14:39       カナンの事件が一応の終幕を終えた日の夜、未だに修復工事の終えていない街を離れ、ライン神殿で治療を受けたショート。 14:41       未だに怪我は完治には遠く、暫くの安静の期間を経て――面会が可能になって見舞いの応対さえ出来るようになった。 14:42       時間はもう夜に差し掛かろうと言う時間帯、見舞いの果物を眺めて少しだけ息を吐きながら…再び窓の外を眺める少女が1人。 14:42   14:44【ショート】「やっぱり、あんな事件があったせいかな――気持ち、落ち着けてない、のかも……」窓の外を眺める、もう殆ど外は夜の景色になっており――溜息さえついて。 14:48       その溜息をつき終え…窓の外に目をやったとき。扉が小さくノックされる――ノックの音と共に聞こえるのは、微かな声「ショート…。おき、てる…?」 14:48【ショート】「まあ、仕方ないよね――怪我をまずは、直さなきゃ――」髪を掻く仕草、けれど…普段の背中に届くような程の長さはなく、肩程で…何処か落ち着かない様子で。 14:50【ショート】「――ん、起きてる…入っておいでよ」聞こえてきた声に、少し驚き…目を閉じると静かに言葉を紡いで「――居るんでしょ、フィア」 14:51       その声が終わり、ゆっくりと扉のノブが回る。逡巡か…幾度か、その回転が止まるも――扉を開き、姿を見せたのは銀髪の少女。あの時と同じ服のまま… 14:52 【フィア】「…ショート――」部屋に入るなり、俯いてしまって…言葉を止めてしまう。ドアの傍から、一歩…踏み出すことが出来ずに。 14:55【ショート】「ん、ほら…おいで、よ…っ、つ――」まだ着替える程に、此方も余裕はなかったのか…と視線を向けながら、けれど…静かに微笑んで、手を伸ばす――が、背中の引きつる痛みに眉をひそめ。 14:57 【フィア】「……! ショート――」上がる微かな痛みの声に、びくりと身体を震わせる――上げた表情には、泣き腫らした跡。一歩、足を出してしまった後…また、俯いてしまって 14:58【ショート】「――っ、もう…なんて顔してるのさ、着替えもしないで…お見舞いに来るなら、綺麗な衣装でピンクのリボンでも巻いてきてくれた方が、嬉しかったりするよ?」 14:59       冗談っぽく笑いながら、ベッドから身体を起こし…フィアに近づく、拒否されなければ抱きしめようとするように――指先を伸ばし、背中に廻そうとして。 15:02 【フィア】「だって――私の、せいで……っ…」抱き締められた瞬間、身体が強張る。離れようと身体を動かそうとして――無理やりそれを押さえ込む。          今そんなことをしたら、痛い思いをするのは彼女だから。「…髪だって…焼けて――」泣きそうな声で、憔悴しきった表情で…彼女を見上げる。 15:06【ショート】「――私のせい?」その言葉に疑問を持つように、首を傾げて…抵抗しないのを見て、抱きしめ、少しだけ力を入れて――背中から、髪へと手を伸ばして撫でて          「フィアのせいじゃ、無いよ――私達が魔器に関わっている以上、あの人はきっと私達と対立してただろうから」撫でながら、見上げるその瞳を見つめて――細めた紅瞳、頬に口付けさえして。 15:11 【フィア】「それでも…それでも――あの時、私がちゃんとしてれば…ショートの身体も、髪も…傷つかなくって――済んだのに…」小さく身体が震え、蒼の瞳には涙が溜まる。          「だから…私の、せいだよ――っ」こぼれる涙。頬を伝い… 15:17【ショート】「――馬鹿な事言わないで?…私は私の仕事をした上で傷付いただけ、だよ…これが、私の役割だからさ――怪我をしたぐらいで、自分を責めないで」          抱きしめ、頬を伝う涙を指先で拭いながら…少し怒ったように、そして微笑んで「――なんて、言っても今は辛いだけ、かもね…ほら、ベッドの方に行こっか、この体勢だと厳しいし」          苦笑しながら、フィアを撫でて…身体を離しながらベッドの方に視線を向けて。 15:21 【フィア】「……うん…」小さく、頷いて…ショートを支えつつベッドの方へ向かう。          頷いた声は、どこに反応してあげたものか――彼女をベッドに寝かせ、自分は置いてある小さな椅子へ座る。俯いたまま…言葉を発することが出来ずにいて。 15:26【ショート】「にしても、アイン、だっけ…フィアの事、よく知ってるみたいだったね――どう言う人、なのかとか…聞いても、大丈夫?」寝かされて、椅子に座る。          距離が離れた事に、少しだけ寂しそうな顔をしながら…苦笑して「言わなくてもいいんだよ、お互いに過去の事は――自分が言いたくなるまで、言わないって事にしてたし、さ。」 15:31 【フィア】「……ううん、全部は言えるかわからないけど…もう、私の過去は…すぐそこにあるから」ふるふる、と首を振る。涙を拭いて、ショートの方を見つめ          「アインは…私と一緒。部族の中で…依頼を受け、相手を消す――その役を、負ってた一人」ぽつり、ぽつりと喋る。 15:41【ショート】「成る程ね、フィアと幾つか似た外見特徴も、やっぱり…それで、なのかな――」あの時の相手を思い出しながら、呟いて…まだ涙するその顔に、静かに微笑みかけながら          「――ん、全部言わなくても、いいんだ――よ、フィアが話したいだけ、話せばいいんだから…さ」諭すような声で語りかける、目を閉じて…聞く事だけに集中しながら 15:45 【フィア】「…うん――私とアインは、姉妹みたいなものだから…。似てるんだと、思う…でも…。逃げ出して、あんな形で会うなんて…思わなかった」自らの手を強く握る。          ショートを傷つけたアインへの怒りか、自分の不甲斐なさか…目を伏せ、爪が肌を破るほどに――強く。 15:48【ショート】「そっか……出来れば逃げ出したい過去、だったみたいだね――でも、相手の方からやってきた、んだ…」その様子を少しだけ目を開いて眺めて――フィアを呼ぶように、手を伸ばし…前で揺らす。          「……フィア、おいでよ――そんな所に座らずにさ、もう少し側に、居て?」 15:53 【フィア】「…ショート。私の、願った夢って…所詮、夢だったのかな…」伸ばされる手、目の前で…その手に、おずおずと…怯えながら、手を伸ばす。触れ合うか、触れ合わないかの距離でそれが止まり 「…私が、傍に居ると――また、ショートが…傷、つく…私の傍に居ると…アインに、狙われる――」 15:57【ショート】「夢は願わなきゃ叶わない、夢は向かい合ってなきゃ夢じゃない…その先は苦しいかも、だけどね…」触れる直前まで寄せられた掌を掴んで、痛みも構わず引き寄せて――抱きしめる          「フィアはもう諦めるの?――私はフィアが居なくなったら其方がどう思ってても追いかけるよ、フィアは…私が居なくなったら、どうする?」 16:04 【フィア】「っ…!?」いきなり引き寄せられ…身体を抱かれる。抵抗しようとしても…出来ずに「…私の夢は…多くの屍の上にしか成り立てないって――私の夢は所詮…私が願っちゃいけない夢…」 自然と涙が溢れる、感情をどこで吐き出したらいいのかわからず…それが、ただ涙となって――          「離れるのは…いや。けど…傷つくのもいや…」そんなものは矛盾した答えだと、ありえないだと…どこかで自分の意思が叫ぶ、それでも今は――そうとしか答えられなくて。 16:14【ショート】「――もう、馬鹿なんだから…そんな吹き込まれた言葉に惑わされて、さ…フィアが夢を見ない、願わないでいれば皆が幸せになれるって、でも言うつもり?」          「――だから、フィアは馬鹿、だってのさ…私の夢はフィアの夢と一緒にあるんだよ、勝手に棄てないで。」溜息をついて、その額に指先をこつんと宛てて…少しだけ不満そうに呟き          「どっちも嫌と言うなら、こっちが決めさせて貰うよ――離さない、だから離れないで、二人で進んでいこうよ、嫌と言っても私って結構我が儘だから…さ?」 16:23 【フィア】「…ショート……」涙を溜めた瞳で、彼女を見上げる――身体は傷ついていても、とても…自分より強く、眩しく見えて――          「…うん――私、すぐは立ち直れない、けど…頑張る、から」涙声のまま、抱き返し。 16:29【ショート】「分かったよ、うん――」ぎゅっと抱きしめたまま、顔を上げさせ…涙を唇で触れ、拭いながら暫くそのままにして          「――ええと、さ…フィア、少しだけお願いがあるんだけど…いい、かな――」微笑んで、髪を撫でながら…頬に口付けをする、落ち着かせるように…背中を何度もさすりながら 16:32 【フィア】「…ごめん、ね――」抱かれたまま、小さく笑顔を作り…笑う。まだ、身体を預けたままで…          「お願い……? どんな、こと――?」優しく撫でられ、少しは落ち着いたのか…声色にも普段の調子が微かに戻って。 16:35【ショート】「まずは身綺麗にして、着替えてきて?――ああ、パジャマ忘れちゃ駄目だよ、その間に担当してる待祭さんに泊まりの許可貰っておくから…なんて、駄目かな?」悪戯めいた表情…普段通りの軽めの声音で 「だってさ、フィアが一緒じゃないせいか、布団は広いし抱き枕はないし…寝にくくて、このままじゃ睡眠不足になっても知らないから…っ」 16:40 【フィア】「…あ、ぅ。うん……わかった――着替えて、また…後で、来る」憔悴した表情は流石に隠しきれないものの、笑って…頷く。 「……それは、ショートがいつも私のこと抱き枕にしてるから――」少しだけ、その悪戯めいた言葉に反論を返して。 16:43【ショート】「うん、楽しみにしてるねー…」頷き、微笑み返して――何処か、優しい目つきになり「――あ、酷い…まるで、それじゃフィアが一緒じゃないと、眠れないみたいじゃない…っ」 16:48 【フィア】「…ん――違うの?」くすりと、笑って「それじゃ、準備しに行ってくるから」少しだけ名残惜しそうに身体を離す。扉の方へ戻りながら 「ショート、早く髪伸ばして――ね。ショートの髪、好きだから」振り返りつつ 16:51【ショート】「――うう、フィアが苛める、う…っ」困ったような顔を作り、泣き真似をしながら「ああ――うん、行ってらっしゃい、知らない人に付いていっちゃ駄目だからねー…なんて」 手を振りながら、くすくすと笑い…髪に触れて「そんな事言うと、伸びたときに髪弄り手伝って貰うからね…覚悟してて?」 16:54 【フィア】「ついていっちゃ駄目とか、そんな子供じゃないよ――うん…やっぱり、長い髪で居て欲しいもん。私の我侭だけど」扉を開き、もう一度笑顔を見せて…扉を閉じる。 17:03【ショート】「さて、と――」出て行ったフィアを見送り、息を吐いて…先程よりも安らかな顔で「まずは、怪我を治して――フィアに心配掛けちゃ、いけない――ね」 17:04 其れだけ言い終えると、自然治癒を早めるためにも…再び、軽く微睡みの中に消える、傷が癒えた後、また次の一歩を踏み勧める為に 14:53【ショート】「……ん、フィア…お早う、かな。」抱きしめたまま、お早うのキスを額に施し…微笑む、擦り寄り首元に吐息を感じるほどに抱きしめ 14:54 【フィア】「…ふぁ…うん。おはよう――」寝不足がたたってか、まだ眠そうな表情のまま。抱きしめられ、微かに身体が震えて 15:37【ショート】「――寝てなかった、のかな…やっぱり、気持ちよさそうに寝てたね…ふふ、フィアと一緒に寝ると、良い朝だなー…なんて、思えてさ。」 15:37 【フィア】「…んぅ…?」うとうとしていたのか、とろんとした瞳でショートを見つめて。また、こてんと意識が落ちる。 15:39【ショート】「……こうやって、一緒に居る時間を護りたいから、やっぱり――逃げるなんて、出来ないよ…フィアが一緒にいる限り、まだまだ、ね――」 15:39 静かに撫で上げながら、目を細めて…その頬に、更に口付けをして 15:41 すやすや、と静かな寝息を立て…ショートの傍で眠る。口付けられたとき、小さく笑ったように見えた。