21:12 hikami >燦々と降り注ぐ初夏の陽光はいっそ清々しく、 海風の混ざりかほんのりと潮の香りすらもが混ざっている気のする涼やかな風は夏の訪れを予期させる事だろう。 21:12 hikami >降り注ぐ日差しはじりじりと地面を焼き、気の早い蝉ならば鳴き始めるのでないかと思われるほど。 21:12 hikami >梅雨の時期を脱し始めた頃合ではあるがここ数日は連日の晴天に恵まれ、日曜日の今日も雲一つ無い青空が広がっていた。 21:12 hikami >―――と、ここまでならば健康的な休日風景だろう 21:12 hikami >【燐】「ああ………もう…駄目……まだあるの、これ……」 21:12 hikami >寂れた神社へと続く石段は手入れが行き届いている筈も無く、復旧途上を伺わせるように所々石が割れ砕け、夏の日差しに育てられた雑草が顔を覗かせる。 21:12 hikami >山登り、とまでは言わぬものの旧くからの伝統か、 由来の所為か酷く勾配の強い段差を登るにはいっそ不適切とも言える黒い厚底が疲弊のテンポで歩みを続け、 21:12 hikami >常のものよりも生地が薄く、肩口から腋あたりまで切れ込みが入りベルトで袖を接続するタイプの上衣は風通しの良さの反面その黒色が熱を酷く吸う。 21:12 hikami >スカート丈も足首までと長く、段差を登る毎にひっかけやしないかと危惧する程であり、 21:12 hikami >頼みの日傘はこれまでの徒歩による疲弊と、手にした古めかしいデザインの鞄本体の重量に引かれるように傾いだ体を日差しから護るには… 21:12 hikami >デザイン性に頼りすぎている小ささの所為で酷く心もとない。 21:12 hikami >【燐】「……こんなことなら、基地に来た時狙えばよかったわね………」 21:12 hikami >―――最早2/3程度、登りきってしまえば引き返すのも馬鹿らしい。 21:12 hikami >用件も用件、あまり時間があると思えず…… 21:12 hikami >そう、つまり。 21:12 hikami >通常ならば好条件のものであっても。 21:12 hikami >…年中引き篭もり、座しての読書を愛好する少女にとっては酷く、拷問となり得る環境であった。 21:12 hikami >  21:16 ballock >  21:17 ballock >【美潮】「……」 21:17 ballock >神社の広場、広さもそこそこかつ、この辺りは割りと手入れが行き届いているのか 21:17 ballock >割と綺麗な様子、そんな場で箒を持って軽く掃き掃除をしている少女 21:17 ballock >銀髪にオッドアイで巫女服、となると妙な風貌だが―― 21:17 ballock >  21:17 ballock >【美潮】「?」 21:17 ballock >ふと階段の方に人の気配を感じる 21:17 ballock >誰だろう?此処に来るということはRGの関係者くらいだろうが… 21:17 ballock >そう思い、階段の方へと視線を向けた 21:17 ballock >  21:20 hikami >【燐】「ふ、ぅ……や、っと……!」 へたり込みそうな調子で階段を登り終え……一息、膝に手を添え深く溜息を付き―――そうに、なった 「っ……!」 が、寸での所で思いとどまるのは…無論、視線を感じた所為、である。滲み出る汗を指先で軽く拭う形に払い退け 「…………これではずれだった、なんてオチがなくって助かったけれど。…―――随分な所に住んでるのね、本当……」 それでも、どさり、と…革張りの硬い鞄は地面へと、落とされていた 21:22 ballock >【美潮】「……普段…人は来ませんから…それに静かです」 こくりと頷き燐を見て 「……何か、御用でしょうか?」 くきりと首を傾げる、表情は無表情だが、以前会ったころに比べて若干印象は柔らかい部類になるかもしれない 21:24 hikami >【燐】「……静かなのは良い事だけれどね………」 はぁ、と、深い溜息が零れ落ちる。 こちらは此方として棘や険は少し薄れはすれども…所々不安定さが露呈するか、僅か、オーバーアクション気味であった 「―――…用事がなかったら来ないわよ、というか、出かけないわよ。 ……―――任務の話し、聞かせて貰おうと思って。今は…あの魔王、いるの?」 21:27 ballock >【美潮】「……今は居ないようです…任務というと、この間の件ですね」 微かに首を振って居ない事を伝えて、歩き出す 「……こちらへ…縁側の方がゆっくりできると思うので」 立ち話もなんだろう、という意図もあるのだろう。先導し始めて 21:30 hikami >【燐】「……そうね、最近貴女達が受けた任務の事も、かしら。 総合して、と言う意味もあるけれど……新しい分の情報は当事者に直接聞いたほうが良いかと思ったのよ」 先んじる後ろ、付いて歩く為に再度鞄を持ち上げ… 「―――…助かるわ、ちょっと流石に立ち話の内容じゃないし」 ―――寧ろ…疲れて、いた―――…… 21:32 ballock >【美潮】「……どうぞ」 縁側へと腰掛けて、隣に座ってくださいとでも言うように薦めて―― この位置からだと街が見下ろせ、眺めとしてはかなりいい方でもある――そしてお冷も出した 21:35 hikami >【燐】「……ん……」 座る位置には逡巡し、結局はふわり、と…ざっと二人分程度空いた距離に腰を下ろす。相手と反対側に鞄を置きつつ 「―――成る程、良い所、か。…坂さえなければ、だけれど」 ぽつり、と、独り言めいた呟き。それでも、と…マズは用件を切り出すべきだろう 「―――ちょっとね、最近きな臭いって事もあるけれど…自分なりに色々、纏めてみたのよ。 先ずは、ざっとで良いから読んでみて。―――質問はそれの補足+先日の事、になるから」 言うと鞄の中から数枚のコピー用紙の束を取り出す。左上の角が桜色のホチキスで留められているそれ、相手の側へと差し出して 21:37 ballock >【美潮】「……これは…事件の纏め…ですね」 資料を読んで…ちゃんと纏められていることにどこか感心する 21:40 hikami >【燐】「―――…“出来る事”を、ね」 言葉が少し疲弊の色を帯びる。―――何、石段をあれだけ登ったんだから…そのぐらい大目に見れば良い、 嗚呼、まただ、こうしてつい―――偽る。内心に気付く苦さに若干、表情が歪んだ 「……私が此処にきたのもその確認と言うか…“現物”を見たいから、って事もあってなのよ。 挙句、折角縁を繋いだんだもの、当事者……“此処”に住んでる貴女に直接聞くのが早い、とね。 ……―――何か、間違ってる箇所とか、ある?」 21:43 ballock >【美潮】「……特に…目立った間違いはないですね…」 目を通しながら、間違いは特にないだろう、と 「……それで…先日の件について、で一旦は纏まるみたいですね」 21:46 hikami >【燐】「―――…良かった。私と貴女は同時に出撃して居ないから…少なくともそこの欠けが無いだけでも安心できるし」 つい、漏れるのは安堵のため息。 表記の文字は手書きのノートのコピーでもあるのか所々癖のある丸さを帯び、情報の塗り変わりに応じてか消し痕も幾らか、目立つ 「…必要ならそれは、あげるわ。で…―――本題。新しい“情報”について。…漠然と、しか知らないけれど……話したのよね。“魔王”と」 己では恐らく我慢の出来なくなる事柄、故に……伝聞形式は望ましい事でもある 「…聞かせて欲しいの」 21:47 ballock >【美潮】「……フリウさんとの、ですね…どこから話しましょうか」 お冷を一口飲んで、ふと考え 21:49 hikami >【燐】「何処、と言うのも私には判らないから……話しやすい所から、で良いわ。」 言うと…ごそり、と、蝙蝠と蜘蛛の巣がイラスト化された表紙のメモ用紙を引っ張り出し、 同様にディフォルメされた蝙蝠の飾りが付いたシャーペンを鞄の中から取り出して 21:51 ballock >【美潮】「……では、まずは…”神社の御神体”から…にしましょうか」 何が話しやすいか、か。ふと考え、まずは此処から行こうかな。と 21:53 hikami >【燐】「…ええ、お願い。確か……“河童”と“御三家”が首魁、だったかしら。 そのうち“河童”は……あの魔王、と言う事で間違いないと踏んでいるのだけれど」 かち、と、乾いた音と共に芯の具合を確かめて 「―――…今もまだ、眠ってるわけ?その“御神体”は。“いた”だったから…今は無いのかもしれないけれど」 21:58 ballock >【美潮】「……”御神体”は魂と分離した魔王の肉体…それを使って作った人形(ひとがた)…」 ぽそりと呟きつつ。誰が作ったかはすでに出ているので省き 「……それが”私”らしい、です」 そっと自分の胸元に片手を当てて 22:02 hikami >【燐】「魔王の肉体……ええと…―――この地由来の“土地神”として祀られた魔王、よね」 手元のメモに黒い筆跡を走らせ…覗き込めばその資料が少し人に見せるのを意識したのがわかる程度、此方のメモはさらに丸い 「―――…………は?」 ―――思わず…きょとり、と、間抜けな声が零れた 「…“貴女”が…御神体?」 直ぐに繋げる事など出来る筈もない言葉、思わずまじまじと相手の姿を眺めてしまって 「………確かに魔王は“女”の姿を採る事が多い、とは聞くけれど……じゃあ、貴女は…“魔王の体を動かしている”…という事?」 22:04 ballock >【美潮】「……そうらしいです…偶然かどうかはわかりませんが…”御神体”に、魔王とは別の魂が宿ってしまった…と」 こくりと頷く、あまりの事態な気はするが、本人はどこか冷静で 22:06 hikami >【燐】「…………なんだかしっくり来ない話ね、それも……言っちゃ難だけど、そんなに、ん―――…ものすごい体、と言う感じもしないし」 とは言え…“魂”の側は本の中、の筈であろう。 む、と、若干の思案に思考が沈む―――その際に魔力やなにやと“力”の様なものも抜けたのだろうか 「…となると貴女の姿はその…“魔王”のもの、という事? それとも…嗚呼…“肉体を借りて作った人形”だから作り換わってる可能性もあるわけ、か…」 22:10 ballock >【美潮】「……私の魂そのものは…全く別の”モノ”だそうです…ですからおそらく…”肉体”と”魂”が適合しきっていないのかと…」 軽くそう付け加えて 「……”御神体”に関しては…そんなところです」 「……言い忘れるところでした…”鬼”と呼ばれた魔王の名は…ディナ、と言うそうです」 22:13 hikami >【燐】「…“魂”…ね…」 概念としては使い古された代物ではあるものの、それが如何、と……目の前に実例があるにも係わらず湧かぬ実感。 どう記すかと暫し迷った末に…ぐし、と、一度横線で消す。後で少し、整理しよう 「そう……―――ん?その“鬼”は貴女…―――じゃないか、御神体の大元になった“魔王”の、事よね。 …てっきり“鬼”の記載は御三家の事だとばかり思っていたのだけれど」 22:17 ballock >【美潮】「……三家も…ある意味では”鬼”と関係していますから…強ち間違いとも言い切れないかもしれません…ね…」 そう、答えを返す 22:18 hikami >【燐】「……ややこしいわね……つまり…“鬼=ディナ=貴女の体”と“鬼=御三家”―――同一表記で“別の存在”が混在している…という事かしら」 22:23 ballock >【美潮】「……確かに…ややこしいとは思います… ”鬼”の血を引く”如月家” …その血を取り込んだのが”不動””藤沢”家 …この地で生まれたウィザードはこの三家の血を少なからず受けているそうです…他にも二つほど例がありますが」 とりあえず一度落ち着けるために一つの例で止め、ある意味、と言ったのは。血筋としては”鬼”と関わっているため、か 22:26 hikami >【燐】「つまり……“子供が産まれた”結果の産物としての“如月”、以降分家―――というか混家、か。 不動は他所の二家を貰って反映してきた過去があるって事だったけれど……“藤沢”も、か。 つまり記述として“鬼”を追う場合時系列に添えばある程度分類は出来るかもしれないのよね―――“生前”と“死後”に」 ペン先はくるくると丸文字を記し行き、向けられる言葉へは頷き返す 「…他の例、と言うのは?」 22:28 ballock >【美潮】「……他には…”魔王の力を宿した者”…それと”過去から現在へ連れてこられた者” …正確には”過去に眠らせ現代で起こされた者”…でしょうか」 22:30 hikami >【燐】「“魔王の力を宿した”は…貴女になるのかしら。 元々が魔王であったのならば、という気もするけれど……実際その例は他所でも十分ありえる所だし、違和感は無いわね。 下僕としてウィザードに覚醒した存在も居る事だし。 ―――でも、その“過去から現在”…タイムスリップ、と言うよりは冷凍睡眠かしら。そっちの例は……想像が付かないわね」 22:33 ballock >【美潮】「……いえ、おそらく私ではなく…”落とし子”を指す可能性もあります…」 おそらく、自分は魔王の力、というよりも魔王の肉体を使ってるだけとも言える 「……詳しくはわかりませんが…フリウさんが実際にした事です…詳しく説明すると事情が少々複雑になりますが」 後半は過去から現代へに関して 22:36 hikami >【燐】「嗚呼…なら、私の認識の範囲か……」 事例としては得心の行く内容だった事もあり、ぐりぐりと御神体の項に引っ張った線を消しつつ 「―――つまり……より正確な事を得ようとするなら直接あの魔王に聞け、ってことか……」 がく、と、僅かに肩を落としはすれども 「…複雑、でも良いわ。もし話せるなら…聞かせて欲しいけれど、説明もややこしい?」 22:38 ballock >【美潮】「……説明自体は…それほどややこしくはありません…むしろ、よくある話です」 22:39 hikami >【燐】「…じゃ、教えて。整理は…―――ん、出来たものをまた、貴女に届けるわ」 22:40 ballock >【美潮】「……はい…ディナは…当時、流行り病に伏した子供を…助けた事で…迫害を受けたそうです」 そう、軽く説明を始め 22:41 hikami >【燐】「―――の、ようね。そこまでは報告書にあるわ。異質なチカラを持っている、と看做されて放逐されたと。 ―――ま、良くある話だし、ヒトゴトとも思えないけれど」 実際、今の己達とて一歩間違えれば“そんなもの”なのだ。もとより…普通の人間である、なんて自惚れはとうに捨てた―――………筈だ。 22:43 ballock >【美潮】「……そして…”助けられた子供”も”異質の力を受けた者”として…同じく迫害を受けた… その子供が…この土地で健やかに過ごせるように、と…ディナは死ぬ前にフリウさんに頼んだそうです」 22:45 hikami >【燐】「―――それが“時間を越えた者”と。ウィザード…じゃないか、この場合は魔王、ね。 そのチカラを受けた事でイノセントがウィザードに覚醒した、か……結界に弾かれずに月匣を纏った、と考えると十分にありえる話だわね。 昔はもっと緩かったとは聞いているけれど……―――って、何、じゃあ。…“魔王”が…人を助けた、ってこと、よね」 22:47 ballock >【美潮】「……そうなります」 こくりと頷き 「……”魔王”ではあるものの…この土地で”人”と交流した事で…”共に”生きてきたようですね」 22:48 hikami >【燐】「―――………………信じられないわね…」 ぽつり、と、呟きにも似た言葉。教え込まれていた事実とは随分違った、事でもある 「―――……で、その例外、は今は…まだ眠ってるのかしら。それとも、何処かで活動しているからこそ…“例外”として認識されているの?」 22:50 ballock >【美潮】「……おそらく…その心象に触れた人…ちとせさんや霜真さん、綾さん、春奈さんでしたら…この点に関してはもっと詳しく知っていると思います」 と、付け加え 「……ディナの魂は…ベール=ゼファーによって日記の中で眠りにつかされたようです。」 22:54 hikami >【燐】「ちとせ…は確かあのときの子で…綾……?」 一人は知己ではなく、もう一人も少し思い出すのに時間がかかる、三番目の名前は……嗚呼、蟹の宿主が確かそんな名前だったか 「っ―――………何…貴女じゃ、判らない事、なわけ?」             挙句、最後の名には少し、怯んだ。不味い…ここで動揺するんじゃ、それこそ…思う壺だ。 もう少し、落ち着け、少なくとも―――ばれるわけにはいかないじゃないか。 確実に“見る”事にも“聞く”事にもなるのだから 「……つまり…“日記の魂”こそがその事象を記憶している、と。―――当然の帰結じゃあるけれど、本当……如何接触を採るか悩む面子ね」 22:55 ballock >【美潮】「……日記の魔王の魂に触れたのが…そのメンバーなんです」 22:57 hikami >【燐】「…そう」 まさか、ここで、か。資料の充実を、と目論んだ矢先の名に漏れる嘆息。理性的に考えれば……候補など一人に絞れるのだが 「判った。そっちに関しては後で調べておくわ」 23:01 ballock >【美潮】「……?…”例外”というのは…眠りにつかされた人の事でしたか?」 ふと首をかしげる、どうやら読み違えてた部分もあったらしい 23:04 hikami >【燐】「嗚呼……―――そうね。例外のうち、二つはどんなものか、で…誰か、もある程度想像が付く。 如月も藤沢もロイヤルガードに存在している苗字だし、不動、も…―――そろそろ疑うべき箇所かもしれないとは思い始めたわ。 でも最後の“眠っている存在”これについては想像の範囲外、現在活動中のウィザードに含まれているのか… それとも眠ったまま、何処かに隠されているのか―――存在が確認されていないのか、という部分にも疑問が残ったの。 魔王の巣の連中は“この土地に由来のウィザード”を自称しているわ。 …その中に混ざっている可能性があるかもしれない、と言う事も含めてね。 ―――“恩人の遺志を継いだ”なんてオチだったならば対処の方法も考えないといけないから」 23:08 ballock >【美潮】「……その答えで言えば…”起こしてはいるそうです”」 つまり、どこかに居る。という話しで…ちとせの顔が思い浮かぶがあの様子から思うに名前は出せず。若干曖昧な返答になった 「……向こうの目的はわかりませんが…個人的には少なくとも”ディナの意思”を継いでるようには見えません、ね」 …個人的には?…少し前までならそんな事はほとんど考えなかったはずだがつい口に出て 23:12 hikami >【燐】「起こす……って事は“起きた”のではなく、動かした、と言う事、か……」 ぽつ、と言葉を呟く形に落としペンを軽く走らせ、記す。 「嗚呼……目的が見えないからの仮定、ね。“所属に混ざっている”のならば……可能性としてはあるか、と思っただけ。 “鬼”の件は資料程度の知識だからね、私じゃ判断材料が少ないのよ」 23:14 ballock >【美潮】「……そう、ですね」 頷き、確かにその通りだと思い 「……それと、魔王の巣の側も…この事実の全てを知る人物は居るそうです」 23:16 hikami >【燐】「となると…やっぱり一番近いのは河童、か…」 カリ、と、硬い筆致でメモを刻み、小さく嘆息。…違う、と聞かされた所で魔王は魔王、嗚呼…ここも“変わる”べき、なのか…? 「―――…つまり連中は意思を継ぐ継がないは兎も角、事象としての把握は済んでいる、と。 …嗚呼、でもそれじゃなきゃおかしい、か…。 調査の妨害をなんどもしてきてるわけだし、近づけないように、と考えていると判断するのが一番わかりやすいもの」 23:17 ballock >【美潮】「……実働の人達がどこまで把握しているかは…わからないままですけどね」 こくりと頷きつつ 「……それと、ディナとの対話の”時”は近い…そうです」 23:19 hikami >【燐】「嗚呼……そうか、あの連中を指揮してる人員が居る可能性はある、わけか……」 む、と、吐息を漏らす。統一性がないようである、というのも……少し難、だ 「―――対話?“魂”の封印された本が手元にあるから?」 どういう意味だろうか、と。ページを組み替え、新たに筆致を刻む 23:21 ballock >【美潮】「……私達では起こせませんが…フリウさんが…起こせるそうです。 ただ…もう少し”休ませてあげたいから”もう暫く待って欲しい、との事です」 23:23 hikami >【燐】「―――休ませる、か……封印された、ってニュアンスからすれば“解き放ってあげる”が親切、かもしれないけれど…」 と、そこで一度言葉を区切る。ふと、浮かぶ不安……否、心配、か…? 「―――…貴女の体の“元・持ち主”になるわけよね。ディナ、は。……その、ん、上手く、いけないけど………恐く、ないわけ?」 23:26 ballock >【美潮】「……もし…」 一つ、言葉を区切り 「……この”身体”を返さなくてはいけなくなっても…私は、構わないとは思ってます」 まだ仮定の話し、だが。もしそうなったとしても…構わない。と 23:28 hikami >【燐】「………―――そう。」 その言葉に感じるのは…妙な感傷。何を示すかなんて判別は―――嗚呼、そう、これは“不快感”だ。 眉根を落とし、嘆息にも似た吐息が零れ、若干、脱力じみた姿となるが 「―――勿体無いわね、折角こうして話せる、って言うのに。 魔王相手に茶飲み話をする趣味はないけれど、貴女と……ま、二回目だけれど…情報交換をするの、悪い気分じゃないのに。 ―――石段はどうにかして欲しいけれどね」 23:30 ballock >【美潮】「……勿論…もし、そうなったら…残念な気持ちも多少なりともありますが」 表情に浮かぶは憂いを帯びた笑み。まだ仮定の話しだ。だが、ありえない話でもない。今の表情には人形っぽさは微塵も無く 23:32 hikami >【燐】「そうよ、残念だし…勿体無いわ」 呟く言葉、掴みきれぬ感想が……先日己の身を埋めたモノと似た感情である、なんて把握できぬままに 「―――だから、そうなるなら……今ある情報だけでもどうにかしてみせるわよ。 本人に聞くのが手っ取り早いったって、それで貴重なウィザードを一人減らす気になんてなれないわ」 23:36 ballock >【美潮】「……優しいですね、燐さん…以前会った時と比べて…印象が変わりました」 ふ、と小さく微笑む。以前の燐からはそういう台詞を聞けたかどうかというと、聞けない印象があって 23:38 hikami >【燐】「な……っ……そ、そんな訳、あるはずないじゃない。 ……気のせいよ、偶々……―――ちょっと感傷的になっただけよ」 む、と、若干不機嫌な色の混ざる言葉、ぷい、と、逸れた頬には若干の朱が混ざる 「―――……癒し手が犠牲前提の作戦なんて、取りたく無いだけよ」 23:40 ballock >【美潮】「……そういう事に、しておきます」 落ち着いた声でこう言って、やはり変わった。そう思う 23:42 hikami >【燐】「―――………なんだか引っかかるわね……」 む、と、むくれる様などこか拗ねた響き。歳相応の幼さに聞こえかねぬそれも恐らくは無自覚だろう 「と、兎も角……―――任務の話しは、こんな所かしら?」 23:43 ballock >【美潮】「……最後に一つ…ディナの最後について、少しだけ」 23:45 hikami >【燐】「―――…嗚呼……」 ソレも、判ったのか。火照りかけた熱は一気に引き…かつ、と、筆致の動きも硬い。 言葉にしてしまった所為だろう“犠牲”の言葉が若干、胸に引っかかる。 「―――連中…魔王の巣の言い分だと“裏切った”と言う事になるかしら…」 助けたのに、犯人扱い、と言う状況は……そう、とれなくもないだろうが 23:48 ballock >【美潮】「……ディナは…自害しようとしたそうです」 そう、口にする 「……そして、フリウさんに子供達の未来を託して…そして当時親友とも言えたれあこさんの前世の方が…自害はさせたくないと… そしてせめて自分の手でディアを見送ったそうです。その後、自身はフリウさんに真実を託し、ディアと共に亡くなったそうです」 23:52 hikami >【燐】「………は?何、小桜の前世って……同じ土地に転生してた、って訳…―――って、そうか…だったら肖像が似てた説明にもなるのね…」 報告書に記載されていた内容、そこで“天狗”のパーツが埋まるわけ、か… 「……心中、ってわけ、か。―――後味悪い話よね。それが子供を、ね……」 ぎゅ、と、反射的、無自覚に己の手を強く握る。嗚呼…不味い、考えるな――― 「………親、って………わかんない…わ」 23:55 ballock >【美潮】「……詳しい”心象”に関しては…私よりも知ってるのは先ほど上げた方達です」 つまり、心象に関してもっとも詳しいのはやはり先ほどの4名であって 「……ただ、少なくとも…ディナは子供達を守りたかったと思います」 そうでなければ、フリウに託したりもしないだろう、と 「……私はこの神社、土地を…皆を守りたい…そう思っています。もしかしたら”この身体”が…そう思わせているのかもしれませんね」 魂の無い容れ物…のはずだ。そして自分は何者かもわからぬ”魂”それでも…此処を守りたい、そう思ったのはもしかして。 そう頭を過ぎっていた 00:00 hikami >【燐】「―――…………判ってるわ、ちょっとやな事思い出しただけよ」 ちょっと、とは言い難いのはペンを握った掌がうっすら白くなっている辺り誤魔化しきれるモノではないだろうけれども。 …不味い、振りきったはずの不安定が……まだ残るか 「―――さあ、体とか魂とか私には判らないわ。それでも肉体に篭る意識…ユメは、貴女のものよ。 だったら他所に思わされてるとは限らない、自分のユメを確ともてればそれは…なんであれ貴女のモノだもの」 00:04 ballock >【美潮】「……わかってます。ですから…私は揺らぐつもりはありませんから…私は”私の意志”で…この”道”を進むつもりです」 表情に浮かぶ笑みには揺らぎもなく、迷いも無い…いっそ綺麗なモノ …ただ、それは自身の最後についても同じことが言えている部分がある辺り、危うさもあるかもしれないが―― 「……私から出せる情報は…このくらいになりますね」 そう口にし、眼下の景色を眺めて 00:09 hikami >【燐】「……―――安心したわ」 つい、口をついて出た言葉は…僅か、脆くなった為、か。浮かぶ苦い痛みに…じん、と、下腹部に重い圧迫。 嗚呼、まただ…だから―――考えるな――― 「……死なせやしないわよ。誰も、そのために連中を殺す事になったとて、私の―――周りは、誰も。 今更一人で、なんて強がる気なんてあっさり壊されたもの、だったら精々悪あがきだってなんだってするわ」 見捨てられ“諦められる”事のキツさは既に、味わった。ならば…―――させる、なんて思えるものか 「……ん、判った。助かったわ、美潮。少なくとも石段を登る苦労分は報われた…か」 00:13 ballock >【美潮】「……私も、話せてよかったと思います」 微かに微笑んだままに言い 「……燐さんも…”道”を歩ける事を願ってます…御神体が願う…というのもおかしな話な気はしますが」 静かに立ち上がって 00:16 hikami >【燐】「……―――どうかしら。まだ……ううん…“今更”―――でもないか、何て言えば怒られないかしらね」 どの言葉であっても恐らく満足の行くものには遠いだろう。表情の作り方も少し、悩む 「ま、それでも…貴女に願って貰えるならご利益がありそうね。―――ん、ありがと」 鞄の中へとメモとペン…筆記に使ったものを仕舞いこんで…ひょい、と、立ち上がった 00:20 ballock >【美潮】「……帰り、気をつけてくださいね。ウィザードとは言っても安心できない状況ですから」 00:23 hikami >【燐】「…わかってる。嗚呼……―――」 かつ、と、靴底で地面を叩き去り際、軽く振り返って 「―――……“また”ね」 浮かべるのは不器用な笑み。嗚呼、不味い、柄でもないことなどするべきではなかったか。 ―――少し慌てるような調子で元のように背を向け、かつかつと、足音を響かせその場から―――去る。 嗚呼、だめだ、なれない。これも…練習すべき、か。思ったよりも―――課題の成就には時間がかかりそうだ…… 00:25 ballock >【美潮】「……はい、”また”」 その不器用な笑みを可笑しくも思わず、こちらはふわりと微笑を向けて、燐の背を見送った。また、話せるといいな。そう思って 【フリウ】「……ふふ、私の魔王としての力が,縁結びに特化していたというなら。 ……ディナのそれは、どんなものだったのか。 ……そして、その力は,少なからず、美潮、貴方へと流れている――― ふふ、ただのご神体が願うそれとは、話が違ってくるのよ―――」