21:13 rouge >【尚也】「ふぅ………」 21:13 rouge >  21:13 rouge >今日も学生としてもウィザードとしても一日を謳歌した。 21:13 rouge >普通に授業に取り組み、クラスメイト達と談笑して。 21:13 rouge >何となく、クラスメイトには秘密にしていたりする春奈との関係が、照れる日々。 21:13 rouge >目を合わせると、笑いかけてくれるのはなんとも心地よい。 21:13 rouge >……関係、変わったんだなあ、と、しみじみ思ったりもする。 21:13 rouge >そんな認識が変わったって言うのは、結構大きくて。 …そんな日常。 21:13 rouge >それが終わればロイヤルガードからの任務で隣県までひとっとびして小さな事件を片付けてきたり。 21:13 rouge >青い魔剣を振り回し、仲間とともに魑魅魍魎と戦う。 そんな非日常。 21:13 rouge >  21:13 rouge >それなりに具沢山の一日を一日を終えて、部屋のベッドに倒れこむ。 21:13 rouge >  21:13 rouge >【尚也】「なーんか、一日が過ぎるのが早い……」 21:13 rouge >ふあ、と、小さなあくびを漏らし…… 21:13 rouge >春奈にメールでも打とうか、何て携帯電話を取り出した所ではっ、手を止める。 21:13 rouge >  21:13 rouge >【尚也】「そうだ、知らせなきゃならない人間に、まだ知らせてないじゃんか。」 21:13 rouge >  21:13 rouge >そのまま、アドレス帳の検索へと指の動きを変える。 21:13 rouge >一華燐、の項目にたどり着く。 21:13 rouge >  21:13 rouge >【尚也】「………そういや、最近会ってないな。」 21:14 rouge >向こうも忙しかったのか、それは分からないけど。 何時もいそうなところには、居なかった気がする。 21:14 rouge >それまでは、結構な頻度で会っていたとは思うんだけど。 21:14 rouge >報告が遅れたのは、何時も会うような人間になぜか会わなかったという事が原因として間違いなくある。 21:14 rouge >  21:14 rouge >【尚也】「……燐、か。」 21:14 rouge >色んな話をしたと思う。 色々活も入れられた。 21:14 rouge >その分を、自分が返せるかどうかは分からないけれど… 21:14 rouge >そんな事とは関係無しに、なくてはならない友人だな、何てこれまでのことを思い出しながら、少しの感傷とともにボタンを押す。 21:14 rouge >いろんなことに、前向きになれるようになったのは、少なからず彼女のおかげでもある。 21:14 rouge >久しぶりに会って、いろんなことを話そう。 春奈のことも含めて。 ダイヤルを押した。 21:14 rouge >  21:14 rouge >【尚也】「あ、もしもし? 今度の休日ってあいてるか? いやちょっと、ご飯でも食べに行かないかってさ。」 21:14 rouge >  21:14 rouge >  21:28 hikami >―――嗚呼、これが逃げている、という事か。 21:28 hikami >ほぼ毎日ロイヤルガードの基地へと赴き、資料整理と調査を行いつつ、休憩に、と己や、他の隊員のものであろう漫画を読み、 21:28 hikami >…帰りに訓練所に寄り、帰る日々。 21:28 hikami >この生活リズムを変えたわけではないものの、やはりパターンとも言うべくか。 21:28 hikami >……今にして思えば意図して「偶然」を得ていたのだろうある青年との邂逅。 21:28 hikami >“ああ、このぐらいの時間にならば…” 21:28 hikami >その程度の予測ができるぐらいには顔を付き合わせる事の多くなっていた相手故、その足跡を外れる様に基地内でのリズムをずらせば… 21:28 hikami >同じ空間に居ても合わない、なんて事はそれなりにあるものだ。 21:28 hikami >それが、無意識、心の整理、と…―――嗚呼、いつまでやればいいのか。 21:28 hikami >ぼふり、と、調度に乏しい室内でベットにうつ伏せ、ぼんやりと思考を迷わせていた頃合。 21:28 hikami >―――ご飯でも食べにいかないかってさ。 21:28 hikami >嗚呼、ついに、来たか。思えば憤慨するべき所だったのだろう、数日とはいえ日も過ぎ、そろそろ結果も出ただろうに 21:28 hikami >今まで連絡も遣さないでどういうつもり?とでも言えば少しは違っただろうか。 21:28 hikami >…柄にもない。 21:28 hikami >出される提案をそのままに受け入れ、判った、と、素直に返してしまう辺り…意識、か。 21:28 hikami >……………… 21:28 hikami >………… 21:28 hikami >…… 21:28 hikami >… 21:28 hikami >―――日曜日――― 21:28 hikami >なんて言えば己の今の装いとて“意識”なのだろう。 21:28 hikami >逃げないで、なんていわれた事が起因の一つ、もう一つは…… 21:28 hikami >改めて何もない、平和な時間をこうして待ち合わせる、なんて……初めての機会。 21:28 hikami >デート、か。 21:28 hikami >そんな風に思うことすら未練、かもしれない。 21:28 hikami >駅前の時計台、なんてベタな場所にたたずむ姿はいつもよりも一回り小さい。 21:28 hikami >厚底のごついブーツではなく少し踵がある程度のショートブーツ、 21:28 hikami >髪はふわりと下ろしたまま何も手を加える事は無く、 21:28 hikami >纏っているのも暗色のワンピースの上に白いカーディガン、肩掛けの小さめな鞄だけが革張りな辺り少し、名残か。 21:28 hikami >落ち着かない。 21:28 hikami >…こんな格好…“ここ”でしたのは初めてだ。 21:28 hikami >嗚呼、何を律儀に…――― 21:28 hikami >まあ“たまには”良いだろう。 21:28 hikami >何せ……――― 21:28 hikami >【燐】「…おまたせ、尚也」 21:28 hikami >…まだ、決まったわけじゃ、ないんだ。―――だったらデートぐらい、楽しませて欲しい。 21:29 hikami >(おまたせ( 21:36 rouge >【尚也】「おう? ……燐、なんか、凄い珍しい気がするな。 というか…初めて見た気もするな。」  待ち合わせは、時間よりちょっと早い程度。 現れた燐の格好は何時もとは少し装いの違う…かなりこだわっていたような気もするけれど。 何かあったのだろうか? だけどこれも、新鮮ではあった。  「ありだとは思うけど、うん、いいんじゃないか?」  はじめてみた服の感想を、述べておく。 21:39 hikami >【燐】「う、うるさい。良いじゃない、たまには……―――全く、そりゃ、初めてだと思うわよ、何せこんなの滅多に着ない、もの」 内心色々と、落ちつかない。涼しくて良いのは結構な事だがいつもよりも布地は薄く、 ドロワーズも無い…のは制服でも同じだが…為少し、心もとない。手にした鞄も出来る限り小さい物を、と選んだ所為で持ち慣れない 「……―――待ち合わせて遊びに行くの、初めてじゃない。いつもの服だと…………尚也と合わないじゃない。 尚也がああいう服持ってるとは思わないし、だったら…あわせるの、こっちでしょ」 21:44 rouge >【尚也】「ま、たまにはいいじゃないかってことでさ。 最近、どうも時間会わなかったしなー。」  久しぶりに見る燐に笑みを向け、言葉に耳を傾ける。  「あれ、男用のゴシックロリータってのあるんだ。 僕には似合わないってのは、まあ試着するまでもないことだけどさ。」  燐の何時もの服装の男性バージョンを想像してみる。 ……さらにそれを自分に置き換えて……駄目だ。  「じゃあ合わせてくれてありがとう、燐、って所だな。 てっきり、燐、割とこだわってるものだと思ってたからさ。」 21:49 hikami >【燐】「そう、ね。私も結構調べ物とかしてたし……―――嗚呼、神社の様子、見てきたわ。美潮に逢いに、って方が正しいけれど」 成果は資料室のコピー用紙の束。とはいえ往来で物騒な会話とするわけにもいかず無難な言葉を選び、向けた 「あるわよ、ラインは少ないけれど……細身のが多いから着る人を選ぶし、数も少ないし…… ま、男物は“ロリータ”じゃないわね、ゴシックファッションなら男女問わず、レースが多ければロリータになるだけで…。 って、まぁ、いいわ、こんなの往来で解説するようなものでもないし」 少し憮然と、腰に手を添える形にて見やりつつ 「っ……誘ったの、尚也じゃない。気ぐらい利かせてあげるわよ、全く……―――で、何処につれてってくれるんだったかしら?」 確か、話していた記憶はあるのだ。あるのだけれど……ぼんやりと、空返事が多かった様な気もしていた 21:56 rouge >【尚也】「ん、そっか。 僕は、フリウに会ったよ。何ていうか、相変わらずな感じではあったけどね。」  あの石段を燐が根性で登っていくのを想像したら、なんだかちょっとおかしくて笑いがこぼれた。  随分と…活動的になった気がする。同じ隊員なのだ、態々尋ねなくても、基地で会うことなんて幾らでもある。  それを出向くというのは…そういうことなのかな、なんて。  「ファッション関係は詳しくないからな…。 そういう話も、聞いてみると面白そうじゃあるし後で教えてもらおうかな。  とりあえずは、ご飯で。 そーいや、燐って甘いもの以外で好きなものってあるか? 昼はそれにあわせようと思ってるんだけど。」  22:00 hikami >【燐】「嗚呼……そう言えば魔王に逢いにいったんだったわね、尚也達」 そんな報告も耳にした覚えはある。まだ…眼を通しては居ないが ―――並ぶ名前を意識した、なんて言ってしまったら負けも良い所だろうから絶対に言わないけれど 「確かに、尚也の服ってたまにぱっとしないの多いわよね……着飾れ、って訳じゃないけれど少しは意識した方が良いのにって思う事もあるし。 ―――ん………特に無いわね、意識した事も無いし。面倒であまり出歩かないから店にも詳しくないもの。……好きな所、つれてってよ」 ――そうすれば、なんて、微かに浮かぶ思考、内心少し苦い。嗚呼…参った、こんな事なら―――いつもの服で来ればよかった、か。 22:07 rouge >【尚也】「厳しい意見ありがとう…」  そりゃあ、あまりにも酷い、のランクではないとは思うが、おしゃれではない自覚はある。  女の子からの率直な意見に若干遠い目をしてこたえて。  「ま、その辺りは僕も報告書提出してるし、後で照らし合わせて見るのもいいのかもな。」  神社と魔王についてはそうこたえ。  「んー…肉とか嫌いじゃなかったよな? それなりに安くて美味しい肉のお店があるから、そこでもいいかなー…」 22:11 hikami >【燐】「ん、そうさせてもらうわ。最近になって昔の書類もひっくり返してるから……案外役立ち沿うな事も出てくれてる」 提出している、なんてことはとっくに知っているのだ。見る、という行動に至っていないだけ――― ……少しばかり拗ねた思考が掠めるものの、恐らく表情には出ていない 「……後で見ればいいじゃない、服も。―――嫌いじゃないわ、量、は食べられないから大食い系だとつらいけれど。 なんにしても、任せるわ、多かったらそれも任せるし」 等といえば…少し、逡巡。何、構わないだろう、デート、なんだ、デート。 きょろり、と、少し周囲を探る視線の後に手を伸ばし―――……結局掴んだのは服の裾。嗚呼、失敗した――― 22:16 rouge >【尚也】「ん、じゃあ昼はそれで問題なし、と。」 頭の中のメモ帳に行動を記し、土地勘の中から店の記憶を手繰り寄せる。  「あ、それはいいな、女の子に服選んでもらったって事はないし、昨日ロイヤルガードで仕事したお金で、小さくお金ももらってるしな。  それじゃ、後で服の見立ても頼むかな。コーディネートはこーでぃねーとって感じでね!」  燐の提案には、冗談を交えてそう返した。 僅かに感じた重み、服の裾を掴んでくる燐。  なんだか、可愛げがあった頃の理夢を思い出して、ほほえましい気分になった。  「じゃ、行くか。」  そのまま、歩き出す。 22:17 rouge >  22:17 rouge >  22:17 rouge >  22:27 rouge >【尚也】「んー…もう直ぐ夕方か。 昼は……久しぶりに食べたけれどなかなかいい味してた。  やっぱり、それなりに厚みのある肉は違うよな。 流石に、昼ごろ食べたらそろそろ味忘れてきちゃったけどさ。 夜、どうする?」  うんうん、と満足げに頷きながら、手には買い物袋を提げている。  「しかし、燐の感覚で見立てるとこんな風になるのか。 なんか、本当新鮮な感じだな。  こういう風に見立ててもらったことないからなあ、よけりゃ、また頼むよ。」  買い物袋の中身にはおおむね満足しているようで…。 時間は、日の落ち初めといったところ。  今日という一日を、ご飯を食べたり、服を見立ててもらったり、商店街を歩いたりと楽しく遊んでいるうちに、そんな時間だ。  足安めに我妻公園に足を運んで、芝生の上に腰を下ろしながら、語らう。 22:33 hikami >【燐】「……というか、やっぱり、って気はしたけど……結構量、あったわねあのお店」 一応小さめのサイズもあったのだが…それでも未だに少し、残っている気がする。 食べ歩きにとアイスをねだったりした所為もあるのだろうけれど 「だから、もう少し良いわ。…食べないつもりは無いけど、思いつかない、もの」 理由なんて、判ってる。繰り返される取り止めのない、日常。話題はそれこそ服や、店や、甘味のこと。 己は結局何も買わず仕舞いではあったか手ぶらのまま …―――いつ、切り出されるか、内心判った結末ではあろうに焦れ、それが意識の一部を埋めた事により提案、には鈍くなっていた。 「―――……にしても、もうこんな時間、か……」 夏の日差しは斜めに翳り、僅かに朱色が遠く忍び寄ろうとする頃合。 それなりに人通りの多い中を歩いていた所為で人馴れの無い身にはきつくと公園も外れ、遊具どころかベンチすら無い芝の方まで出向いていた 「…ま、服はいつでも良いわよ。男物を見るのも案外楽しかったし……ラインも普段からそう、外れてないと思うわ」 22:38 rouge >【尚也】「はは、流石にそこは、男の子と女の子か。 ま、今日は何があるって訳でもないし、のんびりとしてればいいなって思うよ。  休日としちゃ、いい一日だったしな。 燐さえよけりゃ、またこんな風に遊びに誘わせてもらうよ。」  芝生に荷物を置き、手をついて空に目線をやりながら。  22:43 hikami >【燐】「そうよ、私はそんなに大食って訳じゃないし……食べない方、って自覚ぐらい、あるわ? ……そりゃ、美味しかったのは認めるし、なんだかんだで食べれたけど……」 恐らくコレが歩き回った後、ともなれば少し違っただろう。 日が翳るにつれ、時間を経るにつれて……無限ではありえない有限が減っていく感覚を覚え、 時折…尚也の視線の無い時に手首に巻いた時計へと眼を向けてしまっていた程、だ。 …こういう意味では正解か、結局あれから2度。狙ったものの総て失敗……勇気なんて出るでもなく、服の裾に伸びただけになっている。 ―――いっそ、冬ならいいのに、ココへ向かう道中ではそう、思ったものだ 「―――……まだ、時間あるんなら先の事なんて、良いわ」 夏の日差しに育てられた柔らかな芝生、直接腰を下ろしてもそう、不快でもないだろう。 ここ数日は晴天だったのだ、尻に敷いたハンカチが少し、もったいなく思う程度で済む 22:49 rouge >【尚也】「そうか? 今日って言う時間は終わるから先の話をしておくのって、そんな不思議な事でもないと思うんだけどな。」  此方はさすがに気にはしていないのか、芝生には直接座っている。僅かな草の匂いが、心地よい。  「なーんかでも、不思議な取り合わせっていや、そうかな。 まだ半年にも経ってないんだけど…燐とは随分色々あった気がするよな。」 22:54 hikami >【燐】「……まあ、そうだけど」 今日、が終わって、明日……そんなの、どうなるかなんて判らないじゃないか。 “今日”はそれ程、重い―――まずい、うっかり、沈んだ。少しだけ表情が憂いを帯び、風に流れる芝目をぼう、と、視線で送る 「―――そりゃ、そうね。だって尚也と私、どう見られてたか判ったものじゃないでしょう?―――兄妹、って言うにはコレが、ね」 言い、摘むのは己の金糸。くるりと指先に絡めるようにし、眺める瞳も蒼。異国の存在、と思えばもっともしっくりくる姿なのだから 「―――…ま、色々あった、のは同意するわよ。希少地域の警護だって言うのに、やってることは―――結構根深い大騒動だものね。 それに……―――まだ、なんでしょ。」 言うのは、件の魔王、レイセニアの事。結局そう何度も手伝いにでれた訳、ではないけれど… 23:01 rouge >【尚也】「どう見られてたんだろうな? んー、やっぱ、人の目で見れば、仲のいい友人同士じゃないか?国の垣根も越えてー、ってさ。」 外から見た燐と自分の関係は…多分、それ以外にはないだろう。  うがった見方をする人間が、男女の関係かと思うかもしれないけれど、そんなのには思わせておけばいいわけで。  「ま、レイセニアのほうは何とかするさ。 …燐、前に言ったろ?  僕の認識が、やつらを恐怖に思わなくなれば…やつらは弱くなるんじゃないかって。 そういう部分は、あるみたいだ。  この前、僕1人対八鬼2対なんて変則バトルになったけど、勝てはしたしさ。 今なら…なんか、いろいろあったから。  少しだけ、自分を信じてやれる気がするんだ。」 23:05 hikami >【燐】「…―――そうよね」 安心、した。これで…――…なんて答えられたら、少し、まずい。くす、と、口元に浮かぶのは珍しく険の無い淡い笑み。 いっそ…似合わないかもしれない程に少女じみたもの 「―――待って、初耳よその遭遇戦は…!?」 なんだ、その馬鹿みたいな数は。然し……勝てた、のか。己の推論が正しかった証明だろうに… 「―――……無茶、するわよね、本当。まあ、無事かどうかはともかく今元気なら、良いけれど。 ――魔王の巣の幻影然り……私の事、も…迷惑かけたものね。 前に見た時よりも随分鋭い切れ味みたいだったし、強くなったって言うのも難だけど、昔より危なっかしい感じはなくなってきたと思うわ?」 23:11 rouge >【尚也】「さんきゅ、燐に褒めてもらえる日が来るとは思わなかった。こりゃ明日は雨かな。」  冗談めかして応える。 表情は明るい。 「でも、ありがとうな。 燐に言われたら、なんか自信付く。」   「ま、1VS2っていっても、向こうは僕に致命打を与えるわけにも行かないってハンデはあるからね。  それでも、僕を捕獲すりゃ有利になるんだから、相手をしないわけにもいかないという。  ま、今回は…僕関連じゃなくて、性懲りもない悪趣味を止めるための戦いだったわけだけどさ。」 23:14 hikami >【燐】「別にほめる事ぐらいあるわよ。というか、そもそも、ほめたうちにも入らないわ? ―――危なっかしい、って言ってるのを多少前向きに評価しただけじゃない。」 それでも…まあ、悪い気はしない。自分に、と、その言葉で。―――嗚呼、やっぱり、癪だ。なんで、こんな…… 「―――そう、ね。殺してしまえばそれでおしまい、いっそ脆い共連れが居ればそっちが餌に使われ、か。 ――前の一件で判ったから、こっちはこっちで少し対策考えたけれど」 それはいっそ、驕りだろうけれども。共に、なんて標的ならば適任がいるし―――其方にはもっと、心強い護衛が、いる。 「―――って、何、また何か連中くだらない事でもやらかそうとしてたわけ?」 23:19 rouge >【尚也】「…うく…いやまあ、そういう物言いでこそ燐だって言う話もあるんですけどね。」  少し混じる、彼女流の言葉に苦笑い。 きつい反面、こうでなきゃ、という感じもする。 Mなのかなぁ、自分、何てくだらない考え。  「エイラベスタの奴、よっぽど前の作戦がはまったのが嬉しかったのか、また春奈に矛先向けてきたんだよな。  ……たまたま僕が風華と護衛を交代してた日だった。」  その戦いの日のことを、話し始める。 23:23 hikami >【燐】「いまさら、でしょう?全く……―――ま、評価したのは事実よ」 ぽつ、と、零れる小さな言葉。座り込んだ膝に肘を乗せ、つぃ、と、視線を外した。 挙句―――嗚呼、それで助かったか。話を聞けばひくり、と、肩が強張ったのが自分でも判る。 顔、なんて一瞬動揺が浮かんでしまっただろう。反れていて、良かった、か 「―――………そう。いつよ、それ」 今話すならば恐らく、最近、だろう。そんな事があの時にあったならば病室で話題にでてもおかしくはない。 そこまで浅く係わった事件だ、というわけでも無いだろう ―――浅く? ―――それこそ戯言だ。あの時……―――嗚呼、そうか――― ……まずい、か、これは。何も今、思い至らなくても良いだろうに 「―――……で、どうなったのよ」 23:28 rouge >【尚也】「……燐の病室に行ってから、少し経っての事かな。」  何時、という言葉には素直に答える。  意識し始めたからこそ、何とかしなければならない、の意味もあって風華に護衛の交代を申し出たのだ。  彼女は春奈の気持ちも、此方の考えも大体分かっていたから、何も聞かずに了承してくれたけれど。  「流石に勝ったはかったけど、ぼろぼろになっちゃってね。 春奈が、治療してくれた。」 23:32 hikami >【燐】「……そう」 なら、もうとっくにか……?何を期待しているんだ、私は。判ってるじゃないか―――決めたじゃ、ないか。 頷く言葉は少しぶっきらぼう、まぁ、いつものことだ、問題なんてない 「…二対一で負った負傷の治療、なんて。いくら狙われたからって春奈も災難よね、フォローもあったでしょうし… ……まぁ、その辺りはいっそ私よりも上手だもの、そう心配する事でもないと思うけれど。」 どうする、なんて、考えるまでも無い。…笑えばいい。決めたじゃないか、ばれてなんてやるものかと…… 23:37 rouge >【尚也】「いいタイミングだなー…って、思ったのさ。 結局、その時に言ったよ。  春奈を、僕の一番にしたいって。 僕と一緒に、歩いてもらえないかってさ。」  少し、口にして言うのは照れるのか、僅かに顔を赤らめながら。 そんなだから、少し、燐の表情にまで気を配る余裕が無くて。  「燐にも、相談しちゃったしな、いつかは言わなきゃいけない事だし。 正直、どきどきしてたよ。  心変わりされてたりとか、巻き込むからお前なんて願い下げだって言われたりとかしないかって、ね」 23:41 hikami >【燐】「―――戦闘後で治療中、なら相手も逃げるわけに行かないし」 …そんな筈、ないだろう。何も詰問するつもりじゃないんだから……寧ろ、望んでるだろうに… 「でも、本当にそんな事言ったの?全く……それじゃ告白ってよりプロポーズじゃない。 目の前で叫ばれた時にもどうしようかって思ったけれど、それはそれですごい見ものよね。 センスが無いとは言わないけど、ものすごく誤解されたらどうするつもりよ?」 ……嘘などつき慣れた筈、そもそも存在が嘘なのだと戯れた事すらあるじゃないか… 何、目の前の相手は単純なんだ、ちょっと笑えばそれでだらしなく喜ぶ筈だ。なんなら惚気させてやったっていい。 …判ってるんだ、結果なんて。 ―――紡がれる度にその時は近づく、嗚呼、早く―――…… 23:48 rouge >【尚也】「告白って言うかプロポーズ………。」  う、と言葉を詰まらせ  「…でも、何だかんだ言って僕は一途だから、そうなったらそうで、構わないさ。」  何となく、気恥ずかしくなって手持ち無沙汰に足下の草を僅かにちぎって、宙にまわせる。  「でも、ありがたい事だった。 こういう僕でも…春奈は、受け入れてくれた。  まあその、分かりやすく言えば、上手く言ったってことだね。」  ごほん、と咳払い。 流石に、こういった報告はなんだか…照れる。 でも、僕が幸せになるんだ。  からかいはするだろうけど、燐だって喜んでくれるはずだ。 何だかんだで、優しい彼女なんだから。  「…ありがとう。 腐ってた僕に燐が活を入れてくれたから。 春奈のことだけじゃない、ずっと前からそうしてくれたおかげで…こう、出来たよ。」 23:59 hikami >【燐】「…全く、馬鹿みたいね。そんな付き合っても見る前から言いきれるって随分……」 惚れてるじゃない、そんなからかい一つ入れてやれば面白いぐらいに嬉しそうな顔をするだろう。なのに……嗚呼、また表情が硬い。 笑え、今は祝福の場面だ。私の事なんて関係ない、そもそも、そんな風に思われているはず、ないじゃないか。 さっきだってそんな選択、微塵も覗かなかった。結局尚也は己の手を取る事もしない、服の裾こそ許せど、腕なんて引こうともしない…… 友人、なんだ。そんな距離、たかだか一日、これだってきっと、そう、“お礼”のつもりなんだろう 「大した事をした覚え、無いわ。寧ろ距離を少しとっただけじゃない、重荷になんて、なるつもりなかったし。 …その期間は何もしてない、立ち直ったのは尚也、でしょう?そんなだから二度目は護れたんだろうし、だから春奈だって」 …だから……笑え―――! 「好きだ、って、惚れた、のよ。……おめでと、良かったじゃない、上手く、行って」 意志に反し、つぅ、と…強張った頬を伝う、雫。口元は最後の矜持でもあるか、微か震えた挑発的な笑みの、形。 00:06 rouge >【尚也】「……り、ん?」  僅かに震えた声と、硬い表情。 自分が、予想だにしなかった、燐の表情がそこにあった。  予想では、少し皮肉げな笑みを浮かべて、僕と春奈をからかいながらおめでとうって、呆れながら言ってくれる。  …そう、思っていたのに。  「ない…て…?」  だけど、目の前の燐の表情は…自分が予想していたものとは、かけ離れていて。 何か…傷つけるような事を言ってしまったんだろうか。 00:10 hikami >【燐】「………何よ、おめでとう、って、言ってるじゃない」 嗚呼、まずい、これじゃ…台無しだ。 何、今なら誤魔化せる、目にゴミでも入った、と、ああ、そうだ。さっき尚也は草を千切っていたじゃないか 「だったら素直に祝福、されなさいよ。……ほら、どうしたのよ、幸せ何でしょう?今、ほら―――」 だったらそれの所為にすればいいじゃないか。ほら、笑え、今ならまだ 「―――……っ―――……おめで、とう、って、ほら……!」 ―――それでも、まずい。一度…崩れたものを取り返すには…遅い、か。 零れた雫は左右から、拭う、という行為がいっそ認めた気がして放ったまま。零れた雫がぽたり、と、丸めた膝に零れ落ちた」 00:15 rouge >【尚也】「燐……! どうしたんだよ……どうして……泣くんだ?」   そっと肩に触れて、彼女を気遣うように。 今日の行動で、彼女を傷つけた覚えはない。  それとも、これまでで…? 分からないまま、彼女の肩に手を置いて、こちらに顔を向けさせる。 00:20 hikami >【燐】「泣いてる?訳、ないじゃない。何でそんな必要があるのよ?」 触れられた肩は僅かに震え、それでも成されるがまま、力無く、無抵抗に身を捩らせればやはり浮かぶのは歪な泣き笑い 「…尚也が変なのは今に始まった事じゃないけれどね……いきなり刺々しく話しかけたチビにもあっさり相手、するし。 結局晩御飯まで一緒に、食べたじゃない。 初対面なのに自分のことぺらぺら色々教えてくれちゃってさ、うっかり、楽しいとか想っちゃったじゃない。 ……どうせ一人で食事すれば良いんだし、って、ろくに隊社以外の店なんて調べても無かったのに、 それから一々外に連れ出してくれるし、色々、教えてくれるし―――あんな目立つ格好の子連れて、さ。 春奈、だって、いたのに―――なんで、こんな…」 00:27 rouge >【尚也】「何で、って、何でっていえば……そんなのは、僕にも分からない。 けど…そういう風に巡りあって…。  燐が、僕の欲しい言葉を投げてくれてたっていうのも…あるかもしれない。  戦う事に…戦って、また失う事が怖かった僕に、死なないって言ってくれたのは、燐だからさ。  …救われたんだよ。そういってくれる人がいたから頑張れた。 恩を返したかった。 でもそれ以上に…燐、笑うと僕も楽しかったから。  何でって言われたら…それ以上のことなんて、ないわけで…。 だから…泣かれると、僕なんていうか…」 00:34 hikami >【燐】「っ―――だから、泣いて、なんか……っ―――!」 思わず漏れる、叫び。それでも…涙が詰まったか、そもそも…慣れていない所為か。半端に潰れ、詰まり、迸る事無く止まる 「だって、死にたく、なんて、無いわよ。死んだら…一人、じゃない。だったら、生きて、尚也、と…居たいわよ。 そんなの、当たり前、じゃない。―――かわいくないのなんて、判ってるわよ、どうやってヒトと話したら良いのかなんてわかんないもの。 どれだけ、私、が―――……っ、つめ、たくしても……結局、情けなく笑っちゃって、さ。 ……それが本当に死にそうな顔、してたら……心配、じゃない。もう、笑わないのか、って―――怖いじゃない。 優しく、なんて、してあげたい、けど―――それで尚也が今度は私にまでっ――― ……私、なんかの所為、で…死ぬ、とか…言って欲しいなんて、想わない、から ―――離れたのに、離れたかった、のに―――なんで、あそこ、で……燐、に話しかけられるのよ。 なんで―――っ……放って、くれないの、よ…!立ち直って、いっちょまえに、かっこつけちゃって、さ。……馬鹿、みたい。」 最早口元の笑みすら、崩れた。ぽろぽろと零れる涙は、それでも矜持、拭わずに放り、真直ぐ、にらむようにと目を細め、 嗚呼、こんなの、望んでない。視界が霞む―――どれだけだらしない顔で喜ぶのか、なんて、楽しみにしていたじゃないか。 ―――そう、決めたじゃないか。 00:44 rouge >【尚也】「……り、ん…」  鈍い事なんて、自覚している。 尚也って他人から向けられる感情には、鈍感だよね。 ……エルシアの、笑顔の毒舌が思い出される。 でも… 今、彼女が僕に抱いている感情は………自惚れかも知れない。  でもやっぱり…そう、なのだろう。  「…やっぱり、燐は優しいよな。 そして、臆病者で…不器用で。  大事な…大事な僕の友達だったり…妹みたいだったり…大切な人だ…から。 だから……その、泣いて欲しくなんて…ないんだ。」  肩に手を置き、一歩距離をつめて。 手を伸ばして、そっと頬の涙を拭う。 00:52 hikami >【燐】「っ―――……優しいわけ、なんて無い、じゃない。意地悪な、だけよ。 ―――そんな、のが……ちょっと傷を抉られた程度で逃げ出して、さ。報告義務、あっさり無視、して―――…なのに、一晩よ? 寝ても、ないのにさ。……折角町外れに逃げたってのに、なんで追いかけてきて、判った風に、さ。 そんなの―――……嬉しいに、決まってるじゃない。尚也は、だって、傍に居てくれた、じゃない。 何か、してあげよう、って、できることなら、返してあげよう、って、こんなん、じゃ、ぜんぜん―――…」 台無し、だけれど。触れられる、指、その感触ですら…遠い。それでもぼんやりと、滲む、視界に… 「いもう、と……?」 ぽつ、と、つぶやく言葉。嗚呼、そうか、でも――― 「う、るさい……!」 ―――ぐい、と、シャツの襟首を掴み、詰まる距離…至近にと、強引に 「――っ…!」 此方からも、飛び込む形。ひょいと、軽く顎を上げ…がち、と、嗚呼、勢いに歯が当たる。慣れない事、なんてものじゃない、初めての、事 「―――!」 嗚咽、堪えきれぬままに犯した蛮行、強引に、唇を、奪った 01:01 rouge >【尚也】「―――!――!?」  決して、穏やかとはいえない勢いのキス。 僅かに感じた痛みと、それ以上に甘く柔らかい、唇の感触。  時間が止まったように感じて、唇を重ねたまま1時間でも、2時間でもそうしていたような錯覚。  どうすればいいのか、頭の中に様々な思考が巡って動けない。 呆けたように、ただされるがまま。  ここに来て、ようやく彼女の気持ちを正しく理解する。 ……兄としてとか、友達としてじゃなくて。 …異性なんだ、って。 01:06 hikami >【燐】「っ、ぁ………」 がちり、音が聞こえる…嗚呼、これじゃあ、まずい。少し、引く。 強引に押し付けた唇、触れてしまえば…嗚呼、感触なんて良く、判らない。 強引に引き寄せた襟首はすんなりと離され、逆に相手の硬直を理由にしてか首元に抱きつくよう―――しがみ付く様に――― 「っ……妹、なんて、言わないでよ。良いわよ、認めて、やるわよ。 ―――尚也が好きよ、好き、尚也が、好き、尚也が好き、尚也が好き、尚也が好き、大好きよ、 誰にだって、渡したくない、ずっと、一緒に、居たかったわよ、あんな、時間がずっと続けば良いって思ってたわよ。 大好きなんだもの、そんなの、言えるわけ無いじゃない、だって私なんかよりももっとずっと魅力的な子が、 幼馴染で、傍に居て、好きだ、って、そんなの―――割り込めるわけ、ないじゃない。 それでも好きなんだから、気づいちゃったんだから、仕方が……ない、じゃない……っ―――!」 己にもどれだけ重ねていたかなんて、判らない。 間近、抱きついた身はやはり軽く、小さく―――釣り合い、なんて、取れると思っても居ないけれど。 01:16 rouge >【尚也】「…燐……」   少女の、秘めていた思い。これまでなかったほどに、近づいている身体。 どれだけか、近くに寄った燐の背に、手を回して慰めてやりたいと思う事か。  ………でも…それは、とても残酷な行動なんじゃ、ないだろうか。 そう思う感情が、動こうとする手の動きをぴたりと止める。  「…嬉しいよ、ありがとう、燐。 でも……僕は…」  この先の言葉は、彼女の思いを否定する言葉しか、つむげない。 唇をかみ締める。 言葉にするのが、辛い。 01:22 hikami >【燐】「―――判ってるわよ!言うの、遅い所じゃないじゃない、もう、決まってるって―――…… それに、ふれ、なんて遠まわしじゃなくって、私を、って―――言わなかったのは私の所為、だもの。 ―――尚也が好きよ、大好き、愛してる、愛したかった、愛して、欲しかったっ―――! 妹なんかじゃない、助言者でも、背中を蹴る役でもハッパをかける役でも、ただの同僚でも身勝手な友人でも――― そんな、どんな立場も欲しくない、私はっ―――………傍に、隣に、居たかったのよ、ずっと……! ああ、もう、認めてやるわよ、我慢してたわ、気がつかない振り、してたわよ、いつの間にか惚れてたんだから仕方ないじゃない、 初めて、だもの、こんな、気持ち…! わかんな、かったんだもの、無理も、ないじゃない、受け入れられる確証が無くなってから気づくなんて遅すぎるわよ、こんな、の、 それ、で、せめて、おめでとう、って―――…!」 ぎゅ、と、堪え、握る掌の力は、強く…いっそ服が皺になってしまう程に、嗚呼、少しでも痕を残してやれ、とばかり 「それ、でキス、して―――…彼女、いるん、でしょ。なんで、そんなこと、したのに。 ―――跳ね除けないのよ……!怒りなさいよ、僕には彼女がいるんだ、なにしてくれるんだ、って―――! ねえ、尚也、なんで、怒らないのよ、なんで………なんで、そんな、辛そう、なのよ……幸せ、なら…笑って、よ…!」 01:31 rouge >【尚也】「………ごめん、最低だ。 ………燐の事、好きだから。  どうしたら、傷つけずに居られるんだろうって。そんな事ばっかり考えてた。 …ここまできちまったら、そんな事…できるはずないのに。」   彼女につかまれたまま、動けずに、動かずに。 声を絞り出す。  「…器用な人なら、春奈も、燐も、両方幸せに出来るのかな…。 どっちにしろ、僕は不器用だから…一番は、一人だけだ。  どんなに考えても…燐に望む答えなんか、返せないって言うのに…どうすれば、傷つけずにすむのかって…そんな事ばっかり…考えてる、今…」  背中に、手は回せない。 ぽん、と、頭に手を置いて優しくなでる。 年下に、妹にするように、優しいてつきで。 01:37 hikami >【燐】「馬鹿……―――そんなの春奈への侮辱よ…っ…私、を、慰めてなんて…そんな必要無い、じゃない…選んだ、んだから、 きちんと―――愛してあげなさい、よ、春奈を…!私、なんかに、そんな、優しく、するんじゃないわよ…!」 そんな、だから……惚れたんだろうに。嗚呼、今更か、ココで跳ねてくれるほど相手は…優しくない。 残酷な程にお人よしで、暖かくて、今更、こんなときなのに撫でられて、嬉しくて、でも―――…… 「―――……なで、るな…!」 どん、と、突き飛ばすように、身を強引に離す。まずい、このまま優しくされたら、なんて… 「優しく、しないでよ、怒ってよ、傷つけたって良いじゃない、わるい、こと、したのは私なんだから……! ば、か、この……っ、ぅ……―――!」 その、離れた距離、ですら……遠い、腕一つ、飛び込めば、済む、それでも、外したのだ。―――自分、から 01:42 rouge >【尚也】「…っ!」  どん、と、押されて芝生に転がる。 力を加えられる事は、想定外、というより、何の備えもしていなかった。  そのまま、燐を見上げるような形になって。  「怒れる…かよ、何で…今ここで燐を怒れるんだよっ…! そんな…正直にぶつかってきた相手に…なんで怒れるんだよ…!」  自分でも、何を言っているのかわからない。 近く、だけど、遠くの彼女に向けて。 01:47 hikami >【燐】「キス、したからよ―――!彼女もちって判って、それで襲うなんて、馬鹿じゃない、私。 そんな暴走、怒って当然じゃない。何、抱きつかれたままで…撫でてる、のよ。―――嬉しい、とか、思わせないでよ……!」 ぽつ、と、降る、雨。嗚呼、そう言えば風が強かったな、なんて他人事のような思考。 あっというまに夕暮れの明かりはさぎられ、重く、暗く。夏特有の通り雨、芝を叩き、木々を打ち、服を、肌を、顔を、濡らし、音を圧する 「なお、やの―――……馬鹿っ―――……!」 それがいっそ切欠とでもなったか、勢い良く身を、翻す。いつもと比べて低い踵は挙動の不安を少し減らしてくれる、が… 滑る、当然だ、座り込んだままでいたのだからそんなに直ぐ、力が入るはずも無い。濡れた芝へと足が取られ、身が、傾ぐ――― 01:50 rouge >【尚也】「燐…っ!?」  倒れそうになる彼女に、思わず手を伸ばす。 だけれど、此方も不自由が過ぎる態勢。 届かない。  …それとも、届いてはいけないのか。 無理に立ち上がろうとしてすべり、此方も手を届かせる事なく、無様に転ぶ。 01:55 hikami >【燐】「っぁ……―――」 べしゃ、と、膝をつき、芝へとうつ伏せ、いっそ不器用な程に…受身なんて、無い。嗚呼、立ち上がるのに失敗するなんて何を…馬鹿な 「―――こない、でよ、お願い、だから…っ!」 ならば―――…こう、してやる。激情のままに周囲へと月匣を展開、月衣を纏い、背に、漆黒の翼を宿す。 膝立ち、濡れた服も、顔も、そんなもの…構う余裕なんて無い。今はただ、逃げる、為の……―――護る、ための翼が、欲しい。 嗚呼、だめだ、失敗した―――ばさり、と、大きく羽ばたき、飛翔。 ―――そのまま遠く、未だ雨の降る大空へと。こぼれる涙は拭う事なく、乱れた思考は纏まる事なく、ただ、乱暴に――― だれか、教えて欲しい、どうしたら―――                     ―――わらえ、ます、か……? 01:59 rouge >【尚也】「燐! 待てよ!  燐っ…!」   去っていくその背中に、名前を呼びかける。 だけど、止まらない。  「…っ…!」   追いかけるための、力が欲しい。 青い剣を引き出そうと月衣に手を伸ばし……  冷えた声が、頭に響いた。  「……どの面下げて、追いかけるつもり?」   感情を込めない、シェルファの言葉。 02:05 rouge >【シェルファ】「…………。 帰るわよ。」  短く、彼女はそうつげた。   【尚也】「…そうは、言うけどさ……。 ………こんなのは…こんなのってさ…僕は…ただ…」  燐と、友達でいたかったんだ。 ずっと、これからも。 ………だけど……    「……ちっきしょう…」  何に対して毒づいたのかは分からない。 降りしきる雨の中、やけを起こしたように大の字に倒れる。  夏場といえど、雨に濡れれば身体は冷える。 …だが……。 そんな事は、気にもならなかった  ぐるぐると、さっきからの燐の言葉が、回っていた。