【アルベール】(海岸の岩場に寝転んで、その横の竿を眺めながら…)「…おいノワ…お前水面に面出すな、お前の顔見て魚が逃げるだろうが…。」 (海面を覗き込もうとし…怒られてきゅぅ、と鳴いて首を引っ込めるノワール) 【アルベール】天気は晴天。流れる雲を見て…何をするでも無く時間を過ごすアルベール。 【 レン 】「…あっれー?海岸で発見あるべっち!!っていうかこんなところで一人、何してるかなー?エリーシア様から許可貰ったのー?」ひょい、と近場の岩陰から顔を覗かせたのは、黒髪の少女。 【アルベール】「(空を見上げながら舌打ち、うるせーのがきやがった…という顔で目線だけ横に動かして…)釣りだ釣り見てわかんねーかよ…煩いのが来ると獲物が逃げる…あっちいけあっち。」(しっしっと手だけ振って 【 レン 】「うわ、折角さみしそーに釣竿とお空相手に睨めっこしてるところを声をかけてあげたと言うのに!そんな心優しいレンちゃんに対してなんとゆー冷たい仕打ちっ!」よよ、と泣き崩れる真似などしながら、アルベールの言葉など全く意に介さない。岩場を乗り越えて、勝手にその隣に腰を下ろし 【 レン 】「で、何か釣れてる?それともまだつんつるてんのボーズ?」竿を眺めながら、海面へと続く糸の先をじーっと見る。よくこんな我慢比べみたいなことできるなー、と内心で少し感心しつつ。 【アルベール】「…何が釣れんのかねぇ、晩飯のタシにでもなりゃいいんじゃねーか…。」特に釣りが目的な訳でもなく…何気なく竿を上げ… 「さすがに餌も付けずに引っかかる馬鹿はいねーな。」(と、初めて釣竿の先を確認する 【 レン 】「…あの、エサつけないで釣りって、なんか違うと思うんだけど……?」餌の無い釣り針を見て、半眼でアルベールを見やって「何、お魚釣るのが目的じゃないの…はっはーん、もしかして。エサのミミズが掴めないとか!」 【アルベール】「いーんだよ、釣りでもしてりゃあ海賊様が一人でいる理由ができるってもんだ。…なのになんだ、この馬鹿は。人の静かな時間に土足で上がりこみやがって…」 【 レン 】「まったく、直に人を馬鹿馬鹿言ってー。大体、一人で居るなんてさみしーじゃないの…ああ、でも近くにノワちゃんもいるのかな?」先日の訓練時も、アルベールと行動を友にしていた竜を思い出し、その姿を探してキョロキョロと視線を彷徨わせ「おーい、ノワちゃーん?」 【 ノワール 】「クァッ!」(ばしゃあっと近くの水面から顔を出し…口を開ける。その中で跳ねる大漁の魚 【アルベール】「…俺が釣らなくても、飯のタネはできんだよ。」ふぅっと息を吐いて…「こいつは俺の船と一緒にいた海竜だからな、むしろ水の中の方が上々なんだよ。」 【 レン 】「おおー、凄い量!ノワちゃん凄いぞーっ」パチパチと笑顔で惜しみない拍手を送り、そしてアルベールに視線を戻し「ご主人様が釣る気ないから、ノワちゃんが頑張ってくれたみたいだねー?全く、あるべっちには勿体無いくらいよくできた子じゃないの」けらけらと笑いつつ、肩をポンポンと叩いて 【アルベール】「…おい、お前幾つだよ。17って嘘だろ、お前どこぞの井戸でも囲んでるおばちゃんだろ。」半眼横目で見やって、その手を払いつつ 【 レン 】「な、何てコト言うかなー!?これでももぎたて新鮮ぴっちぴちー!な花もはじらう17歳のオトメだってのにー」むぅーと子供っぽく頬を膨らませ「大体さー、何でこんなトコで一人釣りなんてしてるの?誰か誘ったりすればいいのに」 【アルベール】「人の噂が大好き、一人で居たがってる人間にお節介焼きにわざわざやってくる。仕草といいおばちゃんの資格充分だろ。…一人の理由か、そうだな…」 【アルベール】「馬鹿女、お前にとって海賊ってなんだ。」(よっと半身起こして岩の上に腰掛け 【 レン 】「だーかーらー!あたしはおばちゃんでもなければ馬鹿女でもないって言ってるでしょー?」アルベールの頭をベチン…と叩き損ね、ちょっとした不機嫌さを隠さずむすーっとした顔のまま「海賊?う〜ん……大海原を駆け巡る、ロマンに満ちた冒険野郎!!ってカンジ?」眉根を寄せ、首をかっくん、とかしげて 【アルベール】「…お前な…ほんっとうに馬鹿だろ。」先ほどよりも大きくため息をついて 【 レン 】「な、何さー、あたしなりに思う海賊の理想像を語っただけで何でそこまで呆れられなきゃならないのさーっ!?」こみ上げるムカムカをそのまま、地団駄踏みしめて発散させつつ 【アルベール】「ばか、誰が理想像語れって言ったよ…。このベースの人間にとって、海賊っつったらグランの連中だろうが。お前がどう思おうと勝手だがあいつらとガチで戦りあってる連中、あいつらに被害受けた連中にとってみれば…」  【アルベール】「海賊なんてのは男は殺し、女は犯し、奪う者はすべて奪い、やりたいがままに生きる、そんな非人道的な人間、っつー意識持ってる方がいーんだよ。…じゃねぇと、戦える奴も戦えなくなっちまうぜ。」(上げた竿をもう一回海の中に投げ入れて 【 レン 】「――むむ、なんだそうならそうと最初から言って欲しいわー」何となく意図を察してやれやれー、と肩を竦めて「確かに、グラン=オーガスは海賊で、しかも絶賛敵対中の悪党だけど。でも、だからってそういう意識を「海賊」の一括りに当てはめるかどうかなんて、人次第じゃない? 【 レン 】「少なくとも、アルベールは海賊でも、そんな事、しないでしょ?でなきゃ、フェリィやリーシュ、エリーシア様達がここに居るの、許可する訳ないんだし?」良いながら岩場に上り、再び隣に腰掛けながら。アルベールの顔を覗き込んで 【アルベール】「そういう考え方できる人間がどれだけいるよ?ガキみたいな言い方だが、海賊なんて連中は悪い奴。そう思ってる方が気が楽だろ。敵は敵としてみて容赦なく倒せ。…じゃねーとグランの連中には通用しないぜ?」 【アルベール】「そうそう、あのフェリィって姉ちゃんが出会い頭に銃向けやがったよな、それが正しいんだよ。海賊と敵対してるグループ、にとっちゃな。おい、…上がるな、狭い。」 【 レン 】「ま、そりゃそうかもね。そうやって単一的に考えてる方が簡単で楽だし? あたしだって、グランの連中は容赦なくふるぼっこにしてやるわよ…うん、戦えないからこぉ、人任せだけど!」ちょっと目を逸らしつつ。狭いと言う文句にさえ、気にしない気にしない、と気楽に言いながら 【 レン 】「でも、さ。だからって、海賊だからって。アルベールを敵視するのは、違うじゃない。それじゃ、タダの視野狭窄。海賊である前に、アルベールはアルベール、っていう一人の人間でしょ?グランオーガスだって同じ。海賊である前に、アイツ等は人としての性根が腐ってる。そして、大事な仲間を傷付けた。だから、あたしはあいつ等が許せない」 【 レン 】ぽつり、ぽつりと呟く。その言葉は、偽りのない本心。届くかどうかは分からなくても、きっと、今。言わなくてはいけない事。 【 レン 】「フェリィが銃を向けたのは…アレは、例えアルベールでなくても、海賊でなくても。流れ着いた相手には、きっとみんなしてると思う。あたしと同い年でさ、ギルドマスター、なんて重たいもの背負ってるんだもん。たとえ本人がそういうの、好まなかったとしても…しなくちゃいけないのが、ギルドマスターの、役目だろうしね」そんな彼女の力に、あんまりなれない事を少し歯がゆく思いながら 【 レン 】「でも、ちゃんとアルベールが敵じゃないって、悪い人じゃないって分かったから、受け入れてくれた。なら、堂々としてれば良いじゃない……自分から避けて一人になるなんて、そんなの何か…違うと思うよ?」 【アルベール】「…ま、俺は望んで団長になってっから…人に押されてリーダーやってる人間の気なんかしらねーが…。」 【アルベール】「…馬鹿女、キャラ違うくね?」 【 レン 】「ひ、人が折角シリアスに語っていたとゆーのに…全く、空気読みなさいよねー?」ぺち、とアルベールの腕を軽く叩く「…ま、あたしも色々、考えてる事はあるんだよー?」 【アルベール】「…第一だ、あの姉ちゃんの力になれない事を恥じる事はねーだろ…。現にあいつは良くやってる。っつーかな人の上に立ってる人間は下にいる人間に早々弱みを見せれるもんじゃねェ。不安ってのはすぐ下に伝播するからな。」 【アルベール】「だから例え感情的になりたいことがあっても、人前にいる間はそれを押さえ込む義務がある。もちろん、それだけじゃ潰れちまうからな…支えが必要だ。」 【アルベール】「人前にいない時、プライベートな時間、そういう時に隣で支えられる人間がいるんなら、パンクすることはねーよ。むしろ、いる以上はより人前にいる時は強くいてもらわねーとな。」(ごろん、ともう一度ねっころがる 【 レン 】「なんか、そっちこそあるべっちらしくないと思うんだけど……恥じてる訳じゃ、ないけどね。まあほら、仲間として、何かこう、助けて上げられたらなー、とは思うのよね」自分の中にあるフェリィや、リーシュへの思い、上手く言葉に出来ず、なんとか形にして 【アルベール】「何言ってやがる。俺様はこれでもひとつの海賊団の頭張ってる人間だぜ。組織ってもんの難しさは…あいつらより年季は上だぜ?」 【 レン 】「支え、って意味なら――多分、フェリィとリーシュはお互いに支えあってるんだと思う。双子の姉妹で、同じ様な境遇で…多分、普通の姉妹よりもずっと強い関係だと思うよ。まあ、憶測なんだけどさー」少し、難しい顔で。手元にあった石を、軽く海に放りつつ「あはは、そうだねー。あるべっちは海賊団のお頭だもん、そりゃそうよね、うんうん」 【 レン 】そういえば、目の前に座す男は、海賊団の頭であった…そんな事を、今更ながらに思い出す。視線の先でだらける男は、その双肩に、多くの配下の命を背負ってきたのだと。 【アルベール】「ある程度は感情的でも良いとは思うぜ…勢いってのが重要な時もあるからな。けど、苦しい時こそ頭の連中が真っ先に辛さ、弱みを見せちゃいけねーんだ…不安が一気に下に回って組織が崩れるからな。…っと話変わったな。」 【 レン 】「リーダーってのはホント、大変な立場よねー……うん、想像しか出来ないけど、あるべっちもきっと大変だったんだろうね、色々」うむうむ、と一人納得するように頷き 【アルベール】「…なんか、その訳知り顔…マジむかつくな…。」とん、と油断してるレンの背中を押して… 【 レン 】「はっはー、まあ、あたしも分からない訳じゃ――ってにゅああああぁぁぁ!?」軽く押されただけ、しかし、狭い岩場に座っていた為あっけなくバランスを崩し――直後、跳ね上がる水飛沫。顔面から見事に着水して 【アルベール】「…っく…っははははははは!お節介の報いだぜ、馬鹿女。ちったぁ水もしたたる女になってレディにでもなりやがれ。」と、身体を起こして海面を覗き込み 【 レン 】「こ、こぉーぬぉ―――……!!」水面から顔を半分だけを出し、ふつふつと煮えたぎる怒りを、呻くような声とともに、視線に乗せて睨み据える 【アルベール】「(くっくっとまだ腹を抑えて笑いながら…)…へー…意外と泳げるのか、お前。」 【 レン 】「ふん、あたしの故郷は海に面してたんだから。昔はよく泳いだものよ」ぷかりと水面に浮かびながら、器用にえへん、と胸を張って見せて。 【 レン 】「ってゆーか笑ってないで助けなさいよこのあるべっちー!!」未だ笑い続けるその顔面目掛け、掬い上げた海水を飛ばして 【アルベール】「…スタイル悪くねーのに…中身がなぁ…(ぶつぶつ言いながら、大げさにため息ついて)…」 【 レン 】「……何か、今とってもすごく、馬鹿にされた気がするわ……はぁ」膨れっ面のまま、助ける気配の無いアルベールに溜息を付き。ざぶざぶと泳ぎ岸へと向かい 【アルベール】「別によ…」 【アルベール】「それだけで一人になってるわけじゃねーけどな。…ほら、引っ張り上げて欲しいんだろうが、お節介女。」とため息混じりに、手を伸ばして 【 レン 】「ふむふむ、孤独を愛するロンリーウルフ!なんていいだす訳じゃないでしょーね…あ、割といいとこもあるのねー」伸ばされた手をガッチリと掴み。遠慮の欠片も無く、全力、全体重をかけて腕を引っ張り、岩場を足掛かりに攀じ登ろうとする 【アルベール】「っし…気が変わった。」途中まで引き上げた所でその手を離して… 【アルベール】「来な、ノワール!」自身も、海の中に飛び込む 【 レン 】「ってにゅわわわっ!?」縋っていた手を離された以上、物理法則にしたがって再び海中へと落ち。飛沫が陽光を反射し煌く中から、ものすごく不機嫌そうな顔を出して 【アルベール】「こいつが海は好きだからだよ。…一人でいる理由にはなんねーけど、海にいる理由にはなるだろ?」 不機嫌なレンと、眩しそうに空を見上げるアルベールの間から |□・)?不思議そうな顔を水面に出して、アルにじゃれ付くノワール。 【 レン 】「むむ……ノワちゃんの為か。だったらまあ、納得しないでもないけどさー」完全に納得した訳でもないが。そういう理由ならば、と頷き。アルベールにじゃれるノワールに近付き、その背中にきゅ、と確り抱きついて 【 レン 】「でも!一人で、っていうのはダメね、ダメダメ。折角だから、交流とか広げてみたらー?いきなりは無理だろうケド、腹を割って話し合ったら、案外意気投合しそうな人、いると思うわよー?」 【アルベール】「言ったろ、こいつは海竜なんだよ。」<ノワの為     【アルベール】「そのうちな。(じと眼で)けどな…さっき話したような事言いふらすんじゃねぇぞ。」 【 レン 】「海の竜なのに陸でも動けるなんて、ノワちゃん凄いねー?」抱きついているノワールに、感心したような褒めるような、そんな口調で話しかけて 【 レン 】「ん、ああ。別に良いけど?貸し一つ、ってコトよね?」にまにまと意地の悪い笑みを浮かべながら 【アルベール】「…。…ぁーくそ!静かにするっつー条件付きで…ノワに会いにくるなら来る事を多めに見てやる…これで貸し借り無しだ。」 【 レン 】「んんー?でも、ココに来るのってあたしの勝手だしー。優位の立場に居るの、あたしだって分かってるかな、かなー?」アルベールに近付き、肘でうりうりー、と腕を小突きながら 【アルベール】「…。…犯すぞ馬鹿女…っ!」 【 レン 】「きゃー、あるべっちこわーい」思い切りおちょくったような声を上げて、じゃぶじゃぶと岸に向かって泳ぎ始めて 【アルベール】「…そうは言ってもてめーは言わない気がするけどな。…馬鹿は馬鹿でも…」(ノワールの背に乗って、そのまま岸辺の方に波乗りしつつ… 【アルベール】「…大がつく…大馬鹿女だしな。」 【 レン 】「――でもまあ、ここであたしとお友達になったのは。きっと、大きな前進だよ、チミィ?」岸に上がり、純白の司祭服を、濡れた素肌に貼り付け。降り注ぐ陽射しの下、満面の笑顔でアルベールに向けて。 【アルベール】「馬鹿女が…。最悪の第一歩だ。(流れ着くまま砂辺に流れ着いてレンの横にノワごと横になって…)」 【 レン 】たった一人と結んだ、小さな縁。しかし、縁とは集い巡るもの……そう思うからこそ、きっとアルベールも、皆と仲良くなれる筈だと 【 レン 】「あっはっはー、だったらその最悪が、最高になるように頑張ればいいでしょー?後で振り返って、いつか遠い海原の上で、部下のみんなと笑い話にできるように、さ」 【 レン 】寝そべるアルベールの隣に座り、ノワールの身体をぺたぺたと撫で回しながら 【アルベール】「…てめぇの事だから、笑い話にしてる横でちゃっかり乗り込んでそうなんだけどな…(薄ら寒そうに言って)」 「…でもって普通に馴染んでるとこしか想像できねぇ辺りがこえぇ…」 【 レン 】「海賊かー…ううん、海原を舞台に駆け巡るレンちゃんの大冒険!!……割と良いかもね、うん」こくこく、と頷きながら、けらけらと笑う 【 レン 】「あ、その時はアルベールもちゃんと部下にしてあげるから、大丈夫だよー?」 【アルベール】「お断りだ馬鹿女、誰が乗せるか…ってぇ!ざけんなっなんでてめぇが仕切ってんだ!」 【アルベール】|●ー`)y-~「第一、俺の船には俺の女しか乗せねぇんだよ。」 【 レン 】「えぇ……あるべっち、そんな事言ってたら、誰もお嫁に来てくれないよ?」ものすごく気の毒そうな顔で、肩をぽむ、と叩きつつ 【アルベール】「…てめぇマジ犯すぞ…。(隣でノワと戯れるレンの顎を掴んで向かせて…)…面とかなら文句無いんだがなぁ…神は二物を与えても三つ目を与えず…ってな。」 【 レン 】「――っひ、嫌アァァァ!?」顎を掴まれた、その瞬間。脳裏に過ぎったのは――あの、異邦の魔術師の館で体験した『悪夢』。全力でアルベールの腕をはじき、みっともなく後ずさって。身体を掻き抱いて、震える 【 レン 】「あ、はは…ま、全くもー……あ、あたしは、天からニ物も、貰ってるんだから…これ以上は、遠慮した、だけだってば……っ」こみ上げる嫌悪感と恐怖に震えながら、無理矢理に笑みを浮かべて、言葉を紡いで 【アルベール】「…ぁ?(その豹変に戸惑いつつ身体起こして…)おい!?」 【 レン 】「っ、大丈夫!!ちょっと……ちょっと、ヤな事、思い出しただけ。ちょっとしたら収まるから――」 【 レン 】 何度も、深呼吸をする……あの忌まわしい記憶を、深く記憶の底に追いやりながら。身体を叱咤し、震えを押さえ込み……やがて、その震えも完全に収まって 【アルベール】「…(はぁ、とため息…)…いいか、嫌な事思い出させたのは悪かった。」 【 レン 】「……いやー、あたしもあれくらいでみっともなく動揺しちゃって。いやはや、修行が足りないわー」ぺしん、と自分の頭を叩き、けらけらと笑う 【アルベール】「…話せ、とは言わん。…ただな、お前こそ支えが要るんじゃないか、って思うぜ…。さっきフェリィの奴を支えられないって言ってたな。馬鹿が。自分を支えられない奴が、人を支えられるか、ド阿呆。」 【 レン 】「ぐむ……あ、アレはまあ、事故だし?レンちゃんの支えは、この燃え滾る熱い信仰心!」ぐぐ、と力強く作った握り拳を、天に突き出し「たまに信仰してる神様の名前忘れるけど、そんなの関係ないっ」色々、ダメなことを力強く宣言した 【アルベール】「…馬鹿野郎が。…信仰で救われんなら救われねー人間なんていねーだろうが…。そういうこと言ってる奴が一番最初に潰れんだよ、馬鹿が。(吐き捨てて)…人は一人では生きていけない、とかそういう教義みたいなことほざくのはお前らのお家芸だろうが…ったく。」(半ば怒りも込めて言い切って 【 レン 】「まあそこはほら、信仰心もないよりはマシじゃない?ってお話よね。たまに、そうやって縋りたくなる時もあるのよ。決して、祈れば救い上げてくれる訳じゃなくても、ね。だからこそ、宗教って今でも人の心の支えになっているんだし」 【 レン 】「それにまあ、有難味も何もない話を言えば。神様信じて無くても、キセキの力って使えちゃうしねー」罰当たりなものよねー、と笑い「…ま、心配してくれてアリガト、とは言っておくわね」 【アルベール】「(舌打ちして)心配なんかしてねーし…。そんなら神様にでも縋って嫌な思い出を忘れられるように頼んでみろよ!触れられた位であんな取り乱してやがった人間の言う事じゃ…!…。…。…悪ィ、とっとと着替えろ。いくら馬鹿でも風邪引くぞ。」(元いた岩場の上に戻って、もう一度その上にごろんと寝転がって… 【 レン 】「はいはーい。ま、このままじゃ風邪引くし、そろそろ戻るわよー……って、落としたのはあるべっちじゃないのー!?」はた、と忘れていた事を思い出し、感謝なんてして損したわ、と呟きながら「ふん、全く……あんまりベース空けてると、捜索隊出ちゃうから、程ほどで戻ってきなさいよー?」それだけ言い残し、踵を返してベースへと去っていく 【アルベール】「…大丈夫って言ってた奴の面かよ…馬鹿女が…。(今日一番のため息をついて…)頼る相手のいない人間の仮面は…自分を追い込むだけだぜ…。」気には掛けつつも、それでも自分以外の誰かが、支えになってやれる事を祈ってやりつつ 「…あいつの神様、なんだっけか…。」 【 ノワール 】|□・)?かみさま、おいしい?   【アルベール】「…くそ不味ィよ…。特に、信仰してる奴が救われない様見るのはな…。」(言いつつ脳裏にさっきの表情思い浮かべて…)「…ったくどこが貸しだ。あんな面見せやがって…!」(やりきれない気持ちを抑えて起き上がって…もう一度海に飛び込み…) 【  レン  】「あちゃー、ちょっとマズったかなぁ………うーん、あるべっちに逆に気遣われてしまうなんて、レンちゃん一生の不覚!」小走りしながら、はふ、と溜息を付いて「――ま、とりあえずあるべっち…とノワちゃんをお友達リストに追加、っと」胸中のお友達リストに二人の名を書き込みつつ「…ああ、そういえばルーカスからお詫びせびるの忘れてたわねー」 そんな、他愛ないことを呟きながら、ベースへと戻る。濡れた身体で切る風は冷たく、しかしそれが、悪夢の残滓を冷やしていく とりあえず、その日一日。濡れた身体を引き摺って帰ったレンは、結局、夜に体調を崩して寝込む羽目になったのだった――