(torazou)   (torazou)   (torazou)   (torazou)   (torazou) 訓練室は無人…… (torazou) そこにて一人で剣を振る……姫様に言われた「フィンジアス最高の騎士」せめてその言葉を形なりとも果たす為 (torazou) 振るわれる業は見た目に似合わぬ円熟の域に達した剣の動き、だが其処には翳りが確かに存在し (torazou) 魔器……その存在と成り立ちで知った、迷い、後悔、自責、そして……動かぬ決意を出来る者に向ける羨望と言ったものが宿る (torazou) そしてその翳りが…打ち付けた勢いを殺せずに剣を手元から弾き飛ばす…… (torazou) 【ユーティ】「……ッ!」弾けた剣と自分の手元を見比べては沈み込み (torazou) (こんな感じで (Fake)   (Fake) たまには訓練をしっかりするか、と思って訓練場への道を歩く。またミヤビにどやされるのもなんだな、と考えて。 (Fake) 歩きながら、聞こえる音は剣戟の音。誰かが居るのか、とそんな事をぼんやりと思いつつ訓練室の入口へ。 (Fake) 扉を開けると、傍の地面に一本の剣が突き刺さる。中にいた少女とそれをと見比べたのち…剣を引き抜いて (Fake) 【アレン】「ほらよ、力入れすぎてすっぽ抜けたか?」と、声をかけながら近づく (torazou) 【ユーティ】「……あっ……」振り返ると失敗を見られた子供の様にバツが悪そうに引き抜かれた剣と相手を見て「……考え事……してたから……」こくりと頷きながら答え (Fake) 【アレン】「考え事、ねぇ……病魔のことか、魔器のことか…アルハ自身のことか。それとも、それ以外のことか」ほれ、と持っていた飲み物を手渡してみる。疲れてるだろ? と尋ねつつ (torazou) 【ユーティ】「……どうして……解るの?」何故全て言い当てたのだろうと不思議に思う心と、此処に居るからには当然考える事に差がないのだろうかと思う心がそう聞き返して「……ありがとう」短く礼を言うと飲み物を素直に受け取り (Fake) 【アレン】「そうだな、何か思い悩んだような顔。ここで今悩みそうなことと言えば、俺に思いつくのはその程度――まぁ、ある奴から話は聴いていたからな。だからってわけだ」隠すならもうちょっと上手くやれよ、といいつつも。訓練をしに来たはずなのだが、何故かこの少女と話をしてみるかと言う気になっていた。 (torazou) 【ユーティ】「……成る程……隠してる事になるのかな……これは」元々感情が殆ど揺れないだけで隠すことなど出来ないのだ…ならその指摘は正しいのだろう「……話を聞いたの?……魔器の事?」 (Fake) 【アレン】「まぁ、全部聞いたわけじゃないさ。ちょっとだけ、な――隠してるようには、俺には見えなかったな。これでも元傭兵で、人の感情を読むのには慣れてるんでね?」話を聞いた、と言うところにはこくりと頷き返し。隠すつもりもないのだろう、あっさりと答え。「迷ってるんだろ、何かに?」と、少女に向って問いかける (torazou) 【ユーティ】「……そう……私は……」迷っている、後悔している、どうなのだろう?どうなんだろう?自分でも良く解らないただ解るのは「……予感がしたの……だけどその時なにも言えなかった……そんな自分が嫌いなんだと思う……」何がかは言わずに (Fake) 【アレン】「魔器が2つ完成した。その結果…アルハの傍から2人居なくなったな。そのあたりはよく見てりゃあわかるんだ――それで、それがまだ続くかどうか…そのあたりだろう?」煙草を取り出し、火をつけようとして…流石にまずいか、と思ってしまう。 (torazou) 【ユーティ】「……続くと思う……アルハ=ラズ=エリンディルには……それが必要だと思えばするだけの強さが有る……そこに迷いがあるのかどうかは……解らないけど……」少なくとも意思は尊重するのだろうが…いまだ良く解らぬ抗いの庭の統率者の事を考えて「……アレン=ゾーンハルト……貴方は……貴方には魔器は必要?」しゃがんで地面を見るとそう尋ね (Fake) 【アレン】「そうだな――アルハならやるだろう。勝つため、生き残るためにはそれが必要ならな」あっさりと、それを言ってのける。そして、自分の意見はといわれ…「必要とされるなら、迷わず使うさ。俺たちは、生き残らなきゃいけないんだぜ? 使い惜しんで全滅しました、じゃ話になんてならんさ」 (torazou) 【ユーティ】「……そう……生きて行かなければならない……ここに居る人はそういう人ばかり……」フィンジアスを語り継ぎなさい、決意が無くては出ないであろうその言葉を思い出して「……だけど……それは誰かを進んで犠牲にする行為で……それを結果が出るまで黙っていた私は……」ぎゅっと自分の膝を抱え (Fake) 【アレン】「ここには優しい奴が多いな――戦いにはむかねぇ奴が」座り込んだユーティの前に腰を下ろして、話しかける。ぽん、と頭に手を当てて…「結果が出るまで、どうなるかなんて誰にもわかりゃしないさ。それを悔いてても始まらんぜ? なら、次の犠牲が出ないように全力を尽くす、程度だろうな。出来ることは」軽く撫でながら、言葉を続ける「…でもな、犠牲は――ゼロで済ませられるような、綺麗なもんじゃない。これは、生き残るための戦争だ。意地汚くても、何が (Fake) あっても生きなきゃならねぇってことでもあるんだ」 (torazou) 【ユーティ】「……アレン=ゾーンハルト……貴方の言葉は正しい……」理性がそれを肯定する、病魔…その特性ゆえに通じぬ攻撃それが通じるのではあれば、それは生きる希望として必要なのだと「……だけどそれが……次は自分が護ろうとしたもの……護るべきものであった場合……私は如何したら良かったの?……最初は何も言わなかったのに」アレンを見上げて自問するように言葉を紡ぎ「……言葉は受け入れられなかった……でも逆に与えられた言葉で……自分だけ護ろ (torazou) うとして……」無論、その時が来ぬことを祈る気持ちに偽りはないのだけど (Fake) 【アレン】「……仕方ない、と思い込むな。だが、犠牲を0にしようなんて思うな。だが――悩んだ末に一番良い答えが出ることだってある」ぽんぽん、と頭を撫でながら言葉を続ける「だけどな、その悩みに引きずられて…やれることが出来なくなったら、終わりだぞ。それこそ本当にな」そこで言葉を切って、軽い調子に戻し…「そういや、なんで俺の名前知ってるんだっけか?」 (torazou) 【ユーティ】「……勿論……私はそれを果すまでは終る心算は無い……それこそ騎士として失格だから……」吐露して少し零れた涙を見せぬようにと再び俯くと「……前に会った…正宗雅とノタエ=リュオーグと一緒の時に……」 (Fake) 【アレン】「おお、そういや双だったな。わすれてたわ、すまねぇ。ユーティ」と、ははと笑って返す。「背負い込むな、一人で戦うわけじゃないだろ? 誰か、少しでも話せるようになれば楽かもしれないしな――泣いて楽になるならそれでもよし…これからどうするかは、ユーティ。おまえ自身が見て、考えて…決めると良いぞ。少しでもな…アルハがどう、とかじゃ無く…」 (torazou) 【ユーティ】「……そう……でもありがとう」気を使ってくれてる事に礼を言い「……うん……友達も……出来たから……。……きっと……答えは出ないんだと思う……どちらが大事かなんて決められないから……」犠牲となる者なら無い者その命が等価で有ることは解っていて「……うん……でも考えてみる……引き摺られたりするんじゃなくて……」 (torazou) それが自分の責任なのだろうと思いながら答え (Fake) 【アレン】「どこまで言っても、お前の苦労は俺には分からないがな――けどな、少しのアドバイスと相談相手くらいにはなれるかもしれん、ってところだ。人生長く少しは生きてる分だけ、な」ユーティの気分も少しは気分が晴れたかな、と考えながら。 (torazou) 【ユーティ】「……でも……どうして……こんな話に付き合ってくれる?」それほど親しくない相手だから思わず吐露した本音…だが、その根幹で有るアレンの行為を不思議に思って (Fake) 【アレン】「なんでだと思う?」と、その問いには問いで返す。 (torazou) 【ユーティ】「……わ…」わからないそう言おうとした所で言葉を止める、先程考えるといったばかりな事を思い出して「……仲間だから?」少なくとも外れではないであろう言葉を口にして (Fake) 【アレン】「それもある。同じ抗いの庭の、仲間だからな――だが、放っておくのはどうも性にあわなかったから、だな。思いつめた表情だったからなぁ、大分」にやり、とユーティに笑いかける。だがそれは嫌な笑みではなく。 (torazou) 【ユーティ】「……やっぱり」自分の想像が正しいと思える答えがアレンの口に上ったので安心しようとして「……あっ…うっ…そんな顔をしてた?」笑いかけられて子供の様にしゅんとして (Fake) 【アレン】「結構、な。顔に出やすいんだと思うから、気をつけてみたらどうよ?」と、軽くもう一度笑い…「さて、訓練するはずだったんだが――俺としちゃ収穫あったな。軽く飯でも食いに行くかな…」 (torazou) 【ユーティ】「……わかった、気を付ける……」それは中々に難しい問題なのであろうが、忠告に頷き「……?……食事なら一緒したい……今のお礼にご馳走ぐらいさせて欲しい……」収穫という言葉に首を傾げるもそう提案して (Fake) 【アレン】「別に奢られようとは思わないぞ――んじゃ、一緒に食いに行くとするか」さくっと立ち上がって、ズボンについた汚れを少し離れたところで払う。「気をつけてみると良いぜ、色んなことに」と、軽く言葉をかけ… (torazou) 【ユーティ】「……そうは言っても……このままでは私の気が済まない……」立ち上がるりながら言葉を返し「……色んな事?……解った、気をつけてみる」至らぬ所ばかりであろう自分を戒めるように (Fake) 【アレン】「それにな、ユーティ。お前に俺が奢らせたなんてのを周りに見られたら…周りから俺が怪しい人間に見えるかもしれないだろう? それは勘弁願いたいところなんだ」と、真面目な顔をしてユーティに語る。「というわけで、奢りはなし。むしろ絵的には俺が奢る方が綺麗だよな、うん?」 (torazou) 【ユーティ】「……感謝する行為としては普通だと……思う……」想像してみたが、それほど問題はない様に思えるも、また気が付かぬ何かが有るのだろうかと考え「……それは……駄目……私が何も感謝を示せない……」 (Fake) 【アレン】「もっと簡単な感謝を示す方法もあるぞ。有難う、っていえばいいんだ――心のこもった有難うってのは…言われる方も嬉しいし、言ったほうも気が楽になるってうちの母親が言ってたね」流石に奢らせちゃーかっこ悪いよな、と思いながら何とかしようと (torazou) 【ユーティ】「……そう?」アレンの言葉に少し考えるような仕草をしてからぴたと止まると「アレン=ゾーンハルト……ありがとう……。貴方の言葉で……少しだけ楽に為れた気がする……」 (Fake) 【アレン】「おう。楽になったならいいことだと思うぜ。よし、それじゃあ飯くいにいくか――」と、ユーティに向けて返した後…背を向けて歩き出す。そのまま訓練室から出て食堂へと向かおうと (torazou) 【ユーティ】「……あっ……うん……」言葉を述べ終えて顔を上げると、アレンの背を追うように歩き (torazou) 食堂へと向う廊下の窓から少しだけ空を見上げる…… (torazou) 空を見上げる余裕すらなかった自分に少しだけ戻った余裕 (torazou) それはとてもか細い物かも知れないけれど (torazou) 今はそれを歩いていこうと思った……