あの日の一件から、二人でベースの中を軽く散歩するのが日課になった。ルフト様は、笑顔を良く見せてくれるようになったし…自分も今までより笑うようになったのではないかと思う。 これも、ある意味ザッシュのおかげなのかもしれない、と思ってしまうと――不穏当ではあるが、感謝してしまうかもしれなくて。 そして、今日も…仕事を早めに終えて、二人で出かける。出かけると言っても…安全が保障された場所のみ。それでも、二人きりになれる静かな場所はあるから。 【ジーク】「ルフト様、今日はどちらへ参られますか…?」いつもの通り、簡単な食べ物をバスケットに詰め…主が傍へ寄る。 あの時以来日課になった散歩… 手を繋ぐだけの時もあれば人目を避けて口付けを交わす事も有る ただなんとなく傍に居るのが今までより心地よくて…自然と力の抜けた笑みが増えたような気がする 【ルフト】「これもジークのお陰ですね」なんの気なしに呟いてから 【ルフト】「そうですね、今日は…」軽く目を細めジークの手を取り 【ルフト】「少し、落ち着いて話のできる場所に行きましょうか」 【ジーク】「…私のおかげ、ですか…?」じ、とルフトのほうを見て、小さく笑う。「あ……」手を取られ、うっすら頬を染める。慣れなければいけないと思うも、まだ…慣れることはできず。「…はい、わかりました」そのまま、手を引かれ…ついていって。 【ルフト】「此処ならいいですね」しばらく歩き平原の少し小高い場所に移動する…涼しげな風が二人を撫でる 【ルフト】「さて…と…」 【ジーク】「ええ、そうですね――風が心地良いです。とても…」バスケットを傍に置き、髪を撫でていく風を感じつつ… 【ルフト】「その心地よさもジークが居るから余計になのでしょうが……前にお尋ねしたお願いは決まりませんか?」置かれたバスケットの横に腰を下ろし 【ジーク】「…いいえ、私のお願いは前にも言ったとおり――ルフト様のお傍に居られること。それだけで…充分なのです。」同じように腰を下ろし…そっと、ルフトのほうへ身体を寄せる。 【ルフト】「残念です、出きる事であれば目に見える形で何か叶えたかったのですが」寄せられた身体をそっと自分の方に傾けるように手を回し 【ルフト】「良い匂いがしますね…ジークは」ジークの髪を撫でるように触る 【ジーク】「ルフト様…ぁ――」身体に手を回され、髪に触れられ…目を閉じる。心地いい暖かさが、身体を包んで…ルフトの肩に、頭を乗せ 【ルフト】「……最初の時も思いましたがジークは随分と髪を触られるのが……」その市草一つにドクと鼓動は高鳴り…それが更にジークの髪を触りだそうと心を動かす時に梳くように時に口付け 【ジーク】「髪が、ではありません…ルフトに触れられている、と思うと――駄目なのです…」髪を梳かれ、身体の力を抜いて…ルフトに寄りかかる。口付けられ、頬をうっすらと染めたまま… 【ルフト】「それは光栄ですジーク…」その貌に男としての衝動は高まるのだが…誤魔化す様にそのまま吐息が触れ合う距離まで顔を寄せ 【ジーク】「あ……、ルフト…」吐息が触れ合う距離まで、互いの顔が寄る。心臓が高鳴り… 【ルフト】「……ですから僕もジークがこんなにも愛しいのですね」心を寄せるように身体を寄せて心を伝えるように頬に手を当て、愛を語るようにジークを唇を奪う 【ジーク】「んっ…ん――」重なる唇。身体の奥からじわり、と熱くなるような感覚…眉根が下がり、身体の力がさらに抜けて―― 【ルフト】「ジーク…ちゅ…」何時もより少しだけ激しいそれはジークの唇を越えて歯茎を撫でるように侵入していき…力の抜けた身体を絡まったまま草原に預けるように寝そべらせ 【ジーク】「ん、ぁ…んぅっ…」進入してくる舌を受け止め、自らも絡めつつ…とさり、と自分の身体が草原に寝そべらされたのに気づく。微かな青臭い匂いを感じ取りつつ、なすがままにされて 【ルフト】「如何したんでしょう、今日は……少し歯止めが…」何度も何度も舌を絡めてから唇を離す…唾液が二人の間に橋をかけ… 【ジーク】「ぁ…はぁ、はぁ…」とくん、とくんと高鳴る鼓動。「ルフト様…私は、構いません――貴方になら…私は――」それ以上は、流石に恥ずかしくて…言えない。頬を染めたまま、身体を起こし…もう一度、ルフトへと身体を預けて 【ルフト】「……確かに僕は心も身体も…ジークを求めては居ますが……」預けられる身体を抱き締める高まる鼓動がどちらの物か判らない位に密着し… 【ルフト】「このような場所で……その、誰かにジークを見られたくはありません」それは静かで激しい独占欲 【ジーク】「…ん。ルフト…様…」少しだけ熱の篭る吐息。その表情はいつもと違って…「それは…私も、です。出来れば…ルフト以外には――」 【ルフト】「……ジークでは…君の部屋に御邪魔させてもらって良いですか…?」耳に吐息が掛かる距離でそう尋ね… 【ジーク】「……あ、はぃ――」どきりと、心臓が一際高くなる。耳に吐息がかかるたび…身体がぞわり、と… 【ルフト】「いつ…にしましょうか?」もうジークの顔を満足に見れないほど顔は火照り 【ジーク】「…ルフト様に、お任せします――私は、いつでも…」俯いたまま、ルフトの手を握り 【ルフト】「では今晩君を……」手を痛いほど握り返し緊張からかごくりと流石に息を飲み 【ルフト】「奪いに行きます……」 【ジーク】「…ぁ――はい…。ルフト様――」目を閉じながら、その言葉を心に刻んで 【ルフト】「ルフトですジーク…」約束を交わすように再度口付けし 【ジーク】「はい、ルフト…ん――」口付けを、こちらからも… 【ルフト】「……ふう……」 【ルフト】「もう少しこうしてましょうか……」唯抱き合うように寝転び 【ジーク】「…はい」ルフトの体温が、とても心地よくて。そっと、寄り添い…そのまま目を閉じた。 【ルフト】「……」そのままジークを寝付かせるような軽さで撫でつつ。この手の中の温もりを護りたいと…再び心に刻む