23:43 (misutan) 【ザルヴィーラ】「おなかいっぱいに、なった?」匙を、器に戻し。問いかける 23:44 (misutan) 【???】「うん……」その問いかけにベッドに横たわった少女が、小さく頷いた 23:45 (misutan) 器の中身は、まだ、半分以上残っている。大分、調子が戻ってきたようだが、それでももう入らないようだ 23:46 (misutan) あの頃は、私よりもたくさん食べていたのに。駆け回れなくなったからか、今では、この部屋の誰よりも小食だ 23:47 (misutan) じゃらり 23:47 (misutan) 鎖が鳴った。姉にも、食べさせてあげないと…… 23:48 (misutan) そう、思いながらも。重たい溜息が出るのは、止められなかった 23:51 (rouge) 【エルオーネ】「んー。  んーんー。」  部屋の中でそんな葛藤が行われているとは露知らず。 ザルヴィの部屋の前をうろつく少女が一人。 23:53 (rouge) 【エルオーネ】「……なんか、引っかかるんだよねえ。 かといって、ううん。」  ともに冒険に出た少女。 鎖に繋いだ女の力を振るう少女。 だが、その行使に伴う表情は、自分の目から見ればとても辛そうに見えて。 23:55 (rouge) 【エルオーネ】「事情とか、全然わからないんだけど…ね。 ……やっぱ、ああいう表情はいただけないかなあ。 折角、可愛いのに。」 きっと、何らかの事情があっての、少女であり、女性であるのであって。 そこに自分が踏み入れる領域があるのかどうか、それは判らないけれど。 23:57 (rouge) 【エルオーネ】「…ま、いっか。 可愛い子だったもんね。」 お節介かもしれないし、逆に迷惑かもしれないが。 気になってしまったのだ。 聞いてみよう。 そして、自分に何か出来るならやってみよう。 そういう結論に至って、ドアをノックする。 23:58 (rouge) 【エルオーネ】「ザルヴィちゃん。 いるっ、かなー?」 明るい声で、呼びかけてみながら返事を待つ。 23:58 (misutan) 【ザルヴィーラ】「はい? 誰でしょうか……ええと……エルオーネさん、ですか?」 23:59 (misutan) 中から、警戒するような声。でも、相手が分かると、それは、多少薄れたようで 00:00 (rouge) 【エルオーネ】「はいっていーい? ちょっとお話したいなー、なーんて。 月の綺麗な今晩に、君の美貌が見てみたい…なんちって。」 口調はリラックスした、何時もの砕けた調子で。 気取った男の真似すらやって見せながら。 00:02 (misutan) 【ザルヴィーラ】「お話、ですか? では外で……ううん……」姉から、目を離してはいけない、絶対に。でも、なら、この部屋を見せられるのだろうか? 00:02 (misutan) 扉に寄ってその手前で。どうすればいいか、固まってしまう 00:04 (rouge) 【エルオーネ】「駄目、かなー? 急がしだったり、する?」 中々開かれない扉、不安が胸をよぎるがそれを出さないように、明るい声で。 00:06 (misutan) 【ザルヴィーラ】「え、いえ……忙しくは……」断る言葉も見出せず。流されるように、扉を細く開けて、顔を見せて 00:08 (rouge) 【エルオーネ】「お、いたいた、ザルヴィちゃん。 今日も可愛いねっ。」 きゃーん、と、大げさにリアクションなどとって見せたりするのは、何時もの事。 「入っちゃって、いいかなー?」 そのまま、明るい調子で彼女に問う。 00:10 (misutan) 【ザルヴィーラ】「こんにちは、エルオーネさん。部屋に……ですか。あまり、気分の良くないものを見せてしまう事になるかもしれないですけど、いいですか?」 00:11 (misutan) 扉の内を、時折確認しながら。見せてしまう事に抵抗はあれども、どうせ、知っている人は、もう知っている事だと諦めて 00:13 (rouge) 【エルオーネ】「うやん? 別に私は構わないよん。 なーに? 実はザルヴィちゃんって意外と掃除の出来ない子だとか。」  扉の中の光景に、肉便器がいるであろうことは想像しつつも、全体の様子までは想像がつかない。 それでも、話に来たのだから、と。 何の同様も無く、頷き、ドアに手をかける。 00:14 (misutan) 【ザルヴィーラ】「でしたら……どうぞ」最後の迷いを振り切って、開ける。 00:15 (misutan) 部屋の中には、ベッドが二つと、箪笥等の、この島で作られた家具……そして、彼女がこの部屋を選んだ理由であろう。屋根を支える支柱に繋がれて、一人の女が茫洋と佇んでいた 00:17 (misutan) いや、茫洋としていたのは、その瞬間まで。エルオーネの姿を見るや、目をどんよりと輝かせ。餌を置かれた犬のように、力強く床を蹴り……鎖に、その行動を阻まれた 00:17 (rouge) 【エルオーネ】「じゃ、おっじゃましまーすっ♪」 軽い言葉とともにドアを開く。  「………ん…う。」  直ぐに目に入ったのは、自分がそもそもこの部屋にこようと思った原因の、彼女が肉便器とよぶ女性。 その雰囲気に、どこか気圧され、小さくうめく。 00:19 (misutan) 【ザルヴィーラ】「済みません……すぐに、大人しくさせますから……」済まなさそうに、頭を下げると。獣を叩く用の鞭を、手にとって 00:20 (misutan) 【???】「お姉ちゃん……? 誰か、居るの?」 00:20 (rouge) 【エルオーネ】「ああ、うん、いいの、ぜんぜんいいの。 そ、そこまでしなくてもいいからさっ。」  鞭をとるのをみれば、慌てて止めようと、ザルヴィーラに駆け寄りながら。 00:21 (misutan) その声は、2つのベッドの片方から、聞こえてきた 00:22 (rouge) 【エルオーネ】「…あれ?  もう一人、いたのかな?」  それは、まったく意外な存在で、だれだろう、と、そちらをみる。 00:23 (misutan) 【ザルヴィーラ】「いいんですか?……それなら、いいですけど……うん、同じギルドの人。お姉ちゃんが冒険者になったって、この間教えたでしょう?」後半は振り向いて、そのベッドのふくらみに、声をかけ 00:24 (misutan) 【???】「あ、初めまして。お姉ちゃんが、お世話になってます」そこには、シーツから顔をのぞかせた。ザルヴィーラより幾分幼い感じの、でも、血縁を感じさせる顔 00:25 (misutan) そして、身体の存在を示す、ベッドの半ばまでのふくらみがあった 00:25 (rouge) 【エルオーネ】「うんうん。 事情、よくわからないけど、いたいのってやーんだもん。 妹さん、かな? はろはろー。 お姉さんのお友達のエルオーネだよっ、よろしく!」 シーツから顔を出した少女に、しゅた、と手を挙げながら快活に答えてみせる。 00:27 (misutan) 【ヴァシュカ】「よろしくお願いします。ザルヴィーラの妹のヴァシュカっていいます」素直に、そう答える。手は、振り替えしてくれなかったが 00:28 (misutan) 【ザルヴィーラ】「ヴァシュカ、具合はいいの?」と、冒険中は見せない、姉の顔を覗かせ。妹を気遣い 00:29 (misutan) 【ヴァシュカ】「具合が良く無くったって、良くなってみせるもん。お医者さんと、お姉ちゃん以外の、初めてのお客さんだもの」 00:30 (rouge) 【エルオーネ】「ヴァシュカちゃんかー。 ザルヴィちゃんに似て可愛い子っ。 ごめんねー、夜遅く、寝ちゃってたかなー?」 起き上がってこないその姿を見て、眠りについていたのを起こしてしまったのかな、などと思いながら、両手をあわせてみせる。 00:32 (misutan) 【ヴァシュカ】「かわいいなんてお上手ね〜。それとも、都会の女の人って、そうじゃないとなれないのかな?」と、首をかしげて、しげしげとエルオーネのメイド装束を見て 00:34 (rouge) 【エルオーネ】「やっだなー。 あたしは正直なだけだよー。  ……っ…て……え…?」  こちらも、ヴァシュカのことをもう一度よく見て。 …そして気付く、違和感。  明らかに、足りないからだ。 見間違いではないかと、何度か目を瞬かせて。 「…え…?」 思わず、言葉を失って。 00:36 (misutan) 【ザルヴィーラ】「やっぱり、気分良くない……ですよね?」と、溜息をつく。誰かを連れてくれば、妹が喜ぶ事は分かっていたが、こうなる事が、嫌だったのだ 00:38 (misutan) 【ヴァシュカ】「本当に正直者ね、お姉ちゃんとは大違い」こちらは、逆にさばさばとした表情で、笑い 00:39 (rouge) 【エルオーネ】「え、あ、やー。 …大丈夫。 ちょと、びっくりしちゃっただけ。 ごめんね、驚いちゃったりなんかして。」 どんな事情があるにせよ、目の前の少女は笑っているのだ。 ならば、こちらも直ぐに表情を戻して、笑うのが礼儀だ、そう思い、笑って。 00:41 (misutan) 【ヴァシュカ】「ううん、ありがと」にぱっと、屈託無く笑いかけ 00:42 (misutan) 【ザルヴィーラ】「本当に、大丈夫です? 無理……しなくても……」こちらは、幾分まだ、懐疑的に 00:44 (rouge) 【エルオーネ】「ああ、うん、ほんとだいじょぶだよ。 可愛い子だもん、妹さん。 あ、座っていい?」 ザルヴィに先と同じ笑顔で返し、家具を指差しながら。 00:45 (misutan) 【ヴァシュカ】「それより、お話に来たんでしょ? お話に」状況が知られたからか。5センチも先がない肩をシーツから出して、横の空の椅子を薦め 00:46 (misutan) 【ザルヴィーラ】「それなら、いいんですけど……あ、飲み物を」と、水差しと、コップをテーブルに置いて 00:47 (rouge) 【エルオーネ】「ん…そうそう、お話お話。 もうちょっと仲良くなりたいなー、って言うのと、ちょっとしたお節介の、両方、それが、用件かな。」  明るい妹の言葉に、少し緊張がほぐれたのか。 椅子に腰掛けながら、ザルヴィに向けて言葉を紡ぐ。 砕けた調子ながらも、その言葉は真剣なものが混じり。 00:48 (misutan) 【ヴァシュカ】「はぁ〜、不肖の姉でごめんなさい」やれやれと、芝居がかった仕草で首を振って 00:50 (misutan) 【ザルヴィーラ】「仲よくだなんてそんな……遊ぶとか、今は考えられないですし。その……」エルオーネの言葉に、混乱したようにパクパクと口を開け 00:52 (rouge) 【エルオーネ】「一緒に冒険に出たなかだし、運命共同体だし。 仲良くなりたい、って、普通思うよ? それに、ザルヴィは私の目に適うに相応しい可愛さを誇ってるしね!」 ダメ押しとばかりに、ずびし、と指を突きつけ。 00:54 (misutan) 【ザルヴィーラ】「かわいい……ですか」どこか複雑そうに、その形容を飲み込んで 00:56 (misutan) 【ヴァシュカ】「あ〜、それ割と禁句。わたしもあんまし、いい顔できない、かな〜?」と、首を振って 00:58 (misutan) 【ザルヴィーラ】「あ……ごめんなさい。褒めてくれたのに……」済まなさそうに、頭を下げて 01:00 (rouge) 【エルオーネ】「う、そっか。 ちょっと地雷踏んじゃったかな、ごめん。 でも、お友達になりたいってのは、本気だよ?」 ちょっと何時もの調子ではしゃぎすぎたか、と…思い直し。 だが、この部屋の…この妹の、そして、あの女性とともに住むザルヴィだから、何かがあるのだろう、と。 そう言われれば、素直に頭を下げて。 幾分か真面目な顔で、ザルヴィに向き直る。 01:02 (misutan) 【ザルヴィーラ】「ううん、エルオーネさんは悪くないです……お友達になっても、こういう事情で部屋を離れられないんで詰まらないと思いますけど……」と、色々な事を、既に諦めているように 01:04 (misutan) 【ヴァシュカ】「綺麗だったおねえちゃんがああなっちゃって。かわいかったわたしがこうだから、ね」と、柱に縛られている長姉を、肩指し 01:06 (misutan) その断面は、綺麗ではなく。生まれつきそうであったわけではない事を物語っている 01:07 (rouge) 【エルオーネ】「つまるつまらないの問題じゃなーい、のっ。 私がお近づきになりたいって思ったから、ここにきたんだよ。」 元気付けるように、ザルヴィーラに告げていく。 少しでも、彼女の助けになれればいいなと思っての言葉。 「…おねえ…さん?」  再び、驚愕する。 …肉便器と彼女が呼ぶ女性の正体は、彼女の姉、と言う事実に。 01:07 (misutan) 柱の肉便器は。繋がれた犬のように、ふてくされたように床に寝そべり。でも、目を時折開けて、エルオーネの挙動を追い 01:08 (misutan) 【ザルヴィーラ】「ヴァシュカっ!……」咎めるように短く名を呼ぶも 01:09 (misutan) 【ヴァシュカ】「友達になりたいって言ってくれる人に、隠し事はいけないと思うのよ?」と、すぐに切り返され 01:11 (misutan) 【ザルヴィーラ】「でもっ……」エルオーネの表情に、それを聞かせて大丈夫だろうか……と迷う 01:12 (rouge) 【エルオーネ】「そっか、おねえさん…なんだ。」 姉に、妹。 ……二人がこうなってしまっている、それならば、彼女の表情は…納得が出来る事で。 でも、だからこそ、彼女が使役のたびに辛そうな表情を浮かべている理由が、わかった。 01:13 (misutan) 【ザルヴィーラ】「はい……」消え入りそうに、肩を縮こまらせて 01:17 (rouge) 【エルオーネ】「……んー……あー…」 困った。  自分が想像していた以上に、彼女を取り巻いているものは、重くて。 今、辛そうにしている彼女に、なんと声をかけていいかわからない。 …判らないから…とりあえず、立ち上がって、彼女に歩み寄ってみる。  01:17 (misutan) 【ヴァシュカ】「昔話を、聞いてくれるかな? もっとも、わたしはその中の登場人物だから、詳しい事は知らないんだけどね。お姉ちゃんも、話したがらないし」 01:18 (misutan) あれから初めて、姉の所に仕事じゃなく来てくれた他人。友達になりたいと、言ってくれた、親切そうな人を見上げて 01:20 (rouge) 【エルオーネ】「あ、うん。」 彼女の傍まで来て、口を開こうとした時に、妹が言葉をかけてくれて。 ザルヴィはどんな反応をするのだろう、と横目で見ながら。 01:20 (misutan) 【ザルヴィーラ】「そんな事……話して、どうするんです。ただ……」 01:21 (misutan) 【ヴァシュカ】「ただ、重荷を背負わせるだけ? 荷物を背負いあって、秘密を共有して、仲は深まる物だって、お姉ちゃんも言ってたでしょ?」 01:22 (misutan) 【ザルヴィーラ】「姉さんが……?」それはいったい、いつの話だろうと、壁際の物言わぬそれを見て 01:23 (rouge) 【エルオーネ】「……私さ、能天気、なんだよね、基本的に。 …笑ってられリゃー、幸せだって思ってる。 …他の人も笑ってくれると、もっと幸せ。 そもそも私は、お節介を言いに来るつもりだったんだ。 教えてくれるなら、知りたいよ。 …お節介が…焼きたいんだ。」 ザルヴィの傍に身を寄せて、囁くように…普段の彼女とは遠い、真剣な様子で、述べる。 01:25 (misutan) 【ザルヴィーラ】「私も、笑ってられるのが一番、だと思います……聞いても、どこにも笑い所なんて無い話、ですけれどね」と、あきらめたように吐息を吐いて 01:27 (rouge) 【エルオーネ】「いいよ。 …話してくれるんなら、聞くよ。」 01:29 (misutan) 【ザルヴィーラ】「昔々、人殺しの業を伝えた一族が在りました。その業は、長きに渡り、血に溶け込み、赤子ですら、その技を使い襲ってきた野犬を殺したといいます」 01:29 (misutan) 昔、妹に語って聞かせたように、姉に聞かされたように、調子をつけて 01:30 (rouge) 【エルオーネ】「……」 一言一句、聞き漏らさないように。 彼女がしてくれる話に、耳を傾ける。 01:31 (misutan) 【ザルヴィーラ】「ですが、仕えた国は滅び。一族も、千々に散りて。技も、存在も、忘れ去られた……と、思っていました」 01:31 (misutan) その日を、思い出すように、目を瞑り 01:32 (rouge) 【エルオーネ】「…ん。」 次に話される転機。  いよいよか、と、少し、身体を固くして。 01:34 (misutan) 【ザルヴィーラ】「ある日の事です、その血を引く一族の家が襲われました。何者か、はその時は分かりませんでしたが、邪神の教団の一派でありました」 01:35 (rouge) 【エルオーネ】「邪神の……」 普通に生活していては、恐らく関わる事などない存在。 だけど、その異物は、彼女らの普通に紛れ込んだのだ。 その先が、なんとなく想像できて…胸が痛む。 01:36 (misutan) 【ザルヴィーラ】「子を護ろうとした父母は殺され。姉は、妹達を護ろうと、包丁を持って踏み分け道に残り。そこで、捕まりました」 01:37 (misutan) 【ザルヴィーラ】「逃された、2人の妹達も、そう、長くは時間が稼げなかったこともあり、片方は、捕まってしまいました」 01:38 (misutan) 【ザルヴィーラ】「一番平凡だった中の娘だけが、人に紛れ、目をくらます事ができたのです」 01:39 (rouge) 【エルオーネ】「平凡、だった。」 ヴァシュカを見て。  肉便器にしせんをやって。 最後に、ザルヴィーラに視線を戻し。 呟く。 01:40 (misutan) 【ザルヴィーラ】「待ち合わせた場所に来ぬ、姉を、妹を探し。少女は冒険者となりました。たいした腕もありませんでしたが、それでも、市井に居るよりは、裏の噂も聞こえてきました」 01:42 (misutan) 【ザルヴィーラ】「幾年も、月日が経ち。もはや目的も、忘れかけていた頃の事。ひとつの噂が、耳に入ります」 01:43 (rouge) 【エルオーネ】「噂…。 それは……」 恐らくは、話のクライマックス。 小さく、促して。 01:44 (misutan) 【ザルヴィーラ】「暗殺者の噂です。床に、男を引きずり込み、無防備な所を、縊り殺す。神殿と敵対しているようで、冒険者達にも、その被害が出ていました」 01:45 (misutan) 【ザルヴィーラ】「幾人かの生き残りが居り。その暗殺者の特徴が、気をつけるようにとの言葉とともに、神殿から回ってきました」 01:47 (rouge) 【エルオーネ】「その暗殺者って……」 先に見た、俊敏な動きと、冒険で見せた動作。  …まさか、と。 肉便器のほうを、はっとした視線で。 01:49 (misutan) 【ザルヴィーラ】「その特徴が、少女の記憶と合致したのです。自分達を逃すために残った、姉の姿と」頷きながら、その視線を肯定して 01:50 (misutan) 【ザルヴィーラ】「少女は、その暗殺者の噂を追いました。冒険者仲間の力も借りて、それを、どの教団が起こしているのか調べ。その根城も知りました」 01:52 (rouge) 【エルオーネ】「……。」 彼女の辿ってきた軌跡を、思い浮かべる。 …多分、彼女もここまでになっているとは思わなくて…もう少し、希望のある展開を想像していたんだろうな、と、そう思い、改めて肉便器から視線を外し。 01:53 (misutan) 【ザルヴィーラ】「そして、調べ上げた情報を神殿に知らせ。騎士団が動くのを、待ちました。なぜなら、その少女には教団はあまりに大きくて。そして、神殿にとっては、敵を生かしておく理由が無かったのです」 01:54 (misutan) 【ザルヴィーラ】「姉を、そして、まだ生きているのならば妹を助けるには。騎士団が動くその時、しか無かったのです」 01:56 (misutan) 【ヴァシュカ】「あ〜、わたし居るかどうか分からなかったんだ」と、茶化すように 01:57 (rouge) こういうときにそんな言葉が出てくるのは強いな、と、彼女の妹のほうを向く。 とはいえ、どこまでの心境で言えているのかは、やはり想像がつかなくて。 01:59 (misutan) 【ザルヴィーラ】「その時のために覚えた転移の魔法で、混乱する邪神の拝殿を逃げ惑いながら、ようやくみつけた2人の姿。ですが、少女は最初、言葉も出せませんでした」小さく、妹に謝るように頭を下げ 02:01 (misutan) 【ザルヴィーラ】「男達の欲望を吐き出され、抵抗できぬように四肢を奪われていた置物と。それを、美味しそうに啜り。なお足りぬとばかりにこちらを向いた獣」 02:02 (rouge) 【エルオーネ】「…。」 胸が、痛い。 自分がその光景を見せられたとしたら、どうなってしまったのだろう。 彼女のように、ふさぎがちになってしまう事を、誰が責められるのだろうか。 …むしろ、彼女は強いのかもしれない。 02:03 (misutan) 【ザルヴィーラ】「数年経っていたとはいえ、見紛う筈の無い2人の顔を、心底忘れたいと……」そこで、言葉に詰まる 02:04 (misutan) 【ヴァシュカ】「話せないんだったら、わたし話せるよ? そこからは」どっちがいい? と、2人を見上げて 02:06 (rouge) 【エルオーネ】「……ザルヴィちゃん、話せる…かな? 話してくれる、かな?」 酷いことを言っているのかもしれない。 思いながらも、彼女の口から聞くべきなんだろう、と思い。 02:08 (misutan) 【ザルヴィーラ】「は……い……。とはいっても。ここからはそう、長くはありませんけれど」上を向き、鼻をすする。もっと辛かったヴァシュカが泣いていないのに、自分が泣いてはいけないと 02:09 (misutan) 【ヴァシュカ】「はい、続き続き〜」短い腕を振って、そう背中を押して 02:11 (misutan) 【ザルヴィーラ】「幸いにしてというか、不幸にしてと言うべきか。姉は、一人の人間だけに、使われていたのではありませんでした。ただ、自分を満足するまで責め抜いてくれる人の言う事を聞く。そういう風に、躾けられていました」 02:14 (rouge) 【エルオーネ】「……。」 肉便器…。姉の挙動を思い出し、それを制御しているという事は…そういうことなのか、と、むしろそれは、悲しい事だと思って。 02:15 (misutan) 【ザルヴィーラ】「そこにあった、走り書きから、それを知った私は。そこにあった器具でその……主と認められるようにした後。妹を連れて、宿まで跳びました」と、その時の事を思い出し他のか。かなり恥ずかしそうに、つっかえながら 02:17 (rouge) 【エルオーネ】「…そっか。」 恥ずかしがるところは、やはり少女なんだな、と思いながら。 それをからかう気にはならず、むしろよかったかな、と感じて、続きを聞く。 02:18 (misutan) 【ザルヴィーラ】「もう、そこには用はありませんでしたから。とは言え、姉は、手配も出され。街に居る事は、もうできません。だから、神殿も無い開拓地を目指す船に乗ったんです。まさか、こうやって難破する、なんて思いませんでしたけれど」 02:20 (misutan) 【ザルヴィーラ】「でも、捕まっても。帝国に残っていた方が良かったかもしれない、と少し後悔しました。ここでは、姉も、妹も、治療することはできない。余裕も人員も無いって」 02:21 (rouge) 【エルオーネ】「…大変、だものね。 いまのわたしたち。」 そこには、静かに同意をしつつも。 同意してしまう事には煮え切らなさを感じ。 02:23 (misutan) 【ザルヴィーラ】「それでも生きていかなくてはなりませんから。働かない人を養っていけるほど、余裕が無い事も分かっています。私が、3人分は働かないと……」2人を、交互に見て 02:25 (misutan) 【ヴァシュカ】「養ってもらうだけってのも、案外気疲れするものなんだけどね。養う方は、もっと大変だと思うから」と、エルオーネを見上げ 02:25 (rouge) 【エルオーネ】「…じゃあ、これからは一人で二人分、って計算、かな。 そこまで言っちゃうのはおこがましいけれど…私、できることなら、手伝いたい、って、思うよ?」 02:26 (misutan) 【ヴァシュカ】「だから、これ聞いて。同情しないでいられるんなら、友達になってくれるかな? お姉ちゃんの」 02:27 (misutan) 【ザルヴィーラ】「そんな……それこそ、エルオーネさんに悪いですし……ヴァシュカ?」 02:27 (misutan) エルオーネの申し出に、遠慮してる最中に、ヴァシュカの言葉に、目を見開いて 02:30 (rouge) 【エルオーネ】「んー、まあ、同情がないって言ったら、嘘になっちゃうよ。」 ヴァシュカの言葉の調子に会わせる様にして…しだいに、何時もの自分のペースに喋り方を戻しながら、答えていく。 「でもね…なんてゆーか…うん、上手くいえないんだけどさ。…感心、したかな。」 02:31 (misutan) 【ザルヴィーラ】「妹が変な事を言って済みません……感心、ですか?」何が、だろう? 妹といい、エルオーネさんといい、よく分からない事ばかり 02:33 (misutan) 【ヴァシュカ】「同情でなるのは友達じゃない、からね〜。うんうん、エルオーネさん、よく分かってるぅ♪」 02:34 (misutan) 嬉しそうに、まじめに考える。いや、真面目に考えてくれた。そうじゃなくても、真面目に考えようとしてくれた。言葉より、ずっと真摯な人を見て 02:35 (rouge) 【エルオーネ】「心うたれた…ううん、いやー…なんか違うな、やっぱ言い表せないんだけど…うん。 …頑張って、生きてるんだなって。」 確かに、彼女の生は、辛いことだらけだ。 投げ出したっていい物だって、沢山背負っている。 それでも、全部抱えて…挙句の果てにこんなところまで来てしまうのは。 やはり、逃げてはいないからなのだと。 02:37 (misutan) 【ザルヴィーラ】「そんな、大層な物じゃないですよ、私……」思いもかけない、賞賛の言葉に、照れて、俯き 02:39 (misutan) 【ヴァシュカ】「そういうエルオーネさんはどうなのさ? 聞かせてよ、聞いてばかりじゃ不公平、でしょ?」にかっと、笑って 02:39 (rouge) 【エルオーネ】「だから、私はそんな素敵なザルヴィと、お友達になりたいんだ。 勿論、ヴァシュカちゃんともね。 ……駄目かな?」 02:41 (misutan) 【ザルヴィーラ】「素敵って……」課アット、顔を赤くする。賞賛の言葉を恐れていた事すら、忘れてしまって 02:44 (rouge) 【エルオーネ】「お、赤くなってる。赤くなってるぞー。 ま、返事はどうあれ、私の中じゃあもう如何しようか、なんて決まってるんだけどね。」 二人に向けて、胸をそらして。  02:46 (misutan) 【ヴァシュカ】「それじゃ、めでたしめでたしって事で」と、大欠伸をして、毛布をかぶり 02:47 (misutan) 【ザルヴィーラ】「あ……ヴァシュカ……ちょっと……」眠ろうとする妹に、取り残されたような気分になるも。無理に起こせず 02:48 (rouge) 【エルオーネ】「お、寝るの? 寝ちゃうの?  これからこのエルオーネさんが何故この孤島にやってきたか!そんな超すぺくたる巨編が始まるって言うのにー!」 02:50 (misutan) 【ヴァシュカ】「くぅ〜すぴぃ〜ん〜、また今度〜」と、わざとらしい寝息と寝言 02:50 (rouge) 困る少女を、狼狽する少女を見るのはやはりどこか楽しくて。 02:52 (rouge) 【エルオーネ】「んむむ、そりゃ残念。  …あ、そだ、ザルヴィ。 一つ質問、いい?」 02:52 (misutan) 【ザルヴィーラ】「あぅ……何がおかしいんですかぁ……」少し恨めしげに、笑顔を見上げ 02:52 (misutan) 【ザルヴィーラ】「はい?」質問、なんだろう? 02:53 (rouge) 【エルオーネ】「お姉さんの名前、教えてもらえるかな?」 02:57 (misutan) 【ザルヴィーラ】「姉ですか? 名前は……ディエッタです。もう、そう呼んでも答えてはくれませんけれど」と、壁際の、姉に意識を引き戻され 03:00 (rouge) 【エルオーネ】「じゃ、今度は、ザルヴィと、ヴァシュカと、ディエッタに、このエルオーネさんの冒険譚を聞かせてあげないとね。」 うんうん、と、3人を交互に眺めて、何処か満足したように。 暫く、間を空けて。 ポツリと呟く。 「……届くよ。」 03:03 (rouge) 【エルオーネ】「ザルヴィは、ちゃんとディエッタと向き合ってる。 未来だって、ある。 この島だって、いつか抜けられる。 まだ、色んなところにいける。 だから、届くよ。」 小さいけれど、はっきりとした言葉。 理想だけを述べた言葉。 だけど、力強く。 03:03 (misutan) 【ザルヴィーラ】「それは、ヴァシュカもきっと楽しみにしてますよ」姉には届かないと思っていても、それを口には出さずに「え?」だから、その後の言葉は、苦しかった。希望を持ち続けても苦しいだけなのに 03:04 (misutan) 私だけじゃなく。エルオーネさんにも、それを感じさせてしまうのだろうか? 回しても回しても、前に進まぬ、鼠車の絶望を 03:07 (rouge) 【エルオーネ】「…届くよ。」 何の根拠も無いけれど、掠れた声で、一言。 「一人増えたら、違うかもしれないじゃん?」  03:11 (misutan) 【ザルヴィーラ】「っ!」届かない。1人増えたくらいでどうにかなるのなら、何で今まで、何も変る事がなかった。そんな想いを、思わずぶつけそうになる 03:15 (misutan) 【ザルヴィーラ】「そうですね……一人増えたら違うかもしれない、ですね」思わず立ち上がり……でも、そこまで。本当に怒っているものは違うものだって、分かってる。でも、反対の意味をこめた台詞は、口から毀れて 03:15 (rouge) 【エルオーネ】「…そりゃ、割と理想論いってる自覚はあるよー。」 激昂しかかった、その言葉を感じ。 近くによって…優しく、その背を抱こうと。 「でも、ザルヴィは逃げずにここまで北じゃない。」 03:18 (misutan) 【ザルヴィーラ】「負い目、ですよ。単なる……私だけ、いまだ無事なまま、ですから」首だけ振り向かせ、少し年上の少女を見上げ 03:20 (rouge) 【エルオーネ】「そっかな。 負い目とかそういうのだけじゃ、あたしはやってけないと思うな。」 03:22 (misutan) 【ザルヴィーラ】「それだけじゃないですよ。私にとっても、ヴァシュカにとっても。この世にたった2人残った、家族ですから……」 03:24 (rouge) 【エルオーネ】「ならさ、やっぱり、尚更幸せにならないと。」近づき、肩を抱いて。 「……すっごい陳腐な台詞吐くよ。」 03:26 (misutan) 【ザルヴィーラ】「幸せ、ですか……」それは、何年も前に、この手から零れ落ちたもの。手のひらを胸の前に広げ。じっと、視線を落として 03:27 (rouge) 【エルオーネ】「願うなら、かなうよ、ってね。」  それは、本当は真実ではないけれど。 それでも、それを信じるのであれば…多分、力になってくれる。 良い結果を夢見て動く事は…あがく事は、決して、間違っていないはずだと思っているから。 03:30 (misutan) 【ザルヴィーラ】「叶って……欲しいです」両手を胸に当て、願いを抱きしめる。叶わぬと、とうに諦め。そして諦め切れぬそれを 03:33 (rouge) 【エルオーネ】「ん………」 彼女の願いを肯定しながら、そっと、その背を抱きしめる。 少しでも、彼女が安らげるように。  03:36 (misutan) その願いが、叶う日が来るのか。それは誰にも、知る事はできなくて 03:37 (misutan) それでも、少女たちは願う。願っても叶うとは限らないが、願わなければ、叶う事は無いのだから 03:37 (misutan) それを知ってか知らずか、心を合わせ