外道"鬼″を倒し、守護者への報告のために守護者の居る岩場へと向かう二人 そしてその岩場について結界の中に入口に差し掛かり守護者の居る結界の通路を進む (こんな辺りから 【シフォン】「ふぅ…さすがにあの位置からだと距離あるね此処」 【フェリィ】「そうだね、けど――報告は急いでしておきたいし、次のこともあるしね」身体は確かに疲労を訴える。けど、今はそれを感じている暇はなく。 【シフォン】「まぁ、残りも二つだけだし…報告終わったら少し休みもらうといいよ。最近無理ばっかりだったし、ね」そんな様子に肩をすくめて 【フェリィ】「うん、そうするよ。流石に…また、あのときみたいに倒れたら迷惑かけちゃうしね」軽く笑い、シフォンに言葉を返す。 その様子からは、以前ほど切羽詰ったようなものは無く。 【シフォン】「(…ようやく少しは余裕が出た…かな。)もう少しかかるとも思ったけど…よかった」その様子に少し微笑んでぽそっと呟き 【シフォン】「と…そろそろかな」 【フェリィ】「…うん、もうすぐだね」 結界の通路の先をふと見て そして通路を抜ける そして守護者の居る場所を探す 【守護者】「ふむ…どうやら無事であった様だな。見事と、貴君等の手腕に敬意を表す」通路を抜けると同時に放たれる言葉、誰かを待つように入り口を見るのに最も適した場所から声を掛けて 【フェリィ】「ありがとう、――鬼は、倒したよ。これで、後2つってことでいいんだよね?」と、確認をするよう問う。 【シフォン】「ありがと」 【守護者】「貴君等二人か…他の者には大事は無いか?」と尋ねて「うむ、その様になる。残るは人道と無道だな」 【シフォン】「他の人はちょっと後片付け中。戦いでちょっと他の人の家荒らしちゃったからね」少し苦笑し 【フェリィ】「他のメンバーも、姉様も無事。うん…ちょっとね」同じ様に苦笑して…「人道と、無道…」と、残る2人の王の名について考える 【シフォン】「どんな道か…は、準備ができたら説明になる…かな?」 【守護者】「他の者の家?龍種に連なる者たちの集落か聖獣の住処でも借り受けたか?」 【シフォン】「まぁ、うん…狐の住居をちょっと」 【フェリィ】「天狐九尾の家を借りた、かな。意地悪な質問はされたけど――」 【シフォン】「意外というか…予想の斜め上の答えの出し方した人居たりしたね」その時の様子を思い出し 【守護者】「伝えるのは先になるであろうな、次に至るは無道であろうが…」と答えて少し小首をかしげ「狐か…左様な者が住むとはリルカからは聞及んで無いが」 【シフォン】「結構特殊な空間を持ってるし…鬼の分身も結界で制限かけられたくらいだから。力の大きさは相当のモノだったね。無理やり引き寄せたりもしてたし」 【守護者】「質問……どの様な物であったか聞いても良いか?」少し興味を持ったように尋ね 【フェリィ】「ん…でも、強い力を持っているのは事実――だね。えっと…何処から説明すればいいだろう?」シフォンに少し困ったような視線を向けて 【守護者】「ふむ、近場にその様な者が居るなら一度手合わせ願いたい所だが…今の我にはそれも敵わぬか」 【シフォン】「どこから…んー…そういえばこの獣王祭典の事も知ってたし…謎が多すぎるというかなんというか」 【シフォン】「……ん?…あれ?」 【シフォン】「一回目の試練の時…リーシュヴァルが居なくなったときボク達を此処に案内してくれたのも狐じゃなかったっけ?」 【フェリィ】「あ…うん、そうだったね。貴女から頼まれたのかと思ってたけど…それでも違うの?」 【シフォン】「てっきり…知り合いかと思ってたんだけど」首を少しかしげ 【守護者】「それは守護の役を引き受けるに当たって戴いた王からの賜り物である故、我も詳しくは知らぬが」とシフォンの言葉に答えて「…ふむ左様な事が有ったのか?」きょとんとした声で 【フェリィ】「…私も、知ってるものだと思ってた…」 【シフォン】「……どうやら、獣の王クラスの人(?)って考えてよさそうだね」ほんとに何者なんだか、という感じに溜息をついて 【守護者】「いや我は知らぬぞ?そもそもこの島で見知ったものは貴君等だけであるしな」 【シフォン】「そうだったんだ」ちょっと意外そうに 【フェリィ】「うん…」意外、といった表情を浮かべたまま。 【シフォン】「何というか…この島って…ほんとなんなんだろうね」あまりにも色々見てきて、そして現地に居る者にもわからない部分の多い場所ということを考えため息を 【守護者】「ふむ……まあ良い、害意が無いのであれば試練の妨げになることもなかろう」少し考えてから 【シフォン】「いろんな場所を見てきたけど…この島みたいな場所なんてみなかったよ」 【守護者】「済まぬな。我は稀人で有るが故、その問いに対する答えは持ち合わせていないのだ」 【シフォン】「いや、謝る事でもないから…ふと思っただけ」 【フェリィ】「でも…実際助けてもらってるし、私はお礼しかいえないかな…天狐には。ほんと、この島は…色んな体験した気がするな」 【シフォン】「無い物なんてなさそうだよね、ほんと」小さく笑って 【守護者】「そうか……その点に置いては我は貴君等が羨ましいかも知れぬな」 【シフォン】「………此処から出ることは適わないんだったっけか」 【フェリィ】「外へ…出られないから、なのかな」 【シフォン】「……生前の環境も…ね」少し前に聞いた事を思い出し 【守護者】「うむ…力の殆どを封じれば可能であるかも知れぬが、この場の結界は我を出さぬ為の枷であるからな。不用意に大きな力は世に出すべきでは有るまい?」 言葉とは裏腹に少しばかりの溜息と羨望の混じった声で答えて 【シフォン】「今回の試練が終わったら、出る方法試してみたりするわけにはいかない、かな?」 【フェリィ】「私なら、だけど…本当に外の世界に出たいなら、少しなら出ちゃいそう」守護者を見て、くす…と笑みを零しながら「シフォンの言うとおり、出来ればいいんだけどね」 【守護者】「可能かどうかは判らぬし、今は不用意に試す訳にも行くまいな。その時が来れば貴君の言を行動に移すのも良いかも知れぬが…」 【シフォン】「ま、全てはこの試練が終わったら…だね」 【フェリィ】「とにかく、試練を終わらせることか…何をするにしても、そこからなんだね」 【守護者】「うむ、貴君の言う通りだ。我も貴君等もその一点に置いては同じ様に縛られているな」 【シフォン】「試練を終わらせる目的が、もう一個増えたかな」少し微笑み 【フェリィ】「……そうだ、そのことで――」と、言葉を一度きり…守護者の方を見つめる 【守護者】「増えた?貴君の利得になる事でも無いと思うが」シフォンの言葉に不思議そうに フェリィの様子に気づいて…何も言わずに見守るように黙す 【守護者】「何か尋ねたい事があるなら言うが良い」フェリィの態度に佇まいを直し 【フェリィ】「今まで、色々と――ごめんなさい。そして…ありがとう。後2回の試練…よろしくね?」真っ直ぐ、守護者に向かい頭を下げ… 顔を戻して、笑いかける。 【守護者】「ぬっ……」フェリィの言葉に動きを止め「…済まぬな。人にその様な態度を向けられるのには慣れてなくてな、如何答えて良いか……」その素直に向けられた言葉に困ったように 【フェリィ】「答える必要は、ないよ。私が…謝りたいと思って、今回は着いてきただけだし――」 二人のやりとりを見て少し肩の荷が降りた感じに微笑む 【フェリィ】「貴女が悪いわけじゃない、貴女はむしろ…道を示してくれていたのに。酷いことを何度も言ったと思う、から――」 【守護者】「しかし、そう言うわけにも行くまい信義には信義で答えるのが筋であろう?」益々困ったように「…むう、千の敵を前にしても動揺すらせぬ自信が有ったが…」助けを求めるようにシフォンを見る 【シフォン】「難しく考える必要もないよ。それも感情の一つ、って事」詳しくは語らず、いや、語れることでもないのだが 【シフォン】「とりあえず、許すか許さないかでいいんじゃないかな。今は」少し笑み混じりに肩をすくめ 【守護者】「……難しいものであるな…」少しだけ恨めしそうにシフォンを見て「良い、貴君の言葉を受け入れる。今の貴君の言葉は心地よかった…ゆえに悩みになったのであろうが」とフェリィに答え 【フェリィ】「…ありがとう。実は――許してもらえなかったら、どうしようって思ってて…ちょっと不安だった」笑顔を見せて…シフォンと守護者を交互に見やる 【守護者】「言葉に誠意を含んだ相手にその様な真似はせぬよ、ああ成る程、貴君はそう笑うのだな」その笑顔に感心したように 視線が合ったら少し微笑み 【シフォン】「ああ、そうだったね…守護者は笑顔見たことないんだっけか」ふと今までの状況を思い出し 【フェリィ】「……余裕あんまり無かった、から――今も、あるかって言われるとちょっと怪しいけど。前よりはマシだと思う…かな?」首を傾げ、今の状況を整理しつつ 【守護者】「ふむ……だかその笑みの方が貴君らしいのであろう?」 【守護者】「貴君の心が遠からず穏やかにならん事を」 【フェリィ】「…らしいのかな? えっと…シフォン…?」逆に困ったような表情を浮かべて 【シフォン】「……なんで二人とも困ったときにはボクを見るかな」微妙に苦笑し 【シフォン】「まぁ、その笑顔が出せる方がフェリアードらしいとは思うけどね」くすっと笑い 【フェリィ】「ありがとう…。もう少し――よろしくね。試練を超えたいから。姉様のために、私自身のために」 【守護者】「仕方有るまい、リルカ以外に貴君ほど穏やかに我の話を聞くものはいなかったのだから」 【フェリィ】「ん…ありがとう、シフォン」普段どおり、とは行かなくても。ほぼ今までどおりの笑顔で笑う―― 【シフォン】「ま、できる限りの事はするつもり…フェリアードやリーシュヴァル…それに他の皆に、守護者やリルカの自由のために、ね」笑み交じりに肩をすくめ 【シフォン】「……穏やか、っていうのかな。自然にしてるだけのつもりだけど」苦笑し 【守護者】「言ったであろう?我が前ではそれは難しいと、それが出来る貴君は敬意に値すると」 【シフォン】「まぁ、難しそうなのは否定しないけどね」 【フェリィ】「シフォンは…それでも、凄いと思うな」守護者の言葉に同意して…「はぁ、良かった――ちゃんと謝れて」ぽつ、と呟く 【シフォン】「持ち上げられても何もでないよ」肩をすくめ ぽつっと呟いた所に、良かったね。という意味を込めてぽんっと軽く肩を叩く 【守護者】「言葉は素直に受取るが良いぞ、貴君はそれだけの事が出来るのだ」シフォンの言葉に少しだけ微笑もうとして失敗し口元を歪めて 肩に置かれたシフォンの手。彼女の方を振り向き、頷きながらもう一度笑って 【シフォン】「随分と高い評価みたいだねボク…」特に自覚とかしてるわけでもなくふむぅと考え 【守護者】「むう…やはり難しいな」 【シフォン】「大丈夫、いずれ自然にできるようになるよ」そんな守護者に安心させるように優しく言い 【守護者】「で有れば良いがな。あのように自然な振る舞いで笑えるのは良い事であろうな」シフォンの言葉に頷き 【シフォン】「そうだね」 【フェリィ】「自然に、か…縛られるものが自分の中で軽くなれば――出来たりするの、かな」と、考え込みつつ 【シフォン】「…と……あまりベースの方空けすぎるのもまずいかな。エリーシアにも報告に行かないといけなかったし」は、と気づいて 【フェリィ】「と、そうだね。エリーシアに報告の後…また、海賊のこととか考えなきゃいけないことは多いだろうし――」 【守護者】「縛られる事が確固たる拠り所になる事も有るであろうが。そうか…では急ぎ帰った方が良かろうな」 【シフォン】「あ、そうだ…何時までも守護者って呼び方もアレだし…本名はなんていうの?」>守護者 【フェリィ】「あ…うん、私もそれは教えてほしいかも」 【守護者】「名前か……」その問いには本当に困った感じで答え「我に個たる名前は無いのだ。貴君には言ったであろう?生まれてから闘う事しか教えられなかったと」 【シフォン】「……名前すら…か。ほんと何考えたんだか…」心底、名前すらつけない者達に対して溜息をついて 【フェリィ】「…名前が、そっか――」少しだけ見せる悲しそうな表情。「私はフェリィ。フェリアード=ファーゼンバーグ――貴女に名前がある無しじゃなく、そんなことは関係なく。よろしくね」そっと、手を差し出す。握手を求めるための、手を 【守護者】「霊威を高めるためだとは聞いているがな…」 【守護者】「フェリィか…うむ。名がなくとも我が我である事には代わりが無い……では貴君と改めて友誼を」一瞬その手を取ろうか迷うが、ゆっくりと近づけて握り 【シフォン】「ボクはシフォン・フランベル。改めてよろしく」 【守護者】「シフォンか……そう言えば貴君とは良く話した気がするが名を聞くのは初めてだったな」再度口元を歪めながら 【シフォン】「すっかり名乗るの忘れてたよ」苦笑しつつ 【シフォン】「まぁ、守護者ってずっと言うのも何かアレだし…名前くらいはあった方がいいと思うんだけど…んー」 【フェリィ】「うーん…」と、一緒になって首をかしげ 【守護者】「では以後シフォンとフェリィと呼ばせて貰う事にしよう」頷き 【シフォン】「勝手に名前決められるのもイヤ、だよね?」 【守護者】「ふむ?別に構わぬがシフォン、名を付けると言う意味の重さを理解しているのだな?」 【フェリィ】「名前って…大事なものだし。どんなものに対しても、そうだと思う」 【シフォン】「名前も自分を表す一つの要素だからね」 んー、と考えて 【守護者】「呪術的な因果も含めるからな、それでも良いのなら構わぬぞ」 【シフォン】「んー…ネメシア…っていうのはどう?」 【守護者】「うむ、良い響きで有るな。シフォンがその名を望むなら我はその名を受け入れよう」と少なからず気に入ったように 【シフォン】「ん、ネメシア、改めてよろしくね」 【フェリィ】「ネメシア…うん、よろしく」 【ネメシア】「ああうむ…よろしく頼む」まだな例無い言葉、自分に与えられた呼び名にぎこちなく答えて 【シフォン】「さて、そろそろほんとに戻らないと…それじゃ、またね」答えるネメシアに微笑んで 【フェリィ】「また、今度――私はあんまりこれないと思うけど。時間があったら――」返事を返し、笑みを浮かべ 【ネメシア】「うむではさらばだ……そうだな、会う機会が多く訪れると我も嬉しいのだと思う」そう 二人を見送る… それが今まで通り当たり前の事なのだが…その後ろ背に心引かれる この気持ちをリルカに伝えた如何思うだろうか…まるで母親に初めての発見を告げる子供のような考え アレはきっと喜ぶだろ……何時でもそうである様に 尤もこの後名前を付けられた事実を話すとあっけに取られる事になるのだが それは又別のお話… 今はただ始めてもらった名前に嬉しそうにし、分かれる背を寂しそうに見送る少女が居るただそれだけの事