19:33 (hikami) んぃっさ、では暫しお待ちをー 19:41 (hikami)   19:41 (hikami)   19:41 (hikami) ―――某日。ロイヤルガード資料室内部――― 19:41 (hikami) 先日、と言うには聊か時間の経った“任務”による反省点及び、此方はごく直近、言葉のままに“先日”と言える学園祭での失態。 19:41 (hikami) その双方を鑑みた末に己の内で見出した事は“戦力の把握”と言うごくごく基本的な事象であった。 19:41 (hikami) 己が立ち位置はサポーターと言う事もあり、戦場把握と適した場所への援護、これらの課題、なんてものは当然ではあるが… 19:41 (hikami) もっと重要な“顔を覚える”と言う根本的ともいえる内容に今更ながらに着手を始めていたのだ。 19:41 (hikami) 思うよりもこの部隊には人の数が多く、思うよりも雑多な構成である、と言うのは数ヶ月を過ごして馴染み、把握してきた事実である。 19:41 (hikami) それで尚把握の出来ぬ人員構成に―――増え続ける大事から小事までの様々なデータと戦闘報告。 19:42 (hikami) 元々が放課後の大部分を基地内で過ごす事の多かった少女ではあるが、ここ数日は主な滞在場所を資料室の一角を半ば占有する形で片っ端から資料検索と把握に努めていた。 19:42 (hikami) ―――今日もまた、同じ。 19:42 (hikami) 少女の占有した調べ物用の机の上にはファイルが一見無造作に積み上げられ、傍らには出しっぱなしの携帯端末、なんていつもどおりの風景。 19:42 (hikami) 幸い、喧騒とは少し遠いその空間、今はただ、少女が紙を捲る音が不規則なテンポで微かに響いているのみであった。 19:42 (hikami) 【燐】「―――…………やっぱり、変…ね、何が変とも言い切れないけれど……―――違和感が残ると言うべきかしら…」そんな中、ぽつり、と、小さく…呟く声が響いた 19:46 (ballock) 【美潮】「………」こつこつと歩きながら資料室の入り口まで来る、最近になって居候ができてしまった事、その居候の魔王の件で以前報告書で見た事から関係者を探していた。報告だけはしておこうと、そしてその人間の一人がよくいる場所は此処らしいとの事で足を運び、資料室の入り口…コンコンと中に響くノック音 19:49 (hikami) 【燐】「…ん?」静寂の中に響く一つの異音。資料室の特性上…確かに必要な過程なのだろう。思えば自分はその手順を随分省いていた様にも思うが―――生憎と書庫でもない為か司書らしきものは見覚えがない。挙句、簡単に借り出せるとは言え鍵も掛かっている場所でありその鍵は―――「……居るわ、中に。空いてるから自分で開けてくれる?」―――手元、である。その所為か、なんて予測もありはしたが結局は立ち上がる面倒を避け、少し大きめの声で扉の外へと 19:49 (hikami) 言い放つのみで済ませる気、らしい 19:51 (ballock) 【美潮】「……失礼します」返事を貰い中に入るのは銀髪にオッドアイ、それでいて巫女服という一見妙な組み合わせの人形のような表情を持つ少女。燐を見つけると真っ直ぐに燐に近づいていく 19:54 (hikami) 【燐】「―――……」それで用は済んだとばかり、視線は資料へと落ちる。が、視界の端にちらりと垣間見える姿は……異様、とは言わぬものの酷く目立つであろう容姿。群集に溶け込むにも難しいであろう姿に少し興味を惹かれるも後で調べれば―――と言う億劫。が、その少女の向う先は「―――何か、用事?」己の元、である。携帯端末で名簿を呼び出そうとしていた所ではあったものの、当の本人を目の前にしたままやることでもあるまいと端末をぱたり、と、閉じ 19:54 (hikami) た 19:57 (ballock) 【美潮】「……一華燐さん…ですね?」会った事はないものの資料での名前と写真を見ていたので一応確認の意味を込めて名を呼ぶ「……一つ…報告事項があったので」そう、静かにぽつりと呟くような無機質な声 20:00 (hikami) 【燐】「…そうよ、私が燐。貴女は……」先刻の通り、此方は隊内の名前を覚えようとし始めた所でもあり未だ一致しない部分は多いらしい。変った容姿、と言うだけであれば他にも幾人か混ざっていた事もあり注力が薄れていた事も一因か「…珍しい用事ね。末端の私に“報告”だなんて。」無機質な響きは特段、気にするものではないのだろう。ソレよりも含まれた言葉の響き、伝言、や伝達、命令ではないものに耳を傾ける気ともなったか。改めて座りなおし正面から 20:00 (hikami) 相手の姿を捉える 20:02 (ballock) 【美潮】「……私は…玖凪美潮と言います」こくりと頷くような答えをして「……以前貴女が遭遇したという魔王【フリウ=フロウ】の事です」変わらない調子でそのまま淡々と言葉を紡ぐ 20:06 (hikami) 【燐】「玖凪……」その名前にも引っかかる部分が無いわけではないが……確かディフェンダーであったか、と言う程度の認識。矢張り明確な認識に至るには及ばず…つまりは今この場で対峙する事で把握の手助けとするか、なんて打算。ではあるが…聞こえた単語には露骨、眉が潜められた「―――ああ、あのペットの管理が下手な魔王?どこぞの田舎村で祭りの材料になってたけど、それが、何か?―――まさか“縁結び”を魔王に頼ろうって魂胆な訳?」確かそんなコ 20:06 (hikami) トも言っていたか。データにはなるからと報告書にも記載済みの事柄であり…仮にも女、なんて認識がその発想に至らせていた。 20:11 (ballock) 【美潮】「……その魔王で合っています」燐の言葉の前半に肯定を示す、後半は何故そういうのかよくわからないのだがとりあえず「……その魔王ですが…本我妻神社…私の住居に居ます…という事を報告しておいた方がいいと思いまして」ただ流れるように淡々と…とんでもない事を燐に口にする 20:14 (hikami) 【燐】「―――………は?」予想外、以前。理解の外にある内容であったが故に全ての反応が一時、遅れた。ただの一言、一音のみで問い返す、と言う至極単純な反応を返し―――数瞬、長期の沈黙に至らずに済んだのは此処で行っていた作業が情報の検索、なんてものであったおかげかもしれない。とはいえ…「……まって、確認するわ。貴女は何、ウィザードよね?確か、んー……ああ、だめね、思い出せない。防衛役、ディフェンダーであっただろうのは思い出せるの 20:14 (hikami) だけど―――で、もう1点。我妻神社って、あの廃神社の事で、あってるかしら?」 20:15 (ballock) 【美潮】「……はい、その情報に間違えはありません」小さく頷く、表情は相も変わらず人形的に無表情で 20:19 (hikami) 【燐】「………判った、そこまでは良いのね?」言い置いて、一拍。一度閉じた携帯端末を再度開き、本来片手で操作するように出来ている形状であるが故、検索用の画面を親指の動きだけで展開して行く「―――そこに、住んでる、と。まぁそれも良いわ、どこに住もうと―――色々と趣向があるのだし」野宿を好むのであろうか、なんて珍妙な想像。テント暮らしかもしれない―――まぁ今は良い。…立ち上げたのは件の魔王についてのデータではあるが……矢張り、己 20:19 (hikami) が報告に乗せた事ばかりが羅列されているだけであった「―――で。此処からは重要ね。“魔王が、この、我妻市に居る”だけでなく“貴女と同居状態にある”―――神社に大きな池なんて、あったかしら?」 20:22 (ballock) 【美潮】「……神社としては機能していませんが…外見の修繕は済んでいます。同居状態というのも否定しません。監視の移意味も含めていますから」淡々と聞かれる事に答えていく、まぁ、最終的には結局魔王の討伐を行っていないということにはなるのだが 20:27 (hikami) 【燐】「―――…何故、監視に?」討伐をしなかった、と言う意味ではいっそ同罪である。最も…戦意喪失者が複数名居た事、相手が破壊の意思が無かった事、それらを“言い訳”にした、と言うのも相まって追求の手は鈍い「―――以前アレが現れたのは寒村よ、大きな湖と自然が取り柄ってぐらいに静かな場所。そこにあった河童伝説とアレのペットが符合して“お祭りになった”―――本人は縁結びを自称しているけれどね。結局、尻尾だけ掴んでアレを私たちも逃が 20:27 (hikami) しているわ。……今度もアレは、また“戦う気はない”と?」 20:30 (ballock) 【美潮】「……はい。あちらはそう言っていました」確かに戦うつもりはなかったようで「……その事と、こちらに討伐できるほどの戦力が無かった事からそう落ち着きました…もう一つとしては、誰の目も届かない位置に居られても厄介でしたので」 20:33 (hikami) 【燐】「ま、懸命ね。実際私もあの時なんらかの首輪を嵌めるべき、だったわ。…あいつのペットの河童もどきを暴れさせない、って条件に話を纏められてしまったから。―――迂闊だったわ、我ながら。そういう意味では感謝するべき、かしら」いうも、額面どおりと言う響きではなく確認、と言う事務的な響きであるのは否めぬまま、であろう。…ともなれば無意味なデータ画面は再度、消去。改めて少女の側へと向き直った「―――大筋で良いわ。今回アレは“何をや 20:33 (hikami) った”のかしら。元々が魔王だもの、裏界の存在は根源を喰うのが食事みたいなものだと聞いているけれど…戦闘意思がないにせよ、“それ”では問題でしょう?最も、監視を受け入れたのならそれすら放棄しているのかもしれないけれど」 20:38 (ballock) 【美潮】「……本我妻神社にて、縁結びのお守りという物を売っていました…そもそもその時点でも私の住居だったのですが」後半、微かに口調に変化があった。迷惑だったのだろうか「……ウィザード及びイノセントに精神操作も施してまで売っていたので尚更問題でした」そう言葉を区切って「……理由は【神様の信仰がなくなった神社。神格の抜け落ちた神社とか、居る分には楽でいい】との事です」 20:44 (hikami) 【燐】「―――神社機能が無いのに縁結びの御守り?というか、何、じゃあ社務所は復旧済みだったわけ―――て、ああ、外観復旧は済んでいるのだったか…」ならば、使えずとも装えるのだろう、一応可能であろう場所だが……縁結び。口調の変化には理解を覚えつつも踏み込むことはせず、今は状況把握に努める事にしようと「―――精神操作?“買いたくなる”って言う単純なものなのか、いっそ媚薬とかホレ薬とか、そんな“強制縁結び”なのか……その辺りの調査 20:44 (hikami) は?」いずれ資料にでも纏まるだろうか、なんて思いが一瞬過ぎりはすれども折角目の前に当人がいるのだ。聞いてしまえば早かろう。故に、読書のうつむきによって肩口に乱れた髪を背後に放る様に直し、視線を真っ直ぐ、オッドアイへと向けた「……一説には。裏界の魔王、及び高位エミュレイターの“一部”がこの世界の“カミサマ”だとか神話、神獣のモチーフになった、なんて話もあるみたいだし。…神社の新たなカミサマ役にでもなろうって魂胆…?―――元々 20:44 (hikami) 我妻神社って、何を祭ってたわけ?」 20:48 (ballock) 【美潮】「……精神操作に関しては…単純に買いたくなる衝動を強くしただけです。調査の際に居た数名が暗示にかかっていました」精神操作はそんな深いものじゃなかったのでそう落ち着いて「……何を祭っていたのか…それは知りません。記憶が欠如していますので」何を祭っていたか、という問いには答えられなかった。何かしら自分と関係があるらしいが、それ以上の事はわからずに 20:51 (hikami) 【燐】「初歩、か……手抜きなのか限界なのかが難しい所ね。……能力の底がわかり辛いのが厄介…か……」ぶつぶつと、暫し推測とも言えぬ独り言が続く、が……「―――記憶が欠如?何、貴女の住居なんでしょう?神社が。それとも…欠如故に“神社”での生活、っていう事?」だったら寮でも用意してもらえばいいのでは、なんて思いがあるのも確か。…あまり、居心地のいい印象がないらしい 20:55 (ballock) 【美潮】「……ある意味では…欠如ゆえ、ですね」燐の言葉の一部を肯定し「……私は本我妻神社がまだ廃墟だった頃、今からですとそれほど前ではありませんが神社の地下から発見された自動人形です…ですから、あそこが一番落ち着きます…それが一番の理由です」 20:57 (ballock) 何の為に生み出され、何故廃墟で朽ちかけていたのか。それも知らない、おそらく一番記憶に近いから落ち着くのか。そこまではわからない 21:00 (hikami) 【燐】「―――……成程……?」欠落は……ある種では己も同じようなモノである。踏み込むことは―――「それなら、仕方ないわ。だったら先ずはそれを調べるべきかもしれないわね。……魔王が何の目的もなく、それこそ……プラーナを目的としないで徘徊するなんて想像もできないもの。ウィザードと魔王、一部で協調路線があるって話は聞くし、それ以前に冥魔への対処って問題がある。―――それは理解してはいれどもだからって魔王にヤサシクするつもりなんて 21:00 (hikami) 、ないもの。」故に…あの場、逃すべきではない、との判断ではあった。今回も―――冥魔の話もでない以上、ただ単にまたアレ単体、だったのだろう…「―――監視、と言ってたけれど……じゃあ、アレはずっと、神社に?」 21:03 (ballock) 【美潮】「……しばらくはそのつもりです…ただ、もし行動をするにしても監視を頼むつもりです」 21:07 (hikami) 【燐】「賢明ね。……真昼の月に報告は?」―――判断は……迷う。魔王は討伐すべきではあろうが……1度ならず2度 21:08 (hikami) “ウィザードと戦わずに逃げ延びている”のだ。―――戦闘すらせず、である。―――戦力が、わからない以上、何ができるかなんて想像するしかないのだから 21:11 (ballock) 【美潮】「……報告は済んでいます…光さんにも報告済みです。何か異常があれば…すぐに動けるようにもするとの事です」そう一つ答えて「……神社の事についても…あの魔王は何かを知っているようなので。運がよければですが…」何かこの街の異常の事などを考え「……何かしらの情報を引き出せるかもしれません。ですから今はまだ…だと思っています」 21:11 (ballock) 運がよければ、もしかしたら魔王の巣の件に繋がるかもしれない、そう考えているようで 21:16 (hikami) 【燐】「―――……なら、ひとまず安心―――じゃない“対策は出来た”と採るべき、か。上が動いているのなら、私が一々気にするコトもないでしょうし。―――でも、そうね……」―――そこではた、と、言葉が途切れる。異常、珍妙な街、それは幾度か遭遇した事件だけでなく……ウィザードが敵に回る、と言う現実で思い知っている。ならば……魔王とて―――「……何か、判ったらまた教えて貰えるかしら?直通のアドレス……持っていれば交換しておきたい所だ 21:16 (hikami) けれど。…もっと要求していいのならばそうね…神社、遊びに行ってみようかしら。構わないかしら?」 21:18 (ballock) 【美潮】「……はい、神社に来るのは自由です、特にウィザード側には制限をかけるつもりはありませんから…あえて言うなら暴れないで欲しい…それだけです…それと、アドレスはこちらに」番号をすらっと書いて燐に渡して 21:21 (hikami) 【燐】「―――生憎ね。私はヒーラーよ。“暴れる”なんて真似は得手ではないから安心して良いわ」受け取ったアドレスはその場で端末に入力し…紙に残す手間を省く、と言う単純な理由で教わったばかりのアドレスに己のアドレスを載せ、送信。「―――これで大丈夫ね、後はお互い“何かあったら”報告しあう事にしましょうか。……最も―――貴女に異変がない事を願うわ。折角―――監視するのに取り込まれてしまったのでは無意味だものね?」 21:59 (hikami) ―――少女達の邂逅はひとまずコレにて終了、ともなろう。 “偶然”己はここで資料を調べる事を習慣とし、それを知る努力をする少女が“偶然”魔王と遭遇し―――“偶然”自分は、その魔王と遭遇経験があった。 22:00 (hikami) “縁結びの魔王”―――…その単語が酷く、皮肉に思える―――そんな、一時であった 22:00 (hikami)   22:00 (hikami)