             ぽつりと、零す独り言、かつ、と、靴音を軽く響かせて数歩先んじて             「―――ほら、いこ。向こうのが椅子だって柔らかいんだし」             ―――なんて、照れ隠し、でもあるか。ぷい、と背けた視線、それでも歩みだけは緩やかに、相手の追いつくのを待つ様なペースで―――…… 01:29 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……はい、行きましょう」             こくん、と頷いて             「やっぱり……それでも、分かって貰えることもあります?駄目なこともありますけれど」             ぽそり、と呟き 01:29 ShiSyo_ >【美鐘】「ふにゃ……椅子が柔らかいんですか。燐さんは物知りですね」             くき、と……いつもの調子で燐の後につき 01:35 hikami >【燐】「………きっと大丈夫。…私が………好きになった人は…きっと……こんな事じゃ…―――でも、顔向けできるぐらいには、ならないと、だけれどね」             浮かぶのは…いっそ最後の支え、味方だ、との言葉…不味い、なんて思ってもつい求めてしまうのは…甘え、なんだ。ならば“此処”はそんなものに…逃げる訳には、いかない             「―――だから物知りなわけじゃないわ、慣れと経験。…変な所凄いくせに細かい所で抜けてるわよね美鐘って…」             ―――向かう足取りに混ざるのは嘆息、世話の焼ける、なんて思っていたし……これからも思うであろう相手の姿を緩くみやり、それでも以前の様な面倒、なんて感傷の拭われた心地の良い“世話の焼ける”思い。…何を、なんて―――きっとつかめないであろう不可思議な感傷と共にただ、歩く。無機質な廊下、二組の足音……いっそ妙な取り合わせのまま、残る余暇を過ごす事にもなるのだろう―――……