20:59 hikami >―――あの後は結局尚也と一緒に街をあてどもなくぶらぶらと散歩して過ごしていた。 20:59 hikami >買い物なんて先週行ったばかり、行先に選んだ駅前だって先週のコース。 20:59 hikami >1週前にも遊びに行った場所だなんてする事がそうあるわけでもなく……それでも不思議と退屈、なんて気がしなかった。 20:59 hikami >寧ろ先週よりも何倍も楽しく、幸せで…―――やっぱりまだ、時々向けて貰う笑みが“妹に向けてのものなんだな”なんて思うと寂しくは思うけど 20:59 hikami >それでも繋いだ手の温もりが心地よくて… 20:59 hikami >する事も早々になくなったから、だったら早めにかえって理夢を喜ばせてやろうか、なんて提案にもあっさり乗って、 20:59 hikami >あの子と逢う時に纏っているのとは真逆のワンピース姿を目敏くデート服だ、なんて見破られたりして。 20:59 hikami >…解き忘れていた手の事に気づかれて、尚也はジト目を向けられ、私まで慌ててフォローしたりなんかして。 20:59 hikami >晩御飯は、本当に理夢の手料理。 20:59 hikami >ヒトと食事する事にも慣れていないし、甘いものばかりの偏った食生活だったりもしたからなんだか新鮮で。 20:59 hikami >もっと警戒して固まってしまうかとも思った夕食の時間も、思ったよりも…普通に、出来たと思う。 20:59 hikami >――ああ、これを護るって決めたんだな、なんてちらっと思ったりもしたけれど。 20:59 hikami >結局寮の門限ギリギリになって、送っていくよ、なんて言葉…普段なら跳ねる筈なのに不思議と嬉しくて頷いて。 20:59 hikami >効率なんてものすごく悪いし、時間もかかるし疲れるけど、また手を繋いで貰って歩いて帰る道。 20:59 hikami >またな、なんて言葉と共に近くまで送り届けて貰って、部屋に戻った。 20:59 hikami >夏の夜、じんわりと汗すら滲む頃だって言うのに…… 20:59 hikami >そもそも、ふられた、って言うのに向けてくれる暖かさがまだ、少し残っている気がした。 20:59 hikami >これなら、良く眠れそう。昼間歩いたし早くシャワーを浴びて、眠ろう、なんて。 20:59 hikami >―――それが、間違いだったのかもしれない。 20:59 hikami >別になんでもない、いつもの習慣。 20:59 hikami >熱い湯を浴びて汗を流して……―――肌がぽかぽかと温まる。 20:59 hikami >濡れるのは嫌いだけれど、さっぱりするのはいいからと、いつも通り早めに切り上げたのに。 20:59 hikami >ぽかぽかと、温まった肌は……さっきまでの温もりが判らなくなっていた。 20:59 hikami >                                  ―――夢じゃ、ないよね 20:59 hikami >ふられた自分が創り出したおぼろげな記憶、いつもの空想物語なんじゃないか、なんて。 20:59 hikami >そんな筈が無いのに、ふ、っと、不安に駆られて、寂しくなって―――…… 20:59 hikami >気づいたら、ここに、いた。 20:59 hikami >消灯時間まではもう、時間が無いけれど、きっと……起きてるよね、なんて甘えが出た。 20:59 hikami >扉を、数度、ノック。 20:59 hikami >【燐】「………風華、まだ、おきてる?」 20:59 hikami >―――なんで、すぐに…風華の顔が浮かんだんだろう。 21:05 ballock >  21:05 ballock >今日も学校に護衛に訓練に、相変わらずの忙しい一日の終わりの時間 21:05 ballock >今日の帰りも燐居なかったけど、もしかしたら…言いに行ったのかななんて思った 21:05 ballock >【風華】「ふぅ――」 21:05 ballock >シャワーも浴び終わり、髪を乾かし後は寝るだけ… 21:05 ballock >寝間着が大きめの下着にYシャツ一枚とかいうのは置いといて 21:05 ballock >聞こえてくるノック音と聞こえてくる声 21:05 ballock >【風華】「燐?」 21:05 ballock >もう夜も遅い、どうかしたのかな?と思う 21:05 ballock >【風華】「ちょっと待ってね、今開けるから」 21:05 ballock >ガチャ、と鍵を開けた 21:05 ballock >  21:09 hikami >【燐】「…ごめん、風華。結構遅い―――………」 言う言葉が途中で、途切れた。此方が纏うのは出掛けに引っ張り出してきた夏物の薄手のパジャマの上下、 僅かにフリルのついた薄桃色の…子供っぽいととるか似合うととるか微妙なラインの装いで、その視線がふ、と、相手の格好に向い… 「あ、え、っと、その…―――入って…良い?」 戸惑い、にも似た逡巡。つい、見たこちらが照れてしまった。 21:10 ballock >【風華】「うん、私は大丈夫だよ。どうぞ」 いつもどおりの穏やかな微笑みを燐へと向けて中へと招いて 21:14 hikami >【燐】「…あ、ありがと」 何を今更照れる事があるのか、なんて思いはしたけれど…ふるり、と一度頭を振り、招かれるままに室内へ。 ぱたん、と、背後で戸の閉まる音を聞きつつ… 「…ちょっとびっくりした。風華も、なんていうか、ん……そう言う格好、でも寝るんだ」 まさか、と言う光景でもあった所為か…つい跳ねた鼓動が少し、乱れていた。 21:16 ballock >【風華】「うーん、変かな?」 頬を少し掻きつつ、あははとちょっと苦笑したりして室内へと再び戻っていき 「燐はそういう寝間着なんだね。似合ってるよ」 くす、と笑って純粋に褒めてみて 21:19 hikami >【燐】「…ううん。…ちょっと、安心した」 向けられる視線に…少し擽ったそうにしつつ…未だ生乾きの毛先を軽く摘んで弄ぶ。 つい下がる視線の先に見えた肌、何てのに少し戸惑ってしまいつつ…―――なぜ戸惑うのか、なんて、無自覚に 「…さっきまでこれ、着てなかったけど……流石に寮の中に出るんだったら何か着ないとでしょ。 …こないだ入院した時に買ってあったのがあって良かったわ」 21:20 ballock >【風華】「あはは、それは確かに」 確かに寮内歩くならそれは必要だしね、と 「寝間着そんなに多くないなら、私のいくつか上げようか?」 21:23 hikami >【燐】「暑いし……布は少ない方が寝心地、良いもの。でもまぁ……服はちゃんと着ろ、ぐらいはシスターに叩き込まれたからね。 自由になって始めた習慣じゃあったけど―――変かな、とは少し思ってたから。それで良い、って判ってちょっと安心」 ほぅ、と、漏れる小さな安堵の吐息。ぺたりと床に座り込みつつ 「…へ、い、いいの?って、この間も結局、借りちゃったけど、ん……―――うん、ちょっと、嬉しいかも。 そんなに、っていうか…殆ど夏物はないから。どうせ…一人で寝るんだし、って手抜きだったから」 21:26 ballock >【風華】「夏でもたまに冷えるときとかあるからね、備えは必要だよ?」 くすっと笑って押入れを開けながら 「燐、こっち来て」 中から好きなの持ってって大丈夫、とでも言うように 21:29 hikami >【燐】「そう言う時は何か適当に着るわよ、流石に。…シャツぐらいは着るし……」 む、と、ちょっとだけ拗ねたように言いつつも呼ばれれば四つんばい気味の格好で間近へと向う。ひょい、と、覗き込む様にしつつ…… 「え、っと……―――」 ひょい、と、見上げる格好で視線。どれにしよう、なんて思うものの、ついぞ浮かんだ発想に…かぁ、と、頬が染まってしまって 「っ……う、え、っと。…今のみたいなのが、いい。……肌に、羽織れるの」 ―――結局は、そのままに、甘えた 21:31 ballock >【風華】「肌に羽織れるの…かぁ」 ごそごそと取り出したりして 「こういうのとか?」 今自分の着てるようなのがもう一枚あって、それを取り出し 21:33 hikami >【燐】「あ……うん、そういうのが、いい、けど。……良いの?」 くれる、とは言われたものの…なんだかそれが擽ったくって、少しだけ不安げな上目遣い。 ちょこん、と、床に座り込んだままで相手の手元と顔の間、視線が往復していた 21:34 ballock >【風華】「うん、勿論」 こくりと頷いて、燐の感情を知ってかしらずか快く承諾を改めてして 21:36 hikami >【燐】「わ……じゃあ、欲しい」 それでも…少し恐る恐るの形で手を伸ばし…頷く。 指先に触れた布地はきちんと洗濯されたものであろうのを悟らせはするけれども…それでも、嬉しいのは確かだ。 貰ったシャツを軽く腕の中へと抱き込んでしまえば…つい、頬が緩む。 21:38 ballock >【風華】「そんなに嬉しそうにされるとちょっと照れるかも」 頬を掻きつつそう言って 「――うん、でも良い表情できるようになったね燐も」 微笑んでそう告げる 21:41 hikami >【燐】「…っ、あ、えー、と、だって……風華のだし」 言って…その台詞そのものに、照れるのだろう。むう、なんてちょっと唸るような声が漏れた 「……二人のおかげ。切欠はシュナだけど……―――大丈夫なんだ、って教えてくれたのは二人、だもの。 尚也と、風華と。……まだちょっと他の所では上手く行かないけど…… …逆に二人の前だと感情のコントロール、上手く行かなくなってきた…かも。」 21:43 ballock >【風華】「それだけ、心を許してくれてるって事かな?」 感情のコントロールが上手くいかない、と言われてそう受け取って。くすっと微笑んで燐の頭を優しく撫でる 21:45 hikami >【燐】「っ……―――うん、たぶん……」 まだ少し濡れた髪、触れられる感触は……やっぱり、擽ったい。 とくん、と、鼓動が跳ねるのも…心地よい。思わず漏れる少し鼻にかかった、甘えた声音に細まる視線、反射的に手をのばしかけて…… 触れる位置に惑ったのか僅かに逡巡、それでもと腰元辺りに抱きつくように身を寄せた 「……―――でも、弱くなったわ、私………あのね、風華。笑わないで…聞いてくれる…?」 21:46 ballock >【風華】「ん?どんな話し?」 優しく微笑んだまま燐に抱擁し 21:49 hikami >【燐】「……むしろ、お願いの方。……今日、一緒に寝て…くれる……?」 抱き返してくれる温もりが……ほんのりと暖かくて、心地よい。腰元の腕をそのまま背中へと回すようにし、甘えるようにと頬を寄せた 「……怖く、なった。このあったかいのが……夢、なんじゃないか、って。 こんなの、ずっとなかったから……一人になったら、怖くなっちゃった。」 言う声音は…嘘でもない証拠にと微かに震え、言葉にすれば…先刻の虚しさが帰っても来るのだろう、 きゅっ、と、腕の力が強くなってしまうだろう。 21:52 ballock >【風華】「良い事、あったんだけど…不安になっちゃったんだね」 笑いもせず、かと言って呆れた声でもなく優しい声 「うん、いいよ」 そういって抱きながら優しく撫でて 21:55 hikami >【燐】「………うん……」 良いこと、にも、不安、にも……素直に頷く。了承の言葉には嬉しそうに笑み…そこで腕の力が少しだけ、抜けた。 背に感じる掌の感触につい、ひく、と、肩を震わせてしまいつつ…お返しにと、頬擦り。 猫が甘えるのにも少し似た仕草になるかもしれない 「……尚也にね、逢ってきた。このままじゃ、って思って――― …それでも、ちょっと今週…任務とか、色々で中々…怖かったのもあったし―――結局、1週間かかっちゃった」 21:57 ballock >【風華】「そっか…」 尚也に会ってきた、もしかしたらなんて思ったけど…きっと勇気を振り絞ったんだろうなと思った 「大丈夫だった、でしょ?」 そう、優しく問いてみて 22:00 hikami >【燐】「…………大丈夫、っていうか、うん……―――赦してくれた、し………今日、さ。 …さっきまで一緒に居たの。公園で謝って―――なんだか、馬鹿みたいな感じでさ。 …抱きしめてもらっちゃったりして、散々甘えたこと、しちゃったかも。 …“妹みたいな”って、それで…泣きたくなったってのに、それがなんだか逆に嬉しくなっちゃって……手も、さ、繋いでた。」 聞き様によっては惚気ともなりかねぬ昼の公園でのじゃれあい、擽ったそうに……少し、幸せそうに。 情けないけど―――まだ好きで、なんて。ろくに顔も上げられぬままに呟き、零す。 受ける温もりは心地よく……昼の邂逅を思い出させてくれるようで―――ほっと、した。 22:03 ballock >【風華】「――そっか、よかったね」 多くは語らずに優しく撫でる。 心の整理もきっとこれならつけられる日が来ると思って、それに――燐がこれだけ嬉しそうにしているのも、嬉しかった。 失恋はしてしまったけど、それでもきっと得たものもあるんだって思えて 22:07 hikami >【燐】「……うん。結局…理夢のご飯食べさせてもらって……送って貰っちゃった。 こんなの、いいのかな、って思ったけど……―――暖かくって、嬉しくって。 …良いのかな、って、あんな事しちゃったのに―――でも気にするなって。 ……妹としてだけど“好きだ”って言ってくれたから」 残酷ではあるが…その分の対価なんて十分貰っただろう。擽ったそうに身動ぎしながらも抱かれ、頬を緩めてしまっていた 「―――でも………残ってたって思った温もり。お風呂入ったら…消えちゃった。 考えてみたら当たり前の事なのにね……湯のが熱いんだし―――でも……ダメ、嘘みたいに…嬉しかったから。 あんなふうに赦してくれたの………」 22:11 ballock >【風華】「本当の本音を聞ければ、ね…だから、きっと尚也先輩の言葉も受け入れられたんだねきっと…」 ほんとに頑張った、と思い、そして本音を、燐の気持ちに真剣にぶつかってくれた尚也にも感謝をする 「温もりが抜けちゃった気がして、不安になったんだね」 22:16 hikami >【燐】「……自分でもびっくりした。ちゃんと告白をやり直して、きっちり振られて…… 優しくされるときっと辛いだけだって思ったからあんまり優しくするなって言って…それでオシマイだと思ったのに。 ―――丸ごと全部受け止めてくれた。……こんなトコばっか格好良いんだから反則よ、全く……」 不満の口調を装って居ても声が少し弾んでしまえばきっと、台無しだろうけれども 「……うん、お風呂上りはもう、尚也の腕の感触もないし、指のあったかさもないし… …どんなだったか、だんだん忘れてくのがなんか……夢と同じで、嫌…だった」 ぽつ、と…不安の言葉も、すんなり肯定。こんな風に、弱みを見せて嫌じゃないなんてのも…ちょっと不思議な気分 22:19 ballock >【風華】「確かに――妙な所でかっこいいよね尚也先輩って」 同感、とでも言うように微笑んで…温もりを伝えるように少し深く抱いて――服装が服装だ。 普段よりも密着度は高くなりそうだが 「大丈夫、夢じゃないから」 優しく呟く 22:21 hikami >【燐】「…普段情けない癖に………―――本当、馬鹿みたいよね…普段からああだったらこんなに困ってないってのに、全く…」 呟く音の響きは苦く、それすらも…嬉しいのかもしれない。 微かに身動ぎしてしまえば、それだけで危うくさせそうな相手の姿、頬に感じる鼓動が心地よく、自然と…力も、抜ける 「……うん、安心した。…安心して、甘えたくって……風華の顔が浮かんで―――夜遅いのに、って思ったけど…我慢、できなかったから。」 22:25 ballock >【風華】「まだ寝る前だったし、大丈夫。寂しくなったら、ね?」 ほんとに、初めて会ったころに比べて、本当に根っこの部分を出してくれてるのが嬉しくて 「私で安心できるなら、よかったかな」 くす、と微笑む 22:28 hikami >【燐】「……―――そんな事言われるとしょっちゅう来そうになっちゃうわよ」 拗ねたように呟きはするものの…普段よりも暖かく柔らかな肌、照れくささよりも…今はその薄さが嬉しい、なんて――― 何か、変な思考が過ぎる 「…うん、風華の腕…気持ち良い。尚也に抱きしめてもらった時みたいに暖かくって……ちょっと、幸せ。」 22:32 ballock >【風華】「それなら、良かったかな」 幸せって言ってもらえるなら嬉しくて 「忘れないでね、人の温もりを――きっと燐を支えてくれるから…強く、してくれるから」 22:35 hikami >【燐】「………ぅ……」 弱い言葉を零して…良かった、だなんて。かぁ、と、頬に上る朱を抑える事も出来ずに…呻く。 伸ばした腕は少し強く、甘えるように身を寄せ――― 「……忘れない、けど……ユメみたいで…不安。だから……もっと、頂戴。 弱くなった、から。多分………すごく。尚也と風華がいないのなんて、もう―――考えられない」 なんて、言葉。ぽふ、と、胸元に頬を埋めながら 22:37 ballock >【風華】「大丈夫、私も尚也先輩も――居なくなったりなんてしないから。だって、死ねない理由があるんだもの」 微笑ましく、優しく断言をして 22:40 hikami >【燐】「……うん、私も…」 ぎゅ、と。肌に触れそうな行為ではあるけれど…頬擦り、そ、っと、伸ばした指先で薄いシャツを軽く摘んでしまって 「………死なないし……死なせやしない。…もっと、力が欲しいな、とか、思うけど―――……どうにかしなきゃ、って。 ちょっと……大変なコトになってるし。今日、改めて理夢の顔みて思ったんだ。 …無くしちゃいけないもの、犠牲にしたくない、って」 22:43 ballock >【風華】「燐――力が欲しいって思っても焦らないでね…焦れば焦るだけ…急ぐだけリスクは背負うの… そして、そのリスクが何なのかなんて焦ってる間はわからない」 優しく、だが真面目にそう呟いて 「だから――”力”を追い過ぎるのだけは…しないようにね」 22:46 hikami >【燐】「……―――でも…」 時間なんて、きっと……無い。今日の不安が…現実になるかもしれない、なんて思えば矢張り、怖い。折角… 「………気をつける、けど……」 …手に、いれたものが、零れるなんて……嫌だ 「……私には、あるはず、だもの。“力”が。」 ―――あの“バケモノ”の、力が… 22:48 ballock >【風華】「確かに、燐はまだ眠ってる力…ん…」 少し首を振って 「目覚めかけてる力はある――でも…ほんとに焦らないで、アレはきっと今の燐にとっては”諸刃の刃”になりかねないから」 強く、心配そうな声、失いたくないのはこちらも一緒なのだから 22:52 hikami >【燐】「…―――やっぱり」 きっと…手を伸ばせば届く力、なんだろう、あんな―――破壊の―――己に足りない、刃のチカラ。 …応じてなのか、どく、と、下腹部に走る鈍い痛みと、熱……微か、眉が動く程度、もう…慣れた 「―――…“バケモノ”だって。私の、あのチカラ…世界からもつまはじきにされた“バケモノ”のチカラ。 あんなの、でも…役に立てるなら…欲しい、し。でも……」 諸刃の自覚も…おぼろげだが、ある。反動で足の力が抜けたのも、まだ生々しく覚えている 「……焦ってる、かな、私」 22:57 ballock >【風華】「まだ――ダメ…焦ってるよ燐…諸刃っていうのは燐にとってだけ、じゃない…もしかしたら―― それは回りに向けられる可能性もあるんだよ」 経験上なのか、何か知っているのか判断の付きにくそうな物言いで 「きっと”暴走”はもうしないと思う、でもね…”自分の意思で”で引き起こすってなると話は変わっちゃうから」 燐に無理なんてして欲しくない、足りない部分は自分が、尚也が、仲間がきっと補う 「燐に足りない部分は私や尚也先輩、それに環さんや如月さん、銀河さんだって居る――だから、無理に引き出して傷つかれると私も悲しいよ」 23:02 hikami >【燐】「……そう、かな……」 ぎゅ、っと。縋る腕の力が僅かに増す。…向けられる言葉の曖昧さ、少し……気には、なるけれど。 それでも、と、視線を向ける―――嗚呼、まずい、少しだけ…泣きそう 「……悲しんでなんて、欲しくない。私の所為なんかで、そんなのはやだ、から…気をつける。 けど……―――赦せそうに無いの一杯見たんだもの、ちょっとぐらい、とか…思ってるかも、まだ。」 23:07 ballock >【風華】「――うん」 一度求めてしまえば引っ込めるのは難しいのはよくわかるわかってしまう、でも 「燐の事、心配してる人も居るんだって事、それだけは忘れないでね」 それだけでもきっと、無理は少なくなると思うから 23:09 hikami >【燐】「……うん、忘れない、から。―――もっと、抱いて欲しい、かも……」 ひょい、と、軽く背伸びする様にして両腕を首筋へと伸ばす。昼間に尚也へとしたのと同じ密着姿勢を狙ってのもの。 「…もっと、近くが良い。………こんな事ならさっき貰ったのに着替えちゃえば良かったかな、そうしたら―――今よりもうちょっとだけ近いし」 23:11 ballock >【風華】「ん…」 少し強く、でも優しく燐を抱き返し 23:15 hikami >【燐】「っん……」 微かに漏れる鼻にかかった声音、感じる暖かさも、幸福感も…似てるな、なんて。 違いは柔らかさ―――密着距離の薄絹同士、とくん、と、恐らく跳ねた鼓動はばれたかもしれない 「あったかい……癖に、なりそう…って、本当…最近どうか、してるわ。…こんなの恥ずかしいって思ってたのに」 首筋に腕を絡ませ、顔を埋めるようにと頬擦り、露出の多い肌に髪が零れ少し、擽る 23:17 ballock >【風華】「そう、かな」 髪が微かに肌をくすぐり少しくすぐったくて少し身じろぎし 「あ、もう少しで消灯時間になるね…そろそろ、寝る?」 更に抱きながら髪を梳くように撫でて 23:19 hikami >【燐】「……ぁ―――」 そういえば、そうだったか。この時間…ぎりぎりかな、なんて思ってもいたのだから。 指摘に微かに浮かぶ苦笑、名残惜しさに離れ難そうにしつつ…それでも、と、髪への感触にひく、と、軽く肩を震わせた 「…うん、一緒に、ねる。…―――やっぱ、さっきので寝ても、いい?……ちょっとでも近くに、いたい」 23:20 ballock >【風華】「ん、大丈夫だよ」 微笑ましく承諾して頷き 23:22 hikami >【燐】「じゃあ……ん……」 ふる、と、くすぐったさが抜けはしなかったのか軽くの身動ぎ。 二人の合間で少しよれたシャツを軽く広げて―――背を、向ける。 ぷつ、と、ボタンを外し行けば覗くのは白い肌と育ちかけの膨らみ。指先はそれなりに器用でもあるのか白い背を向けたままに羽織り直す。 「…ちょっと、おっきいけど。なんか……落ち着くかも」 そのままズボンも脱ぎ落とせばいっそおそろいか。胸元は押さえてないと危うい程だけれども 23:24 ballock >【風華】「落ち着くなら良かった」 少し安堵して、 「それじゃ寝よっか明日も学校だし、ね?」 手を引いて、ベッドの方へと誘って 23:26 hikami >【燐】「……うん」 ひょい、と身を起こし、いざなわれるままにベットの方へと向う。 ―――もぞり、と、身を滑らせるようにと布団の中へと潜り込み……なんだか、照れくさい。 それだけでもずれる布地は襟元から肌を微かに覗かせていて 「……ありがと、風華。……一緒に、いてくれて」 なんて…傍らの温もりへと寄り添い、囁く。 23:27 ballock >【風華】「どういたしまして、かな?」 燐に微笑んでそう、素直に返して 23:30 hikami >【燐】「……うん。―――おやすみ、風華」 そのままに…腕を伸ばし、抱擁。いっそ…少し縋るような寝姿にでもなるか。 目を閉じれども―――まだ、もう少しと温もりを味わう為に―――…… 23:32 ballock >【風華】「おやすみ、燐」 抱擁の形をとろうとする、燐――そこに優しく抱き返して瞳を閉じる、お互いの温もりを感じながら―― 23:37 hikami >…………………… 23:37 hikami >……………… 23:37 hikami >………… 23:37 hikami >…… 23:37 hikami >… 23:37 hikami >―――かち、かち、と、響く、時計の音。 23:37 hikami >一度は眠りについた筈なのに不思議と……目が覚めた。 23:37 hikami >寒いわけなんかでは、ない。まだしっかりと布団もかかっているし……感じる温もりは嘘なんかじゃない。 23:37 hikami >約束どおりに離さず、ずっと、抱きしめてくれていたんだな、なんて思うと…ぼんやりと霞のかかる思考が嬉しさに、染まる 23:37 hikami >【燐】「んっ……―――」 23:37 hikami >鼻にかかった吐息、もぞり、と、軽く身動ぎし己の側は手を離し、軽く目じりに浮いた涙を拭った。 23:40 ballock >【風華】「……ん…」 軽く、身じろぎをする。 が、燐へはほとんど影響を出さない程度の小さいもの、規則正しく寝息を立てながら眠りにつく。 よほど疲れていたのだろうか、深い眠りで、でも、それでも燐を離さず、かといって強すぎず優しく抱いたままで。 身じろぎの影響か微かに風華のYシャツは肌蹴たりしていた 23:47 hikami >【燐】「っ―――…!」 23:47 hikami >ひく、と、身を硬くし……思わず、向く視線。柔らかな感触はそれだけの存在感を持って己の視線に晒される事になるのだろう。 23:47 hikami >それに反し……緩い襟口から覗くのはお世辞にも育っているとは言い難い掌サイズ。かぁ、と、頬が染まるのなんて―――…なぜ、か。 23:47 hikami >思えばこの抱擁だって……何かが、おかしいんだ。 23:47 hikami >尚也と、同じ、幸福感…とくん、と、跳ねる鼓動……幸せで、安心できて、あったかくって……くす、と、漏れる吐息はなんだか、甘い。 23:47 hikami >【燐】「……風華……?」 23:47 hikami >もぞり、と、動く身、それでも……普段なら、起きてしまうだろうこの動きにも……寝息は規則正しく、響く。 23:47 hikami >他の誰に触れられた時とも違う、二人だけの持つ暖かさと―――…幸福。 23:47 hikami >何か、なんて……きっと“そう”なんだろうか…? 23:47 hikami >だとしたら… 23:47 hikami >【燐】「―――…すき………」 23:47 hikami >試しに、言葉に乗せてみる―――とくん、と、鼓動が、跳ねた。 23:47 hikami >【燐】「……ちょっと、だけ…―――」 23:47 hikami >―――寝ぼけた意識、目の前の唇に、意識が、奪われて 23:47 hikami >              気づいたら、ちょん、と、軽く、微かな水音共に、重ねられていた―――