【フェリィ】(姉様の傍でころ、とベッドに転がって 【リーシュ】お帰りなさい、フェリィ(本を置き、妹の髪に手を伸ばし 【フェリィ】…うん、ちょっとだけ疲れたけど(心地よさそうに、撫でられて 【リーシュ】なら、しばらくお眠りなさいな。疲れには、食事と休養が1番ですからね(身を捻り、フェリィと向かい合わせになるよう、横になって 【フェリィ】ん…ぅ。姉様の傍に居る――(ぎゅ、と姉の身体に腕を回す。ほぅ、と息を吐いて 【リーシュ】ええ、私の隣は、フェリィのためにいつも空けていますもの(体重が、腕の血流を妨げないよう、僅かに身を捩り。傍に、まだ在ると不安にさせぬよう。存在を感じ、感じられるよう身を摺り寄せて 【フェリィ】うん…ありがとう、姉様――(自らの腕の中にある姉の身体、温かさ。自分の潰れてしまいそうな心を包んでくれる…安らぎ。とく、とくと姉の鼓動を感じる…自分の鼓動を、それと重ねるように。 【リーシュ】あら、お礼を言うのは私の方ですよ。大好きなフェリィを、こんな近くに感じられるのですから(短く口付け、にっこりと微笑み。フェリィの休息を、妨げぬよう。でも、いつもと違わないように 【フェリィ】姉様…怖く、ないの? 試練が失敗するって…試練の失敗が、すぐ傍に見えちゃって…私、怖い。一度は消せたと思ったはずなのに…また(微かに潤んだ瞳。姉を見つめ…言葉を続ける。姉は、どう思っているのか…聞きたくて。 【リーシュ】フェリィが手伝ってくれているのに、失敗なんてする筈が無いでしょう? それに、システムを知れましたから、抜け道も幾つも思いつきましたし。私が怖いのは、こんな事でフェリィが斃れてしまう可能性、それだけですよ       (落ち着いた口調で、言葉を連ね。フェリィを失ってしまう可能性で、フェリィが鬼に刃を突きつけられた場面を思い起こし。僅かに、語気を強め 【フェリィ】あの鬼を倒さないと…いけない。私は…もっと、強くなりたいよ――あいつを、倒せるように…(姉に抱きつき、心のうちを曝け出す。じっと姉の瞳を見つめ…決意を、新たにし)       …大丈夫、って絶対は言えないけれど…姉様と一緒なら、私は飛べるもの。だから… 【リーシュ】フェリィなら、倒せますよ。今までの試練も、楽にではありませんが突破してきたじゃないですか。それに、私も、皆さんも手伝ってくれますしね(鬼の台詞を思い起こし、敵を人とする言葉を避けるよう言葉を選びながら 【リーシュ】瞳を見つめ返す。嘘偽りなど何一つ、フェリィに対しては持たないのだから。全てを見せられる信頼で、その視線にやわらかく応え 【フェリィ】…偽善、って言われた。偽善でも、いい――私は、姉様と一緒に生きたい…そのための覚悟は…前からしてるもん。強くなるんだ、って…前に進みたいんだもん。       皆と一緒に、姉様と一緒に…(目を閉じ、言葉を返していく。純粋に…そうでありたいという願い。 【リーシュ】私と共に生きるのは、善でも悪でもありませんよ。だから、それを望む事を、善だの悪だの規定し、貶める事の方が目的でしょう。ですから、あまり気にすることはありませんよ。       フェリィは、フェリィの生きたいように、望みのままに(その望みを支えると、背中に手のひらを押し当て 【フェリィ】うん…姉様――一緒に、生きようね…(背中に触れる手のひらの温かさ。それだけでも、とても大きな支えになる…そんな感じがして。 【リーシュ】そんな事、とうに約したではないですか(自らの髪のリボンに触れ、笑いかけ)二人で生きていくのは、もはや決まった未来。あとは、どれだけフェリィを、笑わせてあげられるか、ですよ。       そのためにフェリィの気掛かりを、早く軽くしてあげたいと思うのですけれど、ね(試練など、それだけの意味しかないと 【リーシュ】そして、ただそれだけの事に、フェリィの心を縛られているのが、歯痒くて 【フェリィ】…うん、そうだよね――私も姉様に笑って欲しいから、心の底から……それに、不安も取り除いてあげたいから――そのために頑張る。一緒に、頑張ろう…?(きゅ、っと回した腕に力を込め… 【リーシュ】その気持ちだけでも、とても嬉しいですけれど。それを現実にするために、また、フェリィの力を、借りさせてもらいますね(溶け合えぬ肉体を、それでも少しでも近くに感じたい。一緒に歩みたいと。もう片方の腕も背に回し。力を込めて 【フェリィ】…うん、私の力が役に立てられるんだから――頑張るもん(にっこりと、笑みを浮かべ…姉の頬に口付け。そのまま、身体をぴたりとくっつけ 【リーシュ】では、頑張るために、おやすみなさいな。人は、永遠に頑張り続ける事はできないのですから。休息を取り、頑張るための下地を作りませんと、ね(労わるように、服の上から肩に口付け。自分も休むからと、目を閉じて見せて 【フェリィ】…うん、お休みなさい。姉様――(同じく、目を閉じる。目を閉じると、すぐに意識が遠のいていく…そのまま、姉を抱き締め。 【リーシュ】お休みなさい、フェリィ。良き夢と、良き眠りを。そして雑事が、眠りの雲を晴らさぬように(月の女神に、妹の安息を願い。愛しき人の腕の中で、幸せなまどろみに落ちて行く。願わくば、かの人に、この幸せが戻りますように       互いの幸せを願いながら、自らのそれを省みず。それでも、互いへの想いで歯車は回る       互いの思いを信じ、歩き続ける…それが、翼になると信じているから。       だから、幹を支え合い、根を絡ませ。枝葉を閉じて、今は休む。また翼のように広げ、羽ばたくために、