21:07 (Tamaki__)   21:07 (Tamaki__)   21:07 (Tamaki__)   21:08 (Tamaki__) RG屋外修練場 21:08 (Tamaki__) 室内の訓練室では会いたくない人と顔を合わせる可能性があるので、こちらを使っていた 21:09 (Tamaki__) 前回の戦闘から気がかりなことが二つある 21:12 (Tamaki__) 一つは三崎尚也。こちらは自分が伝えたいことはゲンコツ付きで叩きつけたし、自分がでしゃばるまでもなく、ちとせや瀞みたいなおせっかいな誰がが彼と話をしているだろう 21:12 (Tamaki__) そもそも、ここで折れるような弱い人間を『名前で呼ぶ』ことはしない 21:12 (Tamaki__) そしてもう一つ 21:13 (Tamaki__) 【環】「……コォォォォォ」 21:15 (Tamaki__) ゆっくりと体の奥からプラーナを引き出す。だが、その折に普段は無心でなければいけないのに、『別のこと』を少しだけ思い浮かべる 21:16 (Tamaki__) 意識なく投げ出されるちとせの姿。傷ついた春奈の姿。嘆く尚也の姿 21:16 (Tamaki__) その瞬間、体の奥からより大きなプラーナが湧き上がる 21:17 (Tamaki__) それと同時に浮かぶのは……こらえようの無い怒り 21:17 (Tamaki__) それを抑えることなく、目の前の地面に叩きつける 21:18 (Tamaki__) 朝から繰り返し、作った大穴は全部で8つ 21:19 (Tamaki__) そして9つ目を穿ち終えた後で、環は先ほどから自分を見ている気配に声をかけた 21:19 (Tamaki__) 【環】「……尚也さんのところにいなくても良いんですか?」 21:19 (Tamaki__) RPどうぞー) 21:24 (rouge__) 【シェルファ】「いなきゃならない理由があるとでも?」 肩をすくめてその言葉にこたえる長身の女。 人の美的感覚はそれぞれだが、その大半が美貌に分類するであろうその全て。 気に入ったのか、この世界のシャツにジーンズを衣服のイメージとしていた。 木陰に寄りかかったまま、長い髪をかきあげ払いながら環に視線だけを向けた。 21:27 (Tamaki__) 【環】「貴方は尚也さんの魔剣ですから、一緒にいて当たり前と思っていました」 シェルファへ向き直る。目が紅に染まっていたのが、だんだん金へと色を変える 21:31 (rouge__) 【シェルファ】「契約者ではあるけれど、尚也のモノではないわよ。 私は、私のやりたいようにやるだけ。」 紅から金、その瞳の変貌も、特に気にも留めずに。 「で、穴掘りの練習?」 21:34 (Tamaki__) 【環】「違う」 断固と否定して 「……ちょうどいいかもな。貴方は確か、別の世界の魔でしたね?」 そう問いかける 21:37 (rouge__) 【シェルファ】「それが何か?」 興味なさげに、あさっての方向の空に動いていた視線と顔を、環へと向けて。 21:40 (Tamaki__) 【環】「相談にのって欲しいことがあります」 シェルファの蒼穹のような瞳を見ながら言う 21:44 (rouge__) 【シェルファ】「んー……面倒だわね。」 ついたのはため息。 「相談に乗ってほしい何ていうのはただ愚痴りたいだけか、それとも自分の考えを肯定してほしいか。人の話を聞かないのが多いのよね、結局は。 だから相談事なんて面倒くさいわ。」 目を閉じ、軽く反動をつけて樹から離れる。 「聞くだけ聞くけど。 あんたはまだ、それなりに可愛らしいしね。」 環のその容姿を眺め、ふふ、と、小さな笑みを浮かべた。 21:48 (Tamaki__) 【環】「……っ!?」 すさまじい勢いで悪寒が走った。人選間違えたかなーという思いが頭を占めるが、がんばってそれを押し込めた 「なんなら、場所移しますか?」 21:52 (rouge__) 【シェルファ】「ウブな反応ね。 分かりやすくて良いわ。」 自らの上唇を舌先でちろりとなぞりながら。 「好きにすれば良いわ。 話したいと思う場所で話しなさい。」 21:54 (Tamaki__) 【環】「……(尚也さん、こんな人と契約してたのか。色々苦労していそうだ)……じゃあ、ここでいいですか? ちょうど実演した跡もありますし」 そう言って穴を指差す  21:58 (rouge__) 【シェルファ】「…青いわねぇ。」 環の表情。 でていなくても、僅かな動きで、何を思っているのか察するのは容易かった。 そういった事項も含めて、くすくすと笑う。 「ええ、それじゃ、聞かせてもらおうかしら。 環君の相談とやらを。」 再び樹に寄りかかり、腕を組んで。 22:03 (Tamaki__) 【環】「……体の奥から、自分が持つ力より大きなものが溢れてくるんです」 ぽつりと思い出しながら 「俺の中にもう一人の荒々しい俺がいる感じで、そいつが大きくなると目の前のもの全部ぶっ壊したくなる」 そう言って足元の穴に目を落とし 「今朝からやっていたのも、本当ならそれを抑える訓練のはずだった。だけど、練り上げたものを何かに叩きつけないと気がすまなくて……」 思い出しているのだろうか。金の目が若干赤みを帯びているように見える 22:08 (rouge__) 【シェルファ】「ふうん。」 合計9つの穴、それに視線を落として。 「で、何で壊しちゃいけないわけ? 目の前のものを。 抑える必要が在るの?」 薄い笑みを浮かべたまま、環に言葉を返した。 22:10 (Tamaki__) 【環】「……少なくとも、俺が目標としている人はこんな戦い方しない」 拳をぎゅっと握り締め 「それに力に振り回されるのは意味が無い。力は、それを振るう意思が伴わなければ意味が無い」 22:15 (rouge__) 【シェルファ】「誰かを目標にする、ね。 ま、人間らしくはあるわね。」 は、と、嘲笑さえするように、紡いだ。 「目標が自分にとっての到達点である保障なんて、何もないのにね。自分で自分の理想は描けないものかしらね。ま…でもあんたは本当に振り回されそうな性格してるわ。」 22:17 (Tamaki__) 【環】「……っ」 思わずその嘲りに対して鋭い視線を放つ 22:20 (rouge__) 【シェルファ】「ふふ。 中々いい表情してるじゃない。 そういう視線、嫌いじゃないわ。」 目を細めて口元に手を当て、次の行動を見守るように楽しむように笑う。 「あなたは今私を、どう思うかしら?」 22:23 (Tamaki__) 【環】「……っ」 ギリィと音がするくらい奥歯を噛み締める。胸の内から溢れ出すのは黒い感情 『あの女を黙らせてニヤけた顔を歪ませたい』 ……落ち着け。なんのために彼女に相談している。爪を手のひらに食い込ませて、必死に内から来る物を抑える 22:27 (rouge__) 【シェルファ】「…半端ね。」 今度こそ、本当に彼女は哀れむように、だが楽しげに笑った。 「自分を抑えた先に何か見えるとでも? 獣が持つにゃ相応しくない悩みだわ。」  22:29 (Tamaki__) 【環】「俺は確かに獣だ。……だけど俺は人間でもある。それに……」 思いのまま力を振るう誠一郎の姿を思い出す。獣に飲まれた者に待つのは破滅だけだ 22:33 (rouge__) 【シェルファ】「ああ………なるほど。 怖いんだ? 自分の力が? …ふふ、自惚れだわね。面白いわよ、あんた。」 22:34 (Tamaki__) 【環】「なんだと!?」 自惚れと言われて思わず怒鳴り返した 22:36 (rouge__) 【シェルファ】「自惚れ以外のなんなのか逆に教えてもらいたいものだけど。」 涼しげな表情。 「自分の力は、押さえるしかない、制御できない、全部を壊せるほど、凄いものなんでしょう?」 22:37 (Tamaki__) 【環】「……」 言い返せずに黙る。確かに見方を変えるとその通りなのだ 22:40 (rouge__) 【シェルファ】「星野環は星野環でしかないのよ。 それだけの話、複雑に考えてるんじゃないのかしらね。 ま、悩んでる姿見てるの、面白いけどね。」 22:43 (Tamaki__) 【環】「俺は俺でしかない……」 そう『星野環』は『星野環』でしかない。人狼のくせに力が弱く、必死で修行することでどうにか周囲に付いていってる出来損ない。だが、もし今の自分が『大神環』だとしたらどうなのだろう? 不覚にも、そう思ってしまった 22:46 (rouge__) 【シェルファ】「自分にある力が制御できないなんて、とんだおためごかし。 持った力を自分の為に抑えるやつなんて、面白くもなんともない。 あるものはあるの。 …獣には難しい話かもしれないけどね?」 22:49 (Tamaki__) 【環】「っ!」 限界だった。ここまで馬鹿にされて黙っていられるほど自分はできた人間じゃない。一瞬で紅く染まる瞳。何も考えずに――目の前で相対している者がどんな存在かも忘却して――全力で殴りかかった 22:58 (rouge__) 【シェルファ】「……は。」 つまらなそうに肩をすくめて。 軽く身体を起こすと、事も無げにその拳を受け止める。 「………4000年を生きてこれば、あんた程度の獣なんか幾らでもいるのよ? そして、私は何度もそんなやつを、殺してきた。」  にこりと笑う。 見るものを魅了する、場違いにもみえる極上の笑み。 「さよなら。 イヌッコロ。」 彼女の左手。 長く伸びた青い爪が、環の防御と反応を許すことなく…その心臓に、突き刺さった。 23:05 (rouge__) 【シェルファ】「……ま、あたしにできるのはこの程度だけどね。 残念ながら、今の私は魔剣。」 環が、声にもならない悲鳴と、死のイメージを受けた、その直後。 ………血も流れていなければ、身体に穴も開いていることはなかった。 「私とやりあったらこうなる、っていうシミュレーションをしてあげただけよ。 中々、面白い体験だったでしょう?」 環の手を払いのけながら、再び樹に寄りかかる。 23:07 (Tamaki__) 【環】「……」 呆然とした顔で自分の胸を見下ろす 23:10 (rouge__) 【シェルファ】「その程度の全力、何を恐れることがあるのかしらね?」 木陰を離れ、唖然とする環の横に立つ。 23:13 (Tamaki__) 【環】「……あ」 怖い。不意に恐怖が湧き上がる。死に近い場所は何度か経験してきたが。ここまで明瞭に「自分が死ぬ」というのを見せ付けられたのは久しぶりだ。動けない。一歩でも動いたらまた心臓を貫かれる。あるいは、首を刎ねられる。そのビジョンが頭から離れない 23:20 (rouge__) 【シェルファ】「ま、精々悩め。 人間はだから、飽きないのよ。」 放心する環の前、僅かにかがみ込んでその唇に唇を重ねる。 暫しの硬直。 唇を離す。 ひんやりとした感触と、不思議な熱が彼の唇に残る。 23:22 (Tamaki__) 【環】「……え?」 目を見開いて目の前にいる女性を見つめる。いま、この人は何をした? 一瞬後に耳まで真っ赤になる 23:24 (rouge__) 【シェルファ】「授業料よ。 悩める青少年に対してのね。」 ひらひらと手を振って、なんでもなかったように背を向ける。 23:26 (Tamaki__) 【環】「……え? ……ぁ、あう」 言葉が出てこない。まだ唇に残る柔らかな感触に頬が熱くなる。そのまま呆然と、シェルファの背を見送ることしかできない 23:35 (rouge__) 【シェルファ】「やれやれ。 ……あれは、観察しがいのある対象になるかしら。 尚也みたいに。」 ……どうやら、風華との話を自分の契約者は終えたようだった。 少しはマシな表情が感じられる、戻ってやってもいいか、と、漸く思った。  「人間が沈んで自滅するのを見るのは、もう飽きたのよね。 何処までも伸びていく可能性を持つ人間。 それが、面白いのよ。」 さて、後ろの少年はどう転ぶか。 少し期待しながら、ゆっくりと魔剣は歩みを進める。 威風堂々と。 23:38 (rouge__)   23:38 (rouge__)   23:38 (rouge__)