エロマンガ島よる数百キロの洋上。一つの巨体が太陽を遮って、飛翔を続ける。   最近同島のPMC・フォックスハウンドに入隊した七人の駆る機動戦艦“ブラックベリー”。   丁度戦闘任務を終え、拠点へと帰還する最中である。 【エリカ】「これで何もなく帰還出来ればいいんだけど、ねぇ……」   そのBBのレーダーに、UNKNOWN反応が出る   単独で1機 【ジネット】「んー?艦長、機体反応有り。サイズからすると戦艦ではないですね」レーダー長、ジネットが目を付け……。 【アマーリエ】「解析・照合作業開始します!」オペレータ、アマーリエが分析作業に掛かる。  反応はパーソナルトルーパー   熱源から、ブラックホールエンジンを搭載している…? 【ブランシュ・クリスティーナ】「PTですね〜……」「この高熱源反応は、唯の核融合エンジンじゃないです……BHエンジン?」と、オペレータ達が悩む中で。 【??】「ザザッ」 通信波がはいる 【ツィスカ】「着信有り……当方はFH所属艦“ブラックベリー”。其方の身分を問う」と、通信を併せる副艦長。 【エリカ】「あー。後、そっちへ向かってる目的もね?返答次第ではぶっ放すけどさ」と、軽く脅す艦長。 【??】「あー、こちら、PCMフォックスハウンドへ出向中、鴇宮 響一」 【響一】「撃たないで欲しいな〜!」 【エリカ】「出向中ー?んじゃ要塞で確認するから、こっち」 【響一】「あー了解、こちらからも着艦許可を願う」 【エリカ】「出向中ー?んじゃ要塞で確認するから、こっちへ着艦してくれる?」(訂正) 【響一】「えー…ついでと言っては何ですが…」 【ブランシュ・ツィスカ】「第六カタパルトと展開しました〜、ガイドビーコンに従って進入・減速して下さい〜」「……何?」 【響一】「…飯を…」  ぎゅーんと減速、ビーコンに載る 【ジネット・エリカ】「やれやれ……ちょっと厨房でおむすびでも作ってきますかね」「あー、お願い。この調子だとフロも必要っぽいし、居住区の方に通しとこうかな……」  というわけで、着艦した響一さんは武装解除とボディチェックを経て、シャワーと山程のおむすびにありつけます。 【響一】「ありがとー… いや、ほんと、すみませんですよ…」  元々、イスルギ重工でPTの剣戟モーションを担当していたスタッフという肩書き 【エリカ】「エンジニア、というよりはモーションアクターの方かな?にしても何で飢えてるのさ、ウチに出向してるなら結構福利厚生はしっかりしてるのに」金さえ有れば、と言うのは敢えて言わずに(笑 【響一】「いやぁ、それが…」  ヒュッケバインのバックパック部分に損傷がある 【ツィスカ】「……お茶」と、湯飲みを差し出しつつ「それが……?」 【響一】「いや、ちょっと、所属不明機とニアミスして…」 【ドロテア】「武装解除とチェック完了しましたっ!何か派手にバックパックやってるけど……ニアミスっ!?」 【響一】「撃墜はしたんだけど、大気圏突入のドサクサで確認も取れず…」 【エリカ】「で、地上に降りてきて……それからどうしたのよ?」あちゃー、と理由に思い至った様に肯くドロテア。興味深げにおむすびを食べつつ聞くエリカ。コート以外はとても艦長に見えない、白服の女性。 【響一】「大気圏突入位置はずれるわ」 【響一】「バランサーがイカレタ所為で気は抜けないまま飛ばざるをえなかったわ」 【響一】「よりによって海しかなかったわですじょよ?」 【響一】「今の今まで飛んで来たのを、誉めていただきたい」 【響一】「むぎゅ…うん。まぁまぁだな」おにぎりパクパク 「あ、お茶ありがとう」じゅるる 【ドロテア・ツィスカ】「うん、飛んでるのが不思議な位だったよ。あれ」と追認して「……それも、本島要塞の人に任せるほか無い。この艦にいるのは、私達七人だけだから」 【響一】「はい?」 【響一】「またまたご冗談を、こんな規模の舟を…」  じーっと、7人のクルーを眺める 【エリカ】「失敬ね!冗談でも何でもなく、七人で動かしてるのよ?」えへん、と腕を組み胸を張る。 【オペレーターズ】「オペレータのアマーリエです!」「ブランシュですぅ〜」「同じく、クリスティーナです」 【響一】「……ほんと?」 【響一】「…あー、あの、良ければ」 【響一】「舟を見学させてもらって?」 【砲撃手・レーダー長】「で、砲撃手のドロテアに」「レーダー長のジネットですよ……ん?何かな?」 【エリカ・ツィスカ】「見学ねー……あんまり面白くないかもよ?」「ちなみにこっちは艦長のエリカ、私は副艦長のフランツィスカ」と言って、エリカが案内に先導します。 【響一】「いや、一応開発に携わったものとして」 【響一】「こう言ったオートメーション化されてたりするの、興味あるんだ」 【エリカ】「じゃあ、来て?ごちゃごちゃしてるけどねー?」と言って案内したブリッジは……流線型のドームに覆われた近未来的な部屋で、3・1・2・1 という配置で椅子が並んでいます。 【響一】「おー」  途中の経路は、増設した火砲とかゴーストブースター型の攻撃端末とかの格納ポッドとかでごちゃごちゃでした(笑 【響一】「懐かしいなー、こう言う雰囲気」(とちゅうw 【響一】「ん、この数字は?」  とか、色々興味を持って質問しつつ 【響一】「いい船だね」 【エリカ】「これは……あー、オーバードライブ用の緊急コード。調整中だから使ってないけど」とか思い出しつつ、結構楽しげに。 【エリカ】「そうでしょ?何せこれは移民船団が誇るマクロス二十五番艦!……の機構評価試験機がベースなのよ」ふふん。 【響一】「……あ、もしかしてクォータータイプ?」 【エリカ】「そそ。でもサイズは極力小さくして作ってあるのよ。機構試験さえ出来ればいいんだから。御陰で、居住区まで合わせても500m位だけどね」ふふ、と金髪を撫でながら。 【エリカ】「……後はまぁ、色々改造した所為で外見はかなり別物だけど。それでも、七人にとっては大事な船よ」 【響一】「なるほど…エリカ艦長はこの船が好きなんだな」 【エリカ】「移民船団にいたしねー。否定はしないわよ!」ふふ、と不敵に笑った所で…… 【ツィスカ】「そろそろオート航法で、要塞が近付いてきた。マニュアルに戻さないといけない」と、他の六名が戻ってきます。 【響一】「おっと…」 【響一】「ありがとう、みんな。 有意義な時間でした」 【エリカ】「じゃ、総員配置にー。響一君はそこに立ってると危ないわね……いえいえ♪」とひらひら手を振りつつ、近くにある補助席を示し 【響一】「了解、艦長」  こうして、一人のパイロットと…機体が 【七人】「ブースター出力、安全範囲下限へ」「安全範囲内です、減速開始します!」「本島要塞とのリンク開始します〜」「航法システム、異常なし」「火器システム、オールロック開始しますよっ!」「レーダーに異常なし、このまま帰投して大丈夫そうですね」「目標、エロマンガ島!帰るわよー!」『イェッサー!』  狐の巣へと、帰っていく……。