02:10 >Ryuma0<   02:10 >Ryuma0<   02:10 >Ryuma0< 02:11 >Ryuma0< その日、訓練を終え皆が帰った後、一人、誰もいない休憩所に足が向いた。 02:12 >Ryuma0< 誰かいるかな?そう思ったのもあるけれど、なぜだかここに足が向いた。 02:14 >Ryuma0< 【雪緒】「やっぱり誰もいないかぁ」あいてるベンチのひとつに腰をかける。傍らにバスケットを置く。みんなよく食べたなあ?なんて思いながら「……ふぅ」軽くため息。魔法瓶を取り出して紙コップに手製の蜂蜜ドリンクを注ぐ 02:14 >Ryuma0< みんなに隠していることがある。上に問い合わせたり調べたりすればすぐわかることだけど 02:15 >Ryuma0< だましてる、そんな風にも思うけど…… 02:16   02:17 学校を終えて、訓練を終えて――一人、ロイヤルガード内を歩く。こんな時間で、誰かいるのかと思うものの… 02:18 休憩所から漏れる光に、誰かいるようだ。と考える。歩いてその方向に向かうと感じるのは同族の気配。 02:18 でも、感じる感覚は吸血鬼のそれではなく、人間のそれ――僅かに首を傾げ…そちらに歩いて。 02:19 【フィアナ】「…お邪魔させてもらうわ?」コツ、と足音を響かせながら…室内へいる人間に声をかけた 02:23 >Ryuma0< 【雪緒】「あ、どうぞ」同じ銀髪。自分よりも長い綺麗な銀髪に、いいなぁ、なんて思って「えっと、ここにいるってことは同じウィザード、かな?はじめまして。あたし雪緒。雪緒・ステンノー」物怖じしないのが自分の売り。「蜂蜜ドリンク、嫌じゃなかったらどう?」お近づきのシルシに。我ながらいいアイディアかな、なんて思う 02:27 【フィアナ】「……ふぅん。 ええ、同じウィザードのようね――頂くわ」僅かに目線を細め、雪緒と名乗った少女の瞳を見る。蒼と黒を基調にした上着とスカートを纏った彼女は、何処か人間と違う雰囲気を纏って。「銀髪に赤眼…けど、人間の匂いがするわ――貴女。同族じゃなくて?」蜂蜜ドリンクを受け取り…自らの前において、尋ねる 02:29 >Ryuma0< 【雪緒】「よろしく」笑顔で答え紙コップに注ぐ。何か他の人と違う、父にも似た雰囲気を感じるが、そんなまさか、と思っていて「はいどうぞ」と手渡したときにかけられる言葉「っ!?え、な、なに……?」ついさっき抱いていた不安。本能的に感じていたものが事実、とわかった驚愕。その二つがない交ぜになって声が上ずる「なん、で……?」でもそれがどうだ、とは彼女は言っていない。でも、その視線にこもる強さに、少しあとずさってしまう 02:34 【フィアナ】「貴女は気付かない…? いや、意識的に気付かないようにしているのかしら?」くす、と雪緒の後ずさった姿を見て笑う。不安と驚愕を露にする彼女を見て…「別にとって喰おう何ていうわけじゃないわ。そんなに何を怯える必要がある訳?」テーブルに頬杖をついて、鋭い光をたたえた蒼の瞳で彼女を見やる。「紹介が遅れたわね、私はフィアナ。フィアナ=ローエングラムよ」と、あっさりと自分の名を名乗って。 02:35 >Ryuma0< 【雪緒】「ご、ごめん」忌避していたこと。無意識に遮蔽していたこと。それを気づかされる。無意識に胸を押さえながら席に戻り。「よ、よろしく」震える声で答えてしまう。それこそ何をされたでもないのに「味、どう、かな?」会話する言葉が、混乱する頭に浮かんでこない。だから、当たり障りの無い話題を出してしまう 02:38 【フィアナ】「悪くないわね、美味しいわ」一口、そのドリンクを飲んで――震える声に返す。「自分の力を忌避しているみたいね? 不安に思っていることがある――自分の力で、何か事故を引き起こしてしまう、とでもね」少し、楽しそうな視線で雪緒を見返しつつ…言葉を続ける。「貴女の反応は、分かり安すぎるわ。もう少し隠すなら上手にやりなさい」 02:39 >Ryuma0< 【雪緒】「な、んで……?」顔に出やすいのはわかっているけど、自覚はあるけど。そこまで的確に指摘されるのは初めてで「フィアナは、怖くない、の?」何が、とは言えず、でも聞いてしまう 02:42 【フィアナ】「…怖い? 何が怖い? 人に聞くなら、明確に尋ねることね」雪緒の問いが何を求めているかは、なんとなく分かる。昔の自分に誓いな、とそんな事を思いながら…厳しいであろう言葉を続ける「人間として暮らしてきて…自分に吸血鬼の血が混じっている事を恐れているのかしら?」 02:45 >Ryuma0< 【雪緒】「それ、は……あたしはっ、パパのこと好きだし、ママと仲がいいのも知ってるから、それは、否定しない、けど……」うつむき、紙コップを弄び「でも、あたし、人間じゃないって、ばけm」そこまで言いかけて、じゃあ目の前の人は?そんなことに気づき「違うのっそういう意味じゃなくて……ごめんなさい……」最低のことを口にしてしまった。そんな後悔 02:49 【フィア【フィアナ】「良いわよ、化け物って言われるのは慣れてるわ? そもそも、人間と私たちは違うものね」気分を害した風でも無く、紙コップのドリンクをまた一口。「…何を恐れているのかしらね、貴女は。その言い方だと、ハーフなんでしょうね? ハーフだから、どちらにもなれないことを恐れているのかしら?」 02:51 >Ryuma0< 【雪緒】「ちが、そんな意味じゃなくてっ」相手の反応が平然としてても、傷つけた、そう思ってしまう「あ、あたし……」両親のおかげか、幸いにして混じり物という不幸は受けてない。だからこそ「……」紙コップをくしゃ、と握りつぶし「あたし、あたしね」口火を切る 02:52 >Ryuma0< 【雪緒】「初めて、この力に目覚めたとき、親友だったコのこと、吸おうと、したの」ぽつりぽつり、とうつむきながら言い始める 02:54 【フィアナ】「そう。衝動に負けて親友を傷つけそうになった。それが貴女が嫌う理由なわけ」俯いた彼女に対して、言葉を続ける。「その程度のことで、傷を抱えているわけ?」興味もない、と言わんばかりに言い放つ。そんな彼女の表情は、何処か呆れたような表情。 02:56 >Ryuma0< 【雪緒】「そ、その程度って!」ばん、とテーブルを叩き身を乗り出し「何よその程度って!あなたになにがわかるって言うのよ!?じゃああなたはどうだって言うのよ!?」まくし立てるように、激昂のままに 02:59 【フィアナ】「ええ、その程度だわ? そんな――『当たり前』みたいなことでいちいち一喜一憂していたら身体がもたないもの」激昂する彼女を見ても、表情は僅かに楽しそうにしたまま。「私? どうかしらね。言い返そうかしら。貴女に私の何がわかる?」その言葉を発するときだけ、僅かに視線を鋭くして。 03:01 >Ryuma0< 【雪緒】「当たり前って何よ!?」怒りさめやらず、その笑みに、売り言葉に買い言葉。「何がわかる、って」わかるはずも無い。その鋭い視線にたじろぐ 03:06 【フィアナ】「友達、を衝動で吸いそうになったから。嫌う――そんな友達なら、捨てたら? 安易な選択は、いずれ深い傷を残すでしょうね。とても深い傷を」くすくす、と顎に手を当てたまま笑う。たじろぐ雪緒を見…言葉を続ける「どちらもとる、なんて選択はもう出来ないの、判っているのでしょ?」 03:09 >Ryuma0< 【雪緒】「な!?」ありえない選択を突きつけられて絶句「そ、そんなこと、できるわけ、できるわけないでしょ!?あのコはイノセントなのに!あたし、あたしあのコの前で、あのコの血、吸おうとしたんだよ!?あのコ、何にも悪いことなんてしてないのに!あたし、あたしがっ、我慢できなくてっ」激昂のまま、不安定になった感情。仕舞にはあのときのことを思い出して泣き出して。あのときの自分の高ぶりと彼女の顔が忘れられない。 03:13 【フィアナ】「そう、ね。衝動に抗いきれなかったのは貴女が弱かったから――それは事実でしょうね。でも、その友達はどんな表情をしていたかしら? 貴女を、どう見ていた?」泣き出した彼女に対しても、言葉にこもる感情に変化はなく。「吸血衝動、ね…因果かしら」ぽつり、本当に小さく呟いた 03:15 >Ryuma0< 【雪緒】「わかんないっわかんないよっだって、だって」蹲って泣きじゃくり。ただあのときの驚いた顔だけ焼きついて。そしてそのままもう会ってなくて。逃げるようにこの街に引っ越してきてしまった。だからこそ、積もり積もった後悔は果てしなく 03:19 【フィアナ】「……」ふぅ、と小さくため息。「逃げた、のね。向き合うのが怖くて――それで、貴女はまたここに来て、同じ事を繰り返すの?」蹲って泣きじゃくる彼女に視線を落としながら。「…一度の後悔は仕方ないでしょうね、けれど――またここで、同じ後悔を繰り返すつもりかしら、貴女」 03:21 >Ryuma0< 【雪緒】「だ、って……」ぐす、ぐすと啜り上げ「どうしていいのか、わかんなぃ」子供のようにぐずる 03:24 【フィアナ】「隠すなら、隠し通してみせたら? その自信がないなら、いつまでも間でうろうろしてないで曝け出してみたら?」ぐずった彼女に手を貸すことは、あえてしない。誰かが手を貸すものではない、と思っているから「わからない、と言って逃げるのも自由だけれどね」立ち上がり、雪緒を完全に見下ろす形になる。その表情には強い感情の色は現れず。 03:26 >Ryuma0< 【雪緒】「だ、って」どちらも自信が無い。みんながウィザードなのは知っているけれど。それでも―怖い―それが本音「あたし……」見上げ「……あたし」答えが出せず、それしかいえなくて 03:30 【フィアナ】「いつか、どちらかを迫られるわ。少なくとも――そのときに後悔しないといいわね」見下ろす視線のまま、雪緒に返す。とさ、と椅子に座り…「怖がるのは勝手だわ。自分の檻に引きこもっていれば、傷ついても傷口は浅くて済むもの」 03:32 >Ryuma0< 【雪緒】「っ」言い返せない。わかってるだけに。「でも。でも……」それが最悪の結果をもたらしかねないのは知ってるけれど……「あなたは」ぽつり「あなたは、どうして、るの?」聞かずにはおれなくて 03:36 【フィアナ】「さぁ、どうかしらね。どうしてると思う?」尋ねられれば、くすりと笑って…返す。足を組んで、頬杖をつきながら…楽しそうに言葉を返す。「少なくとも、自分の檻に引きこもることはしてないわね」 03:38 >Ryuma0< 【雪緒】「……」うつむいて「どうすれば、いいのかな」ぽつり、とつぶやく「コントロールの方法は教わってるけど、またああなるの、怖いんだ」ぽつりぽつり、と。 03:42 【フィアナ】「コントロールの方法なんて私が知るわけないじゃない。そんなの」さらり、と答える。表情は本当に知らない、と言った感じで。「私は親に自分で何とかしろ、と言われたけどもね」親、のことを言うときはわずかに憮然とした表情を見せる。「怖がるのは勝手。そこから貴女がどう昇華するか、でしょう?」 03:45 >Ryuma0< 【雪緒】「……?」思わぬ言葉にぽかん、と「え、じゃ、じゃあ、今までどうやって?」素直な疑問。でも答えてくれるのだろうか「あ、う」もっともな言葉に口ごもる 03:49 【フィアナ】「さぁ? 酷い時は数日単位でって言うのもあったし? 慣れたんじゃないかしら」答えも、あまりにあっさりとしたもの。コントロール以前の問題であろう回答をさらりと口にして「…いつまでも怯えていては、籠の中にいる鳥と似たようなものじゃない? 外に出ようとすれば傷つくことも多いでしょうね。傷つく要素なんて数えれば両手で足りないでしょ」左右の髪に巻かれた蒼いリボンを解いて、無造作にしまい込む。 03:52 >Ryuma0< 【雪緒】「……」自分の想像を超えた状況に言葉を失い。目の前でリボンを解いた姿に、その強さと重ね合わせ、ああ、この人にはかなわないんだな、と思ってしまう 03:57 【フィアナ】「思ったよりおとなしくしてるのね。貴女みたいな人なら、どうして物事を決め付けて考えられるんだー、とか…食って掛かってくるかと思ったのだけれど」小さな嘆息とともに言葉を漏らす。「それとも、貴女の悩みは私との会話で霧散するようなちっぽけなものだったわけ?」 03:58 >Ryuma0< 【雪緒】「っ!?」その瞬間、一気に沸騰した。自分だけじゃなくて、あのコも馬鹿にされた、そう思ったら    03:58 >Ryuma0< パン 03:59 >Ryuma0< 乾いた音が響いた 03:59 >Ryuma0< 無意識に、右手が翻っていた 03:59 >Ryuma0< 【雪緒】「あ……」呆然となる 04:02 【フィアナ】「……」叩かれた頬を気にするわけでも無く、雪緒に視線を向け…「…何だ、思ったより気概あるじゃない」くすり、ともう一度笑みを浮かべた。「何呆然としてるの?」 04:03 >Ryuma0< 【雪緒】「……」ごめん、その言葉が言い出せない。言わなきゃいけないのだけど。でも、言ったら自分のこともそういうことにしてしまう。「あ、謝らない、から」それだけ搾り出す 04:06 【フィアナ】「誰が謝って欲しいなんて言ったかしら? それとも、地べたに這い蹲って謝りなさいとでも言えばいい?」くすくす、とみせる表情は笑みに近いもの。 04:08 >Ryuma0< 【雪緒】「っ」唇を噛み、き、と睨む「……」だが言葉はでない。だからこそ、視線に力を込めて。それはあのコのことを護ることでもあると思うから 04:13 【フィアナ】「それくらいの気概を持つ事ね――そうでなければ、衝動にまた飲まれるんじゃない? 悲劇を二度も三度も経験したくはない…それは種が違っても同じだと思うけれどね」す、と椅子から立ち上がり…雪緒を見下ろして。「邪魔したわね」ただ、それだけを告げて背を向ける 04:15 >Ryuma0< 【雪緒】「……まって」思わず呼び止めて「その、えっと」わずかな逡巡「まだ、みんなには、内緒にしてて……時間かかるかもだけど、自分で、きっと決着、つけるから……」その背にそんな言葉をかけて。きっとこの人は言わない。そんな確信があるけれど。これは決意表明でもあって……「あと……その、ありがと」なぜだか、言わずにはおれなくて 04:20 【フィアナ】「貴女がやらないで、誰が決着をつける? その程度もわからない? お礼とやらは、頬に貰ったのとで帳消しにしといてあげるわ」またロイヤルガードに居れば逢うでしょ、と言って…軽く手を後ろに振る。そのまま歩みを再会し、休憩室を後に。 04:22 >Ryuma0< 【雪緒】「……」それを見送ると、ぺたん、と脱力するように椅子に座って「……うん、そう、だよね……」自分に言い聞かせるように。そしてぽろ、とまた涙が出てきて。そのまま顔を隠すように泣いて……ひとしきり泣けば落ち着いて 04:23 >Ryuma0< 【雪緒】「会いたいな、元気かな」そんなつぶやきを残して「明良、待ってるかな」現実をつぶやくことで自らを取り直して、片付けるとバスケットを手に、そこを後に知る 04:26   04:30 【フィアナ】「……全く、慣れないことを」雪緒より一足先、休憩室を後に…早足で歩く。「まるで――割り切る前の私ね。あの子の方が『らしく』生きられるのかもしれないけれども。私が選んだのはこっちだもの」小さく左右に頭を振って、思い出そうとする自分の意識を追い出す。 04:34 【フィアナ】「私も、雪緒って言ったかしら。あの子も――因果なものね。関わらないようにしようとは決めていたのに…所詮、違う価値観の存在だものね。私は」歩きながら漏れたのは、そんな小さな呟き。「闇はいずれ生まれた闇へ帰るべき――それがあるべき世界」ゆっくりとなっていた歩みをまた速め…帰路へと着いた。