21:09 Fake__ >我妻市に関する資料。最後の戦いの前に知れるべきことを知ろう。 21:09 Fake__ >そして、自分が知っていることもまとめておいた方が良いのかと… 21:09 Fake__ >資料室の扉を開く。あまり入ったことがない場所だなあ、とは思いつつ。 21:09 Fake__ >  21:09 Fake__ >【春奈】「燐は…いるのかな」資料室を覗き込みながら、首を小さく傾げ。 21:09 Fake__ >    室内にその姿を探す。魔王の魂に関する事。そのことを伝えよう、と思って。 21:17 hikami >常のゴシックロリータの装束に……ここ数日始めた薄化粧。 21:17 hikami >紙と端末にいっそ埋め尽くされた無機質な空間、数箇所存在する書き物用の机の一つはここ数ヶ月通い詰めた結果の座り慣れた一種の“指定席” 21:17 hikami >通学の最中にいつも座る電車の椅子、なんて程度の習慣ではあるが癖とはそんなもの、だろう。 21:17 hikami >―――ともあれ。 21:17 hikami >本日少女の座る机の上に積まれているのは数冊のファイルと幾枚かの書類束、 21:17 hikami >手にするのは愛用品となりつつある蝙蝠のイラスト入りメモ帳と、ディフォルメされた蝙蝠のマスコット付きシャープペンシル、 21:17 hikami >カリッ、と、そのメモの内容を大判の用紙にとフィードバックさせていく、なんていう最近のルーチンワークの最中… 21:17 hikami >【燐】「っ……」 21:17 hikami >ひく、と、聞こえた声に反射的に肩が、強張った。かちり、と、形式だけ、 集中の糧にとかけていたアンティーク調の飾り眼鏡を外しつつ戸口の側へと向く。 21:17 hikami >【燐】「……いるわよ、ここに。珍しいじゃない、ここで見るのも」 21:17 hikami >きし、と、軽く軋む椅子の向きを変えるようにし、来訪者の姿を見返した。 21:20 Fake__ >【春奈】「こんにちは、燐――色々と最近のこと纏めてるって聞いたから…少し見せてもらえないかなって思って。 私が知ってることがあれば、新しく伝えられるし――どうかなった思ったんだけど」 RG内では特別変装する必要もないために、眼鏡も外して髪も下ろす。 「確かに、あんまり来ない、かな…」 と、その言葉に小さく苦笑して 21:25 hikami >【燐】「ああ……」 よかった、なんて内心思うのは…少しの負い目、か。若干強張っていた身が少し解れ、きし、と、また椅子が軋む。 「ええ、ちょっと、ね。こんな所ぐらいじゃないと私の得手がないから少しでも、って思ったのが一つ――― ……後は状況の整理、ね、面倒でややこしい、が正解だもの、ええと……」 ごそ、と、ファイルの中からA4サイズのコピー用紙の束を引きずり出しつつ 「そう、ね。というかこんな所に好き好んで居付く方が奇妙だもの、ひとまず…ええと……」 さて、どうしたものか。暫し悩みはすれども… 「…そこ、空いてるから。わりと未整理な部分も増えてきたしついでに説明するわ」 言い、示すのは隣の椅子、である 21:28 Fake__ >【春奈】「ややこしいことになってるって言うのは――割と色んな人から聞いてる。 流石に自分で調べたりするまで追いついてないのはよくないことかな、と思ってるけど――ありがとう」 隣を示され、素直に座る。 「奇妙って思うかは人それぞれだと思うけど。少なくとも私は燐が頑張ってるんだなって思うし」 身体を伸ばす仕草の後に、椅子に座る。何処か出かけてきた後なのだろうか、薄い化粧とほんのりと僅かに香る香水の臭い。 21:33 hikami >【燐】「ん……とりあえず、はい。版は…っていうとなんだか妙な気分だけれど―――…上げてる最中だから最新、という訳でもない、けど。」 距離が近くなればそのまま手渡し。手書きのコピーでもある所為か少し掠れ気味ではあるが読めない程ではなく、 寧ろ丸い癖字と消し痕の汚れの方が目立つ版だろう。 「がんばるも何も…当然、よ。フォローが仕事、なんだし――……私は皆と違って部活とか、ないもの。 する気もないし、それで時間があるなら…暇な奴がすればいい作業だもの資料纏め、なんて。」 言うも微かに漂う香り、ちく、と…少し、苦いか 「……まずはこっちの番、か。―――何か補足の欲しい所とか、ある?」 21:38 Fake__ >【春奈】「ありがとう――綺麗に纏めてあるね、これなら読み易いし…有難いかなって」 上から目を通し始めつつ、燐からの声に返す。 「ちょっとお仕事忙しいから、こっちにもあんまり来れてないし…時間が足りないって思うかな、最近」 少し肩を落としているのは、皆に負担をかけていることへの落胆か。 「んー…私からは今のところ特別ない、かな。もしなにかあとで分からなくなったことがあれば、メールで確認とか…できるかな?」 21:42 hikami >【燐】「…ん、春奈に補足貰ったら……最新版作るし、そうしたらまた、渡すわ」 きしり、と、椅子を軋ませる音。それだけ……少し落ち着かない、という事もあるのだろう。何と言うか、そう…罪悪感、か。 「―――無理もないわ、元々春奈は掛け持ちだったわけでしょ?…ウィザードとしての負担まで背負い込む事、ないわよ。 それこそ…―――そんなのは私みたいなのが適任なんだもの。今も…仕事明け?」 落胆へは軽く肩を竦めて返しつつも、やはり…気に、なったか。漂う香水をそう、判断しての事 「そう…ね、メール、のがいいかも。電話でも構わないけれど―――出れない時もたまに、あるから。」 21:46 Fake__ >【春奈】「うん、分かった――私からの言葉だけじゃ足りないと思うから、後で報告書も見て欲しいかな…?」 少しだけ首を傾げつつ、思い出す。魔王の魂に触れた、あの時のことを。 「掛け持ち、だけど――自分から望んだことだからどっちも中途半端になっちゃうのはやだなって思うし… うん、お仕事終わってついさっき帰ってきたところ。学校もまた1日休んじゃったし…追いつかないと」 メールの方が良い、と言う言葉には頷く。電話よりはその方が連絡は楽かなと思っているのは同じだから 21:52 hikami >【燐】「寧ろ…報告書を見ても判らない部分が多いから、が正解かしらね。文字記号だけの表記よりも当事者の意見は参考になる。 思考の補填にもなるし―――“どう”思ったか、なんてのもね。特に春奈は…」 一度、言葉を区切る、何と言うべき、なのだろう。こういう場合の言葉が少し…浮かばない 「…“やさしい”に、なるのかしら。…“ディナ”の事、ちょっと…判らないんだもの。だったら春奈からの意見は多分、私に必要なもの、よ」 それでも此方から、とならなかったのは…やはり負い目、ぢく、と、下腹が痛んだ 「…そう、やっぱり忙しいのね。」 学校、なんて。―――学校…か、今、となってはそれもどうなのか、矢張り…そこの判断もつかないまま。 21:56 Fake__ >【春奈】「ん――ディナのこと、か……一言で、素直な感想を言えば…優しかったんだ、って思う。 人を助けて、結果として迫害されて命を落とすことになった。それでも、人を恨んでたわけでは…無いんじゃないかって思うの。 だから、結局――自分が居なくなることを選んだ…のかな」 ひとしきり言葉を並べ…小さく息を吐く。ディナがどう思っていたかまで、全てはわからない。 けど、少なくとも…触れていた自分は、そう感じたということを。 「私は優しい、のかなあ……自分のことって、よくわからない」 燐からの言葉に小さく笑う。自嘲を込めたような、笑み。 「忙しくても、自分に嘘ついて過ごしたくはないから…やれることは精一杯やりたいな。頑張れてるし、今は」 22:00 hikami >【燐】「…そう、よね」 少し崩れた書類束からメモ帳を引っ張り出し、芯をその紙面に走らせる。 矢張り…その解釈でも良かったのだろうか、なんて追記と共に 「―――優しい、と思うわよ。」 だって、なんて言葉は寸での所で飲み込む、それでも少しの苦さが表情には出てしまったか 「…そっか、ん―――私とは逆、ね。…嘘をつかないで生きる、なんて―――どうしたら良いのか判らないわ。 最近…そうでもなくなった気がするけど、それでもやっぱり人を選ぶもの。学校、とかに行っちゃうとやっぱり、ね。 ―――詐欺師は詐欺師、虚言の仮面なしじゃ、生きていられないわ」 22:04 Fake__ >【春奈】「鬼って言われてたディナ。不思議な力を持っていた…多分、神様。大いなる者――なのかな。ウィザード的な力、なのかもしれないけど」 ぼんやりと考える表情のまま。言葉をつづける。燐の表情には僅かに視線を向けるだけで、それ以上は何も言わずに 「嘘をつかないで生きることも、嘘をつき続けるのも…大変だと思う。 昔の私は、後者で、今の私は前者…なのかな。変わろうと頑張れば、変われるんだなとも思うし」 目を閉じて、そこは少しだけ胸を張り 22:11 hikami >【燐】「…多分ね。“願い”を叶えるのは大いなるモノの特性でもあるし、他の資料と突付き合わせてもそれは確かだと思うわ。 “魔王”がウィザードと同じような力を持っている事そのものは不思議じゃないけれど、規模、は…随分違うんでしょうね。 だからこそ、この地にウィザードが“産まれなく”なった。例外、はあるみたいだけれど……」 相手に渡したものと同じ紙束を繰り、その項を開いてみせて 「“三家に連なるもの”“魔王の力を受けたもの”それと…“過去に眠った存在が現在に引継がれた者”  大別するとこう、みたいね。美潮に軽く、聞いたわ」 幸い、苦った表情には踏み込まれずに済むか。内心零す小さな嘆息これでは…やっぱり逃げて、いるんだろうな、なんて 「―――……訂正。優しい、だけじゃないか。強い、のかもね。……無理、よ。私には、そんなの」 そんな、堂々とした姿からつい、と、視線が、逸れた 22:16 Fake__ >【春奈】「三家――不動、如月、藤沢……我妻生まれのウィザードはルーツを辿れば皆そこに行き着く、みたい。 うん、その3つ――ちとせが、一番最後の過去に眠った存在だって、言われてた。」 悲しんでいた、嘆いていたちとせの表情を思い出し、表情が沈む。辛いことなんだろうな、と――想像するしかできない 「私だって最初は無理だってずっと思ってた。でも…色々な人のおかげで、ちょっとずつ変われた。 燐も…できるんじゃないかな。無責任な言い方だと思うけど」 小さく笑みを浮かべ、燐を見る。 22:22 hikami >【燐】「……ちとせ…祈、の事よね。確かエイラベスタを倒す時に一緒だったと思うのだけれど」 あの時はそれこそ頭に血が上っていた事もあってそう、きちんと面識、を取ったわけでは無かったが…… ―――言い方は難だが随分と“近い”所に居たものだ 「“変われた”気は…するわ、私も。随分弱くなった、って思い知ってる。前じゃ気にもしなかったことが気になってしょうがないし、 そんな想いを抱く事なんてない、って思ってた事だって幾つも、あったもの。 ……―――尚也、よね、多分。その“色々な人”の中に含まれてる大きなウェイト、って、多分。……好き、なのよね」 22:27 Fake__ >【春奈】「人を気にすることが出来るって言うのは――弱くなったって言う人もいるけど。 頼れる人が居るって言うのは。助けてもらえるって事なんだと思う。悪いことじゃなくて、いいこと…だと思う」 そう返しつつ、燐の言葉に少し目を見開く。 「燐が、尚也のことを…?」 首をかしげたまま、そう返して 22:32 hikami >【燐】「違う……―――たぶん義憤か“同情”なんて甘えよ、これは。自分の境遇につい重ねて、どうにも、ね。 そんなので傷ついて、及び腰になって、ね。 …オマケに“人間じゃない”事なんて判りきってる話、私はウィザードだもの、今更、だっていうのにね。 世界から外れた、だとか―――そんなの、ね。」 くっ、と、軽く喉を鳴らすのは自嘲の響き、以上…己への侮蔑、にも近いか。それでも、はた、と、軽く目を瞬かせて 「な、え、ちがっ―――……!」 誤解、では、ないのだ。意図した意味は違うが、それでも、その事実そのものは……揺るがない 「…―――今、言ったのは。“春奈が、尚也の事を”って意味、だった。 春奈が変わった切欠は“尚也が好きだったから”なのかな、って。―――でも」 潮時、だ。これ以上は……隠すほうが、つらい 「…“それ”も、真実。…ごめん、春奈。私も、好きよ。……尚也の、事。らしくない、なんてのも、似合わない、なんてのも判ってるけど。 ―――うっかりしてたわよ、二人が想い合ってるっての判って、なんで、なんてつい考えて―――気づく、なんてね」 22:36 Fake__ >【春奈】「…あ――」 勘違いだったけど、真実でもあったその言葉。 「そう、なんだ――うん、私は尚也のことが好き…何時から好きだったのかはわからないけど、本当、気付いたら好きだった… それくらい、いつの間にかだった。燐も、なんだ…」 そこで言葉を切って、燐のほうに真っ直ぐ視線を向ける。 「人間じゃないなんて、そんなこと無いよ。こうやって、ちゃんとお互いお話出来て。色んなことを考えて ――ウィザードだけど、人間だよ。世界から外れてたら、人、じゃないの? そうなら、そんなの…悲しい。 それに、燐が尚也のことを好きなのだって。らしくないなんて、似合わないなんて――私は言わない。 けど…悪いこと、しちゃったのかな…」 少しだけ、眉根が下がる。どうしたら良いのかな、と言う、そんな表情で 22:41 hikami >【燐】「―――違う。私は……“この世界”の所属ですら、ないらしいわ。 元々居た世界で不要になったから捨てられた“バケモノ”って話。 …今更よね、どうせ…捨てられるなんて産まれて直ぐに味わってるはず、それがそれ以前に早まった所でどってこと無いはずなのに、ね。 ――…“ウィザード”であってイノセントではない、世界の裏側に属する“バケモノ”で居る事を誇りにすら思っていたって言うのに、さ。 ……弱くなったものよね、全く。“その程度”で傷を負うってのが…馬鹿なのよ、私。 “悲しい”って、そう言える春奈はやっぱり優しくて、強いと思うわ?私は怒るだけ、嘆くだけ、叫ぶだけ、だもの」 先日だって、そう、なのだ。憤り、暴れ、結局は逃がした、人の手を借りねば立てぬ程に消耗する、なんて癒手にあるまじき失態まで重ねて 「…“悪いこと”って、なんでよ。春奈は当然のことでしょう?長く一緒にすごして、確か…再会、だったのよね? …それで惹かれて、じゃないか。惹かれ合って、上手く行って…“いいこと”じゃない。…なんでそんな顔、するのよ」 22:46 Fake__ >【春奈】「この世界の所属じゃないから、人じゃないの? そんなことないよ。燐は燐で、同じRGの仲間で――大切な友達だと思ってる。 化け物とか、ウィザードとか…そんなこと関係ない。少なくとも私には」 自分をそんな風に言ってると辛いと思う、だから、そんな自分を卑下しないで欲しいと願い。 「怒るだけ、嘆くだけ、叫ぶだけ。充分燐は人間だと思う――私だって、上手く行かないときは怒るし、嘆くし… そういうことだって沢山あるもの…だって、燐…辛かったかなって思うから。勝手な言い草だと思うけど ――誰かを傷つけてまで、幸せになって良いのかなって…」 22:53 hikami >【燐】「…判んないわよ。世界に捨てられる、ってよっぽどの事だろうし、それに……“バケモノ”である事も否定なんてできない。 ……新聞にのったでしょ、幹線道路でガス爆発、って。道路抉れるぐらいの大爆発で一時住民避難、修理が終わるまで通行止め、って。 ―――あれ、私の所為だもの、自我をなくして暴れた結果、何、なんて未だに判ってないみたいだけど、そこで…ちょっと、あったし」 嗚呼、そういう意味では女、でもないのだろうか?ぢくり、と、矢張り下腹が疼く 「…怒るのも嘆くのも叫ぶのも、私の領分じゃなかったはずの事だもの、それで、なんてやっぱり…弱くなったわよ。 …自分がどっちに属するべきか、なんて判ってない。でも…人間、でありたいな、なんて思っちゃう辺りたぶん感化されてるのよね」 なんて軽く肩を竦めてしまい、それでも、と、微かに浮かぶ半眼 「……それこそ、だったら謝るのは私の方。…傷を負う様な想いを、幸せになったばかりの相手にぶつけちゃってるんだもの。 …それこそ悪い事、なら私のほう。…怒る権利は本来春奈のもののはずよ」 22:58 Fake__ >【春奈】「うん――話題になってた事件って、燐のことだったんだ…でも、それでも。燐は燐だって私は声を上げるよ――?  そんな風に自分を言わないで。そんな風に自分を傷つけてたら――辛いよ」 ふるふる、と小さく首を振る。無茶を言ってるのかもしれないけれど。燐に気付いて欲しくて―― 「怒れないよ、人を好きになるのって凄くいいことだって思うから。それがたまたま同じ人になっちゃったってだけ―― 確かにびっくりしたけど、ね」 半眼には、小さく笑って返し。 23:03 hikami >【燐】「そ、おまけに―――迷惑かけた。尚也にも、風華にも、シュナにも…歩夢にも、ね。 ―――…わかんない、本当、自分が“何”なのか。矜持はすっかり砕けたし、それでも、なんて思うと……どうして良いか、って。 …シュナにね、言われたのよ“もっと自分を出してみろ”って。難しい、って思ったけど、がんばろう、って思えた。 ―――その矢先、だったからね」 気づいたの、と。ぽつり、と、小さく言葉が零れる…ごめん、なんて、響き 「……なら“いいこと”を謝る事、ないわ。どころか―――…折角選んでもらったんだから、胸張って“私の彼氏だ”ぐらい、言ってよ。 ……うっかり好きだ、なんてすごく悔しくて、癪で、認めたくなくって、それでも…好き、ってこういう事を言うんだな、なんて――― 馬鹿みたいだけどさ、私なんかがこんなの、似合わないって思ってる。…ごめん、愚痴ね、これじゃ。」 向けられる笑みが寧ろくすぐったく…少し、痛い。嗚呼…やっぱり“つよくてやさしい”んだな、なんて。 ―――勝てないな、なんて。 23:09 Fake__ >【春奈】「迷惑をかけないでずっと生きられる人なんて――多分、いないよ。 ちゃんと、謝れて、また皆がちゃんと受け入れてくれて…そうしてもらえるんだったら、充分だと思う。仲間、だし、友達――だもん」 そこまで言って、燐の言葉に返すのは、精一杯の笑顔。 「そうだね、うん――でも、その前にね――尚也のこと、好きになってくれて有難う、かな…尚也の幼馴染として。 …私の大切な人…彼氏、ではあるけど。」 改めて言うと、なんか恥ずかしいね、なんて…わずかに頬を染めて。 「似合わないなんてこと、ないよ――何度も言ってると思うけど。自分を卑下しちゃ、ダメだよ」 何の気なしに、手が伸びた。ぎゅ、っと――燐の身体を抱き締めていて 23:14 hikami >【燐】「友達…―――か」 矢張り慣れないその響き、それでも、と…矢張り欲してしまう様になった辺りが弱さか。微かに浮かぶ苦い笑みは…いっそ寂しげなもの 「…違うわよ、だって尚也は色々なものをくれたし…こんなに、弱くなったのも尚也や風華の所為、 それでも悪くない、って思えるのも二人のおかげ、だし、だったら……好き、な事に礼を言われる事だって、無いわ。 …だって横恋慕みたいなものじゃない。…自分の彼氏が他所の小娘に好きだ、なんて思われて ―――嫌だ、って、私だったら…きっと嫉妬してる。」 伸びる手を避ける事もせず、ぽふ、と、腕の中に素直に納まる…肩は少し強張り、如何、なんてわからぬままに 「……なんで、そんなに…優しくできるのよ、私に。」 23:19 Fake__ >【春奈】「わかんない――燐が、そう言ってるのが…。辛そうで、寂しそうに見えるから。少しでも助けたいなって思ったの。 私じゃ力にならない気がするけど――ちょっとでも、力になりたいなって思った。私もお世話になってる分くらいは返したいし。」 …目を閉じて、燐の言葉に小さく笑う。 「ほんとは、私もちょっと悔しいなって思ったよ? 尚也の目を独り占めに出来ないんだなあ、って…ちょっとだけ。 でもね? 尚也はそういう人だよね、って思う――ほんとに不器用で、でも正直で。 だから、私は好きなんだもん…そんな尚也を好きになってくれた人に、酷く当たるなんて、私は出来ない…かな。甘い、だろうけどね」 23:23 hikami >【燐】「だから……何も、出来てないじゃない、私」 ぽふ、と、腕の中に納まりつつ目を伏せ、言葉を漏らす。視界を自ら遮り…この距離ともなれば強まる香水の香りを感じていて 「…馬鹿、尚也は春奈しか見てないわよ。……ごめん、でも、ちょっと惑わせた。―――好き、って、伝えちゃった、から。 それでも…泣きついちゃったけど、抱き返してなんてくれなかった。 ただいつもみたいに子供扱い、髪を撫でて、なかないで欲しい、なんて。 ……お人よしよね、残酷なぐらい。 ―――春奈も、お人よしで、本当……甘いわよ。怒ってくれたって良いぐらい、なのに。 …駄目ね、勝てない、どころか―――土俵にすら乗れそうにない。…この腕を振り払う気力すら、なくなっちゃったもの。 ―――ごめん、春奈。……ありがと」 23:32 Fake__ >【春奈】「――私こそ、ごめんなさい、かな。やっぱり、燐のこと傷つけちゃったの…私が嫌だから――」 力を抜いてもらえるのなら、少しだけ抱きしめる力を強める。 「……対応も、凄く尚也らしいね。お人よしだなって私も今、思ってるし…私も似たようなものだなって」 漏れるのは小さい笑み。燐に自分の温かさを伝えるようにしつつ―― 「お人よしな自覚もあるし、甘い自覚もある。皆に助けられつつ、頑張ってこれた。これからも…そうで居たいなって思ってる。 だから、これからもよろしくね、燐――私こそ、本当に有難うって。」 23:37 hikami >【燐】「だから謝る必要なんて何処にあるのよ、春奈が…ん、もう。 …―――馬鹿、みたいじゃない、ほんと、私。…勝手に好きになって、心配させて、気を使わせて、って…」 触れ合う体温は矢張り、暖かい。感じる温もりは……最近、離し難くなりつつある程に己の身を占めるモノ。 それでも―――何か、違和感。最近こう、される事は時折あるものの…―――まだ、判らない感傷なのかもしれない 「……うん。ごめん…」 矢張り柄、ではないか。ぽつ、と、すっかり険の抜けた淡い、響き 「―――ごめん」 挙句に少し、声が震えるか 23:40 Fake__ >【春奈】「……なんだろう――なんでだろう。本当に自分でもなんとなくって感じだけど……ね?」 触れ合う温かさに少し目を閉じて。 「謝ることって、悪いことじゃないと思うし……」 小さく震える声に、抱く力を少しだけ強める。 23:44 hikami >【燐】「―――…本当、わかんないわよね…ごめん、って、私も―――…他に何言って良いのか、判んない」 震える身、涙こそ零さぬものの、いっそ頼りなく、小さく…漸く、と、年相応の様相でもあろうか 「……ごめん、って、ああ、そればっかりね。ほんと…―――幸せ、邪魔しないように、するから。 ……ちゃんと“思い出”にできるようにするから。…私の事なんて、気にしないでちゃんと…尚也を好きで、いて。 じゃないと……悔しい、自分が何もできない、ってのに水を差すなんて、そんなの…したい、なんて思ってた事じゃないもの」 23:47 Fake__ >【春奈】「――うん。けど…燐の思いは凄く伝わった。ありがとう。私、ずっと尚也のこと――好きでいられるようにするね。 今の燐の言葉と思いと…無駄にしないためにも。勿論、私自身の為にも…。後、尚也のこと…嫌わないで欲しいな。 私からの小さなお願い――」 無意識のうちに広がる羽根は、優しく燐を包み込む。 23:51 hikami >【燐】「…―――馬鹿、嫌えるはず、無いじゃない。…寧ろ―――まだ好きだから、困ってるぐらいなのに。 …嫌える方法があるんだったら教えて欲しいぐらい。 ―――って、本当“彼女”を前にして何言ってるんだって思うわよね、こんなの、本当……甘えてるわ」 肩を竦める…というよりも、苦く、身を強張らせる、が近いか。暖かな翼にも漏れる微かな、音 「…“天使”…―――春奈みたいな子のほうが似合うわよね、この呼称、って。 …私のチカラをさして“天使”って、言った子がいるのよ。 …あんなの、そんな良いモノだって思わない、春奈の翼みたいに…あったかくなんて、ないもの」 23:56 Fake__ >【春奈】「そうだね。確かにそうかも――ん…甘えるのって、悪いことじゃないと思う。 一人だけじゃ…辛いことって一杯あるから。私も、甘えられる人の傍では甘えたいって思うし」 まだ好きなんだから困ってる、と言う言葉に笑う。そのまま言葉をつづけて… 「だったら、燐も――目指して、なればいい…って言うのは自分勝手な意見、かなあ――。 私も、少しずつが変わろうと、やって…やっと、こうなれたのかな…」 00:02 hikami >【燐】「…そう、かもね。うん、そう、かも。……一回甘えたら癖になっちゃって、そっからもう、つい……頼っちゃってるし」 浮かぶのは…思えば彼女との付き合いも先刻浮かべたエイラベスタの時、か。 妙な縁、なんてのはあるものだな、なんて思い返せば矢張り少し可笑しくはある。 「甘える幸せは多分だから、思い知ってると思う。 ……それでも、なんて反発しようとしても撫でられたら一発でアウトなんだもの、すっかりやられてるわよ。 強がる事すら赦されないなんて、どれだけ…って。それでもやっぱり嘘は手放せない―――怖い、って。 ちょっとづつ、減らそう、とは思うけどさ」 向けられる笑みに、なんで笑えるのかなんて…やっぱり、判らない。そう思えるぐらいの日が…くるのかすら 「それで黒い凶器の翼が白い癒しの翼に並べるなら面白い事じゃあるけれど、ね。 ―――…でも、気の持ちようぐらいは見習えるかもしれない。…何年かかるか、なんて判らないけど。 春奈みたいに……もっと昔に尚也が居たら、って。…そしたら私は此処になんて居なかったかもしれないけど…羨ましいって、思うもの。」 00:07 Fake__ >【春奈】「……嘘に慣れちゃうと、怖いのは分かる。うん、少しずつ――私もそれで頑張れた…尚也が居たから、だと思う。 子供の頃ね…私、苛められてたんだ――普通の家とちがう。お母さんが何人もいるから、って。 その時に、結局…私を護ろうとしてくれてたのが尚也で。そのときから惹かれてたのかな…?」 少しだけ話すのは、自分の昔の事。抱きしめたまま、目を閉じて語る 「そういう相手がいるのって、幸せだよね…黒い翼でも、癒しの翼にはなれるよ。 色なんて関係ない、やるんだって言う気持ちで、何とかできると思うの」 00:16 hikami >【燐】「……―――そ、っか。」 何人も、か。…それで、だろうか、瀞が“アマミヤ”の名は好きじゃない、と。 嗚呼、それなら自分だって同じだ、と…境遇なんて、違いすぎたけれど 「…私は…虐待、ね。愛された事なんてなかった、産まれた所為で、って疎まれて… シスターが言うには死に掛かって施設に収容、だってさ。…それでもこの容姿だし、その時は言葉なんて教えられてなかったから。 …喋る、ったって喋れなかったしね、それで多分あれは苛められてた、んだと思う。 すっかり誰にも構われなくなって――“嘘”を、教えてもらった。世界の嘘、そこが私の在るべき場所だ、って。」 思い出話の名を借りた…コレは多分、愚痴。此方だけ聞く、のでは…フェアじゃ、ない、なんて想いもあってのこと 「―――じゃ、そこからね。…やってみせるわ、まずわこの“翼”を…掌握してみせるわ。 …なんだか判らないチカラに翻弄されて周りを傷つけるのなんて望んじゃいない、それに―――もっと、チカラが欲しい。」 00:21 Fake__ >【春奈】「……瀞ちゃんのこと知ってるなら、わかると思うけど。半分しか血が繋がってなかったり――するし。 そのことで瀞ちゃんはずっと家の中で一人ぼっちだったりしたから。」 小さく言葉を返しつつ、そっと髪を梳くように撫でる。程度が違うとはいえ、境遇が違うとはいえ――どこか似てるんだな、と思った。 「でも、今は…世界の嘘だけが居場所じゃない、もんね? 私も、力は欲しい…皆を傷つけないように、護るための力が――」 00:28 hikami >【燐】「…―――そう」 一人、か。…なんて―――嗚呼、被せる気、なんてない。共感、なんて恐らくされたくもないだろう。 それでも浮かぶ顔、興味、は湧いたかもしれない 「…そうね、嘘、だけじゃ生きられないって無理やり…尚也に“現実”に引っ張りだされちゃったからね―――諦めた。 嘘吐きで居させてくれるほどにも世界は優しくない、って。 …怖くて寂しくて、それでも誰かを好きだ、なんて思える幻想を超えた現実、なんての。 …味わったら抜け出せるはず、ないじゃない。」 撫でられた感触に感じるのは微かな安らぎ、だが、ん…?と、少し、引っ掛かる。 これが“嬉しい”のも、確かだ、撫でられるのなんて“そう”だと、でも、だとしたら―――? 一瞬よぎる微かな“不安”それでも…直ぐにそれは消えた 「じゃ、お互いがんばる事にしましょ。治癒も守護も、春奈には負けるけど、それでも…得手を手に入れられたから。 癒手らしくはないけど、それでも、良いわ。……ごめん、ありがと。 …怒らせるか嫌われるかすると思ったのに、慰められるなんて思ってもみなかった」 00:35 Fake__ >【春奈】「ん――私、誰かを怒るのも…誰かを嫌うのも、あんまり好きじゃないの。 ええ、お互い頑張ろう――私はその代わり、自分だけじゃ戦えないから…結局誰かに頼るしかないもの。 尚也、強情なところは強情で。意地っ張りなところも凄いあるもん――そこは、昔からそうだったなあって。」 燐の言葉にくすくすと、小さく笑みを漏らしつつ。 「ありがとう、何て言わなくても。その辺りはお互い様…だよね」 ふわりと笑顔を見せて。身体を離した。 00:40 hikami >【燐】「……私だって一人じゃ戦えないわよ。そこまで…強くなんてないもの」 離れた身、以前とは違った“弱さ”を認める事にでもなるのだろうか。軽く肩を竦めるも浮かぶのは僅かな、笑み。 「確かに、ね。変なところ情けないのに妙な所でかっこよくって。…嫌になるぐらい、うっかりしてたら引っ張り込まれるんだもん…全く。 …――傍で支えるのは春奈の仕事、よ。私は出来る所で助ける、から。」 お互い様、の言葉にはくすぐったいような感覚、軽く、身を震わせてしまって 「……そうね。私も―――春奈を含めて嫌ったり変に拘ったりとか、できそうにない。 …負けたわ、ほんと、勝てないし―――ん、そうだ。言ってないわよね。…おめでと、春奈、良かったわね。…好きな人と、一緒になれて」 00:44 Fake__ >【春奈】「……一人で立てる人って、どんな人なのか気になるけれど――私には無理だものね」 うっかりしてたら引っ張り込まれる、の言葉には笑う 「それが尚也の凄いところ、なのかな……私の勝手な意見だけど。あ、うん――有難う、燐。本当に、ありがとう」 おめでとう、と言う言葉。自然と胸が熱くなって――目を閉じる 00:47 hikami >【燐】「…そのつもりだったし、一人でも、なんて思ってた。 治癒と援護の道を選んだ癖に、フロントはフロントの、バックスはバックスの仕事をきちんとこなして“任務”を片付ける駒なんだ、って。 ―――そんなの、つまんないし寂しい事だったのよね」 ひょい、と、肩を竦めてみせつつ、嘆息。どれだけ馬鹿な事を思っていたか、なんて…思い知ったじゃないか 「…だと思うわ、あそこまでひたむきに前を見れる、ってのもいっそ才能だと思うし。…―――ん、幸せに、なってね」 “これ”を、言いたかったというのに、なんて…思うのは苦さ、結局あれからほぼ1週、尚也の前に顔を出せずにいる 01:02 Fake__ >【春奈】「駒でいる、って…つまらないよね。自分でやりたいことを、やりたいって思う…。有難う、本当に――うん、幸せになる、ね」 幸せになってね、という燐の言葉。頷き…胸に手を当てて。幸せになるよ、と言う言葉を返す。自分のためにも、燐のためにも。と 01:08 hikami >【燐】「…―――“駒”だけどね、私は。……それでも、とは、思う。 どうにか、とも。―――できるものなら、って、願いたくなってきたもの。なんとか、するわ」 浮かぶのは“父”の顔、か。己を現在庇護するアンブラ内での監督者、そんなモノに縛られるのもまた事実、か。 ―――つくづく難儀なものだな、なんて 「…その為にもまずはこれ、ね。…なんとか、してみせるわ、こんなの。―――折角の状況、壊させやしないわ」 これ、と、示すのは書類束。記された内容は―――“魔王の巣”についての総ざらい、なのだ。 己が出来る所は―――惑わせ、水を差してしまった事の償いは…“いま”と“みらい”の助力、だろう。 すべき事は山のよう、なさねばならぬ事のハードルも相応に高い、それでも、と。 ―――…しかしまずは……仲直り、だろう。帰ったら、連絡してみようかな、なんて思いつつ――― 「……ありがと」 ―――そう、思えたことへの感謝をまた、告げた。