21:57   21:57   21:57   21:58 学園祭の一日目。お昼時を目前とした午前10:30 21:59 とあるクラスの前で一人の少女がため息をついた。 21:59 頭にはカチューシャ。黒のワンピースにエプロンドレス 22:00 うっすらと化粧を施したその顔は、何故か暗澹とした表情に彩られている。 22:01 【委員長】「お客さんの前でそんな顔見せない。笑顔笑顔!」 22:02 隣で白のワイシャツに黒のスラックス、ベストに蝶ネクタイといった給仕服姿の委員長が声をかけてくる 22:02 【???】「……できるかー!?」 22:03 【委員長】「何言ってるの! 今日は君が看板娘なんだからね“星野君”!」 22:04 【環】「誰だこんな企画通したやつー!?」 22:04 星野環のクラスの出し物、それはTS(性別入れ替え)喫茶だった 22:06 【委員長】「あ、一名様はいりまーす!」 22:07 【環】「……いらっしゃい、ませ」 22:08 コレも修行と無理やり自分を納得させて、環は(じゃっかんひきつった)笑顔で接客をはじめた 22:11 【ちとせ】「わ…ゃ、…わぁ…皆かっこ…。…可愛…い…?」店内に一歩足を踏み入れる。きらびやか、といっても一歩引いた舞台衣装の上にポンチョを羽織りつつも、いつもの足取りは変わらない。 「…ここ…環君のクラスだよ、ね…。」くるっと周りを見渡す 22:12 【ちとせ】「…あ…はは…(どんな表情をしたらいいんだろう、店の前にはTSとあった。どういう意味だろう、分からない。)…なんか、すごい、ね…」それが全ての感想だった 22:12 女の子はウェイター服姿なので、あまり違和感は無い 22:13 ただ、男子は正直、あまり見れたものではない。どちらかというとノリ優先。勢いで勝負な感じの喫茶店だった 22:15 そんな中、若干まともというか、普通に女の子なウェイトレスもちらほらと見える 22:16 【環】「いらっしゃいませー、何名様でショウ……か?」 ちとせに声をかけてきたウェイトレスも、まともというか可愛い部類に入るほうだった 22:18 【ちとせ】「あ、あの…えっと…。…ごめん、なさい1人で…。」1人で喫茶店。それはやはり年頃には恥ずかしくないものではなく…若干うつむき気味に 「…ひとり…です。」もう一度小さく言った。 22:20 【環】「ハい、一名さまデスね? でしたらコチらのカウンターへどうぞー」 微妙にギクシャクしながらちとせを席に誘導するウェイトレス 22:22 【ちとせ】「そ、その…ウェイトレスさん…っ!あんまりひとりって…。」軽く視線上げて周りの視線を伺い… 「…ぁぅ。」また俯き、ちょこちょこと足を動かして後に続いて 22:25 【環】「……(ばれて……ない?)少々、お待ちください。ただいまメニューをお持ちします」 ちとせが椅子に腰掛けたのを見計らって、一週間くらい前から叩き込まれたマニュアルどおりに対応する。 22:29 【ちとせ】「あ、あの…このクラス凄い、ですね…皆、綺麗な人ばっかりで…」俯いて、応対してくれる環に答え 綺麗じゃないものは視界の外に出すことにしたらしい。人間の防衛本能って凄い。 22:30 【環】「いえ、そんなこと無いですよ。ただ、みんなノリがいいもので、勢いに任せているだけです」 内心ヒヤヒヤしながら応対中 22:35 【ちとせ】「このクラス、友達がいるんだけど…いないのかな…。」そっと目線を上げて少しだけ見渡し… 「きっと彼もいい人だから、ノリがいい…のかな。あ、でも嫌がるかも…?」(想像してみる、想像に失敗した。手を振って想像を追い払ってみる) 22:35 【ちとせ】「だって、かっこいい格好がしたいって言ってたもん…嫌がりそうだよね、やっぱり。」(うん、自分で納得して頷く。 22:36 【環】「そうなんですか? あ、はい、こちらがメニューとなっております」 そう言って左手でメニューを差し出す。と、そこにはちとせに見覚えのある羽をかたどったアクセサリーが 22:39 【ちとせ】「…環…君?」ふと、顔を上げて…ウェイトレスさんを見つめ… 「…え…や…やぁあああああっ?!!」その意外性に、人前であることを忘れ、叫んでしまう少女一名 22:40 【環】「……!?」 げ、しまった!? という顔をするがその後でいきなり叫びを上げられて驚く。とっさに委員長へ視線でヘルプを頼み、そそくさとバックヤードへ 22:41 【委員長】「お客様、どうされました?」 22:42 【ちとせ】「や、え…な、なんでもないです!なんでも!」うんうんと何度も頷き、顔の前で手をわたわたと振り…深呼吸一つ。落ち着いた。席に座りなおす 22:43 【委員長】「……ひょっとして、星野君の“お友達”ですかー?」 にやーりとチェシャ猫のような笑みを浮かべ質問をする委員長 22:45 【ちとせ】「え、ぁ…はい…。環君はいいお友達です。(ふわり、相手は女の子だ。微笑んで答え…)」それでも、居心地悪そうにもじもじとしつつ…「あ、あの注文…ですけど。」 22:46 【委員長】「はいはいどうぞー。」 そう言って伝票を取り出し。「しかし、折角きてくれた子をほっといて行っちゃうなんて、星野君薄情者ですねー。晴れ姿を見せてあげればいいのに」 22:49 【ちとせ】「このお店の、飲み物…お勧めってなんですか…?」軽く首をかしげ…店内に伏せがちに視線をもう一度やり  「あ、食べ物は…モンブラン一つ。」 22:50 【ちとせ】「あ、良いんです…。彼、あんまり見られたくないみたいだし…。可愛いより…かっこいい方が好き、みたいだから…」委員長に答え 22:51 【委員長】「オススメですか? でしたらこちらのカフェオ・レはいかがですか? 甘さ控えめで、お菓子にもよく合いますよ」 22:54 【ちとせ】「…はい、じゃあカフェオ・レ…お願いします。」 「だから、その…別に環君呼ばなくても…良いですよ。」(軽く頷いて 22:55 【委員長】「はいはーい。それでは少々お待ちくださーい」 そう言って軽やかに去って行った後、バックヤードのほうで何やら騒がしい音がする 22:57 【???】「だ…ら……せっ…くガー…フレ…ドがき……だから! いっ…き……さい!」 22:57 【???】「そ……じゃ…い! ちょっ……お……な!?」 22:59 しばらくした後に、お盆にちとせが注文したものをのせたウェイトレスがしずしずとちとせのテーブルへやってくる 22:59 【環】「……おまたせいたしました」 22:59 【ちとせ】「…ごめんなさい…。」あやまってしまった。 23:01 【環】「気にするな」 素の口調に戻って答えた後、ゆっくりとした所作でケーキとティーカップをテーブルへ並べる 23:04 【ちとせ】「う、うん…(頷き…)あ。裏で…何か騒いでたみたいですけど…なにかあったんですか?」話す事に困り…聞いてみた 23:05 【環】「委員長が『折角ガールフレンドが来たんだから、丁寧に接客して来い。お帰りになるまでお前も戻ってくるな』……だそうだ」 23:06 バックヤードの入り口から、委員長がにんまりした笑顔をちとせに送る。ついでにサムズアップも。 23:08 【ちとせ】「(ぶんぶんぶん!大きく首をバックヤードへ振る)」 「…が、ガールフレンド…って。ごめんなさい…そんなこといわれて、迷惑掛けて…。どうしよう、この話題ではいけない、そう思った。「あ、で、でも!付けててくれてたんだ、それ。(環の腕にの羽飾りに視線をやり)」ずず…カフェオ・レに口をつけ 23:10 【環】「(左腕に視線を向け)……ああ、お守りだからな。戦闘とか壊れる可能性があるときは鎖で首にかけることにしているが、それ以外のときはつけてるな」 とあっさり肌身離さず持ち歩いていることを伝える 23:15 【ちとせ】「そっか…。なんか嬉しいな…。」(軽く目を細めてその飾りを見やり…)「でも、ほんと無理しなくていいんだよ…その、格好好きじゃないでしょ…。」はむ、モンブラン食べてみた。甘い…おいし…。 23:19 【環】「ああ、好きじゃないんだけど……」 視線を他のクラスの連中へ向けると、特に女子がすごいいいい笑顔でこっちを見つめてる。当然、その中心で一際輝く笑顔を見せ付けるのはかの委員長その人だったり。「……着るのを拒否したら、これ以上に恥ずかしい格好をさせると脅されたうえに、女子総出で無理やり着替えさせられた」 すっごくこわかったと言外に訴える。半分涙目になってるその表情は、どう見ても暴漢を恐れる少女のそれだった 23:23 【ちとせ】「…そんなの、言ってくれたら…知ってたらわざわざ来なかったのに。見られたくなかった…でしょ?…相談してもらってても私がどうにかできた、って事はなさそうだけど…ね。」俯き気味で、こういうときに限って周りの視線に気づかない。 「…でも、ほんとに嫌ならそんな表情しない…ね?かっこよく…銀河さん?憧れてるなら…どんな時も堂々としてなくちゃ…。私が、まだできてないけど…。」その通り、人に言う前にまず自分だ 23:27 【環】「……確かに、その通りだ」 やっぱり中身は男の子、くしゃと豪快な感じで髪をかきあげ、決意したような視線を向ける。「引き受けたからには、堂々とこなさないとな。……ちょっと元気でた。ありがと」 そういってはにかむように笑う 23:32 【ちとせ】「はい…だから、さっきみたいな顔してたら…もっと面白がられるだけです。」軽く指を立てて諭すように。舞台に立って、少し気が強くなっているのか、いつもよりもやや堂々として見えて もう一口、カップに口をつけ…「…どうせなら、いっぱい元気出してください。」ふわりと微笑む 23:33 【環】「ああ、そうする。ところで……」 さっきから気になっていたことをぶつける。「その格好、舞台衣装だろ? 何で着替えないんだ?」 23:34 【ちとせ】「午前と午後、1回ずつ…後、明日も公演があるから…その、宣伝も兼ねて…らしいです。」今までの元気はどこへやら、思い出したように恥ずかしく後半は消えるような声で 23:36 【環】「そっか、なら……」 自分の予定と照らし合わせて 「今日は無理だけど、明日の午後、見に行ってもいいか?」 23:38 【ちとせ】「良い、ですけど…恥ずかしいし…その、ぇっと…そんな…。…私、死にますよ?!」 死ぬ役です。 23:40 【環】「だとしても、しっかり役をもらって舞台に立ってるんだろう? じゃあ、折角だから見に行きたいよ。 ……だめか?」 ちょっと残念そうな顔でちとせの顔を覗き込む 23:43 【ちとせ】「…そんなこと言われたら…その、ぜひ…って言わなくちゃいけなくなるじゃないですか…。ずるいですよ。」微笑む、それを答えに…   23:43 【レーミィ】「(月衣に姿を隠したままのそれは、環の耳元でささやく)後、そういうお願いはダメね!男なら、男らしく見られたいならそういう時はお願い、じゃなくて強引にいくものよ!」 23:45 【環】「む、確かにそうかも」 と納得しかけた後で、「……(声を潜めて)何出てきてるんだばか妖精ー!?」 23:48 【ちとせ】「…良いですよ。でも、その…あんまり見ないで下さい…。だって…ぇっと…はじめてで、きっと全然っ。」(今日午前中を思い出してみる、結構素が出てた。かなり出てた。あれじゃあまだダメだ。お客さんの視線を意識しすぎてる)  …台詞だけ見るとえろいよね      23:50 【レーミィ】「ちゃーんとかくれてるっての、ばっかねぇ。そんなおどおどおどおどしてるからそんなかっこうさせられるのよ。」(腕を組み、やたら偉そうなのはもはや自然 23:53 【環】「(ちとせに笑顔で)……ん、なら楽しみにしてる」 そして自分の耳元にいるばか妖精に「おどおどしてるわけじゃない。というかうちのクラスの女子どものバイタリティがすご過ぎるだけだ」 せめて人狼の力が使えれば、いいようにはされないんだけどなぁとため息をつく 23:56 【レーミィ】「ほほぉ〜さっきの表情しててもおどおどしてないとー。ほほ〜ぅ。」(にやにやと笑う。   【ちとせ】「…あんまり楽しみにされると…ぷ、ぷぷ…ぷれっしゃあが…」 23:58 【環】「う、うるさいぞばか妖精」 そういったあとでちとせをみて「……(静かな声で)ちとせ」とあの時と同じく名前で呼んで「気にするな、練習と同じでいい。お前ならできる」 00:01 【ちとせ】「…はい。環君が堂々としてるように…頑張ってみます。」微笑んで…もう一度口を開き「その、ありがとう…名前。ぇっと…無理してない?」  【レーミィ】|3・) 00:03 【環】「ん? 何がって……そっか、名前」 自分の口から自然と出たちとせの名前。そのことに気が付いて、急に恥ずかしくなって「無理はしてないが……その……なんだ、なんかそっちのほうが自然に出てきたというか……」 しどろもどろに弁解する 00:06 【ちとせ】「私は…その、名前で呼ばれる方が好きだから…謝られることじゃないです。…自然なら、それは嬉しいな。」ふわっと微笑んで…  【レーミィ】「|・皿・)〜〜〜」(残ってるモンブランに手を伸ばしひとのみに)  00:08 【環】「そ、そうか……」 そう言って沈黙する 00:11 【ちとせ】「…環君…?(少し首を傾げ…)どうか、した?」黙った環に問いを投げかけ…テーブルに目を戻して、ナプキンで隠れたままのレーミィの口を拭い  【レーミィ】「・〜・)余は満足じゃ〜」 00:14 【環】「いや、なんでもない」 ……なんとなくちとせと視線をあわせられないままテーブルをみると、そこには残りを平らげたばか妖精「(声量は絞ってるけど怒鳴りつけるような感じで)ばか妖精! おまえちとせの分全部食ったのか!?」 00:17 【ちとせ】「そう…?何かあったら私なんかで良いなら…、できるなら相談位…。あ、いいよ環君、私も食べてたし…」  【レーミィ】「ぜんぶたべた!みてのとおり!」(反省の色なし!) 00:21 【環】「……ちとせはこのばか妖精に甘すぎるぞ」 でも本人がいいといってるのであまり強くは言わない 「ああ、また相談をお願いするかもしれない。その時はよろしく頼む」  00:24 【ちとせ】「だってほら…。前のデパートの時とか家おいてっちゃったし。一緒にいられる時位はいいかな…って。(軽く照れ笑いも浮かべ…)…あんまり、期待はしないでね…。私で力になれることなんてそんなには…。あ、でも前のは環君が喜んでくれたなら、私的には大成功…なのかな…」(声に少し喜びが混じり…)「うん、成功。」俯きながらも、その表情は柔らかく 00:27 【環】「……そうか」 ちょっとその笑顔をまっすぐ見れなくて視線を逸らす。くすぐったいような、照れくさいような、そんな感じがして。でも、不思議とこの時間は嫌いじゃないような気がした 00:29 とそこへ 【委員長】「はーい、ご歓談の最中すみませんが、もうすぐお昼でかき入れ時ですよー。いつまでサボってるのかなー『看板娘』くん?」 と委員長から声がかかる 00:31 【ちとせ】「あ…いえ。長い時間お邪魔して…。」ぱっと席を立ち、その場で頭を下げて  「…(ふわっと微笑んで…)すごく…美味しかったです。」伝票を手にとって 00:33 【環】「ったく、自分で相手しろって言ったのに……」 少しだけ不満そうな感じで立ち上がり、「お会計はこちらです、お客様」 先ほどまでとはうってかわったやわらかい口調で言い、レジまで先導する 00:34 【ちとせ】「はい、環君。」こちらも、来たときより肩の力が抜けた様子で 「…うん、午後と明日…がんばれそう。」ぐっと胸の前で手を握り… 「…そうだ…。」バックヤードの方にぺこり、深くお辞儀。 00:36 【委員長】「……♪」 バックヤードの入り口から顔を出してる委員長がかるいウィンクを送る 00:37 【環】「じゃあ、ちとせ。今日は見に行けないが、明日は必ず行く。だから……今日はお互いがんばろう」 00:38 お客を取り合うと言う意味ではここから先はライバル同士。負けないぞという不敵な光を眼に宿し、環はちとせにエールを送る 00:39 【ちとせ】「…はい。きっと、他の人たちも来て、からかわれたりもすると思うけど…その堂々…、ね!」小さなガッツポーズをつくり… 「…うん、がんばろ。私も…。」 00:42 【環】「ありがとうございましたー」 店員としての挨拶の後に「じゃあ、また明日」 個人の挨拶を交え、ちとせを送り出す 00:42 【ちとせ】「うん、また明日。」それだけを言い、離れ… 00:45 ちとせが立ち去った後で、委員長が環に声をかける 00:46 【委員長】「たかだか数十分話しただけで、今朝とは見違えるくらいになったね。これも愛の力かな〜?」 00:46 【環】「な!?」 00:48 みると周りのクラスメイトたちもウンウンうなずくは、ニヤニヤ笑ってるは、しまいにゃそこらにあるボール紙を丸めてマイクのようにし、芸能リポーターのごとく突撃してきそうな女子までいる。 00:49 【環】「バカなこと言ってないで、さっさと仕事するぞ! これから忙しくなるんだろ!」 00:49 そういってバックヤードに戻り、一度身だしなみを整える 00:50 多分に顔が赤くなっていたのだが、クラスメイトたちはあえてそこには突っ込まずめいめいの準備をする 00:51 【委員長】「さて、うちの看板娘もやる気になったようだし、あんた達」 00:51 委員長が先陣を切って号令をかける 00:52 【委員長】「目指すは学年1! うちのクラスがただのネタ系喫茶じゃないことを証明するよ!」 00:53 そしてその直後にお客が来店する 00:54 環と委員長を筆頭に並び立ち、いっせいに頭を下げる 00:55 「「ようこそ、ファルシカル・カフェへ!!」」 00:56 激戦の時(昼食時)のはじまりであった 00:56   00:56   00:56