(torazou) そのきかん ほかのひとたちとくらべると ウェンさまは おけががおおく ちくりちくりとなにかがいたむようなきがします きっとかかさまは わたしをつくりあげれなかったのでしょう (torazou) きているふくも すぐにいたむので かかさまに やきつけていただいたちしきを つかって ふくをつくろうというこういを おこなっています (torazou) はりというものと あいしょうがよいらしく おもうようになおせますので きっとウェンさまにも よろこんでもらえることでしょう (torazou)   (torazou)   (torazou)   (torazou) 【少女】「おかえりなさいませ ウェンさま」三つ指をついて、深々とお辞儀をしてウェンを迎え (rouge) 【ウェン】「え、あ、ああ。 ただいま。」 毎日の朝の日課、何時ものように身体を動かしてから戻ってくる。 自分を出迎える少女に向けて、軽く手を上げて挨拶するが…。 (rouge) 【ウェン】「うう、む……」  どうも、むずかゆい。 少女に様付けで呼ばれるのは勿論の事、三つ指を疲れての迎えも、同じ部屋に少女が住んでいるという状況も、むずがゆさを更に加速させる。 (torazou) 【少女】「どうかなさいましたか ウェンさま?」その様子を不思議そうに下から見上げて小さく首を傾げ「おつかれでございましたら おやすみくださいませ」 (rouge) 【ウェン】「ああ、いや、うん。 まだ朝だし、二度寝はちょっとな。 それに疲れているわけじゃないんだ、平気だ。 ええと…何やってるんだ?」  手にした武器を部屋に立てかけ。 腰を下ろして、ヒナタにもらった花言葉の辞典を手に取る。 (rouge) いつまでも、少女少女、と言うわけにもいくまい。 名前をつけてあげなければ…と、思うのだが… (rouge) そもそも、誰かに何かの名前をつけるという事自体、初めてのこと。 よくよく考えれば、ペットすら飼ったことはないのだ。 …これだと思っても本当にいいのかと躊躇してみたり…まあ。 一進一退である。 そもそも、進んでいるのかどうかすら怪しい。 「…ううむ。」 本を読みながら、また唸る。 (torazou) 【少女】「それはようございました、わたしも うれしくおもいます」と小さく微笑むと「はい、ウェン様のふくがほつれてしましたので おなおしさせていただいておりました」と言って繕ったばかりの服を差し出して (rouge) 【ウェン】「……え、あ、ああ。 ありがとう、助かるよ。」 その服を受け取り、つくろわれた所を確かめてみる。 …自分も、こういう作業は苦手ではない…というか、損傷度合いむしろ出来なきゃやってられないのだが…損な自分と比べても、遜色ない…と言うよりは、器用な仕上がり。 「…凄いな、よく出来てる。」 (torazou) 【少女】「はい かかさまからいただいた ちしきのおかげでございます。ウェンさまのおやくにたちましたでしょうか?」褒められては頬を染め、それは人のそれと遜色ない感情の動きで (rouge) 【ウェン】「ああ、たってるぞ。 ……フレア、か。 ……本当、何させるつもりだったんだろうな、この子に。」 頬を染める少女の頭を、軽く撫で付けて。 その名前を思い出して、暫し、回想にふける。 (torazou) 【少女】「かかさまが どうかなさいましたか?」外見よりさらに幼げな笑みを浮かべてウェンに尋ね「それはわたしにはわかりませぬ、ウェンさま。ウェンさまはなにがおしりになりたいのでございますか?」 (rouge) 【ウェン】「んー、別に何が知りたい、ってわけじゃないんだけどさ。」  自問自答する。 何が知りたいのか…と。 なんだかんだいって、自分は戸惑っているのだろうな、と思う。 不意にやってきたこの少女に、どう接するのが正しいのかと。 「あー…お腹、すいたか? そろそろ、朝ごはんには丁度いい時間だけど。」 (torazou) 【少女】「ウェンさまがおたべになるのでしたら あさげに ごどうこうしたいとおもいます。おこころづかいに かんしゃします」食べなくても支障は無いのだがウェンの言葉に頷いて返し (rouge) 【ウェン】「じゃあ、行こうか。 3食ちゃんと食べられるってのは、ホントいいことなんだ。 おれがフレアに会った頃なんて、一日一食食べれればいいほうだったからな…胃やまあ、それはさておくけど。」 (rouge) ぱたん、と、辞書を閉じ、小脇に抱えると立ち上がり。 (torazou) 【少女】「ウェンさまはべんきょうかで ございますね」と辞書への感想を漏らすとウェンの三歩後をついて歩き (rouge) 【ウェン】「いや勉強家っていうか…うん、優柔不断の結晶というか…。 いやまあ、それは置いといて。」 その言葉に、どう返していいのか若干苦い笑みを浮かべながら。 食堂へと繰り出すのであった。 (torazou) 【少女】「はい、おいておかれました」その様子にくすっと笑って、何度か訪れた食堂へと後を付いて (rouge)   (rouge)   (rouge) 【ウェン】「んむ。 さすがに天下のAAA」 (rouge) (おっと (torazou) (うにゅ? (rouge) 【ウェン】「んむ。 さすがに天下のAAA、飯も完備とくらあね。」 朝食のトレイを手にしながら、ハムエッグやトースト、サラダなどが並べられたそれを嬉しげに見やる。 「そういえば、何か美味しい…と思った食べものって、何かあるか?」 (torazou) 【少女】「きれいなおみずが とてもおいしゅうございます」といってからふと考えると数分「それでは ウェンさまとおなじものを いただきたいとおもいます」 (rouge) 【ウェン】「水か……。 やっぱ、そういうところは違うのか、それとも色々食べさせるのが良いのか、どうなんだろうな…。」 少し予想外の答えに、再び考え込みながら。 「ま…今は食べよう。 冷めるしな。」 (torazou) 【少女】「はい、ウェンさま・・・ウェンさまはなにをおたべになるのですか?」 (rouge) 【ウェン】「今日はハムエッグがとても美味そうに見えるのでそれから頂こうかな……」等と、少し行儀悪く視線で食器を眺めつつ。  【月奈】「あら、今日は早いですね。 おはようございます、ウェン。 ええと…あなたも。」  そんな中、同じく朝食へとやってきて、隣に座る月奈。 少女の名前を呼ぼうとするもまだ知らない事を思い出し、会釈を。 (torazou) 【少女】「はむえっぐ でございますね」といそいそと自分のハムエッグを見つめてはその声に気が付き「おはようございます つきなさま つきなさまも あさげでございましょうか?」ちょこんと会釈をしながらウェンのお茶の用意をして (rouge) 【月奈】「ええ、そのつもりです。」 「もうそろそろ、この子がきてから2週間近くになりますけれど。 生活には慣れましたか?」 甲斐甲斐しく世話をやいている少女を見ながら、ウェンに問いかけ。 (rouge) 【ウェン】「慣れた…というか、何というか…。  ……ああ、先輩。 おれに、もう一つ部屋、もらえませんか? …おれに、って言うよりは、彼女に…なんですけど。」 (torazou) 【少女】「ウェンさま?」自分が急に話題になったので少し驚いて「ウェンさまはわたしがごひつようではないのでしょうか?」どこかしょんぼりしながらウェンに問う (rouge) 【ウェン】「え、あ、べ、別にそういう意味合いで言ったんじゃないぞ! 必要ないとかそういうんじゃない。」 しゅん、としたその様子を見て、慌てて弁解する。 「ただなんていうか、やっぱり…な? それに、自分の部屋を持つのって、悪くない事だからさ。」 (rouge) 【月奈】「あら、ウェンってば。 大分慕われているんですね。 ……でもそうですね、確かに、誤解されることもありますか。 彼女の外見では。」 (torazou) 【少女】「ですが ウェンさまのおそばにいないと すぐにやくだつことができませぬ」ふるふると首を振って嫌がるも「ごかい?わたしになにか もんだいがあるのでございましょうか?」自分の姿をきょろきょろとみながらよくわからないと言った声を出し (rouge) 【ウェン】「んんん……。 別に、無理しておれの役に立ってもらわなくても、いいんだぜ? その、やりたい事とか…ないか、おれのこと、手伝ってくれる以外にもさ。」 少女に目線を合わせ、なだめるように、諭すように。 【月奈】「…なるほど、これはウェンも、中々苦戦しているようですね。」 そんな様子を、珈琲を口にしながら眺めて。 (torazou) 【少女】「ウェンさまの おやくにたつのが わたしのよろこぶところでございます。かかさまも そうするようにとの おことばでございました」じーっと澄んだ瞳でウェンを見つめ返して (rouge) 【ウェン】「こ、困ったな…。」(小さく呟く。 昔から、何から何まで一人でやってきた時期のほうが多い。 冒険者になって、仲間になって、初めて分担する事を覚えた。 助けになってもらう…と言っても、具体例が、中々思いつかないのだ。 …損な性分なのかもしれない。 (rouge) 【ウェン】「じゃあ……えっとだな、楽しい…と思った事とかないか、このギルドハウスで過ごしてたりしてさ。」 (torazou) 【少女】「おこまりでございますか?」ウェンと向かい合ったままに睨めっこでもするかのような困った顔で考え初め「みなさまと おはなしするのは とてもおもしろうございます」 (rouge) 【ウェン】「そっか。 楽しいか。」 ちゃんと、楽しいという感情はあるという事に安堵を覚えて、胸を撫で下ろす。 「楽しいのは、嫌いか? 嫌いじゃないよな?」 目を合わせたまま、そんな事を問いかけて。 (torazou) 【少女】「たのしいとはたのしいこといがいにありませぬ、おかしなウェンさま」ウェンの話した問いかけの意味が判らずに見当違いの言葉を返して (rouge) 【ウェン】「い、いやあ、そういうんじゃないけどさ、うん。 フレアは、きみにおれの事を助けるように、って言ってくれたみたいだけど…。 おれとしては、そうだな、何だろう。 君が楽しそうにしているのがおれの助けになる…っていうのかな。」 自分で言いながら、自分の言葉を整理して、ゆっくりと少女に向けて伝える。  月奈はといえば、そんな風に、不器用に語る弟子の姿を、微笑ましいというか、ニヤニヤと言うか、そんな表情で眺めていた。 (torazou) 【少女】「わたしが たのしいが ウェンさまのたすけになるのでございますか?」それはそれは不思議な答えと思ってウェンを見つめ直す (rouge) 【ウェン】「まあ…そう、なるかな? きみも、おれが楽しかったり。 知ってる人が楽しかったりすると、なんだか…ほっとしたりしないか?」 すっかりぬるくなったお茶で喉を潤しながら、言葉を続けて。 (torazou) 【少女】「ウェンさま それはわたしには わかりませぬ」ウェンの問いに返す答えを持たない自分が悲しくて「ですが ウェンさまが たのしいでしたら わたしも きっと たのしいだとおもいます」 (rouge) 【ウェン】「ん…そっか、なら、今はそれで十分かな。  もっと、きみがたくさん楽しくなって、おれを助けてくれると嬉しい、って、おれは思うよ。自分の部屋を持って、色んな人たちと、色んな遊びをして。」 (torazou) 【少女】「ではおへやは ウェンさまのおへやのちかくがようございます。それでしたら、いままでどおりも ウェンさまのおやくにたてます」 (rouge) 【ウェン】「………と、言うわけなんですけれど、どうでしょうか、先輩。」 静かに二人の話に耳を傾けていた月奈に、視線を向けて、出来ないか、というように尋ね。 【月奈】「…んー…たしか、ウェンの1つ隣の部屋には、誰もいなかったはずですね。 掃除さえすれば、普通につかえると思います。 その部屋を預けましょうか。 でも、ウェン。 その分、もっと働いてくださいね?」 弟子には厳しい柳乃月奈。 それでも、まあ。 笑顔で…彼女は、ウェンの提案を受諾する。 (torazou) 【少女】「つきなさま、つきなさま。おやへをつかうのはわたしですから ウェンさまではなく わたしが働かなくてはいけません」融通と言うか機微に疎いも真剣な面持ちで (rouge) 【月奈】「あら。 本当にいい子じゃないですか、ウェン。」そんな様子を、ほほえましく見つめながら。 「そうですね、存分に、ウェンの役に立ってあげてください。 さっき彼の言った、彼にとって役立つ方法で。」 柔和に微笑み、頭をぽんぽんと撫でる。 (rouge) 【月奈】「…後、ウェン。  いい加減に、この子の名前、決めてあげてくださいね。 大方迷っているのでしょうけれど、いつまでもつけられなかったのなら、それはそれで逆に失礼。 男だというのなら、決断力と度胸も見せてくださいね、たまには?」  そして、釘を刺すように。 それとは別種の笑みをウェンに向け。 (rouge) 【ウェン】「……確かに、そうか。」 釘を刺されてびく、と肩をすくめ。  そして、少女の表情を、じっと眺める。 (torazou) 【少女】「はい、つきなさま。」なでられて自分の言ったことが正しいと思ってこくりと頷いて「なまえ?わたしのなまえでございますか?」 (rouge) 【ウェン】「…………あ。」  そんな少女、じっと観察する事1分。 何かを思いついたように、弾かれたように。 急いで、食堂にまで持ってきていた花言葉の辞典をめくり始める。 (torazou) 【少女】「ウェンさまはとても しんしなかたでございますね つきなさま」その様子を眺めながら月奈に話しかけて (rouge) 【月奈】「そうですね。 ……至らない所も多いですけれど。  それでも、自慢の教え子、ですよ。」 此方の声も聞こえないくらいに、懸命にページをめくるウェンを眺め、目を細める。 (……私自身は、褒められたものではありませんけどね。) その自嘲は、誰かに聞こえるようなものではなかったが。 月奈は、表情も変えずに小さな溜息をついた。 (rouge) 【ウェン】「……チュニア。  チュニア……ってのは、どうかな。」 誰にともなく、ウェンは呟くように、そう告げた。 (torazou) 【少女】「ちぇにあ…チェニア?」くるくると不思議そうにその言葉を鸚鵡返しに返して (torazou) 訂正:【少女】「ちゅにあ…チュニア?」くるくると不思議そうにその言葉を鸚鵡返しに返して (rouge) 【ウェン】「……ペチュニア、って花の花言葉からもらった。 花言葉は、貴方が傍にいると心が和む、ってさ。」 (rouge) どう、だろうか? という風に、視線で、自分が今名づけようとしている少女に問いかけ。 (torazou) 【少女】「ウェンさまの じしょは そのためでございましたか」ほうと息を吐いて答え「ウェンさま わたしは とてもうれしくおもいます」心の底よりそう思っていると言う笑みをウェンに向けて (rouge) 【ウェン】「……なら、成立、かな。 これからも、宜しく頼むな、チュニア。」その笑みを見るだけで、慣れない辞書をめくった甲斐はあった。 名づけた少女の名を呼んで、どこか、心が暖かなものに満たされる。 (torazou) 【チュニア】「はい、チュニアはよろしくおつかえさせていただきます。ありがとうございます ウェンさま」静々とお辞儀をして「つきなさま、ウェンさまに なまえをちょうだいいたしました」嬉しそうに隣に居る月奈にも話しかけて (rouge) 【月奈】「ええ、よかったですね、チュニアさん。これからも、ウェンの事を宜しくお願いします。」  ふわりと微笑を返し、少女の名前を呼ぶ。  【ウェン】「じゃあ、チュニア。 朝飯が終わったら、部屋の掃除、やっちまうか。 おれの華麗なる掃除テクニックを見て驚くがいい。」 (torazou) 【チュニア】「はい、ウェンさまといっしょにおしごとでございますね」月奈の言葉にこくりと頷いてからウェンの言葉に幸せそうに微笑む (rouge) 【ウェン】「よし、それじゃあ……今日も一日、張り切っていく事にしましょうかね。」 トーストをほおばると、気合を入れるようにその男は一気にお茶を飲み干した。今日もまた、一日が始まる。昨日までとは、少し違う一日。 少女が、少しでも、楽しいを見つけられたら良いな、などと。 そんな事を考えながら… (torazou) 少女は笑う、ウェンの楽しいは自分の楽しいだと。だから今はウェンの言った言葉の全ては理解できないが、きっと知ってる人が楽しい事が、ウェンにも自分にも楽しいであると信じ (torazou)   (torazou)   (torazou)