21:11 hikami >  21:11 hikami >―――嗚呼、ユメじゃない。 21:11 hikami >今日で何日目だったか……“直後”は思考に霞がかかりすぎ、ろくに覚えてすら居ない。 21:11 hikami >否、認識できないだけであり、覚えて、は、いる。 21:11 hikami >寧ろ……時間が経てば経つほどなんらかの治療が聞いているのか思い出せるようになってくるから… 21:11 hikami >―――腹立たしい。 21:11 hikami >そう、これは“腹立たしい”んだ。 21:11 hikami >決して―――    ―――筈なんて無いのだから。 21:11 hikami >嗚呼、そろそろ体も動く。 21:11 hikami >余り長く休んではまた面倒になるだろう。 21:11 hikami >さて、そろそろ起き上がるか―――… 21:11 hikami >                   ―――すっかり手放せなくなった濡れタオルで起き抜けの顔を乱暴に拭った。 21:11 hikami >病室、として与えられたのはロイヤルガード内の1施設、 21:11 hikami >状況が状況だけに治療よりも検査が優先され、こういう場所が選ばれたのだろう。 21:11 hikami >無味乾燥な室内には花の一つも活けられておらず、自然、生命を感じさせるものは何一つ無い。 21:11 hikami >強いて言えば見舞い客用のパイプ椅子の上に積み上げられた、基地内に持ち込んでいた私物程度か…… 21:11 hikami >嗚呼、面倒くさい。 21:11 hikami >むやみにだるい体は、きっと寝疲れた所為だ。 21:11 hikami >  21:22 rouge_ >【尚也】「で、えーと。 ここで良かったんだよな。」 21:22 rouge_ >現在の燐の居場所を尋ね、ロイヤルガード職員に教わった部屋と目の前にある部屋を一致させる。 21:22 rouge_ >うむ、間違いは無い。 21:22 rouge_ >  21:22 rouge_ >【シェルファ】「しかし、買い込んだわね。あんた。」 21:22 rouge_ >月衣に物をしまっておく感覚は、いまだなれない。 21:22 rouge_ >かろうじてシェルファを月衣内にとどめ、自在に引き出すのは慣れてはきたが。 21:22 rouge_ >  21:22 rouge_ >ゼリーにプリンに羊羹に、優に5日は優雅なおやつタイムが過ごせそうな…そして、胸ヤケがしそうな甘いものラインナップ。 21:22 rouge_ >それから… 21:23 rouge_ >  21:23 rouge_ >【シェルファ】「あんたが花を持ってくる甲斐性があったとはね。」 21:23 rouge_ >【尚也】「や、思いつかなかったんだけどさ。」 21:23 rouge_ >それと、部屋に生けるための花。 種類は良くわからなかったので花屋で聞いた。 間違いは無いだろう、多分。 21:23 rouge_ >【尚也】「流石に、理夢には燐が動けない事は伝えられないだろ。 だけど、あいつがいるならこういう事はするかなって。そう思ったらさ。」 21:23 rouge_ >ふうん、と、気のなさそうな返事をしてシェルファが黙る。 21:23 rouge_ >さてと、現在燐はどんな表情をしているのやら。 21:23 rouge_ >  21:23 rouge_ >そんな事を考えつつ、ドアを開いた。 21:26 hikami >【燐】「―――……は?」 きょとん、と、表情が固まる。纏っているのは少女趣味―――否、実際少女なのだが―――にレースを多用した白いパジャマ。 手には先刻、顔を拭ったタオル。体のだるさを確認すべくと身を捻り、伸びをしようとしたまさにその時、なのだ。 ―――唐突に開く扉の音に…少女の時が一瞬、凍った 21:29 rouge_ >【尚也】「や。」  軽く手を上げつつ、挨拶を交わす。 ……あ、やべ、そういえばシェルファと話していてついうっかりノックをするのを忘れてしまった。  しかし、うん、特に燐の格好に問題は無いな。 燐らしいパジャマである、違和感は無い。  そうこれなら犯罪と呼ばれるほどの失態は犯していない、問題ない。  心の中で流れた冷や汗をぬぐい、平静を装った。  「お見舞いというか、何かそんな感じの来訪なんだが…」 21:34 hikami >【燐】「―――…………ノックぐらい、って…また随分大量ね。 一応私、病院じゃないけれど入院中みたいなものよ?食事制限とか、かかってると思わなかったわけ?」 流石に伸びは、止めた。妙な所で動きを止めた所為だろう、体の節に妙な違和感が残るが……まぁ止むを得ない所か。 タオルはぽい、と、サイドテーブルへと放った 「―――ま、良いわ。なんだか怒る気も失せたし…迷惑をかけたのは私のほうだもの、1回ぐらい我慢してあげるわよ」 21:38 rouge_ >【尚也】「人はお金があると浪費をしてしまう悲しい生き物なんだよ。」  正直、どれを買っていくのが一番いいか悩んだわけではあるが。  甘いものが好き、というのは理解しているが、どの系列が好きかまではよく分からない。  まあならよさげなの全部でいいや、という所に落ち着いたわけだ。 我ながら大雑把極まりない思考である。  「まあ、ノックを忘れたのは僕のミスだ、ごめんごめん。 食べられないんなら遠慮なく持って帰るけどさ、そういうのは、大丈夫なんだろ?」 身体的な異常は無い、とは聞いている。  何処におけばいい? 何て聞きながら。 21:42 hikami >【燐】「―――……嗚呼、また“父さん”は金を撒いたのかしら。それ、多分口止め料よ」 己の“失態”の保証なのだ、それぐらいはやってのけるだろう。 出所の推測なぞあっさり出来るモノなのだから…疲れたような溜息が零れた 「大丈夫よ、別に何があるってわけじゃあないもの。後で、貰うわ。 検査の時に適当に出してきてる椅子が向こうにあるはずだし、それ、何か出しておいといて」 指し示す先は矢張り、パイプ椅子。棚も一応あるのだが……横着、なのだろう。 21:48 rouge_ >【尚也】「父さん、ね。」 彼の最後の言葉がよみがえって、少し、苦い気分になった。 「んじゃ、適当においておくぞ? 賞味期限は大丈夫そうなの選んで持ってきたからあんまりがっつかない事。」 そういうのをごまかすように、勤めて明るく答えながら菓子類の入った紙袋をパイプ椅子の上に置いておく。  「アー、後、花瓶かなんかあるか?」 月衣へと手を伸ばし、花束を取り出しながら。 21:53 hikami >【燐】「―――私は“一華”で居ることを選んだんだもの。そう、呼ぶように言われてるんだから仕方ないじゃない」 己とて不本意なのだ、自然、眉が歪んだ。 「……どうかしら、病院食じゃないだけマシだけれど、持ってこられるのは一々味気ないから。何一つ甘くない食事なんて食事じゃないわよ」 これが冗談でもなんでもない、と言う事は数度外食を共にした今なら判るだろうか…… 「―――……ないわよ、そんなの。そもそも、あると思う方がおかしいわ。何処に使うのよ、そんなもん」 21:59 rouge_ >【尚也】「止めはしないけどさ、そういうの。 でも、なんていうか……」 うーむ、と、考え込む。 少し、言葉がまとまらない、頭を降って、目の前の花に意識を切り替える。  「いや、病室にはやっぱり花が生けてあるといいかなあ、という僕なりの美意識にそってだね。」 22:12 rouge_ >【尚也】「受付に行けばあるかな、花瓶の一つや二つ。 いつまで病室にいるかは知らないけど、あって困るものでもないだろ?」 病室を見回すも代用が効きそうなものは…やっぱり無い。 殺風景なのは病室ゆえか、それとも性質なのか。  「それとも、姫! この花束をお受け取りください! みたいなのが好みかい?」  精一杯の演技力(拙い)で、傅き、花など差し出してみながら。 22:16 hikami >【燐】「―――別に記号よ、そんなの」 嘘だ。感情のコントロールが今ひとつ、常通りに戻っていないのを感じ…視線が逸れた。 嗚呼…―――ノックの余波はここにもあったか、切り替えが、上手く行っていない 「―――………それ、やる相手が違うでしょ。―――全く、本当……人が大変な時に妙な事を口走ってくれたものよね」 向けられた戯れ、差し出された花へと向けるのは一瞬きょとん、と、表情を固まらせた後に思案、戸惑い……呆れへと移る。 常ならばワンアクションで“呆れ”だっただろうけれども 22:23 rouge_ >【尚也】「記号、ね、なら、なんなら僕の事もそう呼んでみるかい?」 軽い調子で、だけど、目は笑わずに、そう述べた。  「やる相手って言われてもな。 これを普通にやられたら誰だって引くぞ。  いやそれを理解しつつも戯れてしまう僕にも多大なる問題があるわけですが。」 妙な事。 …まあ、あの事に間違いは無いよな、と。  言った自分でもなんだが、もう少しうまい気の引き方は無かったんじゃないだろうかとも思う、 が、人間てんぱったときに何をするかなんて分からないものである、うん。 22:26 hikami >【燐】「それこそ馬鹿な事、よね。そんな趣味があるとは思わなかったけれど……」 漏れる嘆息、あれをみて、それを“父”と呼ぶ事……嗚呼、やはりこうなるか……だからこそ話さずにおいたというのに 「…そのまま答えてあげればいいじゃない。春奈に。“好きな相手”にされたら嬉しいものだと思うわよ?それ。」 ―――何か、決定的に間違っている可能性もあるが……それこそ無理も無い、 その手の知識なぞ、そこに詰まれているものの類型からでしか無いのだから 22:34 rouge_ >【尚也】「年若い少女に父さんと呼ばれるのはそれなりに感慨深いものはあるけどさ。」  えろげだよなー、と呟きながら。  「ま、父親というのは冗談も含むけど。でもま、兄さんくらいならやるさ。」  くるくると花をもてあそびながら。 ごく自然に。  「………春奈、かぁ。」  まだ空いているパイプ椅子を引きずり出してきて、腰を下ろす。 考えても、答えが出ないのが現状であり…今もまだ、迷っている。 22:39 hikami >【燐】「若い、ったって何歳も離れてないでしょうに、幾つよ尚也」 呟く声音には露骨に眉根が寄る。何を言い出すのだ、といった所か……―――兄、の言葉にその表情がさらに歪む。 何を言い出すのか、本当に―――故に答える事なく続く沈黙 「―――……前、聞いたの覚えてる?“誰が本命なのか”って」 ゆえに、これは好都合なのだ。話題を反らすにはいっそ、最適のもの、だろう。 22:45 rouge_ >【尚也】「今年で19歳さ。」  とりあえず、手持ち無沙汰な花は月衣にしまいなおした。 後で花瓶を借りてくる事にしよう。  「ま、そのくらいには付きまとってもいいかなー、なんてさ。」  ぎし、と椅子を軋ませながら、先に言った事を、改めて伝えておく。  「……本命は、変わらないんだよね。 自分でも馬鹿みたいに一途だとは思うんだけど、さ。」  それでも春奈に思いを告げられて、揺れているのは事実ではあるのだけど。 22:48 hikami >【燐】「…何歳で作る気よ子供。私、12よ?」 その言葉に応じるのも呆れた響き、付きまとう、についても―――次に送る 「そうね、あの時は随分はぐらかされたし……祭りの後だからね、てっきり我妻の事なんだろうって思ったけれど。 ……今言いたいのは、そう言う事じゃ、ないわ。あの時、尚也は私になんて言った? ―――“私に付きまとう”って言った上にそれ、だったら。………随分残酷な性格、って、評価を改めるけれど?」 23:01 rouge_ >【尚也】「んー…なんて言ってたっけ。」  記憶を辿りながら、天井を見上げる。 思い出せるような、思い出せないような。  「誰かを好きになるっていうのと、燐と仲良くなりたいってのは、両立しちゃいけないことか?  じゃあ、逆に聞くけど…こういうのは、いやだったりするか?」 23:05 hikami >【燐】「…“春奈は幼馴染だから兎も角”―――本命を聞いた時に尚也は、そういったのよ。告白、されたんでしょう? ―――だったら答えるのが、先よ。良い?私を如何思っているかなんて今はどうだって良いし、構う、仲良くなる、は――― ……ん、嫌、じゃ、無いけれど……」 流石に嬉しい、とまで言えるほど出来ているわけではない。中途半端に言葉を濁し、言葉の語尾は不自然に掠れた 「―――告白を放置したまま、ほかの“オンナノコ”と一緒に居る、なんて光景は普通の神経してたら癪に障るか傷つくか、どっちかよ。」 23:12 rouge_ >【尚也】「春奈にも、エルシアのこと、全部教えたよ。 どんな人だったか。どんな最後を迎えたか。全部教えたよ。  ……この際だから全部ぶっちゃけちまうけど、わかんないんだ。 ほんとにさ。」  嫌じゃない、という言葉には、頬を緩めておいた。 以前に比べると、大分進展した気がする。  「告白がうまく行かなくてもいい、気持ちを伝えておきたいんだ、ってさ。」  あのときのことを思い出しながら、とつとつと語る。  「僕は…待ってくれ、ってしか言えなかった。」 情けないよな、何て苦い笑いをしながら。 23:20 hikami >【燐】「―――…つまり春奈にはフられる覚悟があった、ってこと、か…」 ―――それこそ難、だ。何故自分がこの状況、こんな位置……7つも下なのだ、普通、逆、だろうに。 恋愛の機微どころか―――家族の側のものであったって“判らない”と言うのに 「“判らない”なら、残酷なまねは止す事ね。……―――救いがあるかもしれない、って、手に入りすらしないものを願うのはね、 結局かなりの苦痛を強いるものよ。それがどれだけ強靭な精神であろうと、ね。 ……人はユメを見るもの、ユメに護られ、抱かれてるもの、でしょう? …“ヒト”のユメの力がそのまま帰ってくるようなもの、なんだもの。 ……フッてあげれば?そうすれば待つ苦しみで傷つける事なんてない。捨ててあげるほうが、いっそ優しいかもしれないわよ?」 23:26 rouge_ >【尚也】「………分かってるよ、そんな事は。 いや、分かってるのに敢えて避けてた、か、な。」  言われずとも、分かっていた事だった。 いや、目を背けていた部分か。  自分の身勝手に彼女を巻き込んでいるという事は変わらない。 例え、彼女が笑顔でいてくれたとしても。  「……だめだな、僕は。 燐に新しい出会いを奨めておきながら、自分が怖がってる。  僕の中のエルシアが変わってしまうのが怖い、のかな、多分。」 23:33 hikami >【燐】「それが恐いなら―――それこそ“待て”は残酷ね」 向けるのは、嘆息。そんなもの―――結果なんて判ったようなものじゃないか。現に―――… 「……別に。私はいつまで“ここ”に居るかもわからない出向中なだけ、暴走、 なんてのをやらかしたんだし案外回収されるかとも思ったけれど案外なんとかなったわ。 ……ソノ程度に時間を割くぐらいなら、居るべき場所も、構う、なんていってあげる対象も、違うわ。それとも―――」 そこでふ、と、思案に沈む表情。向けたのは―――いっそ、無表情、か。表情の作りが,判らなかった 「“私も、尚也の事が好きだから、春奈なんてふっちゃえ”―――と、でも言ったら同じく私に構う?」 23:40 rouge_ >【尚也】「きついきついいたいいたい。」 はは、と笑ってその言葉を受け流…せるようなら不器用な人間などやっていない。 頭を押さえて………  「でもまあ、結局はそういうことなのか。」  燐の言葉を口の中で転がして、何かを考える。  「そりゃなかなかありがたい言葉だけど…ね。 結局はそれはそれ、これはこれ、なんだよな。  何を言ってきたとしても、春奈は春奈だし、燐は燐、エルシアはエルシア、か。」 23:43 hikami >【燐】「笑い事じゃ、無いわよ。で、如何なの?―――私が問題にしてるのは“それはそれ、これはこれ”で良いの。」 向けるのは嘆息、零れる言葉、それですらも肩を竦め……―――盛大に、呼気を吐き出した 「“私の戯言”と“春奈の本気”それを比べろ、って時点で春奈に酷なのは確かよ。 それでも“構う”と―――思うなら振りなさいよ、春奈の事。エルシアどころか、私にすら、勝ててないわ。」 23:54 rouge_ >【尚也】「春奈ってさ。 ……昔はあれで、すっごい引っ込み思案でさ。」  燐の視線を受けながら、同じく視線を返して。  「お金持ちで、可愛らしくて大人しくて泣き虫。そりゃ、からかうにはこれ以上ない相手だよな。  子供のころの僕は、いい所見せたかったのかな。 今となっちゃ分からないけど…色々無茶やってたっけ。」  言葉を切る。 異世界を想う目とは違う、回想するような目線。 「…年数は流れた。 年が経つごとに、僕らの会う回数は少しずつ減っていって… ようやく、この我妻で再会したようなもんだっていってもいい。 ……信じられないほど綺麗になって、モデルなんて始めてさ。  …すごく、変わってたよ。 驚くぐらいに。外見もだけど、中身もすごく変わってた。  ……あいつ、泣かなくなったんだ。 どんなに苛められても、どんなにつらい事があっても。 …でも僕は、そんな春奈を泣かせた。」  00:00 hikami >【燐】「……―――何が、言いたいわけ?」 始まる昔話、成る程……確かに“今”しか知らない己にとっては意外な程の過去、だ。 ――――――過去―――……内心、苦い。判っているんだ“そんなこと”は。刺される様な表情を苦い、訝しげなモノで覆い隠し、言葉を紡いだ 「“なかせるのが嫌だから”―――って、コト?」 00:04 rouge_ >【尚也】「……正直キツかったし春奈に叩かれたのだって初めてだった。 ………でも、なんていうかな。  その時…、凄い痛くて…なんか、我に返ってさ。 …綺麗だなって思ったんだ、ふと、さ。 なんのこたー…ないんだよ。  悩んでるのは結局、僕も惹かれてるところがあるからなんだよな。  結局、認めていいのか迷ってるだけで……しりを蹴っ飛ばしてもらいたいんだよ。」 頭をぼりぼりとかいて、あー、と、声を上げて。 色んな人の顔がよぎる。 かつての仲間と、今の仲間と。  「そうさ、僕も春奈が好きだ!」  そして叫ぶように、宣言した。  「で、燐も好き、だから構うってのは撤回しない!」  ここまで来るとやけくそである。 いやもちろん、好き、の意味合いは両方違うが。 00:11 hikami >【燐】「―――………つまり」 話していくうち、妙に符号。向けられた宣言と、それまでの、もの……比してみれば思い当たるのは確か、か 「―――…それは“告白を受ける”と言う、意味の話しよね。 向こうで“尻を蹴飛ばしてくれていた”ヒトがいて、ここでも“同じものを、別のヒトに願える”ぐらい―――気になった、ってことでしょ」 ―――周りくどい上に、結局……何をしたというんだ。祝福以前、矢張り…嘆息、か 「……別に、私が否定しているのは“春奈を放置したまま”の事よ。私は別に尚也が好きってわけでも―――ないもの。 だったら、そんな所に構ってるのを見て変に嫉妬される方が迷惑だもの」 00:20 rouge_ >【尚也】「……まー何つーか、色々整理しなきゃならない事は沢山あるんだけどね。  単純にものを考えると、結局そこに落ち着いたってだけで。」  ひとしきり叫び終えながら、かくりと肩を落とし。  「別に、燐が僕を好きになる必要はないよ。 そりゃ、好きになってくれるほうが言いに越した事はないんだけどさ。  んで…春奈だぜ? 天宮春奈だよ?そんな小さい女の筈ないじゃんか。 だから……僕のことだって分かってくれると思うな。」 00:25 hikami >【燐】「―――………それ、一人で考えついたら上出来だったのにね、本当。 全く……私はフレ、フレ、っていってたのになんで“ソコ”に落ち着くんだか」 叫びを受けて尚、脱力―――というよりも、疲れ、だろうか。全く、本当―――退屈はさせないでくれるけれど 「ま、正直…尚也と比べると何倍か、ってぐらいに確りしてると思うわよ、春奈。 何処がいいんだか、全く……―――まあ、良いわ。別に嫌いって訳じゃぁないもの、 上手く行くって言うならお祝いぐらいしてあげるわ。―――でもね、尚也」 そこで言葉を、区切る。実際…… 「―――大きい小さい以前よ“これ”は。好きだ、とか、嫌いだ、とか―――あっさり反転するわ。 振幅なんて大きくて当然、だったらどれだけ我慢強くたって、可能性ぐらい気にしてあげたほうが、いいわ」 00:33 rouge_ >【尚也】「……ん、そうだね。  でも何となくだけど、春奈、僕がこういう人間だってのは理解してるような気がするな、それこそ、なんとなくなんだけどさ。 けどそこは、何かとびっきりの言葉でも考えとくさ。」  燐に頷きながら、椅子から立ち上がる。  「ありがとな。 何か、迷惑ばっかりかける。」  不意を撃つように、燐の頭に手を載せて、そっと撫で付ける。 00:38 hikami >【燐】「…“幼馴染だから”?」 理解、の言葉に向けるのも…嗚呼、拗ねている、と自分で判る程にひねた響き。これは―――学校を休んで正解だったか。 とてもではないが外になんて出られたものではない。立ちあがるのも見送るでもなく視線を伏せ――― 「っ、て、ヒトが避けれないと思って何、触ってる、のよ……!」 ―――……それこそ不意、だ。情緒のコントロールまでは上手く行ってない ……頬に上りかけた朱を引っ込めることも出来ず、慌てて相手へと背を向けた 00:46 rouge_ >【尚也】「幼馴染…付き合いが長いから、ってのは、確かにある、かもな。  ま、あれだよ。燐ともこれから付き合いを長くしていけりゃ、僕としてはいい感じ、なのかな。  それでなくても僕、大分見透かされてる部分あるしな、燐に。それに僕はこんなだから。  基本的に煮え切れない人間で、直ぐ迷う。 強くなっては行きたいけど、直ぐに変われるもんじゃないからね、そんなのは。  だからまあ、今みたいに背中蹴っ飛ばしてくれりゃ、嬉しいかね。 僕の周りは…騒がしくて、うるさいかもしれないけど。 そういうのは、嫌か?」  追うことはしないが、頭に手を載せたまま、その背中にゆっくりと語りかける。 00:51 hikami >【燐】「―――………」 付き合いの長さ、そんなもの……幻想だ。産まれてから、であっても、それ以上であっても…続いた事も、めでられた事すらない。 触れられたのだって好意的なモノはここへきてからが始めてだ。―――自分には…無い、のだ。そんなもの。得られるとも――― 「……嫌だったらとっくに、構うの辞めてるわよ」 ―――…思ってない、筈なのに。決定的に捨てられて置きながら………まだ、欲する気が残っているとでもいうのか。 この手を、払う気力が沸かない 00:56 rouge_ >【尚也】「なら、よろしくだ。 これからも。」  そっと、手を動かしながら。  「約束に追加するよ。 僕は死なないし…燐を見捨てたりも、しない。」  最初は彼女から持ちかけてきた言葉。 だけど今では、変わらなければと想ったきっかけの一つでもある言葉。 それに、言葉を足して。 01:02 hikami >【燐】「……―――いつまでか、保障なんてしないわよ」 これから、に対して漏らすのはそんな、拗ねた響き。実際いつまで、なんてのは判らない―――すべては件の“保護者”次第なのだから 「…それは……―――苦労するわよ、本気で。 実際私自身あれがなんなのか、なんて判っちゃ居ない、ただ……何時爆発するかも判らない爆弾みたいなモノがあるんだ、ってのは判ったわ。 実際異世界のチカラなんだと思うし、だったらこそ、ここで対策だとか考えてもそもそもの原理が違う。 ―――そうなったら、どっちかの約束は破らないといけなくなるわよ」 01:07 rouge_ >【尚也】「…世界は優しくなんてない。 僕はエルシアを失ったし……」  燐は、生まれたときから何かを背負わされた。 上手くいく何て、声高らかに叫べるほど、甘いものでは、ない。  「だけど、それでも……守り通すさ。 僕だけじゃない、みんなの力も借りてさ。  声、届いてたろ? ……何かああいうのみてると、何でもできそうな気がしてこないか?」  何の根拠もない。 だけど、強い決意で。 01:13 hikami >【燐】「違うわ、世界は無慈悲な程に優しいわ。世界を嘘で塗り固めて、見る事も聞く事も止めさえすればぬるま湯の日常に過ごせるんだもの。 “普通”なら―――そう、私たちはウィザードよ、世界に庇護すらされないもの、 逆にそんなのを護る立場……優しさだとか、そんなのを論じる資格すらない枠外のもの、だもの」 それでも、と。言葉を区切る。実際……聞こえて、きていた。だからこそ今こうして喋れるのだろうし…こうして、妙な気分にすらなるのだ 「……―――さあ、私はロマンチストじゃないもの。ただの詐欺師、だったら―――…世界にだって嘘を吐いてみせるわよ。 世界が殺す気なら、死んだってうそを吐いて生き延びてやるわ。優しさなんて期待しない――― ……それでも、尚也や風華達なら、少しぐらい…信じるわよ」 01:19 rouge_ >【尚也】「その意気だ。」  ぽふぽふ、と、少し強く頭を撫でて、手を離す。 以前と論調は同じだけど、少しだけ変わってきた、燐の言葉。  背を向けた燐に見えないように笑みを浮かべて。  「風華と違って頼りないけどな。ま、頑張るさ。」  次に如何しようか、少し迷った。 …だけど…思い切った。 月衣の中を探って、何かを取り出そうと。 01:22 hikami >【燐】「っ―――……」 触れられる感触が離れれば漸く……落ち着くか。常のものとは違う種、自分を落ち着けるための嘆息を小さく零し、頬の熱を散らす 「…本当。大違いよね、風華には結構安心できるけど、尚也って頼りないというか危なっかしいっていうか―――…… いっそどっちが年上だか判らなくなるもの」 戯言、か。そんなものを呟けば少しはマシになる。ぺちりと、己の手で頬へと触れ…ある程度散ったのを確認し身を戻そうとした 01:27 rouge_ >【尚也】「ま、そこは僕のチャームポイントのようなものだと思ってくれりゃいい。 や、やるときはやるぞ。」  自覚しているのか、傷はついても顔には出さない。 寂しくない、寂しくないぞー。  「燐、これ、持っててくれないか?」  鳥の意匠が彫られた木彫り細工の箱。 僅かに甘い香りのする木。 そっと、差し出す。 01:29 hikami >【燐】「……―――嫌なチャームポイントね、それ、って…―――何、これ」 振り向く最中の行動でもあり、身を戻した所に差し出された結果反射的に手を伸ばしてしまったのだが―――…… 鼻腔を擽る感覚、慣れたものでもない 01:35 rouge_ >【尚也】「エルシアがくれた唯一の贈り物。 終わってみれば、意外と全然、物とか交換し合ってなくってさ。」 以前のような、昔を話すときの遠い視線ではなく。燐を見ながら。  「………春奈と向き合おうって、決めたからさ。 これが要らないってわけじゃないけど…手元においておくのも、さ。  春奈に渡す、ってのも、何か違うだろ。 捨てられるものじゃないし。 だから、持ってて欲しい。 かな、って。」  そっと、箱のふたを開ける。 …この世界の誰も知らない曲。静かで、優しくてどこか切ない。 そんなメロディが、流れる。 01:41 hikami >【燐】「―――…嫌よ」 それを聞いてだろう、メロディを半ばも聞く事もなく、蓋を―――閉じた 「それこそ今度はエルシアと春奈、二人への侮辱ね。 “この程度”昔の思い出を大事にしたからって捨てろ、とか、疎ましい、とか、思うような子? エルシアにしたってそう、コレを持っているべくは尚也であって、見知らぬ何処かの小娘じゃあないはずよ。 ―――……女心を判れ、とは言わないけれど」 ―――無理だろう、から。そんな理由でもある。自分とて、男心などわかったものじゃないのだし――― 「…大事にしつつ放置すればいいのよ。“私に預ける”コトそのものが未練だわ」 01:51 rouge_ >【尚也】「………大事にしつつ放置、か。 そりゃ、難しい事を言う。」  目を閉じて、息を吐き出した。  遠ざけて、それでも手の届くところに置いておきたかったのは…言われてみるならば、そうなのかもしれない。 「………未練、かぁ。 なるほど、なるほど、な。」  手にしていると、これをもらった日の事が思い出せる。  よさげだったからあげる。 …あげるんだってば!  なんて、無理やり手渡してきた。 その後に、さあ、お返しをかってくるのよ、何て走り回らせたりして。  「…やっぱりこれは、僕の思い出、か。 …性かねえ、どうも極端に走っちまうよ、僕はさ。」 01:55 hikami >【燐】「―――そういう事。…懐かしめる過去があるだけ良いじゃない。そんなのを、人に押し付けるんじゃないわよ。 ―――愛人を他所に逃がすもの、よ。そんな扱い、エルシアだって望んじゃ居ないわ」 無論、何一つ知らぬ相手の事ではあるが…軽く肩を竦め呆れた風を装う。 ―――何、それ以上に簡単な話し…“重い”のだ。そういう…思い出、ってものは。 02:02 rouge_ >【尚也】「さくさくと痛いことを。 ……ま、今回は事実だからしょうがない、な。 いや今回も、なのか。」 ある種、踏ん切りはついた気がする。 いつの間にか、やり込められるほうになっていた。  …普通の彼女と話していれば、こうなる。 だとすればこれは…良い事、なのかなとも思いながら。  「蓋、開いていいか? 何となく、浸りたい気分なんだ。 ………懐かしむんじゃなくて、ちゃんと向き合うために、さ。」 02:06 hikami >【燐】「―――……良いわよ。預けるんじゃなくって、聞かせてくれるんだったら嬉しいぐらいだもの。外、は―――……」 ―――拒絶された“外”の存在、と言うのは今回の件でほぼ決まり、だろう。故に実際問題……何を求めるべくか見失っているのは事実、だが 「…尚也の居たトコの話は結構興味ある、のは確かだもの。―――ほら」 返却の意図、これ、について扱うのは尚也がすべき事だろう。故に押し付け、手を離し、ベットへと凭れ掛かる 「―――…結果、判ったら教えなさいよ。春奈から先に聞く、なんてことにならなきゃいいけど」 02:11 rouge_ >【尚也】「ああ。 近いうちに、春奈と話してみるよ。 もちろん、ちゃんと燐にも結果を聞かせるさ。  色々世話になってて報告なしじゃ、あんまりだからね。」  ベッドの脇にオルゴールを置いて、そっと蓋を開ける。 ……先程流れかけたメロディがそのまま、流れ出す。  「な、動けるようになったら、家、遊びにこいよな。今度は仕事抜きでさ。 理夢もうるさいんだ、燐をまたつれてこいってさ。」 02:15 hikami >【燐」「ま、世話ってよりも話すだけ話させた感じだけれどね。―――ま、良いわ。聞ければ、それでいいわよ」 流れる音楽は矢張り聞き覚えのないもの。―――記憶の端にすらひっかからないのだから己の関わっていたもの、ではありえぬのだろう。 それでもまあ―――構わない、と、ソノ程度は思えるようになっていた 「―――………遊びに、ね。何を言われるか判ったもんじゃないけれど……良いわ、あれきり何も遊びに行かない、じゃそれこそ不自然だもの」 02:19 rouge_ >【尚也】「ん、待ってる。」  不自然、だ何て理由はつけているけど。 以前ならきっと、承諾しなかったような問いかけ。  それが少しだけ、嬉しい。 ……これも、何かの縁なのだろう。  一人が寂しいなら、隣で騒がしくするだけだ。後は、その騒がしさに耐え切れずにこっちに向くのを、待てばいい。 人間なんて、騒ぐものなんだから。 そして……何だかんだで、自分の気持ちも…分かってきた気がする。  後は、いつ決着をつけるか、だ。 ………優しい音色に耳を傾けながら、そんな思いに、浸った。