2007/08/11  23:56:41 misuta【少女】「うんしょ」手を、延ばす。だが、届かない。
　　　　　　　　　　　　　 【少女】「もうちょっと〜」爪先立ちになって、ほんの少しだけ、指先がそれに近付く。だが、まだ、届かない。
　　　　　　　　　　　　　 【少女】「これでっ　どうだ〜っ！」痺れを切らしたのか、足場を蹴って飛びつく。指先に確かな感触。にっと、満足げに顔がほころぶ。 
2007/08/11  23:56:55 misuta　けれど がらり 足場が、落下で増えた重さに耐えかね崩れる。
　　　　　　　　　　　　　 【少女】「きゃあっ！？」慌てて、つる草を掴む。手のひらに、鋭い痛みが走るが。落ちてしまうよりは、随分とマシだ。  
2007/08/11  23:57:08 misuta　足場だった石が、からころと音を立てて、落ちてゆく。眼下の森へ。その合間に見える家々。いや、村へ向かって。
　　　　　　　　　　　　　 【少女】「誰かに当たってませんように」少女は祈ると。手の中の宝物を落とさないように、そろそろと、山を下り始めた。
2007/08/12  0:00:55 torazou 着慣れない服を着る……お母さんが若い頃に着ていた服を直してくれた服を 
2007/08/12  0:01:25 torazou お母さんの故郷はこの村と比べると随分と都会だったそうだが……この村から出たことのない私には想像が付かない 
2007/08/12  0:02:19 torazou だからこの服も古いものだそうだけど……村の子が着てるどの服より輝いて見えた 
2007/08/12  0:02:58 torazou 【クロエ】「あの子、何所に行ったんだろう？」 
2007/08/12  0:04:26 torazou 私以上に私がこの服をもらえる事を楽しみにしていた妹の姿が朝から見えない…元気な子だから何処かで遊んでるのかなとは思うけど・・・ 
2007/08/12  0:06:14 torazou 妹に見せたくてうずうずする気持ちは足を動かし探すように家を出る 
2007/08/12  0:07:37 misuta　途端。獣のように俊敏に、何かが家の陰から飛び出してくる 
2007/08/12  0:07:53 misuta　弾丸のように、一直線に 
2007/08/12  0:09:26 torazou 【クロエ】「えっ！？」浮かれすぎていたのかその気配に気が付いた時には既に手遅れで 
2007/08/12  0:09:43 misuta【メーヴェ】「お姉ちゃん、お誕生日おめでとうっ！」ぼふっと。遠慮会釈も無い体当たり 
2007/08/12  0:10:13 misuta　どこで遊んできたのか、ぶつかった瞬間。土埃と、土の匂いが広がる 
2007/08/12  0:11:29 torazou 【クロエ】「きゃあっ！？・・・もう、メーヴェ驚かせないでよ」体当たりに軽くよろめくが最愛の妹をしっかり抱き締め 
2007/08/12  0:13:19 torazou 【クロエ】「ありがとうメーヴェ。ほらお母さんの服…貰っちゃった」妹をから手を離して燕のようにくるりとその場で回る 
2007/08/12  0:14:26 misuta【メーヴェ】「きゃ〜！　すてきぃ〜っ！　お姫様みたい？」いや、こんな片田舎で、お姫様なんて、おとぎ話の中でしか知らないのだが 
2007/08/12  0:16:34 torazou 【クロエ】「それじゃあきっとメーヴェももう少し大きくなったらお姫様だね」その言葉に心底嬉しそうに笑って 
2007/08/12  0:19:32 misuta【メーヴェ】「ちっちっち、お姫様にはひとつ足りないものがありまぁす」姉の背に回ると、とりゃっと掛け声とともに飛び上がり。頭の上に、和上の何かを載せる。土の香り……いや、草の香りと、花の香りが強くなる 
2007/08/12  0:26:38 torazou 【クロエ】「だって私の自慢の妹…メーヴェ？」確かめるように頭に手をやる……匂うのは自分が大好きだと言った花とそしてお日様の匂い 
2007/08/12  0:29:03 torazou 【クロエ】「あのね、メーヴェ……」この村の子が良く作る花の冠……でもその大きさは普段作るそれより立派で 
2007/08/12  0:29:45 misuta【メーヴェ】「この花。お姉ちゃん好きだったでしょ？」クロエの好きな野の花を編み上げた王冠。正面には、ここでも珍しい。山でしか取れない紅色の、可憐な花をあしらって 
2007/08/12  0:30:58 misuta【メーヴェ】「なぁに？　お姉ちゃん」右手を後ろ手に、姉の顔を見上げて 
2007/08/12  0:33:14 torazou 【クロエ】「大好きだけど、この花が咲いてる場所は一人で行っちゃ駄目よ。この花なんかよりずっとずっとメーヴェの方が大事なんだから」それでも嬉しさが勝りメーヴェを抱き締める 
2007/08/12  0:35:42 misuta【メーヴェ】「え〜っ。だってぇ、お母さんの服に勝てるものなんか、わたし持って無いんだもん」抱き締められながらも、ちろりと舌を出し 
2007/08/12  0:38:41 torazou 【クロエ】「メーヴェの可愛い顔とその気持ちだけで充分よ」その仕草にクスクスと笑みが零れ 
2007/08/12  0:40:35 misuta【メーヴェ】「私も、大きくなったら……お姉ちゃんみたいに奇麗になれるかな？」泥だらけの左手をその頬に伸ばそうとして、慌てて服の胸で払って 
2007/08/12  0:47:30 torazou 【クロエ】「私より綺麗になれるわよ、私とお母さんの愛情たっぷりで育ってるんだから。でもその為には悪戯ばかりは駄目よ」その様子にやっぱり自慢の妹は良い子だと安心するかのように 
2007/08/12  0:49:45 misuta【メーヴェ】「ほんとうっ！？」両手を、胸の前で組んで、きらきら期待に満ちた瞳で見上げる。でも、その右の手は、傷だらけで。固まった赤い物すら見えて 
2007/08/12  0:53:41 torazou 【クロエ】「本当よ、私はメーヴェに嘘なんてついた事ないわ。……もう、そんなに擦り傷ばかり作って、待ってて」そう言うと濡らした布を取りに戻り優しくメーヴェの手を拭いてやる 
2007/08/12  0:55:55 misuta【メーヴェ】「あっ、やばっ！？」慌てて右手を隠そうとするものの、時既に遅く。横一筋に走った、火傷と、裂けた掌をクロエに預け、ばつが悪そうにそっぽを向いて 
2007/08/12  0:57:24 torazou 【クロエ】「どうしたのこの怪我はお姉ちゃんに言えない事？」その火傷の痕に物問いたげな視線を向け 
2007/08/12  0:58:57 misuta【メーヴェ】「あ〜、う゛〜、あ〜……落ちかけちゃった」目線を泳がせた後。誤魔化すように、てへりと舌を出し 
2007/08/12  1:02:00 torazou 【クロエ】「他に怪我はないの？」 
2007/08/12  1:03:57 torazou じーっと妹の顔を見つめる 
2007/08/12  1:03:58 misuta【メーヴェ】「あ、それは平気〜。そもそも、こんな晴れの日に心配させるつもりなんて無かったし」姉の服を、ピロリと詰まんで 
2007/08/12  1:05:28 torazou 【クロエ】「そう、じゃあ……」一寸怒ったような顔を見せて 
2007/08/12  1:05:56 misuta【メーヴェ】「きゅう」首をすくませ、雷に備え 
2007/08/12  1:07:57 torazou 【クロエ】「プレゼントありがとうメーヴェ。でももうこんなことしちゃ駄目よ」一番最初の仕返しだとばかりに優しく抱き締め 
2007/08/12  1:10:19 misuta【メーヴェ】「えっ！？……うんっ！！」予想外の攻撃に、目を白黒させ。甘えるように、頬をこすりつけ 
2007/08/12  1:14:25 torazou 【クロエ】「何時も返事だけは良いんだから…さっ帰ろう、お母さんにもメーヴェのプレゼント見て貰わなきゃ」優しげに頭を撫でながら 
2007/08/12  1:15:42 misuta【メーヴェ】「あ、お父さんとお母さんには内緒ね？　ね？」優しさのついでに、都合のいいお願いをしつつ 
2007/08/12  1:16:56 torazou 【クロエ】「うん、じゃあ二人だけの秘密ね」仕方ないなーと笑って 
2007/08/12  1:18:49 misuta【メーヴェ】「わ〜い、お姉ちゃん、大好き♪」と、弾むような足取りで姉の手を引いて 
2007/08/12  1:21:41 torazou 【クロエ】「ああっ待って、そんなに急がなくても」メーヴェに急かされる様に手を繋いだまま家へと帰る 
2007/08/12  1:23:09 misuta【メーヴェ】「だって、しおれちゃう前に見せたいんだもんっ♪」 
2007/08/12  1:24:25 torazou 【クロエ】「はいはい、ご馳走も逃げないわよ♪」 
2007/08/12  1:26:09 torazou ―――何時までも続けばいいと思っていた妹との他愛のない会話 
2007/08/12  1:26:52 torazou この私は笑って明日を夢見てるけど――― 
2007/08/12  1:28:01 torazou いまの私は知っている―――その明日がどんな物か 
2007/08/12  1:29:41 torazou ―――だからこれは罰なのだ、唯一人生き残ってしまった私への 
2007/08/12  1:32:07 torazou これを夢だと意識した私の心が再び塗り潰されていく―――この先にある次の罰を求めて 
2007/08/12  1:33:42 torazou ああでもやだなぁ……次はきっと…