20:58 ballock >【風華】「この部屋だね」 20:58 ballock >病室のドアの前に立ってつぶやく 20:58 ballock >  20:58 ballock >燐の暴走事件から少し経って…あの事件は複雑な気持ちでイッパイであった 20:58 ballock >あの後、知り合いから聞いた事のある話しを思い出し…とは言えだからってどうなるわけでもない 20:58 ballock >ただ…話すべきかどうか…迷い 20:58 ballock >一つ深呼吸をする、そして… 20:58 ballock >  20:58 ballock >【風華】「燐、起きてるかな…」 20:58 ballock >控えめにノックをした 20:58 ballock >  21:04 hikami >寝起き、と言うには少し時間が経っているが…体の方は回復を求めてでも居るのだろう、細かく幾度も眠り続けるといった状況になっていた。 21:04 hikami >昨日訪れた少年の土産となった菓子袋は1/3程が消失し、ベット脇に備え付けられたゴミ箱にその包装紙が乱雑に放り捨てられている。 21:04 hikami >喉の渇きはそうでもない、ならば―――と、そんな袋に手を伸ばしかけた最中に響くノックの音。 21:04 hikami >嗚呼、これならば来訪者の存在がわかり安い、なんて、昨日の出来事を思い返しつつ――― 21:04 hikami >【燐】「…起きてるわ、入って良いわよ……別に着替え中でもなんでもないもの」 21:04 hikami >とは言え、菓子袋へと伸びていた手は引っ込められたのだが。 21:06 ballock >【風華】「お邪魔します」 ドアをがちゃっと開けて静かに閉める 「大分体調は戻った?」 そう何時も通りの穏やかで優しげな声を燐にかける 21:09 hikami >【燐】「嗚呼……」 見慣れた姿、ベットに半身を起こした状態で座っている姿は 纏うものが少女趣味な寝巻きであるだけに常よりも嵩が少なく細くはあれども顔色その他に異常らしいものはなかった 「どう、かしらね……歩くのは元々好きじゃないとはいえ、ちょっと体が重い程度ね。……怪我らしい怪我、特になかったもの」 言う調子も何時も通りには見えるか。些か冷めた響き 21:12 ballock >【風華】「むしろ、寝疲れって感じみたいだね」 体が重い、確かにずっと休んでればそうなりそうだ 「これ、お見舞いだよ」 果物のセットというわかりやすい物を置いて…お菓子の類の量を見て要らなかったかもなんてふと思ったりしながら 21:16 hikami >【燐】「ん……別にそういう訳じゃないわ。それもある、けれど…どっちかって言うと下半身だけが妙に重い感じだもの。 肩が重い、とかは寝疲れだと思うけれど」 言うと、もぞり、と、身を捩る形に姿勢を正す。座りなおす、と言うのが相応しいかもしれないが 「ん……え、と…―――あり、がと」 モノを貰う、と言う経験がそもそも少なく、二日連続……少し、戸惑った。 21:19 ballock >【風華】「……」 素直にありがと。と言われて少し意外…でもすぐに微笑んで 「どう致しまして、早く退院できるといいね」 そして燐を優しく撫でて 21:21 hikami >【燐」「っ―――……」 嗚呼、まただ……慌てて顔を俯かせ、撫でられる感触から来る頬の紅潮を隠そうとするも…背を向けるだけの隙は、今回は無かった 「……―――迷惑、かけたのは私のほう、だもの。モノを貰う理由なんて…無いと思ったけど…」 21:23 ballock >【風華】「迷惑なんて思ってないよ。私がやりたいからやった事だしね。お見舞い品にしてもそう…だから貰ってくれた方が嬉しいかな」 微笑みながら穏やかに答えて 21:25 hikami >【燐】「…―――じゃあ、貰う」 未だ触れられる感触には慣れず、それで昨日も妙な思いをしたのだ。 避けられないんだから仕方ない、なんて己への言い訳をしつつも顔が上げられぬままに言葉だけが呟かれた 21:27 ballock >【風華】「ん」 嬉しそうに頷いて… 「早く退院できるといいんだけどね…じっとしてるのも辛くない?」 21:30 hikami >【燐】「…―――別に」 辛いか、の言葉に返すのは…不思議と平然とした響き 「…じっとしてる事なんて産まれてから今まで何度だってあったもの。動いて何かをする、って方が珍しいわ。 ……下手に何かする、ことは望まれていなかったから」 21:32 ballock >【風華】「そっか」 あの人は、やっぱりそういう人種か…そう思ってしまう。以前からああいう人種は個人的にも苦手だ 「んー、今はやりたい事とかはない?」 21:37 hikami >【燐】「そうよ。―――……下手に動けば周りが騒ぐもの。子供にとってコレはものめずらしいのよね。 …シスターも一人だから手が回るわけじゃない。結局は座って本でも読んでれば良いわ。 ―――…それが今までずっと同じ、と言う事。 アンブラの場合は逆に動くべき所でだけ動け、だったから…まぁ待機中の勝手だけ慎めば自由な分孤児院より楽だったけれど。」 相手の誤解に気付くことなくその会話の流れで言葉が続く。そこ、だけ、ではない。―――それ以前、いっそ産まれた時から 「………―――無いわ。元々“何かをしたい”と言う意識は、希薄だもの」 21:41 ballock >【風華】「それなら、退院したら色んな場所回ってみたりとかする?じっとしていても何も見つからないから、ね」 何かをしたい意識が希薄か…それもそうだ。過去から今までの生活の中でしたい事を…なんていうのが無茶な話 21:45 hikami >【燐】「…どうかしらね。それこそ―――今更よ」 零れるのは矢張り拗ねた響きにもなるか。常の拒絶とは違う色合いなのは最近の…緩んできた証拠 「だって本当に何もしたことないし、何も判らない。……回った所でどれに興味を持つべきか、なんて判らないわ。 元々私は本とお菓子があればそれでいい、と思ってるし、思ってきたんだもの。…ほかなんて考えたこと―――無いわ」 21:48 ballock >【風華】「今更なんかじゃないよ?もっと周りを…”外”を見て行けば何かしら違うものも見えてくる。 まだ燐は今更。なんて口にできるほど年寄りじゃないんだから」 くすりと微笑みを向けて 21:50 hikami >【燐】「―――…判んないわよ」 ぽつり、と、向けるのはついに呟き程度の音量。手元に落とした視線は何を見るべくかと彷徨う 「……やったことなんて、ない。周りが自然にしている事だから何を見ても調べる、なんてモノでもない……―――いっそ戦い方の方が楽よ。 “やりたいこと”だなんて…異世界探しが……殆ど無意味だって、判ったんだもの。ほか、なんて―――判らないわよ」 21:53 ballock >【風華】「一度…自分の目的を見失うと何も判らなくなるよね」 燐の呟きを聞いて、こちらも小さく呟いた 「私も、そうだったし…」 穏やかに、だがどこか寂しさも含んで 21:54 hikami >【燐】「―――…は?」 今、なんと…?漏れた言葉の違和感につい、伏せていた顔が上がる。…言葉の響きも矢張り聞き覚えの無いものではあったのだ 「…風華も、って……どういう事よ」 故に、踏み込む。常ならば放置しても良いような事だが……衝動のまま、なんて妙な感覚に後押しされ、言葉が漏れた 21:56 ballock >【風華】「私も…何もわからなくなった時期があったって事。自分のやりたい事…やりたかった事。全部、ね」 表情に浮かぶのは苦笑か、自嘲か…。どちらにせよ寂しげなのは変わらないきっと珍しい表情 22:01 hikami >【燐】「……―――聞いても良い、こと?」 一度尚也に踏み込んでいた分、今度は踏み込むのに躊躇いはそう、なかった。もとより…話そう、と、そういっていた事もあるのだし。 22:03 ballock >【風華】「そう――だね…」 約束したんだ。そもそも話し合いたいと思ったのは自分 「大丈夫…とは言ってもどこから話せばいいかな」 頬を掻きながら、苦笑し 22:05 hikami >【燐】「…何処、って、ん―――私にも判らないけれど…」 それこそ、こういう内容を察する、と言う能力には欠けている。間の推測であれば兎も角、だが…… 「―――話せるトコから、でいいわ。風華の」 22:10 ballock >【風華】「話せるところから…かぁ」 少し天井を見る 「私には、昔は大切な仲間が何人も居たの…その中でも二人特別な存在が居たんだ」 瞳を瞑り話し始める 22:11 hikami >【燐】「特別……?」 昔の仲間に“特別な存在”の言葉。嗚呼…何か聞き覚えがある―――尚也と、同じような境遇でもあったのだろう。 …なんて、内心の内に算段を立てて行くのは常の癖か 「…うん」 22:15 ballock >【風華】「皆で笑いあって…一緒に遊びまわったり、私は”皆で笑い合える明日”の為に戦ってた… ただ、二年前にある任務で魔王の討伐に行く事になった…」 途中までは懐かしく感じる声調、だが後半どこか重くなってきてしまって 22:18 hikami >【燐】「…風華は以前からウィザードとして戦ってた…の、か……」 己はといえば訓練以外の実戦、はココが始めてにも近い。 雑魚討伐程度なら試作実験でやらされは、したが…―――重い響きに過ぎる嫌な、想像。それでも…止めは、しなかった。 22:20 ballock >【風華】「その戦いも皆付き合ってくれたの…ただ…その時に生き残ったのは私”だけ”だった…」 瞳を伏せそうになるが、堪えて。何とか穏やかに声を紡いでいく相手が悪すぎた…強すぎた。 そんなのは言い訳にも慰めにもならないような様子ではあって 22:23 hikami >【燐】「―――………ぁー……」 予想は、大きく外れていた。…故に、己の手を軽く握りなんと、答えていいか―――結果。 もぞり、と身動ぎし、相手へ向けて軽く手を伸ばした 「―――……そう、ね。それなら……訳も判らなくなる、か……―――私と同じ、周りが全部壊れたようなものだもの」 その掌はそっと、相手の髪へと、触れた 22:27 ballock >【風華】「ん…」 燐の手の感触を髪に感じ、どこか落ち着いて 「でも、今は何とかこうして居られる…だから」 その燐の手にも優しく触れて 「大丈夫…燐もきっと」 そう、優しく囁いた 22:29 hikami >【燐】「―――そう、ね。ここで何だかんだと腐ってるんじゃ、それこそ尚也にも劣っちゃうもの。 ……今の話し聞いて、それに気付いたら癪になったわ」 避けられぬのならばと撫で―――れなかった。手に、触れられ…つい、頬が染まる。 それでも伸ばした建前引っ込める事も出来ず、腰を浮かせた所為で伏せれば……―――駄目だ―――逃げられない 22:33 ballock >【風華】「そ、まずは周りを見ることから、ね…きっと色んな事が見つけられるよ」 腰を浮かせた状態で動きが止まってる燐を優しくぎゅっと抱いて 「私も、協力するから、ね。頑張ろ」 安心させるように、温もりを与えるように 22:37 hikami >【燐】「ぅ、ぁ―――……」 そんな逃走不能の今、与えられる温もりに言葉が詰まる、と言うよりも…幸いな事に抱き寄せられた今、表情は見えないだろう。 所在なげに口をぱくぱくと、なんと紡ぐべきか算段のつかない状態にて迷う。 纏っているのも薄い夜衣……妙に高鳴る鼓動と、一気に火照ってゆく体温がばれやしないかと……気が気では、ない 22:42 ballock >【風華】「忘れないで…”今”の燐は”一人”じゃないっていう事。”孤独”なんかじゃないんだから、ね」 あの戦いの時にも伝えた事、ほんとに忘れないで欲しい事 22:46 hikami >【燐】「っ―――……!」 今、それを返すだけの余裕なんてない。そんな言葉に返せるだけの経験も…無い。 コレが、始めて、なんだ。ココに着てから、が。だからこそ――― 「っ、ぁ………っっ……―――……!」 ぎゅ、と、しがみつく様な腕。赤子にも似た寄る辺を探り、無理矢理抱き込む不器用なもの。その手も、肩も、震えた。 ―――少女の頬に零れるのは大粒の涙。拭えず、止まらず、繕えず…声を出さぬ泣き方しか知らない所為、そんな不器用な行為 22:48 ballock >【風華】「……」 声を出さずに涙を流し、不器用にしがみつく燐に微笑み…黙って、ただ優しく抱き続ける、そう…優しく 22:50 hikami >【燐】「っ―――……」 ぎゅ、と、震える腕をしがみつかせ、そのまま動けない。……不味い、これは―――不味い、そう思っても止まらないのだ 「…ば、か……―――今、いう、ことじゃ―――……っ…」 繕い、逃れようとする言葉すらもが喉に詰まり上手く発音すら出来ない。 どころか、泣く、なんて最中のものなのだ、けほ、と、何かが詰まり小さく噎せ、また声も出さず、泣く――― 22:52 ballock >【風華】「馬鹿かもしれないけど…でも、忘れないで欲しい…伝えたい事だったから」 穏やかに、優しく囁いて 22:53 hikami >【燐】「……忘れ、ないわよ。忘れるわけ―――……っ……」 ひく、と、喉の奥が引っかかる様な嗚咽。どうにか、と押さえつけては見たものの…そろそろ辛いか。 そもそも―――泣き顔なんて見せられたもんじゃない 22:55 ballock >【風華】「ん…」 その言葉に、満足げにして… 「落ち着くまでは、こうしてるから」 きっと、今の表情を見られたいとは思わないだろう。それは察して 23:00 hikami >【燐】「っ……―――だ、ったら……」 ぎゅ、と、こめた腕。抱きなおす形に確りと…しがみつく、ではない。不器用ながらも抱擁の形をとって 「―――……暫く、おちついて、なんて―――あげない。……泣かされたんだもの……気が済む、まで…離してなんて、あげない…」 23:02 ballock >【風華】「ん、わかった…気が済むまで…こうしてるね」 優しく、穏やかに温もりを与えるように抱いて 23:04 hikami >【燐】「ばか…―――……あっさり、言うんじゃない、わよ……」 それが精一杯の仕返し、でもあったのだろう。あっさり、肯定なんて―――…不味いに決まってるじゃないか。 ぎゅ、と、最早…諦めた。 泣き方すら覚える事を赦されなかった少女は酷く不器用に肩を震わせ、しがみ付き…―――何年分、か。 溜めていたモノが崩れ、自分でどうにかする、なんて事は出来ずに居た。―――ただ、ただ、只管。おそらくは泣き疲れる程に―――…