21:14 (torazou)   21:14 (torazou)   21:14 (torazou)   21:14 (torazou)   21:15 (torazou) リノウムの床を歩く…少しばかり歩調は早く 21:15 (torazou) 避けられてると思ったのは春奈が転入する少し前から… 21:16 (torazou) “あの人達”には相談して家を出て、今度は自分から連絡もせずに怪我の知らせ 21:17 (torazou) 春奈が怪我をして入院したとそう“あの人達”から聞いたとき…私はどうしようもなく腹が立った 21:17 (torazou) そう春奈は勝手だ……だから私も勝手にする事にした 21:18 (torazou) 【瀞】「……春奈の馬鹿」そう小さく呟くと深呼吸をして病室の扉を軽く叩き 21:18 (torazou) 21:19 (Fake_) …隼人が帰った後、少し眠ってしまっていたのだろうか。病室の扉を叩く軽い音―― 21:20 (Fake_) ぼんやりとしたまま、身体を起こして…小さく首を振る。 21:21 (Fake_) 【春奈】「誰…ですか?」小さな声で、返す。時間も少し遅くなりつつあって。こんな時間に来るのは誰だろう、と思いつつ。 21:21 (Fake_) 21:23 (torazou) 【瀞】「私よ、居るなら早く返事しなさい。開けても良いわよね?」苛立ちと安堵交じりに病室に言葉を返す…声はそう元気そうだと思えたから 21:26 (Fake_) 【春奈】「えっ、瀞ちゃん……? あ、うん…居る、開けても平気」聞こえてきたのは、離れて暮らしていた妹の声。突然のことに声に驚きが混じり 21:30 (torazou) 【瀞】「お久し振り……入院したって聞いたから飛んで来てあげたのに。何だ、元気そうじゃない」ドアを開けると春奈姿を見る……病室と春奈の組合せは、少しあの時を思い出させて不愉快になり 21:31 (Fake_) 【春奈】「…そこまで酷い怪我ってわけでもなかったから。もうすぐ退院できるよ――」視線を上手く合わせられず、瀞の方を見れずにいて。「でも、いきなり瀞ちゃん…どうしてこっちに?」 21:34 (torazou) 【瀞】「へーそれは良かっただけど春奈如何して怪我なんてしたの?」互いに交わらぬ視線を交わしつつ「どうしてこっちに?変かな?私が“お姉ちゃん”を見舞い来たら」不機嫌そうに返すと 21:37 (Fake_) 【春奈】「…ん――変じゃないけど…私からは連絡、取らなかったから……なんで怪我、した…んっと…」瀞の言葉に下を向いて俯く。色々な後ろめたさと、尚也との言い争いがあるからか…いまいち言葉に迷いがあって。 21:41 (torazou) 【瀞】「そう?じゃあ良いじゃない別に春奈の迷惑になってもないし……転入して羽でも伸ばして家の事なんて忘れてたんでしょ」少し拗ねたように下を見ながら話すと「…言えない事?“あの人達”も心配してたわよ、優しいよね春奈のパパとママは」 21:43 (Fake_) 【春奈】「……家のこと、忘れてたわけじゃない――忘れられるわけないよ、離れてても…私にとっては大切な家族だもん、お父さんもお母さんも…瀞ちゃんも――」ふるふる、と力なく首を振って。言えないこと? と言う言葉には黙るしかなくて。 21:47 (torazou) 【瀞】「じゃあ……」連絡一つくれなかったのかと尋ねそうになって言葉を呑み……嫌な子だなぁ私と春奈の姿に感想めいた事を思う、結局仕返しなのだ相談一つしてくれなかった姉への「……だまてるの?言えないの?……じゃあ当ててあげようか?」だが思いとは裏腹に言葉は止まらずに 21:49 (Fake_) 【春奈】「……心配をかけたくない――って理由じゃ、ダメ、だよね…一人で暮らして、それでこんな怪我して…心配すると思うから」目を閉じて、ため息をつく。次の言葉に…びくりと小さく肩が震える 21:56 (torazou) 【瀞】「そうねでも春奈…これで終りじゃないんでしょ?これで最後じゃないんでしょ?……だって…春奈は戦って怪我したんだものね」後ろで握り締めた手に力が入る、そう心配だった…それがこれからも続く、そう言う事だと知っているから 21:59 (Fake_) 【春奈】「っ……!? 瀞ちゃん――どうして、そのことを……」戦った、と言う言葉。身を乗り出そうとして、ずきりと身体が痛む。傷む部分を押さえながら…「…どうして、瀞ちゃん…まさか…」嫌な予想が頭をよぎって。 22:04 (torazou) 【瀞】「春奈……ッ!?」自分の言葉が予想以上の効果で有った事、それが春奈の様子から判って言葉に詰まり「……どうしてって?私がどうかしたのかな?」その春奈にやっとのことで視線をあわせ 22:05 (torazou) 【瀞】「今は…春奈の話をしてるんだけど?どうして、そこで私が…まさかなの?」 22:05 (Fake_) 【春奈】「何処まで、知ってるの……瀞ちゃん、答えて――」体勢を元に戻して、瀞に視線を向ける。じ、っと…彼女に今初めて視線を向けて 22:10 (torazou) 【瀞】「春奈がそう言うのと戦ってて、私がそういうのと戦えるって事…それだけじゃ不服?」この目を向けられる…それに抵抗するのは一寸した苦痛…だけど今度ばかりは負ける訳にはいけないと視線を返し「“お姉ちゃん”と一緒の学校に行きたいって言ったら、あの人たち喜んでくれたわよ?」 22:13 (Fake_) 【春奈】「……そっか、もう――知ってるんだ……なら、隠せないね。うん…前の事故で、私はそのことを知った。私には力があるってことも知った。だから…私は戦おうと思って…家を出たよ。巻き込みたくないと思ったから――私に敵を倒す力は、ないもの」目を閉じて、大きく息を吐く。「一緒の学校、かぁ……お父さんとお母さんにしてみたら――喜ぶことなんだろう、な」 22:17 (torazou) 【瀞】「だったら……少しぐらい相談してくれたっていいじゃないっ。そうやって春奈が自分ばかり黙って重荷を背負って“あの人達”や私が喜ぶと思ってるの?」言えない事だった…理解してても、言って欲しかった事実が感情を崩して少し声を荒げ 22:18 (Fake_) 【春奈】「言ってもらって信じてもらえた……? 私だって、あの時は信じたくなかったよ――世界がこんなことになってるから、私は戦います。って言って…お父さんやお母さんは許してくれた…?」重荷を背負う、と言う言葉に僅かに目を伏せるも…瀞に視線を合わせて 22:24 (torazou) 【瀞】「それでも…言って欲しかったもの、許す許さないは関係ない。知らないって言うのは辛い事なんだよ春奈」自分の視界端の滲みに気が付いてその視線から逸らして 22:26 (Fake_) 【春奈】「……でも、私は――それでも、やっぱり…巻き込みたく、無かった。瀞ちゃんには…知らずに居て欲しかった」目を伏せて、指を瞳の縁にあてる。 22:31 (torazou) 【瀞】「やっ!?」その指を振り払おうと動くが払うことなど出来ずに「もう遅いよ。春奈には巻き込まれなかったけど、私は知っちゃったもの。私決めたから…春奈が何を言っても聞かないんだからね」 22:33 (Fake_) 【春奈】「……瀞ちゃん――そう、だよね。私が何を言っても…多分、瀞ちゃんは戦う…」瀞の涙を拭って、小さくため息をつく。自分も割と強情なほうだと思うし…妹であるこの子も、強情なんだよね、と思いながら 22:38 (torazou) 【瀞】「…そうよ…だから春奈…安心して困った時は手を貸されなさいッ!」真っ赤になって俯いて言い放つ…無論何時も困ったとき手を差し伸べてくれたのは春奈なのだが… 22:41 (Fake_) 【春奈】「……そう、だね。瀞ちゃん――でも、危険なことはしないで…? 瀞ちゃんが怪我したりしたら……」きっと、こういう言い方をしたら怒るだろうな、と思う。それでも、瀞を心配するのは… 22:45 (torazou) 【瀞】「それ……せめて、春奈が病院から退院してからにして欲しい台詞よね」さっきの言葉で何か吹っ切れてか何時もの調子を取り戻しだし「……まあいいわ、安心しなさい春奈、怪我なんてする心算無いもの」 22:47 (Fake_) 【春奈】「……そう、ね。私がまず退院してから…その台詞は言うべきだったかな」はふ、と息を吐く。それでも、瀞に心配そうな目線を向けて「瀞ちゃんは怒るだろうけど…心配しちゃ駄目、かな…?」 22:51 (torazou) 【瀞】「む…っ…心配させないようにしてあげるって言ってるのに……」その目はずるいと心の中で呟いて「いいわよ、心配させてあげる…どうせ春奈だって駄目って言っても心配するんでしょ?」 22:52 (Fake_) 【春奈】「……うん、きっと心配する――瀞ちゃんは私にとって大切だし…お姉さんだよ、私」くす、と少しだけ普段の調子を取り戻したかのように。 22:59 (torazou) 【瀞】「………そうね、今の所妹だしね。それじゃあ、今度春奈の友達でも紹介して欲しいな?誰かお見舞いに来てた様だし」それは久し振りに聞く居心地の良い言葉で 23:00 (Fake_) 【春奈】「…ん――そうだね、隼人君と――後、尚也がお見舞いに来てくれたっけ…今度、ちゃんと謝らないとな…」僅かに目を伏せて息を吐くも、すぐに普段通りのように振舞う。 23:04 (torazou) 【瀞】「……隼人に尚也?」ふーんと言った風に聞くも心のメモ帳には確りと書き留めて「……謝る?春奈何かしたの?」 23:06 (Fake_) 【春奈】「……隼人君は…――知らないし、尚也は覚えてない……? ちょっと…言い争いしちゃって――ね、尚也と」目を閉じて、小さく息を吐く。 23:09 (torazou) 【瀞】「覚えてないって私知ってるのかなその尚也って……そう、喧嘩でもした?……へー春奈、言い争ったんだ、その尚也と」春奈にこんな顔をさせる尚也とか言う男に若干苛立ちを覚えつつ 23:10 (Fake_) 【春奈】「でも、尚也が悪いわけじゃない。私が尚也のことを傷つけた――んだと思う。多分知ってると思うんだけど――私の幼馴染で、一つ上の…覚えてないかな、やっぱり」喧嘩したのか、と言う言葉に小さく頷いて。 23:14 (torazou) 【瀞】「じゃあ、会ったら思い出すかもね?」にっこりと春奈に微笑む、会ったらソイツは苛めようと心の中で誓いつつ「……じゃあ、謝ったら?春奈が自分が、ちゃんと悪いって思えるならだけど…言い争いって言うならそうじゃないでしょ?春奈にも正しい事が有ったじゃないかな、その尚也って奴も」なんで争ったかは知らないけどさと言いながら 23:16 (Fake_) 【春奈】「……そうだね、あったら思い出す、かも――うん、傷つけちゃったのは…謝らないと駄目、だよね。…私にも正しいことが合った、かも知れないけれど…尚也は、心配してくれてたんだと思う、から」 23:16 (Fake_) 喧嘩した理由についても少しずつ説明しながら。 23:24 (torazou) 【瀞】「……じゃあ謝りなさいっ。そうやってくよくよしてたら、次も同じ失敗しちゃうわよ?……でも春奈、随分と心配してるのねその尚也って奴」 23:28 (Fake_) 【春奈】「…そうだね――うん、ありがとう…。え、そうかな…あ? 幼馴染だから…私も尚也のことが心配なのかもしれない――かな?」ちょっとだけ、笑ってみせる 23:32 (torazou) 【瀞】「……ふうん、春奈に心配されるなんて幸せな奴よね」その笑みに笑って返す……尚也どんな奴だろう……記憶を手繰るも思い出せず……だがいまはその名前が随分と心に残って 23:35 (Fake_) 【春奈】「…私が心配するのが幸せ…? ううん…どうなんだろう。瀞ちゃん…?」ぼんやりと、瀞の言葉の意味を考えて。 23:37 (torazou) 【瀞】「決まってるじゃない?こんな美人に心配されてるんだから男なら本望って奴でしょ?」やっぱり、土下座して謝るべきよねその尚也って奴がと心の中で付け加えて 23:38 (Fake_) 【春奈】「あ……うん――美人って言ってくれるのは嬉しい、かな…?」少しだけ恥ずかしそうに、その言葉に笑って。「尚也も…自分より周りを心配する優しい人だから…だから、ぶつかっちゃったのかな…」 23:43 (torazou) 【瀞】「そこは春奈は自信もっていいわよ……ふーん、後悔してるの?ぶつかっちゃったこと」 23:44 (Fake_) 【春奈】「…うん、ありがとう――ちょっとだけ後悔してる…かな、久しぶりに、あんな風に尚也に怒られた気がする…から」 23:51 (torazou) 【瀞】「じゃあ、さっさと怪我治さないとっさ。春奈がくよくよしてると私まで調子狂っちゃうもの」と立ち上がり 23:52 (Fake_) 【春奈】「ええ、そうね――早く元気になるよ、私も」こくり、とその言葉に頷き。瀞の方を見つめて 23:58 (torazou) 【瀞】「約束よ?」その答えに満足そうにすると「それじゃあ春奈、暫くは手続きとかで学校無いからまた明日ね」 00:00 (Fake_) 【春奈】「ええ、また明日――」小さく頷き返して 00:02 (torazou) くるりと銀色の髪揺らして姉に背を向ける…向う時より心と足取りは軽く 00:04 (torazou) 支えの取れた心を表すように…… 00:06 (torazou) それは明日へと続く姉妹の話……そして、知らぬ誰かへと続く話 00:07 (torazou)   00:07 (torazou)   00:07 (torazou)