21:22 (rouge) 「…………ッ!」 21:22 (rouge)   21:22 (rouge) 澄んだ空気を、一陣の風が奔りぬける。 21:22 (rouge) 一瞬のあと、訓練用の藁が二つに割れ、上部のそれが滑り落ちる。 21:22 (rouge)   21:22 (rouge) ……自らで自らを振るい、刀を納める。 21:22 (rouge) …くらり、と、めまいを感じる。 夜の訓練場を、ぐるりと見回す。 深夜のそこは、酷く広く感じられた。 21:22 (rouge) 「…流石に、エクスのようには行きませんか。」 21:22 (rouge)   21:22 (rouge) 意識化した自らで自らを振るうのは、非常に莫大な力を消費する。 21:22 (rouge) 魔器マサムネを鞘に戻しながら、ミヤビは息を吐いた。…しかし、戦い。 その時は、近いのかもしれない。 21:22 (rouge) (こんなかんじで? 21:27 (torazou) あれから夜一人ぼんやりするのは日課である 21:29 (torazou) 中庭でそうやって過ごしていると……今日は何時もと違い僅かに刃を振るう音が何処からか聞えて来て 21:30 (torazou) 誰かと、沸いた興味のまま足を運べば見知らぬ女性の姿を見て取り 21:32 (torazou) 【アズマ】「……あの今晩は……初めて見る人だと思うんですけど……?」誰だろうと気になって声を掛け 21:33 (torazou) (と言う事で 21:35 (rouge) 【ミヤビ】「………驚きました。 こんな時間に誰かが訪ねてくるとは思いませんでしたから。」 口とは裏腹に、欠片も驚いていないような表情でアズマを。 「そうですね、あまり人前に姿を現すことはありませんから。 見たことのない方のほうが多いでしょうね。」 21:38 (torazou) 【アズマ】「……ッ!……ええと…というとは外部の協力者の方とかですか?」ミヤビの言葉に僅かにジニーとギルドであった時の言葉を思い出して一瞬止まってから尋ね 21:41 (rouge) 【ミヤビ】「外部の協力者。 …協力者、というにはまだ早いかもしれませんが。 少なくとも、敵となるつもりはありません。」 協力…していくか。 していかなければならないのは、分かっているが。 それでも…それは、まだだ。 21:45 (torazou) 【アズマ】「……ええと?……何か手伝うのに嫌なことでも有ったんですか?」歯切れの悪い言葉に軽く首を捻ってから尋ね 21:49 (rouge) 【ミヤビ】「いえ、此れといってとくには。 ただ、そうですね。 ……唯のこだわり、言ってみれば、そのようなものなのでしょうね。」 手にした刀、その鞘を撫でるように愛でながら。 21:53 (torazou) 【アズマ】「拘りですか……?ええと…剣士なんですよね?」益々解らずに首を捻って「だったらやっぱり剣を取る理由とかですか?」 21:58 (rouge) 【ミヤビ】「………剣を取る理由。 それは、いつの時代でも変わらないものですよ。 それだけは、何時でも変わらないものです。」 自分自身の心に問いかける、剣の理由。 返ってくる答えはひとつしかなかった。 「そうですね、分かりやすく例えるなら…。 あなたにとって、スリーエースがなくなってしまった後、気軽に次のギルドを探せるか。 そういう、問題ですよ。」 22:05 (torazou) 【アズマ】「そうですか……スリーエースがですか?」無くなる事…考えたとは無かったがそれは困る……友達も居るし……何より今はもう一度会うための手段でも有るだから「……それは困ります。……そう言うの経験が無い訳じゃないですけど……」だからこそ真剣に困ったような顔で答え 22:12 (rouge) 【ミヤビ】「ええ、捨てられない思い出と記憶。」 今でも、シルエラのことは手に取るように思い出すことが出来る。 しかし、新たな契約を得るということは、その比重が、変わってしまうこと。 「…頭ではどうするのが正しいかなど、分かってはいるのですがね。」 22:16 (torazou) 【アズマ】「それはそうですよ……、簡単に捨てれるなら悩んだり出来ませんし……今の自分が嘘になっちゃいますから」自分の世界での事、この世界での事その色々な事が頭をよぎりって「……正しいことが出来ないぐらい大事な事…なんですね?」その拘りと言う名前の思い出と記憶がと尋ねて 22:21 (rouge) 【ミヤビ】「そのこだわりを捨てない限りは、新たな記憶を作ることは出来ない。 ……分かってはいますが、中々寂しいものですね。」 アズマの問いに答えるものではないのかもしれないが、彼に向けて一歩進み。 22:26 (torazou) 【アズマ】「……捨てなきゃ駄目なんですか?」記憶や思いは自分を創るものそれを捨ててまでやらなければなら無いことなのだろうかと考え「……捨ててもきっと目が眩むだけだと思いますよ……世界がどれだけ広かったかって思い知らされて」 22:30 (rouge) 【ミヤビ】「捨てる、とは言い方が多少汚いですが。 ですが、似たようなものですか。 ……新しく人と交われば、その分、記憶は生まれる。 感情が生まれる。 捨てる、とは思わなくとも…薄れていく。」 22:32 (torazou) 【アズマ】「明りみたいなものですね……それって……暗いところではその手元の光がとても大切なのに、明るい場所に行ったら他の光りで目立たなくなって……でもその明りは消えた訳じゃないと思いますよ」 22:38 (rouge) 【ミヤビ】「……私は、記憶の劣化に対する耐性があります。 というより、忘れることがないといっても良い。 それでも、使い手が変われば、意識は変わる。 それが、怖かった。 家、それも、怖かった、のでしょうね。」 22:43 (torazou) 【アズマ】「……忘れる事が無い……悲しい事も楽しいことも苦しい事も全部?」何も忘れられない事が如何言う事かは理解できないがその様子を見て悲しい事なんだろうと思う「その大事な思いでは……どうして欲しいって思うんでしょうね?」 22:49 (rouge) 【ミヤビ】「………彼女は、人のために何かをするのが、とても好きだった。 誰かのために、命をかけられた。 …そんな彼女ですから。 私にもそうあって欲しい、総、願うんでしょうね。 …結局、踏み切れないのは、私の感傷ですよ。」 22:55 (torazou) 【アズマ】「……立ち止まるのも進むのも、それが大事だからなら……その思い出は黄金なんですね……そしてその思い出は何時までも胸にある……でもだからこそ踏み切れない、良いんじゃないですか踏み切れなくても人間なんだからそれは当然ですよ」 23:00 (rouge) 【ミヤビ】「…いいえ。 人間ならば、その感傷は受け入れ、消化していくものなのでしょう。 けれど。」 そこで、言葉を斬り。 手元の刀に視線を落とす。 「ですが、それが、武器であったら? 世界を守るための武器であったら? …今もその武器を必要としているのに、使えない武器があったら? …酷い話です。 矛盾している。」 自嘲する様に、刀を眺める。 23:08 (torazou) 【アズマ】「……でも武器が悩んだりしますか?誰かを無くして一人が辛いなら、やっぱりそれは人ですよ……。僕も自分の手で今まで敵を倒してきましたけど……」模造神性に包まれた拳は凶器以外の何者でも無いけれどと自分の手を見て「……例えばこの腕が、その刀で切り落とされたとしても……切り落とされた腕は僕なんです武器じゃありません」 23:12 (rouge) 【ミヤビ】「あなたが優しい人間であるということは分かりました。 でも、そういう意味ではないのですよ。」 静かに、アズマの手をとって。 「…魔器オートクレールやアガートラーム、エクスカリバー。 クレイルやアムリア、エクスの姿を見たことは、ありませんか?」 23:21 (torazou) 【アズマ】「……見たことは有りますし話をしたことも有りますよ?」だからこそ…世界を守る武器…その言葉で目の前の相手の素性を察し「だからこそです……武器なんていう必要は無いと思います、名前が有って誰かにそう呼ばれるなら貴女はその誰かに必要な“貴女”なんですよ」 23:30 (rouge) 【ミヤビ】「あなたは、アムリアと似た考え方を持つのですね。 私たちに、人でもあるように願う。」 アズマに背を向けて、ゆるゆると訓練場の中を、歩き回るように。 「…私は、世界を愛し、守る誰かの剣になるために。 変わったはずでした。 …それが今となってこんな風に囚われる。 難しいものですね」 23:38 (torazou) 【アズマ】「……変わろうとしても中々変われるものじゃないと思いますよ?……僕なんか代わりたい自分に変われるかなんて解りませんから」努力はしてるんですけどねと力無く笑って「それに……本当に変わってしまうのなら……その胸に有る黄金は残りませんよ」 23:43 (rouge) 【ミヤビ】「……私の中で彼女がどうなっていくか。 それは、分かりません。 けれど……決めてはいるんです。 戦うべきときはきた、と。」 アズマのほうを振り返り、鋭い視線を向ける。 気迫に満ちたそれを。 23:46 (torazou) 【アズマ】「なんだ……もう答えは出てるんじゃないですか……だったら大丈夫ですよ」安心したように少し笑ってから 23:48 (rouge) 【ミヤビ】「ええ。 ……もともと、そういう意図でこの場所にいたんですよ。 少しでも、戦いの気配を思い出すために。」 23:50 (torazou) 【アズマ】「それじゃあ……月並みな言葉ですけど頑張って下さい……自分の気持ちを裏切らないように」自分も、つい先日言われた言葉を大事そうに口に出し 23:53 (rouge) 【ミヤビ】「…ええ。 何れ、あなたと同じ戦場に立つこともあるかもしれません。 私はミヤビ。 …魔器マサムネ。 あなたの名前は。」 アズマの言葉に頷いて。 23:55 (torazou) 【アズマ】「ミヤビさん……えっと、シノノメ、シノノメアズマです」跳ねるように名前を答えて 23:59 (rouge) 【ミヤビ】「シノノメ=アズマ。 …ええ、覚えました。 それではまた、日常…あるいは、戦場で、お会いしましょう。」 そうして彼女は、魔器マサムネを携え、訓練場を後にする。 00:04 (torazou) 【アズマ】「あっはい……それじゃあミヤビさんもお元気で……」その背を見送ってから「……人の心配してる場合じゃないのに、何やってるんだろうな僕」性分なのだろうかと考えてから……自分がそうされたからだと思い直す、そうされたのがとても嬉しかったから 00:09 (torazou) だから自分もその気持ちを忘れないようにしようと…… 00:09 (torazou)   00:09 (torazou)   00:09 (torazou)   00:09 (torazou)