21:38 平日のエトワール、客はまばらで、日はさんさんと刺し 21:39 【アルドラ】(一人紅茶を嗜んでいる、その風情は白磁の人形のようで 21:42 からんからん……そんな音と共に、少年の面影を残した青年が入ってくる。 21:43 【アルドラ】(ゆっくりと顔を向け 21:45 【アルドラ】「お久しぶりですね」 21:46 【武之進】「……随分と懐かしい、いや、それほどでもないか……具体的には5年ぶりといった所か?」そう言ってアルドラの隣に座り、メニューを見やり、注文「ブレンドを1つ」 21:47 【アルドラ】「女性相手に、具体的な年月を言うものではありませんわ」 21:52 【武之進】「人間で言えば1ヶ月程度の感覚だろうに」 21:52 2秒で出てくるコーヒー、マスター自慢の一品 21:55 【アルドラ】「これだから、この国の男性は嫌われるのですよ」(上気する湯気を受け 22:00 それには答えずコーヒーを口にする 22:01 【アルドラ】「しかし…いい天気ですね」 22:01 【武之進】「こんな日に出てきて大丈夫なのか?」 22:02 【アルドラ】「ここは・・日が差し込みませんから」 22:06 【アルドラ】「貴方こそ油を売っていていいのですか?」 22:07 【武之進】「今は特に仕事も入ってないからな」 22:07 【アルドラ】「噂は聞き及んでいますわ」 22:08 【八郎】「………それはちょうどよかった」――――彼ら二人が、気にも止めていなかった方向から、声がする。 22:08 【アルドラ】「…おや」 22:08 そちらに目をやる 22:09 【八郎】「岩崎人材派遣総務第六係、伏塚八郎と申します」 22:09 【アルドラ】「これは、ご丁寧に、どうも」 22:10 【武之進】「……どうも」 22:11 【八郎】「2,3お話したいことはありますが………どうもそういう雰囲気ではありませんね」香りが飛ばないギリギリまで牛乳をいれ、砂糖無しに一気に飲み干す。 22:12 【アルドラ】「…構いませんわ。時間は幾らでもありますし」 22:12 【武之進】「話?」 22:15 【八郎】「クリルタイから狂った狼神がこの街に逃げてきた――――と、弊社の鬼庭が申しておりました」 22:16 【武之進】「狂った狼神……か」 22:17 【アルドラ】「それならば、既に手を打ちました」 22:19 【アルドラ】「有能な狩人に…依頼しました」 22:19 【八郎】「それは何よりです。正直なところ、私はこの手の話題には―――――ひどく、不向きなもので 22:20 【アルドラ】「そうですか…お庭番衆の事は聞いていますわ」 22:21 【八郎】「さすが大公閣下。お耳が早い」 22:21 【武之進】「岩崎人材派遣だとそういった仕事にうってつけの奴がいたはずなんだが――ああ。あいつは過労で寝込んでいたか」 22:22 【アルドラ】「単なる噂話ですわよ、千早後方処理班第3班のブラックリストのように」 22:24 【八郎】「ああ―――彼ですか。予想より長くもったと思いましたが」その一瞬後、アルドラの言葉に、ほんの僅かに微笑む。 22:24 【アルドラ】「…どう、なさいました?」(年頃の少女のように 22:26 【八郎】「大層、面白い話だな、と。――――伝説の存在が、ヨタ話のような都市伝説を語る――――く、くく」 22:26 【武之進】「(苦笑)」 22:26 【アルドラ】「私に伝説などありませんことよ」 22:28 【八郎】「『真に神秘なる存在は、ただ在るというそれだけで神秘を体現する』――――誰の言葉でしたか」 22:28 【アルドラ】「…ロマンチストですね」 22:30 【八郎】「いえいえ、ただの無知ですよ」 22:31 【アルドラ】「真の無知とは目の前にいる虎の赤子を猫と見誤り…なおかつその尾を踏むものです」 22:32 【八郎】「ああ、それは無知にも程がある。怒った猫と戦える人類がどれほどいるか――――」なぜか、遠い目をしている。 22:33 【アルドラ】「経験談ですか?」 22:33 【八郎】「黙秘権を行使します」 22:34 【アルドラ】「そんな…強引に聞くなんて致しませんわ…黄金の猟犬ではありませんから」(口元を手で覆い 22:37 【八郎】「それはありがたい」 22:37 【アルドラ】「それとも…そのようなご趣味がおありで?」 22:38 【八郎】「解釈はご自由に……ああ、マスター。お代わりを」 22:39 マスターは黙って精算をする 22:40 【アルドラ】「もう、お帰りですか?」 22:43 【八郎】「いえ、もう暫くは」 22:44 【琥珀】(からんからんとエトワールの中にはいる、だが足音の代わりにするすると布の擦れる音がし、姉を見つけるとそちらの方にふよふよと近寄り)「姉さ……アルドラ様…こちらにいらっしゃったのですね」 22:44 【アルドラ】「琥珀・・一体どうしてここに?」 22:44 【武之進】「俺ももう一杯いただこうか」 22:45 【琥珀】「星読みの合間に…アルドラ様を探していたのです」 22:45 【アルドラ】「そうでしたの…」 22:47 *** M5 has left IRC("CHOCOA") 22:49 【アルドラ】「てっきりサロンの者にここが知れたのかと…」 22:53 カランカラン 22:54 【アルドラ】「政文まで」(少し驚愕した表情で 22:54 【琥珀】「大丈夫ですわ…ここのことを知っているのは妾と…」(ちらり入ってきた政文を見て)「だけですじゃ…」 22:55 【政文】「母上に・・・叔母上………皆、探してるぞ」(溜息 22:55 【武之進】「そりゃあ、大物が二人も忽然といなくなったら心配するだろうな……サロンドルファンの場合は」 22:55 【アルドラ】「…少しぐらいならよろしいでしょう。気分転換です」 22:56 【琥珀】「わ…妾がいなくなったことも知れているのかえ?」 22:56 【政文】「……でも、時間までには帰ってくれよ?」 22:56 【政文】「……」(こっくりと頷く) 22:56 【アルドラ】「…判りました」 22:57 【政文】「叔母上が…星詠みの間にいないから凄い騒ぎになってた」 22:57 【アルドラ】「琥珀、貴方までサロンを留守にするから」 22:58 【琥珀】「ちゃんと合間をぬってきたのに…、少しくらいよいじゃないの…」 22:58 【政文】「で…そっちのやつらは?」(男性達に視線をやって) 22:58 【琥珀】「姉さっ……アルドラ様まで…妾が悪いと?」 22:59 【アルドラ】「そんなこと言っていません」 22:59 【琥珀】「おお…そうじゃ…この者たちは何者ですの?」 22:59 【八郎】「岩崎人材派遣総務第六係、伏塚八郎と申します。以後お見知りおきを」政文に名刺を私。 23:00 【武之進】「姉歯武之進。とりあえずフリーランスのカタナ、ってことにしておいてくれ」 23:00 【政文】「俺は桐生政文…。フリーのニューロをやっている、こっちこそ宜しくな」 (名刺を受け取ってよくいるアドレスの一つを渡して) 23:01 【アルドラ】「しかし…物騒なものが集まって賑やかになってきたこと」 23:02 【琥珀】「妾は琥珀と言う」(小さく二人に礼をし) 23:02 【政文】「母上…物騒って母上が一番沿うじゃないのか?」(クスリと笑って 23:03 【アルドラ】「私にとってのいもう…右腕のようなものです」 23:04 【アルドラ】「私はか弱い存在故」 23:04 【琥珀】(薄く微笑んで)「サロンにお立ち寄りの際は是非星読みの間に…」 23:05 【琥珀】「政文に賛成じゃ…」(ぼそりとつぶやいて) 23:05 【アルドラ】「二人ともそのようなことを言うのですか」 23:06 【武之進】「まあ俺はノーコメントで」 23:07 【アルドラ】「みんな、全く、失礼ですわ」(少し気分を害し 23:08 【政文】「でも…俺は強い母上も好きだぜ」(クスクスと笑って) 23:08 【アルドラ】「政文、フォローになっていません」 23:09 【八郎】「……何と、言いますか。酷く場違いなようですな」 23:10 【琥珀】「妾はアルドラ様を尊敬しておりますゆえ…」(にこりと笑って) 23:10 【アルドラ】「いえ・・貴方も我々に近い存在…違います?」 23:10 【八郎】「ふむ……その心は?」 23:11 【アルドラ】「言って欲しいのですか?」」 23:13 【美袋 文】(インナーなしのぴっちぴちな、真っ黒ライダースーツを着た女性が、からん、と中へ)「……わ、すっごい人……」 23:14 【マスター】「相席になるが、良いかな」 23:14 【琥珀】「ああ…そろそろ妾は戻らなくては…ご機嫌麗しゅう皆々様方」(薄く笑って) 23:14 【八郎】「ごきげんよう」 23:14 【アルドラ】「私も時期に戻ります」 23:14 【武之進】「俺はもう暫くここにいるがな」 23:15 【琥珀】「今宵の星読みは…千早の殿方だったか…よい味だとよいのう…」 23:15 【琥珀】「アルドラ様のことは何とかしておきますゆえ…ごゆるりと…」 23:16 【アルドラ】「あまり、味見しすぎないよう」 23:16 【美袋 文】「あ、相席は別にかまわないんだけど……(適当な席を見つけ、座って)」 23:16 【琥珀】「当然の代価ですわ?」 23:17 【琥珀】「では皆々様ご機嫌麗しゅう」(いうときびすを返しそのままふよふよととびらにむかい) 23:18 【アルドラ】「ごきげんよう…」 23:23 【美袋】「マスター、紅茶、あります? チョコレートティー。それをミルクティーで……」 23:23 【マスター】「了解」 23:25 【美袋】「へぇ、あるんだ(ちょっと驚き)。ありがと……」 23:25 【武之進】「チョコレートティーなんてものがあるのか……コーヒーしか飲まないから知らなかった」 23:26 【美袋】「香りだけチョコレートの普通の紅茶よ? 味は……まぁ、そういうものだから、期待するものじゃないけど」 23:27 【八郎】「いいですね……マスター。私にも紅茶を。濃厚なのを、ミルクティーで」 23:32 【美袋】「ありがと(紅茶を受け取り、一口。胸を寄せるように組んで、肘をテーブルにつき)でも、なんか私、場違いみたいね?(あははははーと軽く笑う)」 23:34 【八郎】「ここでお茶を飲む以上、我々は同一のはずです―――おそらく」 23:35 【武之進】「そういうことだ」 23:37 【美袋】「なるほど〜、理解理解(ふむふむ、と頷き)。つまり〜、私も同一……この場合、客、というわけね?」 23:38 【八郎】「無論、貴方が踏み倒すなら話は別ですが」 23:39 【マスター】「おいおい、集団で食い逃げの相談かね」 23:39 【武之進】「食い逃げはガキの頃に卒業したから安心していいぞ、マスター」 23:40 【美袋】「まさか(ははは、と笑い)。そんなことしないよ〜」<踏み倒し 23:40 【八郎】「仮定の話です」 23:40 【アルドラ】「それはよろしくないのでは」<武之進に 23:42 【武之進】「♪」 23:43 【美袋】「まあ、ほら、時効でしょ? きっと……」<食い逃げ 23:44 【アルドラ】「でしょうね…」 23:44 【武之進】「大昔の話だからな」 23:46 【美袋】「何年前の話かわからないけどね〜」 23:50 【美袋】「(ライダースーツのジッパーを胸元まで下ろして息をしやすくして、紅茶をさらに一口)」 23:51 【アルドラ】「…しかし、何時来てもいいお味だこと」 23:53 【武之進】「そうだな……(人間の血を混ぜていないにしては、美味い)」 23:54 【アルドラ】「心が安らぎます」 23:58 【八郎】「……ふぅ」 23:58 ガシャン!バリーン!……コロコロコロ。 23:58 擬音にするならそんな描写を伴って、窓を割って"何か"が飛び込んできた。 23:58 白き鬣(たてがみ)のような長髪を伴った凛々しい顔立ちの男。その顔は凶悪な形相に満ちている。 23:58 “狂った狼神”、彼はそう呼ばれていた。ほんの数瞬前までは。 23:58 もはや、彼には、首から上の部分しか残っていないない。 23:58 そう。のどかな平日のエトワールに飛び込んできた珍客は――首から上だけだった。 23:58 一筋の血糊が、店の床に綺麗な弧を描く。長く、長く、長く。 23:58 【アルドラ】「…無粋な」(眉根を寄せて 23:59 【美袋】「……(ちらっと見て)……(しらっとして紅茶を飲み)」 23:59 ……次いで。新たな男が、礼儀正しくドアから入ってきた。カラン、と鳴る音が白々しい。 23:59 ――大きい。見上げんばかりの、圧倒的な巨漢。腕が太い。脚が太い。首が太い。指が太い。 23:59 太いであろう骨を覆う、筋肉の一束一束が、太い。気配まで太い。 23:59 ただ太っている、というわけではない。 脂肪は筋肉の表面をうっすらと覆うように均等で、まるで緩んだ印象はない。 23:59 プロレスラーのように太く、スプリンターのように無駄の無い筋肉。そんな肉体を持つ男だった。 23:59 巨漢の男は、店内を軽く見渡すと、にこやかに笑った。 23:59 【九十九】「ああ、気になさらず」 00:00 【八郎】「おや」 00:00 スーツのネクタイを軽く緩め、優雅とも言える歩調で店内を歩き始める。 00:00 【アルドラ】「ここはグリーンです。荒事がやりたければレッドで行いなさい」 00:00 【武之進】「……」そちらに目を向けた次の瞬間、転がっていたはずの狼の首が目に見えない糸により切り裂かれる 00:01 【九十九】「おやおや。手間が省けた」 00:01 【九十九】「グリーンか。"見えなかった"よ」 00:01 【アルドラ】「…手間?」 00:02 【武之進】「何――蜘蛛の巣に引っかかっただけだ」九十九に 00:03 【九十九】「まだ生きていたんでね。――全くしぶとい、"アヤカシとやら"は」 そう言って、アルドラ達を目の前に……笑う。 00:03 【アルドラ】「おかげさまで…」 00:03 【八郎】「………貴方がそれを仰るか」 00:05 【武之進】「マスター、御代」明らかに代金より多い金を渡して「俺は巻き込まれる前に退散するかな……」 00:05 【九十九】「同胞(はらから)を目の前で殺されたからと言って――怒るようなアンタでもあるまい?」 識っている。識りながら、言っている。 00:05 【アルドラ】「…これは、件の狗神?」 00:06 【八郎】「情報は一致しておりますね」 00:06 こきっ。こきっ。軽く、肩を鳴らす。 00:06 【アルドラ】「礼をいっておきましょう…千早に貸しが出来ましたね」 00:07 【九十九】「……今日はお祭りか何かかい?こんなにも――」 見渡して、 「――"あざとい集まり"は珍しい」 00:08 肩をすくめる 00:08 【アルドラ】「貴方もその一員ですよ」 00:09 口笛1つ。 00:09 【八郎】「まあ、正直ほっとしています―――ヒトが、増えて」 00:09 【マスター】「九十九さん、修繕費は付けにしておくよ」 00:10 【九十九】「ツケ?そいつぁ困ったな、千早に回しておいてくれ」 00:10 【美袋】「お祭りじゃなくて、私はビズ前のくつろぎタイムだったんだけど……」 00:11 【マスター】「いつもそれじゃないか、今回はきっちり貰うからね」 00:11 【九十九】「なに、経費で落ちるさ」 00:12 【九十九】「くつろぎタイム?そいつは済まなかったな、色っぽい姉ちゃん」 00:12 【アルドラ】「しかし…相変わらず、見事な腕ですね…”人”にするには惜しいほどの」 00:13 【九十九】「俺にとってはどちらも大差無い。……変わらんよ、俺も、アンタも」 00:13 【美袋】「まぁ、そういうのはレッド歩いてたらよく見るから、どうでもいいといえばいいのだけど……(ちら、店の時計を見て)」 00:13 【マスター】「ええ…この街ではね」 00:14 【九十九】「いい女が多いな。いい女が多い店は、繁盛するぜ」 マスターに向かって、顎をさすりながら言う。 00:14 【武之進】「九十九……か。ああ。知人から聞いたことがある――千早に、人間と鬼の境界線に立つ男がいるということは、な」 00:18 【マスター】「普段はフェイトやカブトばかりなんだけどね」 00:18 【九十九】「なに、大したことはない……大男ってのは気が小さいんだ」 00:18 【政文】「……そういえば、怜呀が…雅之の下には凄腕のチャクラがいるって言っていたっけ」 00:18 【アルドラ】「兄弟にもいるんじゃなくて?」 00:18 【八郎】「――――お久しぶりです。お元気そうで何より」にやり、と。狗が自分の意思で牙を剥く。 00:19 【九十九】「――嗚呼、矢張り。矢張り、そうかよ」 ふぅん、という目で、伏塚を見やる。 00:20 【アルドラ】「二人とも…」(静かにカップを持ち上げ 00:20 【八郎】「わかっていますよ。ここで殴りあうほど無粋ではないつもりですので 00:20 しゃあしゃあと、先ほどまでの激情を消してみせる。 00:20 【政文】「そうだな、怜呀たち兄弟にならいるだろうけど・・・それがあいつだったら面白いよな」 00:21 【アルドラ】「…あまり物を壊さないように」 00:21 【武之進】「ま、俺はそろそろ退散させてもらう――夕食の材料の調達を頼まれていたのを思い出したんでね」とかいいつつ退場 00:22 【美袋】「さてと……そろそろお客様がお待ちかな?(席を離れ、DAKで支払いを済ませて、さらにジッパーをヘソまでおろし)」 00:22 【政文】「またな・・・」(去る背を見送り 00:23 【九十九】「ああ、アンタ……いまのうちに聞いておくが……どこの店だい?」>美袋に 00:24 【美袋】「……え? 私? フリーのたちんぼ。まぁ、たまぁに、真黄さんところに顔出してるわ」 00:24 【九十九】「わかった。今度行くから、"まけて"くれ」 不器用なウインクを、美袋に向けてしてみせる。 00:24 【美袋】「……え? 私? フリーのたちんぼ。まぁ、たまぁに、真黄さんところに顔出してるわ」 00:24 ミス 00:25 【美袋】「ん〜、それは他のお客さんに対して失礼だからね? まぁ、地震があるなら、口説いてみて?()くすっと笑い、肉厚の唇でちゅ、と投げキスを)」>九十九 00:26 地震>自身 00:26 じゃないよぅ 00:26 自信だよぅorz 00:26 【九十九】「その時は、アンタが見た事無いモノを見せてやるよ」 00:27 そう言って、笑う。 00:27 【八郎】「………」いささか冷めたような目で、九十九の体躯を見やる。 00:27 こきり、と首が鳴る。それとも、鳴ったのは肩か。 00:27 【美袋】「あはは、それイイね。うん、期待してるよ? だから、頑張ってお金かせいでね?」>九十九 00:28 【政文】「さぁ…てと、腹減ったから先に失礼するな。後、母上…早めに戻ってくれよ。ジャ〈カブト:ナイト〉・・・騒ぎが静まるかどうか 00:28 【九十九】「ああ、"今"から稼ぐさ――」 ニヤリとした笑みに、美袋が気づいたかどうか。 00:28 【美袋】「それじゃ、またきますね〜(背中を見せて、手を振り店を゛てる)」 00:28 (小さく溜息をついて) 00:29 【アルドラ】「ええ…すぐ帰りますよ…っこれからあることを見届けてね」 00:29 【政文】「じゃ、また何かの縁があれば会おうぜ」(ひらりと手を振り…アルドラの言葉にぴたっと動きが止まる 00:30 【政文】「あることねぇ…母上、後で結果教えてくれよ」 00:30 【アルドラ】「政文、同心下?」 00:30 【九十九】「――確か、あン時は……CNN絡みの一件だったか。お前がしゃしゃり出てこなきゃ、すぐにカタァついたものを――」 00:30 【アルドラ】「ええ…出来る限りを寝」 00:31 【九十九】「そう思わねぇか、魔女の狗さんよ」 00:31 【政文】「……それと九十九、負けないでくれよ。負けられると・・・あんまし嬉しくないから」 00:31 【政文】「つぅわけで、じゃな」(ヒラッと手を振って今度こそその場を後にする 00:31 【九十九】「特別ボーナス、期待していいんだろうな」 >政文に 00:31 【八郎】「……人妻に色目使ったそちらが悪いんですよ」 00:33 【九十九】「いい女は大事にするもんだ」 くるり、と向いて。八郎に相対する。 00:33 ――なんという、自然体。 00:33 ただ、立っているだけなのに。 00:33 かたり、と狗がカップを置く。 00:35 すう、と九十九が息を吸って、吐いた。――武息。 特殊な呼吸法。(※八卦) 00:36 伏塚は、決して小さいわけではない。175cm、立派な体格である。 00:36 だが、しかし。 00:37 九十九の身体は、実に身長200cm。体重145kg。 00:37 ――まさしく、巨躯。 00:38 ぎしり、ぎしり。八郎が奥歯を噛み締める。全身に仕込んだサイバーウェアの、耳鳴りにも似た駆動音が響く。(スリーアクション起動、ピュアブラッド、JJFの起動) 00:39 【八郎】「時間外勤務とは……何て真面目なんだろうか、私は」 00:39 【九十九】「なら――退社すればいい」 これが先ほどまで、呑気に笑っていた男の顔だろうか。 00:40 【八郎】「御免被る――――」 00:40 【九十九】「なんだったら……代筆してやろう。一身上の都合で、とかなんとか。文面は俺が考えてやる」 00:42 筋肉が、ぴくぴくと動いている。身体中の気が、練られていく。 00:42 【八郎】「……どうもぞっとしませんな。貴方の悪筆となると―――」 00:42 こつこつと、足が踏まれていく。リズムが刻まれ、それが意図的に崩されていく。 00:43 【九十九】「"音外し"か。やってみるがいい」 00:43 人は、一定のリズムを耳にしていると、それにのって動く癖がある。 00:44 ゆえに、リズムを外した攻撃は、対処が遅れる。 00:44 ――カポエラの達人か? 九十九は考える。 00:46 【八郎】「――――1,2ぃの………七ッ!」鋭く、高い叫び。そしてそれとは全く無関係の方向からの一撃。相手が人体である以上の死角―――頭上からの、蹴り。 00:47 九十九は、ゆっくりと身をかがめるように。左腕をあげ、ひねりこむように――落とす。 00:48 沈墜勁(ちんついけい)と纏糸勁(てんしけい)の複合。ひねりのくわわった左腕が、"重力"の補佐を得て―― 00:48 八郎の蹴りを、巻き込んで落とす。 00:49 八郎の蹴り足は、まるで九十九の左腕に吸い付くかのように、巻き込まれ、流れた。 00:49 独楽のように八郎の身体が回り―――床に、激突する。 00:51 九十九は、あげた左腕をそのまま後ろに――人体の構造として、自然に右腕が前に出る。 00:51 打開。 00:51 強烈な踏み込みと共に、それは八郎を狙う。 00:51 攻防一体とは、まさにこの事か。 00:52 強烈な震脚の音が、店内に響いた。 00:52 丈夫なはずの床に、亀裂が入る。 00:53 人体が、木の葉のように宙に舞って――――飛ぶ。 00:54 九十九は、ニヤリとする。手応えが、あまりに――軽い。 00:55 馬歩から、弓歩へ。伏塚に対し、半身の姿勢。 00:55 練る、練る、練る。練り上げる。気を、練り上げる。(マルチワーク→練気) 00:55 【八郎】「………やれやれ。また腕を上げましたか………際限が無いのは嫌われますよ?」 00:56 【九十九】「よくかわした。――だからこそ、千早に身を置くのは……面白い」 00:57 己の力を最も効率良く振るえる場所。それがクグツという立場。 00:57 ただのチャクラでは、"強い敵"にそうそう出会えぬ。 00:58 だからこそ、九十九は千早に身を置いている。 00:58 【八郎】「……これだから」テーブルクロスを引っ掴み、ふわりと踊らせる。布自体の意志を呼び起こすように。光を奪い、影を生み、またあらたな光を作り―――八郎の姿を、視界からぼやけさせる。(影化+隠密+運動で回避) 00:59 弓歩の姿勢のまま、右拳を引き、開いた左手を前に。まるで空手の構えだ。 00:59 【九十九】「――狗よ。本当の正拳突きというのを、見たことがあるか?」 01:00 練る。練る。練る。 01:00 練気は続く。 01:00 【八郎】「―――正しい拳など、あるものですかね」 01:02 【九十九】「感想文の提出は後日、千早宛に――」 軽口に似合わぬ闘気が、全身を覆っている。 01:02 【八郎】「―――痛いのは、苦手なんですがね」 01:04 九十九の左足の親指が、強烈に床を噛んだ。いなや、九十九の巨体が、一瞬にして八郎の懐に飛び込む。 01:05 その軌跡は、左足の親指が辿る一直線。床に描いた摩擦の筆跡。 01:05 中国拳法の歩法で近づき―― 01:05 日本に古来より伝わる空手の技法を正確に伝える恐ろしい一打が、 01:06 その右正拳が、八郎の水月(心臓のあたり)に深くめりこんだ。 01:06 止まる。止まる。 01:06 容赦なく、生命が絶たれる。 01:06 なんという、美しさ。 01:07 ただの正拳突きが――これほどまでに、美しいとは。 01:08 吹き飛ばない。伏塚八郎は、吹き飛ばない。 01:08 力が、抜けないのだ。 01:08 注ぎ込まれた「暴力」は、全て伏塚の水月、ただその一点に集中し、拡散した。 01:09 サンドバッグを達人が叩くと、揺らさずに撃ち抜くという。 01:10 だが、これは――サンドバッグではない。 01:10 生命が絶たれていく、その過程の美しさよ。 01:10 【八郎】「……く」達観するように笑って……足から、膝から、腰から、背骨から、首から、頭から。力が抜け―――傀儡の糸は切れ、伽藍となって崩れ、塵芥と成り果てる。 01:11 たん。 01:11 軽く音を立て、右拳を引き、左手を倒れた伏塚に向ける。残心。 01:12 動かない事を確認し、そして――ゆっくりと、長い息を吐いた。 01:13 【九十九】「ここはグリーンでしたか?失礼、"見えなかった"もので――」 アルドラに向けた台詞。 01:14 その息が切れるのを見計らったように……すでに物言わぬ走狗が、音を立てて……煙のように、消えて、失せる。まるで骸すら敵に渡してはならぬかの、ごとく。《完全偽装》。 01:14 身を正し、ネクタイを締め直す。狗が消えたのを見て、鮫のように笑う。――また、死会えるのだ。こんなに嬉しいことはない。