21:10 (rouge_) ロイヤルガード、施設内。 様々な設備が揃うこの建物の中、休憩室で一人の少年が机に突っ伏してのんべんだらりと時間を過ごしていた。 21:12 (rouge_) 【尚也】「……ぁーだめだ、かたがいたいきんにくつうだもうぼくはだーめーだー」   【シェルファ】「……お前は何をほざいているんだ。」  誰もいないと安心しているのか、その少年はだらけ腑抜けた事を言い続けていた。 傍らに立てかけてある剣から、ぼう、と、青髪の女の姿が浮かび上がり、呆れ顔でそれを見やる。 21:13 (rouge_) 【尚也】「…こう、身も心もつかれきる事で更なる疲れを演出できるんじゃないかと。」  【シェルファ】「……つーかさ、あんた。 …正直言って、やるき、ないでしょう、全般的に。」 21:15 (rouge_) 【尚也】「………そうかな。」 此方を試すように見るその視線から、逃げるように身を起こして。 「…やる気はあるよ、だからこうしてこんな施設で暇なときに訓練してるんだろ。 やるきの塊だよ、僕は。」 21:17 (rouge_) 【シェルファ】「……まあ、いいけどね。 アンタが何考えてようと、あたしゃどーも出来んよ。」 そんな様子を見て、溜息をつくがごとく女は吐き捨てた。 【尚也】「…あー、なんかつめたいな、その言い方は。 もうちょっと心配してくれよー!  これでもたった一人のシェル姉の使い手なんだからさ!」 21:18 (rouge_) 【シェルファ】「心配されたきゃまともに生きろ。」 ぴしゃり、と言い放つ。 【尚也】「…まともな人間だからこうやって夕ご飯の時間を過ぎても身体慣らしにいそしんでるんじゃないか。」 やれやれ、と、小言に首を振る。 21:20 (rouge_) 傍から見れば、剣相手にリアクションを取り身振り手振りで活動している男以外の何者にも見えない。 ウイザードが気配を凝らしてみればそこに別の存在がいるのはすぐにわかるのだろうが。 21:20 (rouge_) ……まあ、とにかく。 一見してみるならば、割とおかしな光景ではあった。 (こんなかんじでー! 21:21 (hikami) (あいさっ 21:22 (hikami) ―――そんな一種珍妙な光景が繰り広げられる廊下をてこてこと歩み行く小柄な姿。長い金髪は微かな水気を孕み、向かう先は―――方向的には食堂、と思しき方向…ぼんやりとした姿は、道中行われていた情景に……眉を、潜めた 21:23 (hikami) 【燐】「―――………一応聞くけれど、時節の所為、て訳じゃないのよね」一見しただけでの印象を、先ず―――少し、冷えた言葉に乗せた 21:23 メンバ情報を取得しました 21:26 (rouge_) 【尚也】「…!!?  のあああっ!?」  完全にシェルファとの会話に没入していた為、後ろから聞こえるその声に。 まるで背中に氷を入れられたかのごとく椅子から跳ね上がり、バランスを崩す。 21:27 (rouge_) がらがっしゃん、と、中々に派手な音が響く。 21:29 (hikami) 【燐】「―――………………………………全く。此処に居るって事はイノセントって訳じゃないのでしょう?おまけにそんな剣を持っているって事は日和見主義者でもオペレーターでもない、恐らくは前線要員。私みたいな“女の子”にちょっと声をかけられたからってその反応はちょっと、失礼じゃない?」言いつつ、耳にかかった髪を軽く後方へと追いやる。常ならばふわりと広がるその動作も、今は濡れ、湿った状態 21:32 (rouge_) 【尚也】「……っ、たた……。 いや、ホント、面目ない。」 床に滑り落ちた時にしたたかに打ちつけた尾″怩〓ウすりながら、改めて声の主を監察し。 (……女の子…僕より年下か。 それでも、ここにいるってことは…そうなのか…。 ほんと、どの年でも、どこにでも、いるもんなんだな…。)  21:33 (rouge_) そんな感想を抱きながら、椅子を元に戻し、何とか体制を戻して座る。 21:35 (hikami) 【燐】「全く…転がるにしたって受身ぐらいとっさに取れば良いじゃない―――で、繰言だけれど、貴方。頭が春、て訳じゃあないのよね。それに初めて見る顔だし―――…ま、良いわ。呼び止めちゃったのは私だし一応自己紹介。“一華燐”よ」悠然と…というよりは口調には嘆息交じり。その視線は挙動を一通り見届けてから…残る数歩を進む。これで漸く会話、にふさわしい程度の距離だろう 21:38 (rouge_) 【尚也】「…う、うおお、な、何故だろう、言葉の一つ一つが正しくて心につきささるっ!?」 うわー確かにそうだよねー受身取れよなー僕はー、のように、頭の中で思考をぐるぐるとさせながら項垂れ。 21:39 (rouge_) 【尚也】「……いや、まあ、それはそれとて。」 ごほん、とひとつ咳払い。 「三崎尚也、一応…このロイヤルガード所属、って事になるかな。 その、よろしく。」 21:41 (hikami) 【燐】「当たり前よ、正論しか言ってないもの。」ふぅ、と、盛大に…というよりも、深く、嘆息。おまけに左手を己の腰に沿え、小さく首を傾げる姿「こちらこそ、で。その三崎が話していた相手は?愛用の武器と独り言、にしちゃ………随分変な武器だし。声も一人分じゃない、腹話術をして愉しむ趣味があった、という事なら認識を改めるけれど?」 21:45 (rouge_) 【尚也】「ああ、そう。 ついでに自己紹介。」 立てかけてあった剣を手繰り寄せる。 (…やあ、呼び捨てかあ。 …いやうん、こういうところだし年上がどうの年下がどうのなんて、別段関係ないんだろうけど…) そんな、とても人間的に小さな事を考えながら。 剣全体がぼう、と光。 女性の幻が姿を現す。 21:47 (rouge_) 【シェルファ】「あなた、中々率直な物言いでいいわね。 こういうのにはそれくらいハッキリ言うのが一番なのよね、気に入ったわ。」 現れた女性の影は、にぃ、と唇を吊り上げて笑う。 「私はシェルファ。 見てのとおり、剣よ。」 21:50 (hikami) 【燐】「―――意思を持つ…というより姿を持つ剣…………随分変わったモノを持ってるのね。それじゃあシェルファも宜しく―――で、最初の話に三度戻る訳だけど……―――ねえ、私もヒトの事言えた義理じゃあないんだけど、寂しいヒト?こんなトコで剣相手にお話だなんて、まあ―――“此処”ならいいけど、他所でやったら黄色い車で連れ去られるわよ?」 21:54 (rouge_) 【尚也】「……だよなぁ。 ……この世界でそんな事が見つかった日にゃ、疲れてるのかとか、気味は個々へいったほうがいいねと保険証と病院の地図を渡される所だ。 …普段は自室でしか喋ったりはしないんだぞ? あと、脳内で会話…いや、こういうとなんか変に聞こえるけど、そのまんまの意味だから察してもらえると嬉しい。」 はあ、と溜息をつきながら、再び剣を立てかけて。 【シェルファ】「それにしたって窮屈な場所よ。 私だってストレス溜まるっての。」 21:57 (hikami) 【燐】「脳内…―――インテリジェンスソードの人格はともあれ、現し身はマスターの趣味が宿りやすいって聞くけれど……」少女は確かに“そのままの意味”で、受け取った様子…所謂脳内彼女、とかそういった“通説的なそのまま”ではあるのだが―――故に、じぃ、と、剣から浮かび上がる女性に視線を向け―――………「―――て、貴方。今なんて言った?」つい、聞き流しそうになっていたのだろう。引っかかりが残ったが故に剣への視線はすぐに、外れた 22:06 (rouge_) 【尚也】「いや、シェル姉…、シェルファは、僕が見つけたときからこの姿だったぞ。 城の宝物庫でえっらい埃かぶってたのは覚えてるな…。」 少し、遠い昔、それを思い出すように僅かに視線を彷徨わせて。  「ん? シェル姉と脳内で会話? いや、別に変な事を創造したりとかそういうんじゃないぞ!」 聞かれている部分を誤認して、威厳を少しでも落とさないように否定したり。 22:11 (hikami) 【燐】「姉?何、貴方そういう趣味……?」また…眉を潜めた。心なしか半身を引いたかもしれないが「―――誰が貴方と剣の睦言を聞きたいと言ったのよ、その前、あと、今も!―――…西欧の城だ、って言うなら盗掘の現行犯だけれど、魔術師の武器がそんな所にぽいっと転がって―――…て、トランシルバニアの霧城とかならそうでもないかもしれないけれど、でも、兎も角その前、貴方“何を言ったか、もう一度言って”」―――少し、危険な角度に吊上がる蒼い瞳。今 22:11 (hikami) 時、先刻口にした西欧にもレアな綺麗な、黒味がかった場所の無い綺麗なサファイアブルー 22:14 (rouge_) 【尚也】「ちがうっ!? 色々教えてもらってるわけで親しみを篭めての呼び名だ! 別に僕は姉フェチとか姉願望があったりとかそういうんじゃない! いや、好きだけどな、姉系とかはって何を言わせるんだとかそういう話じゃなく!」 流石に、引かれれば黙っておくわけには行かない。 自分の尊厳の為、彼は立ち上がって力説した。 逆効果である。 22:16 (rouge_) 【尚也】「……っと、あー? それじゃあない…ってことは、あれ、かな?」 彼女が、城、と言う部分に注目した事に気付いて、さっきの自分のどの台詞に彼女の言葉がかかったという事に気づく。 22:18 (rouge_) 【尚也】「……。 あー……ちょっと、口が滑ったか。 …でもまあ、隠す事でもないんだけどさ。」 再び、椅子に腰掛けながら、剣を取り、鞘を払う。 磨き抜かれた刀身が、光を反射する。 22:18 (hikami) 【燐】「ああ、もう!―――だから貴方がシスコンでも姉フェチでも姉萌えでも何でも良いの。幸い私は如何見ても貴方よりも年下だもの、変に欲情されないで済みそうて判ったのは救いだけれど如何でもいいわ、貴方が、何を、言ったのか。―――判ったのならはっきり言って頂戴?“この世界”て、言ったのよね?―――まさか脳内会話に続いて脳内設定が出てきたって言うなら貴方の頭を“診て”あげるわよ」 22:21 (rouge_) 【尚也】「う、うわあ、す、凄い言われようだ。 ここまでさっくりといわれると言葉のナイフが肺腑を抉る前になんだか別の暖かい感情がわいてきそうだよ。」 項垂れ、るーるーるー、と、BGMをならさんがばかりの雰囲気を纏い。 「…ああ、うん。 ここじゃない世界がある、って言ったら、信じるか? 脳内設定じゃないぞ、言っておくけど。」 22:24 (hikami) 【燐】「―――………何よ、妹萌えに宗旨替えて言うならそこの、えーと…………シェルファに言いつけるわよ」言いつける、もなにも恐らくはこの会話も聞こえているのだろう“女性”を引き合いに、半眼にて睨む、が……「―――……続けて?」その罵倒の勢いはともあれ、相変わらずの冷えた言葉ではあるのだが揶揄を抜き、促す 22:27 (rouge_) 【シェルファ】「その男が割とろくでもないのは今に始まった事じゃないし、持ち主に高い理想を持ってるわけじゃないから別に構わないわよ。」 ひらひらと手を振り、そんな燐を見てどこか楽しそうに笑い。 「…ん。 一年位前…正確にいうと、10ヶ月ほど前かな…。 僕は、この世界から消えたんだ。」 椅子に座りなおし、自分でもそれを思い出すようにしながらとつとつと語り始める。 22:32 (hikami) 【燐】「……目の前で姉萌えを公言されても余裕、てのもすごい話だけどね………」自分とは違い大人びた容姿をした“剣”へ向け零す嘆息めいた言葉、それでも……語り口続けばそこで漸く、通路の端へと寄り壁へと背を預ける格好を取る「消えた…―――は、文字通り“消失”と言う事よね?行方不明扱いなのか……いや、そんな珍妙なモノだったら世界結界でなかった事になる、のかしら。―――で?」言う間も自分なりにぶつぶつと独り言、なのだ。問う、にしては自問 22:32 (hikami) 部分の響きは小さく。先を促す言葉だけが対話の大きさ。次第に射る視線は和らぎ…寧ろ、思考の淵に彷徨い始める 22:39 (rouge_) 【尚也】「世界結界か、どう僕に味方してくれたのかはわからないけど、世間的な僕の扱いは行方不明になって警察に捜索願いが出されるような、そんなものさ。 そして、消えていた間にいた世界がさっき僕が言った、ここではない世界。」 行方不明となっていた事に、帰ってからの騒動を思い出したのか、多少疲労を浮かべて。 「…定番の物語とか、ないか? 色々転がっている。 何の変哲もない少年少女が、異世界にほおりだされてその世界の平和のために、戦う。」 22:39 (rouge_) 【尚也】「……すっごく簡単に説明すると、消えた先で僕がやってたのはそういうこと、かな。」 22:43 (hikami) 【燐】「つまりは本当に“行方不明者”ね……10ヶ月で帰ってこれて良かったわね、もう2ヶ月程遅れてたら戸籍が消されてた所だったでしょうし―――」言う軽口も先刻の鋭さは薄まり、合いの手、程度の勢い。それだけ―――確りと、聞いていた「―――ライトノベルに良くある展開、て奴でしょう?だったら私達の“今の境遇”だってそうだわ、だってもともとこの世界なんて夢だもの。―――でも、一応確認するけれど本当に…“事実”なのよね?ああ、三崎だけじゃ 22:43 (hikami) 不安ね―――シェルファ、貴女も“此処ではないどこかから来た”って覚えている……訳?」 22:47 (rouge_) 【尚也】「嘘だったらどんなに良かった事か。 ……その、10ヶ月の行方不明があったおかげで来年からも高校三年生、さ。 …学校続けられるだけ、感謝しなきゃならないんだろうけどね。 幾らなんでも、洒落で留年は出来ないだろ?」 話しているうちに、来学期の事を想像してか僅かに表情が暗く、暗く染まっていく。 【シェルファ】「ええ、全く嘘は含まれてないわね。 その男は、私が補完されていた国に伝わる、『光を纏い降りてきた伝説の勇者』その人として扱われ 22:47 (rouge_) 、私を手に取ったのよ。」 22:51 (hikami) 【燐】「あら、良いじゃない。留年したら働けって言われないだけ幸せな家庭だと思うけれど?―――さて、どうかしら。10ヶ月の間脳内世界に引きこもって部屋から一歩も出なかった、なんてキノコでも生えそうな真似になってたら判らないけれど―――………当事者2名の証言、ね…ま、信じるわよ。世界結界の外、夢じゃない世界がある、て事。―――それにしても光を纏う勇者…ね」言いつつ向けられる視線は…床。先刻、転げ落ちていた場所、なのだが「じゃ、重要 22:51 (hikami) な質問ね―――つまり貴方は“この世界産まれ”で“他所の世界で魔術師になった”…と、言う事?」 22:55 (rouge_) 【尚也】「…ひ、ひどいな。 ひきこもりよりはまともな体つきしてるだろう?」  【シェルファ】「訓練しないとなまるいい体つきよね。」 燐のその言葉に、自分の体を指差して抗議をしながら、シェルファの一言で項垂れる。  22:56 (hikami) 【燐】「別に男の体になんて興味ないわよ。私、何歳だと思ってるの?」―――またも穿った返答、だろう。露骨に…冷めた視線が注ぐ事になった 22:58 (rouge_) 【尚也】「…と、まあ、その質問のとおりだろうね。 僕は、こっちに戻ってくるまで、ウイザードの事は知らなかった。 秘められた力が目覚めるって、本当にあるんだ、くらいに思ってたものだよ。 アンゼロット、だっけ。 あの人の部下に無理やりつれてこられて、事情を聞かされて。 …どこか、納得したっけ。」 ぼんやりと、何か別の事を考えるようにして…。  22:59 (rouge_) 【尚也】「…って、うあう、その視線はやめてっ、心に、心にダイレクトひっとだっ!」 かと思えば、燐のその視線に耐え切れずにいやいやと頭を振った。 23:02 (hikami) 【燐】「―――……ふぅん……アンゼロットまでそんな勧誘って事は……事実、か…―――何よ、何も教えてくれないのに知っては居そうなのね本当に……」ぶつぶつと、何事か文句じみた響きが零れ―――たのに、それは盛大な、深い嘆息によりかき消される事ともなろうか「―――別にいいけどね。貴方が実はろりこんで自分の体をアピールしたい、とか言ったら本気で引くだけだけれど。―――全く、ドコが光を纏った勇者なのかものすごく興味深い所だわ……」頭痛でも 23:02 (hikami) 堪えるように額に手を添え、うめく。その仕草の結果生乾きの髪が手の甲に張り付き、少し―――不快「……嗚呼、世界を行き来、と仮定してだけれど…―――その方法、なんかは覚えてるわけ?それとも本当に“唐突”なの?」 23:07 (rouge_) 【尚也】「いや、女の子は嫌いじゃないけど見境ないわけじゃ…ないと思うぞ、うん。 ああいや、君に魅力がないとかそういうんじゃなく。」 ロリコン、と言われれば、どこか心にぐさりと刺さるものか、心当たりがあったのか、多少歯切れ悪く答えて。 「…何処が勇者か、って言われれば、本当にそのとおりだ。 ……何で僕なのか、ってな。」 パチリ、と、抜いたままだった剣を改めて鞘に納めながら、全てが終わった今でも、自問して。 23:08 (rouge_) 【尚也】「行った方法は、覚えてないな。 ……いつの間にか、草原に寝ていたのが、あの世界での始まりだし。 戻ってきたときは、あの世界の偉い人が、総出で魔法陣の様なものを組んでくれた。」 23:10 (hikami) 【燐】「―――別に魅力なんて要らないわ。こんな物如何とでも成る物なんだし」折角のフォローもどこ吹く風、と言った有様。しれっと聞き流し、冷めた視線をお返しする結果「―――………世界移動の秘儀はこの世界には無い可能性……か。いえ、あっても多分世界結界がどうにかしちゃうんでしょうね、全く―――……判ったわ、大丈夫、信じるわよ。“異世界の勇者”って言葉も、他の世界って事も。……夢に外側があるってだけでも救いだわ?少なくともそこには現実 23:10 (hikami) があるのか―――考えたくないけれど益体も無いほかの誰かの夢だった、なんてのじゃ笑えないけれど」 23:17 (rouge_) 【尚也】「信じてもらって何より、って所かな。 もっとも、信じてもらえなかった所で…こんなのは、この世界じゃ異端だし、妹にも母親にも話せやしない。 世間的にゃ、自分探しの旅に出た事になってるし、さ。」 彼女のいっている事は、よくわからなかった。 この世界が夢だという表現も、ぴんと来ない。 ただこれが夢だったのなら、随分と性質が悪いものだ、と。 そんな事を考えて。 23:20 (hikami) 【燐】「あら、異端で良いじゃない。―――寧ろ“異端”だなんて言ったらこの建物に存在する誰もがこの世界の住人ではないのだもの。夢の登場人物から望んで逸脱した人ばかりじゃない。―――衣を纏って世界と言う夢から自分を覆い隠して………真実のチカラを振るう異能、それが私達夜闇の魔法使い、だもの。」濡れ髪を弄るのにも飽き、胸の前で轟然と腕を組み、唇の端をかろうじて、笑みにも見えなくも無い形に歪ませ、告げる。「…ま、収穫、ね。此処に来たのは 23:20 (hikami) 貴方に逢った、と言うだけでも面白いわ―――異世界の存在を証明してくれる人に、ね……」 23:25 (rouge_) 【尚也】「望んで逸脱…か。 きっかけはどうあれ、こういう力をもって、それと一緒に何かやろうってんだ。……確かに、望んでの逸脱…か。」 鞘に収まったままの剣をただ、静かに眺めて。 小さく、小さく言葉を紡ぐ。 その表情には、幾分かの迷いが浮かび出ているようで…だが、それもすぐに消える。 23:26 (rouge_) 【尚也】「……そういや、燐……いや、一華は、異世界って言うの…何か、興味でもあるのか?」 少し、嬉しそうにも見えた彼女が気にかかり、そう尋ね。 23:29 (hikami) 【燐】「違うわ?貴方がシェルファを用いようとするだけで世界の“常識”からは外れる…でしょう?ドコの“常識”に喋る剣なんて居ると思う?―――だから私達は自分を鎧うのよ、月の衣を纏って…ね?ほら、衣を纏おう、と言う意思が既に―――望んでいるのよ」違う?とばかりに首を傾げ、剣と、尚也、双方の姿を見比べるような格好「……興味…ね、興味…―――多分、興味だわ。この世界は夢だもの、私の本当の居場所、てのが―――判らないから」 23:36 (rouge_) 【尚也】「常識、常識……ね。 ……どうかな、僕は、自分の纏ってる力が月衣だなんて、戻ってきて初めて知ったし、エミュレーターなんて存在も、ここにきて初めて知ったよ。 ……笑っちゃうけど、帰ってきたばかりの頃は、この世界で僕だけが違うのか…何て思ってたこともあった。」 23:37 (rouge_) 【尚也】「……難しい事は、正直よくわからない。 結局、この世界だって裏側覗けば混沌塗れ。 何が当たり前で、何がそうでないのかは…最近、よく分からなくなってきた気がする。」 23:41 (hikami) 【燐】「でも貴方は手放してないでしょう?少なくともそれは“自分の意思”―――…ま、最も逸脱した反則品が相手なんだもの、ちょっとぐらい逸脱してでも見せないと……太刀打ち以前の話だもの。―――……生憎、それは私も同じね。“自分だけ”―――全く、不便な物よね。“一華 燐”なんて日本の名前があるのに容姿はこの通り、肌の色も別に整形じゃないし、髪も眼も、染めても入れても無いわ?国籍も日本―――見てくれは見事に西欧風なのにね、今は混血が進 23:41 (hikami) んで劣勢伝の碧眼は数少ないんだそうよ?―――…最も“それだけ”じゃないのでしょうけれど。裏側、どころじゃないわ。この世界はそのまま“夢”なのよ。どこかの誰かの…それこそ“かみさまのゆめ”ね。そんな夢の舞台で踊るだけ、最も、そんな“夢”だから私みたいな存在でも赦されてるんだと思うけれどね?。―――少なくとも“目の前にあるもの”は本物だわ、つまり貴方の言う“異世界”も本物―――もしかしたらそれが私の欲しい現実かもしれないもの」 23:48 (rouge_) 【尚也】「……ここにきて、色んな人がいて…それぞれが、多分色んな背景があって、結局ここに集まる事を選んだ。」 燐の、流れるような話をゆっくりと耳に留めて。 「一華にも、僕にも。 色んな事があったわけだからさ、僕は18年。 一華は……えーと、何年だ? ま、さておき。」 23:50 (rouge_) 【尚也】「世界が神さまの夢だろーが、どこぞの誰かの夢だって言われも、僕には実感のしようもないし、正直大きなお話はお腹がいっぱいだ。 ………だからつまり、えーと。」 この、はじめたおはなしをどう締めくくるか、精一杯に頭を絞る。 彼女は、何かを探していて。 自分も、何かを探している。 ……自分が、何を? ……自分で問いかけていても、判らなかった。 23:51 (rouge_) 【尚也】「………まあ、きっと。 なる様になる……んじゃ、なかろーか。」 23:51 (rouge_) ない頭で絞り上げ、返した言葉は、そんなものだった。 23:55 (hikami) 【燐】「―――…………………………らしい答え、ね。短い時間だけれど貴方という人が少しわかった気がするわ」―――嘆息、結局はそこに落ち着くと判っていても…漏れてしまうのだから仕方が無い「この世界が誰かの見る夢だ、と言うのは私達の間ではそれなりに通った説よ。出なければ私……いえ、“私達”はこんな名乗りをしないもの。―――“夢使い”―――この世の物事を“変える”能力よ。貴方の剣が者を切り裂くとしたら私の言葉は世界を曲げる…ま、そんな 23:55 (hikami) 魔術だと思えば良いわ」だからこそこの説明もため息交じり、脱力、すら匂わせつつのモノになってしまうのだった「―――……だから私は“世界”を知りたいの。この、時々ものすごく落ち着かない感覚がきもちわる―――……っくしゅっ…!」―――……唐突、小さく、高めの、少し甘い声音の……くしゃみが、なんだか―――台無しだった。 00:01 (rouge_) 【尚也】「タオル、使う? ……ああいや、使ってないぞ! 使ってないからまだ綺麗だぞ。」 隣の席においてあるバッグをつかみ、タオルを取り出し、差し出してみせながら。 「…世界を知りたい、か。 なんかでも、いいんじゃないか、そういうの。 大きくってさ。 ……僕はなんか、そういうの、ないからな。」 00:04 (hikami) 【燐】「っ……いい、拭いてきたもの」まだぐずつく鼻を軽く押さえ、恨めしげな視線―――責任なんて無いと言うに、じとりと睨む視線。とは言え…目の前に差し出されたタオルは条件反射に受け取り、湿った髪を軽く押さえているのだった「…大きくなんて無いわ。ただ漫然と化け物退治をする気になれないだけ。―――あら“ゆうしゃさま”は実家に帰ったら落ち着いちゃったの?今でもそんなの持ってるんだし、結局、嗚呼………―――」そこまで言ってはたと、気づく 00:04 (hikami) 。口元の端に少し、意地の悪い笑みを、浮かべた「―――……向こうの世界で“好みのお姉さん”が居た、とか?」 00:08 (rouge_) 【尚也】「………あー………。」 その質問は、ちくりと胸に棘が刺すもの。 甘いような、苦いような…そんな感情が脳髄を走る。 「………そうだな、いたな。 お姉さん、ってわけじゃなかったけど。」 遠い視線。 その視線は、遠い過去だけではなく、記憶にも、思い出にも向いているようで。 00:11 (hikami) 【燐】「ふぅん?つまり―――…………逢いたいんでしょう?それで“思い出の剣”を握ったまま過ごす…正解?」言葉の端、向かう視線…その曖昧さに口元の笑みは深まり、言葉にも愉しげな響きが浮かぶ程―――だが「―――ま、もし“また動く”事があったなら、今度はその方法を覚えておく事。生憎と私にはまだ縁のある話じゃないもの、この夢から出られるなんて面白そう…使うべき夢の無くなった異分子がどうなるのか、て事も含めて、だけれど―――」 00:15 (rouge_) 【尚也】「………逢えればいいよなぁ。」 燐の愉しげなその言葉に、笑みを湛えてこたえる。 心からの笑みというよりは、笑み以外を浮かべられない…といったような表情。 「……ホントに、そうだ。」 溜息をついて、目元を押さえた。 彼女の後半の言葉は、聞こえていなかったみたいで。 00:17 (hikami) 【燐】「―――………………ちょっと、何耽ってるのよ全く……」帰ってきた言葉には盛大な、嘆息。結果……髪の水気を拭っていたタオルを一纏めにし、座ったままの相手の傍らまで至り……ちょっと、背伸び。頭の上からばさりと、微かに濡れたままのタオルを、落としたのだった 00:21 (rouge_) 【尚也】「…っと。」 タオルの感触に、はっと我を取り戻して。 それを引きつかんで、たたみ、バッグに仕舞う。  00:23 (rouge_) 【尚也】「悪い悪い、確かに、ちょっと浸ってた。 ……その例の人の姿を思い出すと、僕はロリコンって言われても仕方ないのかなあ、と、うむ。」  記憶に残る、異世界でであった少し小柄な女の子の事を思い出しながら、笑みと共に語り。 00:26 (hikami) 【燐】「―――…………年上趣味に年下趣味…随分極端ね、本当…―――というより…」思わぬ、アタリ籤に口元がつい、緩む。ひょい、と、身を屈めさせ視線の高さを合わせ……つりあがった口元を視界に晒す「―――へぇ、本当に異世界に置き去りにした“相手”が居るのねぇ……外を知ってるだけでなく外の女の子まで知ってるなんて、本当―――面白い。もう少し詳しく聞きたいわね。“外”も―――その子の事、も。私の興味はやっぱり貴方の向こうに少しぐらいあり 00:26 (hikami) そうだもの」 00:31 (rouge_) 【尚也】「く、くう、薮蛇な話だったか!? いやいやちょっとまてって、一華は僕より年下だろう! 年上のお兄さんの事をからかうんじゃありませんよっ!?」 その視線に、ぞくりとしたものを感じながら思わず後ずさり。 「だ、大体僕の話なんてきいたって、な、な!」 00:35 (hikami) 【燐】「―――年上って言いたいなら敬って貰える様にがんばるのね。“尚也”」ふん、と、鼻を鳴らし……恐らくは無意識、じぃ、と、射る様な、覗き見るような蒼玉色の瞳で相手の視線の先、封じるようにと動く「―――言ったでしょう?“貴方の話の先に私の興味がありそう”って。丁度いいことに夕食時だもの、独り言を言ってるぐらいなら食べる相手もいないんだろうし―――………私が付き合ってあげるわ。そこの食堂で良いでしょう?」 00:38 (rouge_) 【尚也】「へいへい、努力しますとてもとても努力しますよーう……ん?」 先ほどまでと、響きの違う呼び名。 少し、頬を緩ませて。 「……んじゃあ、燐。 聞かせよう、か。 僕の英雄伝説ってヤツをさ。 いやまあ、格好いい話じゃないんだけどな。」 頷き、食堂の方をちらりと見やる。 00:42 (hikami) 【燐】「―――十分よ。夢物語を踊るだけよりは異邦の話は退屈しないで済みそうだもの」表情の変化には…そんな視線向けていた所為で気づくのは、早い。ふい、と、体ごと視線を逸らし、折っていた腰も伸ばし食堂の方角へと向けた「―――じゃ、早く行きましょう?いい加減長話だわ、湯冷めしちゃう」なんて言葉を発した直後、流し見る形に向いた視線すらもが正面へと戻され―――歩き出す。付いてくる、と決定付けた程なの、だが―――…所詮は子供、挙句丈の長い 00:42 (hikami) スカートを翻さぬ様にとの歩き方……つまり―――遅い。 00:45 (rouge_) 【尚也】「……はは。」 くすり、と、そんな仕草と言動のギャップが、どこかおかしく思えて、少し笑う。 足を止めて、彼女の歩幅を待つ。 ……待ちながら、さっきの言葉を。 異世界の思い出を…「あの子」を、思い出す。 00:47 (rouge_) 【尚也】(………もう、どこにも「あの子」は、いない。 ……彼女がいないから、僕は、戻ってきた。 もう、僕は戦うことなんてないって思ってた。 ……でも、僕は結局、力を振るう事になるここにいる。 …何がしたいんだろうな、僕は。何が出来るんだろう、僕は。)考えが、巡る。  【尚也】「……死んだら、それまで。 これは、どの世界でも同じルール、だよな。」 それは、誰にも聞こえないくらいの、小さな呟き。 そして、何事もなかったかのように、燐との会 00:47 (rouge_) 話を、続ける。 00:49 (hikami) 【燐】「………仕方ないじゃない、地面を歩くの落ち着かないんだもの」その遅さは自覚済み…学年どころか学校も違う程の年上の男相手とも成ればその差も明確な程、だろう。それでも、歩む足取りを速めないのはいっそ自意識なのかもしれないが―――ともあれ。「さあ?貴方の居た世界は兎も角ここは夢だもの―――夢ならばそんな物ですら曲がるかもしれないじゃない?現に……―――私の夢はほんの少し、死の運命を曲げる事が出来る物。もっとも、相手に生きる意志 00:49 (hikami) があっての事、夢は夢、見ようともしない相手には無意味な絵空事よ。」 00:53 (rouge_) 【尚也】「……ん。」 その言葉に、小さく頷き。 何を思ったのかは、本人だけが知るところ。 「それじゃあ、先ずは僕とシェル姉の出会いから…」  【シェルファ】「そーそーこいつ戦闘始めたてのころはなくわわめくわそれはもう大変だったのよー」  表情は、何時ものもの。 剣と、尚也と、騒がしく言い合いながら、燐に、少しずつ少しずつ、思い出を語る。 語るほどに…その光景が思い出されて。 ……懐かしさで少し、胸が熱くなった。 …そんな夜。 00:58 (hikami) 【燐】「―――想像できるわ、なんとなくだけれど」聞かれ、認識出来てゆく“情けなさ”と言ったもの―――出会い頭があの転落なのだ、苦笑と共にあっさり受け入れる事の出来うる内容、だった―――……結局は道中、食事中、絵空事に夢物語―――憮然とし、時折揶揄を飛ばし、如何でも良い所を混ぜ返す―――そんな、思い出話を混ぜっ返す様な言葉を並べ、聞く。―――…相手の懐旧を聞けばそのまま思い至る…夢。―――面白く、なりそう、そんな―――不確かな“ 00:58 (hikami) 夢”を、見ていた―――… 00:58 (hikami)   00:58 (hikami)