21:15 (kitsune__)   21:15 (kitsune__)   21:15 (kitsune__)   21:16 (kitsune__) 真っ白い壁 薬品の匂い 21:17 (kitsune__) 正直、ここは苦手だと環は思う 21:18 (kitsune__) あまり長居をしたくない場所ではあるが、どうしても確認しなければいけないことがあるのも確か 21:18 (kitsune__) だからこそ、小さな包みを抱えて、慣れない場所へとやってきている 21:19 (kitsune__) 『天宮』というプレートがかけられたドア 21:20 (kitsune__) 薬品の匂いに顔をしかめつつも、深呼吸ひとつ。環はゆっくりと目の前のドアを軽く叩いた 21:22 (Fake_) 【春奈】「何方様ですか――?」ドアの向こうから聞こえるのは、大きいわけではないが通る声。 21:24 (kitsune__) 【環】「星野です。いまいい?」 相変わらず下手な敬語で中の人物に入室の許可を求める 21:26 (Fake_) 【春奈】「……環君…? うん、特に用事なんて無いけれど――大丈夫よ?」入室の許可を暗に出しつつ、彼へ言葉を返す。特に具合が悪そう、というような声ではなくて。 21:28 (kitsune__) 【環】「失礼する」 そう言って部屋へ入る。様々なお見舞いの品をみて「ベッドサイド……結構にぎやかですね。元気そうで何よりです」 21:30 (Fake_) 【春奈】「思った以上にみんなお見舞いに来てくれて、びっくりしてるのはこっちかな――ウィザード以外の友達も、こんなの持ってきてくれたりして、ね?」ベッドサイドに置いてあったペンギンのぬいぐるみを指差す。それ以外にも花だったりいろいろな物があって。「敬語、無理して使わなくてもいいよ? 逆に不自然だもん」環のなれぬ敬語の様子にくす、と小さく笑みを零して 21:31 (kitsune__) 【環】「すまない、助かる」 いつもどおりのぶっきらぼうな口調へ戻り「荷物になるかもしれないが……」そういって手の包みを差し出す 21:32 (kitsune__) 小さくて薄い包み。受け取ってみるとやわらかく、何か布製のものが入っていると思われる 21:33 (Fake_) 【春奈】「…ありがと。怪我はもうほとんど良くなってるから、大丈夫。そうしないうちに退院できるし、ロイヤルガードに戻れると思うから」包みを受け取り…感触に小さく首を傾げ。「中身、なんだろう…聞いても大丈夫?」 21:35 (kitsune__) 【環】「……」 コクリと小さくうなずく。 「もうそろそろ暑くなるだろうから……」照れ隠しのように独り言に近い声量で呟く 21:36 (Fake_) 【春奈】「……? そだね、もうすぐ夏だし……ここは涼しいけど、外に出ると汗ばむくらいだから」包みの結び目に手をかけ…「開けてもいい?」と、尋ねて 21:38 (kitsune__) 【環】「……どうぞ」 包みの中にはシルクのハンカチが入っている。色合いは大人しめだが、所々にある簡素な刺繍が、アクセントになっている 21:40 (Fake_) 【春奈】「…あ、可愛い――ありがとう、環君」包みを開いた後、丁寧にたたんで……テーブルの開いてる場所に置く。「これ、結構高くなかったりしない?」ふとそんな感じがしたので尋ねてみつつ、環に視線を向ける。 21:41 (kitsune__) 【環】「いや、そんなにはしない。材料費だけだから……」 と言ったあとではっとなる。迂闊にも刺繍込みで自分が製作したものだということを思わず口にしてしまったからだ 21:48 (Fake_) 【春奈】「え、これ…環君が自分で? 凄いね――たったままもなんだから、椅子に座って?」その辺りにおいてある椅子を勧め、自分もベッドから降りる。冷蔵庫のところまで歩き…「飲み物、お茶でいい?」と尋ねて 21:49 (kitsune__) 【環】「あ、いやお構いなく。……って天宮さんはケガ人だろう。わざわざ立たなくてもいい」 大慌てで止める 21:53 (Fake_) 【春奈】「少しくらいやらせてよ? 最近あんまり身体動かせてなくって…怪我って言っても、もうほとんど平気だし――」止めた環の手をやんわりと外して、お茶のペットボトルを冷蔵庫から取り出す。コップにそれを注いで、環へ渡し…自分の分にも注いで。 21:54 (kitsune__) 【環】「あ……う……い、いただきます」 ついついかしこまって背を伸ばしてお茶を受け取る 21:56 (Fake_) 【春奈】「よいしょ、っと――」ベッドのふちに腰掛け、一口二口とお茶を飲む。「それで…何か用事があってきた、とか?」環の方に改めて視線を向けて…尋ねる。僅かに首を傾げつつも、視線を外すこと無く。 21:59 (kitsune__) 【環】「あ、ええ。そうです」 環には珍しく、はっきりとしない態度。それでも、目を逸らさずに春奈の視線を受け止める。「訊きたいことが……ある」 22:01 (Fake_) 【春奈】「私に関係すること、なのかな? 答えられることでいいなら、答えるよ」何かあるんだな、というのはなんとなく判る。一体それが自分とどう関係してるのだろうか、と 22:02 (kitsune__) 【環】「……天宮さん、兄弟はいるか?」 22:03 (Fake_) 【春奈】「…? うん、居るよ。妹が1人――今、我妻市に来ているみたいだから…会ったりしたの?」 22:04 (kitsune__) 【環】「……」 沈黙は有言な肯定。しかも、その表情からは明るい出会いをしたわけではないのが、ありありと察せられる 22:06 (Fake_) 【春奈】「……ふぅ。瀞ちゃんも全く――」漏れたのは小さなため息と、苦笑。その中にはまたかぁ…と言ったような、そんな感情があって。「言い争いでもしたんでしょ? そんな顔してるってことは」 22:07 (kitsune__) 【環】「……ああ」 まるで姉や母に叱られる子供みたいに、肩を小さくして聞いている 22:10 (Fake_) 【春奈】「初対面の相手にいがみ合う、ってことは……環君が瀞ちゃんの気に障る事を、言った…かな?」自らの顎に指を当て…しばらく悩んだ風を見せた後、あっさりと言い切る。元々我が強い子だけど、そこまで周囲を見ない子じゃないはずだと思って。 22:12 (kitsune__) 【環】「ああ、言った。だが……」 言い訳しようとしてやめる。いくら隼人のことがあったとはいえ、それはあまりにも格好悪い。だから静かにうなずく 「俺が原因だ」 22:14 (Fake_) 【春奈】「環君にも何かあったんだろうけど…瀞ちゃんも瀞ちゃんだなぁ――」軽く目を閉じて、その様子を想像する。割とあっさり情景は浮かんで…「あの子ね、私と血がお父さんの分しか繋がってないの。だから、姉妹でも似てないって言われる。そして…あの子は、私と比べられるのを、凄い嫌がる」伝えておいた方がいいことだな、と考え…言葉をつむぐ。 22:16 (kitsune__) 【環】「……そうか」 異母妹ときいて目を見開く。「やはり、俺が悪いみたいだ。すまなかった。こんなことを話させてしまって」 そういって春奈に頭下げる 22:19 (Fake_) 【春奈】「私に謝らないで、瀞ちゃんに謝って欲しいな――きっと、怒ってまともに取り合ってくれないと思うけど」頭を下げた環に、そう返す。言葉を続け…「私と似ていないこと…それに、親類とかから。外見のことや、血の事。色んなことで比べられてたから。私はまだ良かったけど、瀞ちゃんは凄く嫌だっただろうって判る。私に何かができたわけでもないんだろうけど…」目を閉じて、言葉を一つ切る。 22:20 (Fake_) 【春奈】「でも、私がこう言ったことは内緒ね? きっと、また瀞ちゃんは怒りそう――そういうことがあってか、あんまり好かれてないだろうから、私」 22:22 (kitsune__) 【環】「わかった。約束する」 家族でありながら他人。そういった関係のいびつさは環にも心当たりがある。だから、瀞へのわだかまりも全部取っ払って、静かにうなずくことにした 22:25 (Fake_) 【春奈】「…姉妹なのに、って思うんだけどな――手を差し伸べても、払われちゃうことが多くて。やっぱり、違うって事を気にしてるのかな…私が気にしてなくても、瀞ちゃんは気にしてるのかも…」コップに視線を落とし、小さくため息を漏らす。 22:28 (kitsune__) 【環】「……それは、やっぱり、兄弟だからこそ、かな」 うつむいて、まるで自分の胸のうちを探るように言葉を紡ぐ。「近いから、似ているから、でも決定的に違うから。だから素直に受け取れない。ほとんど一緒なのに、まるで高いところから見下ろされているような気分になるから……」 22:32 (Fake_) 【春奈】「そうなんだろうね――うん。手を差し伸べても、上から差し伸べているように見えちゃう。それが嫌なんだろうって思う――同じ場所に立ちたい、って…思うのかな、瀞ちゃんも」幼い時からずっと抱えて、悩んでいた事。まだ、瀞と真に手を繋いだことはないし…今もできるとは思わなくて。 22:36 (kitsune__) 【環】「けれど、払ったあとで後悔する。本当は差し伸べて欲しくて、優しくして欲しくて、……でも、一度張った意地は張り続けないといけない。同じ場所に立てるまでは手を取っちゃいけない。そう思い込んで余裕がなくなって、結局から回りばかりして余計に惨めになる」 うつむいたまま続く言葉。春奈に話すと言うよりは、独り言に近い  22:38 (Fake_) 【春奈】「瀞ちゃん、意地っ張りだもんなぁ…私もあんまり人のこと言えないけど――」少しだけ天井を見上げて嘆息。きっと環の言うとおりだ、と今は思う。視線を俯いている環に戻し…「さ、この話はそろそろ終わりにしよう? 私より環君のほうが辛そうに見えるじゃない」 22:39 (kitsune__) 【環】「いや、大丈夫だ」 頭を軽く振って顔を上げる。「そう思っていた時期もあったけど、今では何とか折り合いつけてる。時が解決するってワケじゃないけど、なんとかなるよ」 そう言って春奈に真剣な目を向ける 22:41 (Fake_) 【春奈】「それならいいんじゃないかな? 私は折り合い、まだつけられてないから――なんとかしないとね」 22:41 (kitsune__) 【環】「だから、お願いだ。手を差し伸べるのを諦めないでくれ。本当は、その手を取りたいんだ。でも、どうしても意地が邪魔をする。無駄な意地を取っ払って、その手を取れるようになるまで、差し伸べるのをやめないでくれ」 まるで自分のことのように哀願する 22:43 (Fake_) 【春奈】「そうね――きっと、手を差し伸べるのは止めない。だって、私にとってただ一人の妹だから。血が繋がってないのが何? 瀞ちゃんは、私の妹だもの――」環の言葉を受けたのかはわからないが、目を閉じて言葉を返す。大切にしたい、と思うからこそ、手を差し伸べるんだと。 22:45 (kitsune__) 【環】「……そうか。よかった」 自分のことのように安堵の表情を浮かべる。その顔は普段の何倍も幼く、脆く感じられる笑顔だった 22:50 (Fake_) 【春奈】「私も割と維持を張る人間なんだけどね――ほら、そんな顔しないの。そんな顔するからお姉さんたちに色々されちゃうんじゃないの?」ぽん、と軽く肩に手を置いて。環の方を見る。結構脆い子なのかもしれないな、と思って。思った後に考える。うわ、私人のこと言えないんじゃいかな、と。 22:52 (kitsune__) 【環】「ふぁ!?」 指摘されて自分がどんな顔してたのか気付き、慌てて表情を作る。だが、どうしても小さな子供ががんばってにらめっこをするような顔にしかならない 22:55 (Fake_) 【春奈】「…まったくもう。とりあえず…瀞ちゃんと仲良くしてあげてね? 色々と複雑な内面抱えてる子…だとは思うけど。」そんな環の表情にくすくす、と笑顔を見せる。 22:57 (kitsune__) 【環】「ああ、……努力する」 そのあと、ふと思い立ったように顔を上げて「なぁ、天宮さん。天宮……って妹のほうだけど……天宮の好きな色、知ってるか?」 22:59 (Fake_) 【春奈】「瀞ちゃんの好きな色…? ううん、覚えてないなぁ…ごめんね、役に立てなくて」左右に首を振る。何だっただろう、と考えるも思い出せずに 23:01 (kitsune__) 【環】「気にしなくていい。ならこっちの想像でどうにかする。あいつは確か炎を使うから、安直だけど赤でいくか……」 と何やら色々考え始める 23:03 (Fake_) 【春奈】「瀞ちゃんも、同い年に近い子が友達に増えてくれれば……精神的に楽になって、笑ってくれるかな――」ベッドの淵に腰掛けていた身体を動かして、ベッドに半ば身を沈ませる。色んなことを考えるのには、この体勢のほうが都合が良くて。 23:05 (kitsune__) 【環】「あ、すまない。つい長居してしまった。疲れただろう」 立ち上がって「色々すまなかった。見舞いに来たのに余計な負担をかけさせたな。この礼はまたいつか、必ず」 と頭を下げる 23:08 (Fake_) 【春奈】「ううん、そんなに疲れたわけじゃないかな。ただ、色々考えるにはこの体勢のほうが身体が楽みたいで――そんな、お礼なんて充分貰ったよ? ハンカチ、ありがとう」頭を下げた彼に、にっこりと笑顔で返して 23:09 (kitsune__) 【環】「気に入ってもらえて何よりだ。リクエストがあったら、できる範囲で受け付ける」 ちょっと自慢げに胸をはって答える 23:10 (Fake_) 【春奈】「うん、わかった。それじゃ…何かあったらまたお願いするかも」 23:11 (kitsune__) 【環】「りょーかいした」 うれしそうに笑顔で請け負う 23:13 (kitsune__) 【環】「それじゃ、これで失礼する。早く退院してくれ。隼人がさびしがっていた」 軽口と共にこの場を辞する挨拶をする 23:15 (Fake_) 【春奈】「あはは、じゃあ隼人君に伝えておいて。もうすぐ退院は出来るから」と、環に返しつつ 23:17 (kitsune__) 【環】「ん、確かに承った。それじゃ、お大事に」 そう言って退出する 23:19 (kitsune__) 帰り道 長く伸びる影を踏みながら、一人思考する 23:20 (kitsune__) 【環】『同じだったんだな。アイツも……俺と』 23:20 (kitsune__) 【環】『イライラするはずだ。昔の自分の姿を見せ付けられているようなのだから』 23:21 (kitsune__) 【環】「まずは、きちんと謝ろう。それから……」 23:22 (kitsune__) そう口に出し、環は寮へ続く路から少し外れた 23:22 (kitsune__) 目指す場所は、寮とは反対方向にある縫製素材の店 23:23 (kitsune__) 【環】「あいつに似合いそうな色は……」 23:24 (kitsune__) そう考えながら、目の前に広がる数種類の布に真剣な視線を送った 23:24 (kitsune__)   23:24 (kitsune__)   23:24 (kitsune__)