22:51 (Fake___)   22:51 (Fake___) 理夢は、あの事件のことは覚えていないらしい。怪我したことも、覚えて居ないと。 22:51 (Fake___) それはいいことだと思うし、ロイヤルガードの対応に感謝する。 22:51 (Fake___) だが、自分は一つだけ危険なことをしてしまったと実感している。 22:51 (Fake___) 異界の勇者、つまりは尚也に近しい人間だと言う事を明かしてしまったから。 22:51 (Fake___)   22:51 (Fake___) 理夢が狙われたと言うことは、近しい人間を狙って尚也を追い詰めようとする可能性が高い。 22:51 (Fake___) と言うことは、自分も狙われるのかなと思う。考えすぎであって欲しいと思いながらも… 22:51 (Fake___) その考えが、頭から離れなかった。 22:51 (Fake___)   22:51 (Fake___) 携帯電話を手にとって、尚也へと電話をかける。 22:51 (Fake___) 「話したいことがあるから、逢う時間を作って欲しい」 22:51 (Fake___) それだけを伝えて、次の日。約束した場所で待つ。 22:51 (Fake___)   22:51 (Fake___) (どぞん 22:56 (rouge__) 【尚也】「……話したいことがある、か。 良い話じゃないことだけは、確かだよな。」 会話といった会話も無く、一方的とも言えるような…いや、なにより言葉の重さに電話口で聞き返すことが出来なかった。 それが、何時もとは違うやり取りを否応なしに連想させる。 それ以外の事項が頭に入るはずも無く、何も手につかない。 約束の時間よりも大分早い時間に、家を出て、ただそのときを待つ。 23:02 (Fake___) 【春奈】「…尚也、来てくれたんだ。有難う――」彼の姿を見て、安堵の表情を浮かべる。心配そうな表情のまま、尚也へ笑いかけて。 23:04 (rouge__) 【尚也】「そりゃ、こないわけないさ。」 何時もより、硬い表情。 何を話すのかは…大体想像がついていた。 「何処か、座るか?」 23:05 (Fake___) 【春奈】「…うん、近くのベンチでいい?」我妻市の中心部、ベンチは探せばすぐ見つかる。無言のまま歩いてベンチに座り、一つ息をついて。 23:06 (Fake___) 【春奈】「尚也、理夢の様子…どう?」意を決したように、小さく口を開いた。 23:10 (rouge__) 【尚也】「ああ……あそこでいいかな。」 人ごみの少ない、ポツリと離れたようなその場所を指差し、そこへ向けて歩き、近くまで来ると腰を下ろす。  「……普通にしてるよ。 何かあったとは思えないくらい、元気だ。」 やはり、予想していたような言葉。 目を閉じて、淡々と答える。 23:12 (Fake___) 【春奈】「そっか、うん…良かった、それなら。怪我とかの跡もないなら――それがいいと思う。助けられて、良かったと思うし」尚也の方へ心配そうな視線を向けながら返す。 23:17 (rouge__) 【尚也】「春奈達が、直してくれたんだろ? 傷跡とかも、全然残っちゃいない。 本人も、貧血で倒れたくらいにしか思ってないさ。」 自分が手出しの出来ない間、春奈達が妹を助けてくれた。 「もう一回、いや、何度でも礼を言わせて貰う。 春奈達がいなかったら、どうなったことか。 …ぞっとする。 だから、ありがとうな。」 春奈のほうに向き直り、頭を下げる。 23:18 (Fake___) 【春奈】「ううん、だって。理夢は…私の大切な友達だから――」ぐ、と手を握る。友達を助けられた、自分の力で。その実感は自分にとっても嬉しいもので。「あのね、でも…尚也」と、前置きしてから「…私も、狙われるかもしれない」ぽつり、と小さく呟くように。 23:20 (rouge__) 【尚也】「…やっぱり…なのか?」 ずっと考えていた。 妹が狙われる理由を。 ……やはり、一つしか思い当たらなくて。 唯、それだけを聞き返す。 23:22 (Fake___) 【春奈】「うん…尚也に対して復讐したら、自分たちがこの場所に居れなくなるんじゃないかな。尚也の記憶から、生み出されてるなら」目を伏せて、自分の手を握る。「だから、きっと…尚也に近しい人を狙う、って思う。それで、理夢だったんだと…。私、尚也に近しいって言うの、ばれちゃったから…」 23:26 (rouge__) 【尚也】「…………っ。」 だん、と、ベンチに拳を振り下ろしていた。 嫌な振動が、二人の身体に伝わる。 春奈から受け取った言葉は、自分の予想していた理由と一緒だった。 …もどかしさばかりが募る。 …そして…次に聞こえた単語。 「…春奈が? …春奈…も?」 23:27 (Fake___) 【春奈】「……っ」びく、とその音と振動に肩を震わせる。尚也の視線を伺うように、じっと見つめ…「…うん。エイラベスタ、って女の人…」尚也の問いに、返して行く。 23:32 (rouge__) 【尚也】「エイラベスタ…惨殺のエイラベスタ…か。 …残忍で、悪知恵の働く嫌な相手だった。 …あいつが動いたのか。」 振り下ろした拳に視線を落としながら、静かに記憶を辿る。 ……まぎれもない、強敵の一人だった。 23:34 (Fake___) 【春奈】「…うん――」尚也の様子を見ながら、言葉を切る。自分から言えることは少なくて―― 23:37 (rouge__) 【尚也】「………今日は、その相談?」 春奈の方を静かに向いて問い返す。 23:38 (Fake___) 【春奈】「うん。そのことに関して…かな。相談と、お願い――お仕事出かける時は、風華が予定あいてれば行くよって言ってくれたんだけど。尚也にもお願いしたい…んだ。拘束しちゃうのが、凄くごめんって…思うけど」 23:45 (rouge__) 【尚也】「……そういうことか。 …分かった、引き受けるよ。」 何時もとは違う、甘さの見えない…彼を良く知る人が見るなら、別人なのかと思うような表情。 「…春奈のことはさ、守るから。 …僕の責任だ。 絶対に、そうする。」 23:48 (Fake___) 【春奈】「尚也……? 無理はしないで、責任なんて感じてほしいから、そんなこと言った訳じゃない。責任なんて、関係ない」ぎゅ、っと尚也の手を取る。「ただ、私からお願いしたいだけ。私は一人じゃ戦えないから…助けて、って」 23:53 (rouge__) 【尚也】「……そうだな、ごめん。 ちょっと思いつめすぎかな。」 春奈の体温を感じる。 彼女の、悲しげな声も。 ここで、自分の殻に篭るのは簡単だが…そうするわけにも行かない。だけど、責任を感じる心は止められたものではなくて。 「分かってる、僕だって一人じゃ戦えない。 誰かが一緒にいるから、僕も戦えるんだ。 ……だから、フォローするよ、幾らでも。」 23:58 (Fake___) 【春奈】「…うん。私も頑張るから、尚也も…一緒に、頑張ろう?」ぎゅ、っとその手を握って…もう一度力を込める。「…思いつめすぎないで? 尚也、皆だって一緒に居るんだから」目を伏せながらも、手は離さずに 00:04 (rouge__) 【尚也】「はは……分かってる、分かってるさ。」 心遣いが、ありがたい。 重圧をかけまいと、心労を共有してくれようとしてくれている。 「今をときめくアイドルの春奈にこういうこと言っていいのかはさておくけど…春奈のことは、守るよ。 少なくとも…今は、僕が。」 00:06 (Fake___) 【春奈】「今をときめくってほど売れてるわけじゃないけど…ありがとう。尚也」目を閉じて、もう一度開く。ふわりと笑顔を浮かべ… 00:10 (rouge__) 【尚也】「いや、実際……春奈が僕と歩いてるのみたら、僕をぶちのめしたくなるやつはまずいると思うぞ。 立派なアイドルだよ、春奈は。」 空気を換える様に。 今のしかかっている重圧を忘れるように、つとめて明るく振舞う。 笑顔を浮かべる春奈の鼻先をつつき。 00:12 (Fake___) 【春奈】「ん…きゃっ――」いきなり突付かれる鼻先。もう、と抗議めいた声を上げ…それでも笑う。「…最後まで諦めずに、頑張ろう?」 00:15 (rouge__) 【尚也】「ああ、分かってる。 最後まで、諦めないで戦う。決めた事だもんな。 ……ありがとな、春奈。」 友人にするように、今度は強く、此方から手を握り返す。 00:23 (Fake___) 【春奈】「ん……うん、今の仲間と一緒に頑張ろうね? 私も頑張るから」ぎゅっと、その手をもう一度握って。 00:27 (rouge__) 【尚也】「………今更こう聞くのもなんだけどさ…」手を放して、ベンチにもたれかかる。 「春奈、どうしてこんなに僕に、良くしてくれる? 今日だって、怒られるどころか、励ましてもらう始末だ。」 00:33 (Fake___) 【春奈】「…え? なんでって…どうしてって…大切な人だから、じゃ駄目?」にっこりと笑顔を浮かべる。自分に出来る精一杯の笑顔で――「幼馴染で、大切な友達で…」それ以上は、まだ口にしようとは思わなくて 00:39 (rouge__) 【尚也】「…春奈はホント。 いい子だよ。」 浮かべた笑顔、僅かに詰まった言葉。 どれも、自分には眩しいものだった。完全に降参だった。 「それじゃ、僕の質問はこれで終わりだ。 春奈は、これ以降何か用事があるのか?」 00:40 (Fake___) 【春奈】「ふぇ、ううん? 私は特に何もないよ…?」いきなり問われた言葉。首を傾げつつ予定を伝えて 00:44 (rouge__) 【尚也】「僕も特に用事は無いな……。 ……折角町に出たんだ、何か食べて帰ろうか。 …って、あー、アイドルだから、そういうの不味いか? いかに冴えないとはいえ、男と一緒に歩いてるの見られるのは。 誤解されたらやばい。」  00:50 (Fake___) 【春奈】「ん…? そんなの全然気にしないで良いのに――なら、ご飯食べに行こう?」尚也のそんな様子にくすくすと笑いながら、立ち上がる 00:54 (rouge__) 【尚也】「……とはいえ、何かいいところってあるか? この辺りで。 一つも…思い当たらないんだが。」 立ち上がり、町並みを見回しながら、昼御飯を食べる所を模索する。 00:56 (Fake___) 【春奈】「えぇ…? 尚也、知らないの……? でも、うーん…探してみようか?」 01:00 (rouge__) 【尚也】「何時ものところでいい、って言う気はしないでもないけどな。 とりあえず歩いて、適当に見繕おう。」 頭に真っ先に浮かんだのは、巴の喫茶店だった。 だが、それは芸の無い気も少しするような、しないような。 ともあれ、町を歩くことを提案してみる。 見つかればよし、見つからなければ、との意味合いで。 01:07 (Fake___) 【春奈】「…うん、適当にあるこう。それじゃ、一緒にだね」ふわっと笑顔を見せて、尚也の手をとる。そのまま歩き出して―― 01:13 (rouge__) 【尚也】(……なにが正しいんだろう。 僕が、死んで終わらせることを選んだら…春奈は、こんな風には笑わないんだろうな。 けど、僕がレイセニアと戦い続ければ、この笑顔自体が見られなくなる可能性だって、ある。 …守りきるとは約束した。 …でも、僕には…そんなことができないというのもわかっている。 …それができていたのなら…) その笑顔を、眩しいまでのその表情が視界に焼きつく。 答えの出ない考えを、頭の中で繰り返す。 01:20 (rouge__) 歩みが止まり、立ち止まったままの自分を春奈が不思議そうに視線をこちらに向ける。 なんでもない、と、首を振って思考を先送りにした。 …答えは、出そうになかった。 後は、時間の流れるままに、表面上はいつもどおりに、町を歩いて…時間を過ごす。 …結局よさげな店が見つからずに、何時もの所に行くことになったのも、何時ものことであった。